12/15韓国[PRESSIANインタビュー]“福島の核災害、4~5年後には・・・”‘熊取の六人’原子力専門家・今中哲二

柴野貞夫時事問題研究所さんのところでみつけました。
http://vpack.shibano-jijiken.com/SEKAI%20O%20MIRU%20SEKAI%20NO%20SHINBUN%20317.html

(韓国ネットニュース・PRESSIAN-社会ニュース 2011年12月15日付 )
http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=60111214180259&section=03

“福島の核災害、4~5年後には・・・”

 [PRESSIANインタビュー]‘熊取の六人’原子力専門家・今中哲二     チェ・ウンファ記者

 

「現在、日本が推進する高速増殖炉、再処理、濃縮ウラニューム製造など、この三つの技術は、核武器を作るための技術だ。

501ベクレルであれば、501ベクレルの危険性があり、10ベクレルであればそれだけの危険がある。即ち、安全だ、危険だと言うのは、基準として線を引く事が不可能だ。」(本文より―訳者)

imanaka_kankoku<写真PRESSIAN>今中哲二 京都大学熊取原子炉実験所助教

<インタビュー本文>

来年3月になれば、福島事故が起きてから1年となる。しかし、依然として終息されなかったばかりでなく、放射能汚染の程度と、健康に及ぼした影響も正確に知られていない。ただ、食品から放射能物質が発見されるなどの断片的消息だけ伝えられるだけだ。

福島事故以後、日本は現在どんな状況なのか?<PRESSIAN>は14日、天主教(カトリック)主教会、正義平和委員会・環境小委員会が主催した‘未来世代の為の韓日原発政策の道’講演者として韓国を訪問した今中哲二氏とインタビューを通して、現在の日本の状況を聞いた。

今中哲二氏は、京都大学原子炉実験所の助教授として、放射能汚染事故を研究して来た専門家だ。原爆が落とされた広島、長崎と、最悪の原発事故が起こったチェルノブイリ、核武器実験場で深刻な放射能汚染があったセミパラティンスク地域などで放射能の影響調査などを行ってきた。

彼は、“福島事故以後には、日本の被害地域もまた、予定になかった研究対象として追加された。”とし、苦々しく笑った。今中哲二氏は去る3月の福島事故直後、近隣の飯館村地域の放射能汚染度を調査し、実態を知り、政府が‘避難地域’に指定するように指導することもした

京都大学原子力実験所には、今中哲二氏の他にも小出裕章など、原子力利用の危険性を研究して来た研究者が6人いる。原子炉実験所がある地域の名称である熊取を取り、‘熊取六人’と呼ばれる彼等は、日本の原発政策を批判するうえで先頭に立ってきた。今中哲二氏は、今回の事故は、やはり“人災”だと批判しながら、日本政府に対しても“事故直後の情報を公開し、即時に措置を取らなかった。”と繰り返し批判した。

今中哲二氏は、“その時、放射線露出による急性放射性障害が起こる事はないが、向こう4~5年後には、満発性障害を懸念しなければならないだろう”とし、“既に、危険を完全に避けることは不可能なので、市民達が放射能に対する常識を備え、自ら対処するすべがなければならないだろう”と語った。しかし彼は、日本地域の汚染に対しては、“ストロンチュームとプルトニュームが流出したチェルノブイリと違い、半減期が短いセシュームが主に流出された為、今後10年後には安定的な数値となるだろう。”と見通した。

原子力専攻者の中で、原発の危険性を指摘する専門家が一人もいない韓国と一緒で、日本でも、今中哲二氏を始めとする‘熊取6人’は特異な存在だ。彼は、“原子力学会は、科学を目的とした学会と呼ぶ事は出来ない。”と批判しながら、“日本の‘原子力村’(原子力マフィアを指称する)を動かす事は、‘いつか核武器を持つことが出来るようにする’と言う、<核オプション>”だと指摘した。

彼は福島事故以後、‘危機はチャンス’だとし、原子力産業の拡大を推進して来た韓国政府に対しては、“私が韓国に対し、何をせよと言う立場にない。”としながらも、“依然として原子力拡大を推進するのは、日本も同じであり、これはやはり、忌まわしい事に違いない。”と皮肉ることもした。

●“福島も事故も‘人災’だ“

<PRESSIAN>:

福島原発事故が起こった直後である3月末、飯館村で直接、放射能汚染自体の調査を実施したと聞いた。現場に行ってみたら、当時の状況はどうだったか?

<今中哲二>:

福島事故以後、半径20㎞以内の7~8万名程度が避難をしたが、汚染状況がどうなのかに関する情報が、殆んど出なかった。調査した飯館村は、福島から30~40㎞隔たった所で、汚染がひどい場所だった。実際にびっくりするほど高い数値が出てきた。私が働く原子炉実験所でも、時間当たり20マイクロシーベルト以上出る処は‘高線量地域’として特別な標示があり、私も無闇に入って行かない。そこで、飯館村では高い処は、1時間当たり30マイクロシーベルトまで出てきた。こんな処を、子供や老人達まで、平常時と全く一緒に活動(生活)していた。信じられない光景だった。

<PRESSIAN>:

事故直後に、日本政府が汚染度を調査して処置をしなければならなかったのではないか?

<今中哲二>:

当時我々の調査チームは、飯館村の全体的な汚染度を直ちに発表した。ここは、日本の粗末な(古びた)防除対策指針に照らしても、直ぐ避難しなければならない水準だった。以後政府側でも問題が提起され、4月22日に計画的避難地域として指定された。その後6000名の村民達が避難した。政府の汚染に対する対応がこれ程までに遅れると言う事に対して驚いた。明らかに対策本部は、汚染がこの様に苛酷だと言う事を知っていたのに、どんな情報公開もしなかったし、避難をせよとか外出を控えよ、食品に気をつけよと言うなどの注意もしなかった。その責任関係をはっきりと明らかにしなければならない。

<PRESSIAN>:

普通、原子力推進派では、‘チェルノブイリは人災によるもので、福島は天災だ。’とする。チェルノブイリ事故など原子力発電所事故問題を研究して来た専門家として、どの様に考えるか?

<今中哲二>:

福島事故も明らかに人災だ。無論地震と津波が契機となったが、原発の運営に責任がある人々が、想像力をもっと持っていたら、そんな事態は容易く予測する事が出来た事だった。その地方の人々は50年や100年に一度づつ、津波が来ると言う事実を明らかに知っていた。そうであるのに、福島に原発を設計する人が、津波に対する対策を何も立てなかったと言う事は、深刻な問題だった。当たり前に立てなければならなかった対策も、まともにしなかったと言う点で、人災だと言う他はない。

<PRESSIAN>:

被害の程度で比較すれば、どうなのか?

<今中哲二>:

福島とチェルノブイリ事故の間の重要な差は、ストロンチュームと、プルトニュームの汚染のあいだの違いだ。福島事故の場合、放出された主たる放射線物質がセシュウムであって、ストロンチユームやプルトニュームは少ない。セシューム134とセシューム137は、それぞれ半減期が2年と30年である為に、今後およそ10年が経てば安定的な数値を見る事が出来るものと予想する。チェルノブイリの場合は、半減期が2万4000年であるプルトニューム拡散された為に差異が大きい。

原子炉自体が爆発したチェルノブイリと、メルトダウン以後、主に揮発性放射性物質が出た福島の差だと言う事が出来る。ストロンチュームとプルトニュームは沸騰点が高く、飛んで行かなくて、多くが原子炉内に残った。だから、チェルノブイリに比べ福島は、比較的処理し易い汚染だと見る。

●“今後、晩発性(訳注―経年的に生ずる)放射性障害を懸念しなければならない”

<PRESSIAN>:

多数の住民達が、飯館村の様に深刻な放射性汚染された場所で日常生活をしたし、一部は今もしている。事故が出てから1年が経って行くが、住民たちの健康に放射能関連の症状が現れる事はないのか?

<今中哲二>:

事故直後に枝野官房長官が続けて語った様に、今直ぐの放射能汚染は、即刻体に影響が現れるレベルでない事は明らかだ。以後に現れる白血病や、癌に対する対策を直ぐしなければならなかったのに、その様に出来なかったと言う事が問題だ。

被爆に対する健康の影響を考える時は、二つに分けて考えなければならない。一旦、一度に多くの量を被ばくした時に現れる、急性放射性障害がある。それは一度に500ミリシーベルト程度を受けると現れる症状だ。私も住民達がその様にまで過酷な被爆を受けたと考えていない。ただ、後で症状が現れる晩発性放射線障害は、憂慮して当然だ。

チェルノブイリの場合、ヨード131に被曝され、事件4年後から甲状線癌が多く発生した。ヨード131の様な場合、半減期が8日だと、早く減る分だけ早く対応をしなければならない必要がある。今回の福島事故でも、子供達が後で癌に罹らないように措置を取らなければならなかったのに、しなかったし、憂慮される。

<PRESSIAN>:

そうであれば、最近、福島第一原発現場所長が食道癌に罹った事が発覚し、福島の野菜を試食した放送キャスターが急性白血病に罹るなどの諸事件は、どう見なければならないか?

<今中哲二>:

専門家として意見を申し上げれば、福島事故と発病のあいだに関係はないと見る。チェルノブイリの場合、放射線に対する感受性が高い子供達が、癌に罹り始めたのが4年後だ。事故の影響を見ようとすれば、五年、十年単位で時間を捉えなければならないのだ。あ。そんな面から二人は関係がないと見る。チェルノブイリの場合、放射線に対する感受性が高い子供達が癌にかかり始めたのが4年後だ。事故の影響を見ようとすれば、5年、10年の単位で時間を捉えなければならないのだ。そんな面から、二人は関係がないと思う。ただ、吉田第一原発現場所長の様な場合は、9か月の間厳しいストレスの中で仕事をして、そのストレスが癌を育てた可能性はあると思う。急性白血病に罹ったキャスターは原因が良く分からない。

●“いま、完全に汚染を避ける事は不可能だ、しかし・・・”

<PRESSIAN>:

最近、日本最大の食品会社である明治で作った粉乳から、放射性セシュームが検出された。どうしても食品汚染に対する憂慮が高いはずなので、どう対処しなければならないか?

<今中哲二>:

これは大変敏感で深刻な問題なので、容易く答えるのは難しい。日本全国の子供達を持つ母親達の心配が多く、全国で講演に行く時毎に、関連質問を多く受ける。私は、その時いつも‘すでに汚染されてしまった為に、完全に汚染を避ける事は不可能だ。’と答える。東京から福島にまたがった東北地方、太平洋側には無視出来ない汚染がある。そして、この様に言う。‘いま、仕方ないので(やむを得ず)ベクレル、シーベルトと言う言葉に慣れてください。そして晩発性癌や後で現れる危険に備える様にしましょう。’と言う。

重要な事は、政府の基準値だ。日本政府は、1Kgに500ベクレルを暫定基準値として定め、それ以上の食品に流通を禁止させ、‘1kg当たり500ベクレル以下は安全だから安心して食べなさい’と言う。日本の市民達が皆、‘それは、違うようだ’と感じている。501ベクレルであれば危険で、499ベクレルは安全なのか、そんな事はない。放射能は露出量に従い危険度が高くなる比例関係を持っている為、501ベクレルであれば、501ベクレルの危険性があり、10ベクレルであればそれだけの危険がある。即ち、安全だ、危険だと言うのは、基準として線を引く事が不可能だ。問題は、我々がどれ位の汚染を耐えられるのか、忍耐を強要されているのかと言う問題だ。私の様な専門家は、その間研究して来たもので、この判断に必要な知識を提供することが出来る。しかし、最後の判断はそれぞれの個人がしなければならない。

無論、一般の人が判断するのが難しいので、私は、1年間1ミリシーベルトが最も適切な基準ではないかと考える。年間1ミリシーベルトは、原子炉規制法そして放射線障害防止法等で、一般の人々年間限界値として設定された数値だ。そして我々が、毎日受けている自然の放射線は場所によって異なっているが、平均1年間1ミリシーベルト程度だ。従って、我々がどれだけ我慢するか?を考える出発点として、1ミリシーベルトの数値が基準となる事が出来ると見る。

<PRESSIAN>:

‘放射能に、安全な<生き値>(生物の感覚に反応を生ませる最少限の刺激の強さ)は無く、危険は放射能露出と比例関係を持つ’と言う主張は、国際的には公認された理論だとするが、韓国では一部医学者達を除いては、認められていない。日本はどうか?

<今中哲二>:

日本も殆んど同じ状況だ。特に福島事故以後に、低線量被爆は健康に

危険がないと言う学者達が増えて驚いた。極めて不思議だ。しかし癌や急性白血病なども、医学データなどを考えて見た時、こんな線形モデルが最も合理的であり、反駁の余地なき理論だと考える。

自然放射線に依っても、癌に罹る危険性が高くなるが、事実上対策が無いので放棄しても、放射能の健康影響を考える場合、被爆線量を見るのが最も合理的だと思う。

<PRESSIAN>:

既に東京も、汚染地域となったのではないのかと言う憂慮が多い。東京地域の汚染はどの程度なのか?

<今中哲二>:

一端3月15日に、東京でも高い放射能数値が観測されたが、その時も政府は、‘マスクを着用せよ’、‘外出を控えなさい’と言う対策はほとんど取らなかったのは、指摘しなければならないと思う。以後、3月20日と22日に降った雨で汚染した塵が降って、土地が汚染した。この様に東京でも汚染があったが、避難しなければならない水準ではない。ただ隅々に‘ホットスポット’がある為に、市庁などが出て汚染除去作業をする必要がある。

例えば、東京のような都市には、雨が降ればアスファルトの水が排水口に流されながら、排水口で汚染が集中される現象があちこちで起こる。汚染が著しい地域が局所的に生まれる事となるわけだ。東京の住民達としては、汚染がひどいかも知れない場所で生きる事が不安なはずだから、家の周辺の何所が、汚染されたのかをきちんと測定、調査する事が重要だと勧めている。東京を訪問する韓国人達には、成人であればその様に心配する必要は無いと言いたい。

<PRESSIAN>:

東京電力が、原発内の放射能汚染水を浄化処理した後、海に放出する方法を検討中だと明らかにし、漁民団体や、韓国や中国など隣接国家で憂慮している。追加汚染の恐れはないのか?

<今中哲二>:

結局、放射能濃度が問題であるはずだから、相当部分可能な事だと考える。無論、除染以後の放射能濃度を知ることが出来ないので推測に過ぎない。しかし、技術的には除染過程で、お金がかかるだけ濃度を下げた水を、放出する事は問題がない。法で定められた排出基準値以下であれば出す事が出来る。基準値以下に下げれば、3月に放出された汚染水の放射能量に比べて10万分の一とか、1000万分の一の水準になるだろう。ただ、社会的には受け入れ難いし、問題となるだろうと考える。

●“原子力村を動かす様にするのは、<核オプション>”

<PRESSIAN>:

今中哲二氏の話にさらに入って進んでみよう。韓国の場合、原子力を専攻した学者の中では、原子力に批判的な方々が一人もない。原子力学会の閉鎖性を見せてくれるものであるが、日本の場合はどうなのか?

<今中哲二>:

日本も同じだ。私も原子力学会の1メンバーだが、<変な人>に過ぎない。私は20年の間、学会の集まりに参席しなかった。原子力学会は元来、原子力を推進する学会で、そんな意味で、科学を目的とした学会ではない。原子力推進は技術開発にだけ重きを置く。近頃になって良く知られた通りに、原子力学会も原子力村、原子力マフィアの一角だ。原子力学会が‘原子力は安全だ’と言う神話を作り出した主犯だと言う事は、間違いない。

<PRESSIAN>:

そうであれば今中哲二氏はどの様に、原子力に批判的な原子力専門家となられたのか?

<今中哲二>:

私が大学に入学した時、原子力は原子力学会で言うように、夢の未来エネルギーとして知られていた。しかし、大学院に通う頃に、各地に原子力発電所が建設されるや、反対運動も到る所で起こった。住民達の話はこうだった。‘電力会社は、原発が入ってくれば絶対事故も出ないし、働く場所も生まれ、金が入ってくるなど、地域に良い事だけ生まれると言うが、これは変ではないか?そんな良い所をどうして田舎に立てるのか?’そこで調べたら、事故が出た場合桁外れの被害が出ると言う事を知る事となった。30年前に政府と電力会社が、金と権力の力で無理やり田舎に押し付けようとする事を看破したし、私は‘もしも事故が起これば、どんな被害が出るのか’を正しく研究してみる事にした。これが始まりだった。

<PRESSIAN>:

韓国や日本でも、原子力推進派は強い勢力を維持している。原因は何か?

<今中哲二>:

初めに、日本の原子力開発は‘核の平和利用’と言う美名の下に推進された。この論理には‘原子力は良いものだ’と言う宣伝が含まれているが、私は‘産業利用’と言う言葉がもっと適合すると考える。

原子力開発過程で、電力会社を中心に、その利権に連結された政治家、予算を取り扱っている官吏、研究予算が必要な学者、支援金を引っ張ってこようとする自治体の長、広告費を期待する言論などが互いに絡み合い、一種の共同体、原子力村が形成された。もし、教授でも、言論(言論媒体)でも、原発の危険性を指摘すれば、責めを受けたり、組織から追われたり、広告費を受ける事が出来ない。

この様に自分たちの食いぶちとして、繰り返し回す構造を維持することが出来る理由は、万一の場合、日本も核武器を持つ事が出来ると言う‘核オプション’だ。1968年、当時の佐藤栄作総理は、‘日本は核武器を持たず、つくらず、搬入を認めない’と言う核3原則を発表しノーベル平和賞を受けたが、後で明らかになった処では、実際の決定では‘今は核武器を持つことは出来ないが、万一の場合、いつか持つことが出来る様に、技術を保有する’と言う事だった。

現在、日本が推進する高速増殖炉、再処理、濃縮ウラニューム製造など、この三つの技術は、核武器を作るための技術だ。

‘何時でも可能なように、技術を持っている’と言う基調は、依然として維持されているのだ。これが原子力村を維持する一つの大きな理由だ。

<PRESSIAN>:

閉鎖的な原子力学会で、原発の危険性に対する研究をしながら難しい点は無かったか?

<今中哲二>:

興味のある話を一つすれば、もし私が、東京大学にいながらこんな研究をしたら、責めを受けたり、追い出されただろうと思う。京都大学は、称賛を貰う事もないが、大騒ぎに会う事もなかった。‘その問題は、それなりに重要だから、やって見なさい’と言うやり方だった。職場で、同じ様な問題意識をもって共に研究した同僚達が六名いた。(彼等を京都大学の原子炉実験所がある熊取の地名から、‘熊取の六人’と呼ぶ)

その間、我々は‘原発は危険だ’と言う警鐘を鳴らして来たが、実際に、こんな厳しい事故が生じる事態は考えられなかった。頭では、‘必ず事故が起こる’と言う考えがあったが、それでも分らなかった。だから事故後、何月間はまるで夢の中に居るかのように現実感がなかった。今は、少し気をしっかり持ったが、2,3カ月の間映画の中で暮らす感じだった。私は、一般市民達に講義する場合が多いが、福島事故以前と以後、人々の反応が全く異なる。チェルノブイリも、事故以前と以後の時代が変わってきた、と言うが、日本の人々も福島事故以前と以後の異なった時代を生きていると考える。

●“原発をつくって推進して来た借りを、返す事となったのではないですか”

<PRESSIAN>:

“異なった時代を暮らしている”と言われたが、韓国政府は福島事故以後、‘危機はチャンスだ’とし、原子力発電をむしろ拡大しようとする政策を広げている。これに対しどの様に考えるか?

<今中哲二>:

私が韓国に対し、何かと云々する立場はないが、日本もやはり、原子力を輸出しようとする事は同じだ。あまりにも忌まわしい。我々は日本原発の安全性を根本的に再検討しなければならないし、場合によっては、あらゆる原発を処分する事が必要だと見る。しかし、そんな検討は殆んど無く、直ぐ経済だけ考えて‘原発輸出’を押し進めるのは違うと考える。

原子力をエネルギー源に使うと言うのは、それくらい社会が危険に会うと言うことであり、そんな危険性に対し、きちんと説明したあとで、市民たちが推進するのかしないのか、判断しなければならない。また、すでにどの国も、廃棄物問題を正しく解決出来なかった。廃棄物も処理できないエネルギー源を使う事は、決して(道理にかなった)正しい事ではない。日本は四つの原子炉が破壊され、今後40~50年間は廃棄物問題が極めて深刻に台頭されるだろう。

現在日本は、54基の原子炉の中で40余個の原発が停止された状態だ。我々はこの機会に、すべて停止させる事を提案している。この様にすれば、本当に我々が原発を必要とするのか、しないのか、確実となる。こうして見て、すべての市民が‘原子力は構わない’と言えば、私も反対しない。

<PRESSIAN>:

韓国で原子力の安全性を憂慮する人々は、‘今迄、原子力事故は、原子力発電所が多い順序で起こった。次は韓国だ’と言う主張を多くする。政府や原子力学界は認めないが、

<今中哲二>:

エピソードを紹介すれば、地震が起こった3月11日に、私は関西空港にウクライナから来た客をお世話しに行った。チェルノブイリ25周年を迎え、キエフの友達を招待し、セミナーを開こうとした。その友達が来た次の日に事故が起き、15日広島に行く汽車の中でNHKとその友達がインタビューをした。彼は記者の質問に対して、‘去る40年の間、多くの原発を建てて推進してきた日本が、今その借りを償う時となったのではないでしょうか。我々も生き残っているので、日本の人々も生き残るでしょう’と言っていたんだ。涙が出る様だった。

<PRESSIAN>:

最後の質問だ。韓国と日本で、ドイツの事例の様な脱核は可能か?

<今中哲二>:

その様になれば良いだろう。(私は)活動家でも政治家でもないので、専門家の立場からは言う言葉がないが、一個人としては、その側に行く流れで取り換えなければならないと思う。日本は大変エネルギーを多く使っている。そんなエネルギーを浪費する生活を変えていく事を通して、達成できるのではないか、期待する。(終)

(訳 柴野貞夫 2011年12月19日)

<参考サイト>

11年04月08日更新
3月24日、既に今中氏は、飯館村のセシウム137のレベルは、チェルノブイリ事故での(戻ってこれない)強制レベルの6倍以上と警告していた。
http://www.shibano-jijiken.com/NIHON%20O%20MIRU%20JIJITOKUSHU%2056.html

11年04月11日更新
福島第一原発事故は、原発をめぐる国家と電力会社の御用学者達の詭弁を断罪した!!
http://www.shibano-jijiken.com/NIHON%20O%20MIRU%20JIJITOKUSHU%2058.html

☆ 281 福島原発事故、最悪の場合、東京都は‘無人地帯’となる ① (韓国・PRESSIAN 2011年4月20日付け)
http://www.shibano-jijiken.com/SEKAI%20O%20MIRU%20SEKAI%20NO%20SHINBUN%20281.html

☆ 282 福島原発事故、最悪の場合、東京都は‘無人地帯’となる ② (韓国・PRESSIAN 2011年4月20日付け)
http://www.shibano-jijiken.com/SEKAI%20O%20MIRU%20SEKAI%20NO%20SHINBUN%20282.html

☆ 283 福島原発事故、最悪の場合、東京都は‘無人地帯’となる ③ (韓国・PRESSIAN 2011年4月20日付け)
http://www.shibano-jijiken.com/SEKAI%20O%20MIRU%20SEKAI%20NO%20SHINBUN%20283.html

○304 日本の核武装の欲望と原発 (韓国・ハンギョレ紙 2011年9月22日付け)
http://vpack.shibano-jijiken.com/SEKAI%20O%20MIRU%20SEKAI%20NO%20SHINBUN%20304.html

☆ 296 “福島の核災難、今後(日本で)100万名以上が死ぬ”と、<インディペンデント紙>(英国)指摘 (韓国・PRISSIAN 2011年8月29日付け)
http://www.shibano-jijiken.com/SEKAI%20O%20MIRU%20SEKAI%20NO%20SHINBUN%20296.html

☆ 294 “福島の悪夢は進行形だ。 (韓国・PRISSIAN
http://www.shibano-jijiken.com/SEKAI%20O%20MIRU%20SEKAI%20NO%20SHINBUN%20294.html

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12/15韓国[PRESSIANインタビュー]“福島の核災害、4~5年後には・・・”‘熊取の六人’原子力専門家・今中哲二 への4件のフィードバック

  1. yokoblueplanet より:

    こんばんは。
    今、転載が終わりました!
    どちらも良い内容の記事ですね。お知らせ、ありがとうございました。
    時間の過ぎるのが速く、ウロウロしている間に2月5日になりそうです!
    お会いするのを楽しみにしています。
    当日の予定は決まりましたか?!

    • ちたりた より:

      yokoblueplanet様ようこそ。
      掘り出し物でしょ?うちのような辺境サイトにおいてあってもしょうがないので、拡散お願いいたします。できれば『今中哲二非公式まとめ』がほしいです。
      2/5は一泊しようと思います。翌日は早朝に新幹線めがけて、にしようかなと。仕事半日さぼります(笑

  2. ピンバック: 12/11今中さんの講演会に参加した(村のトイレ屋のあったか日誌) « Silmaril Necktie

  3. ピンバック: 【1月31日福島市】トンデル博士講演「低線量被ばくについて正しく知ろう」通訳:今中哲二 « Silmaril Necktie

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