老いの一筆「これぞまことの勇気! 阿部美紀子さん!」

東京新聞の記事で初めて阿部議員の生い立ちを知ったわけですが、地縁血縁社会のがんじがらめの中から出馬されたわけなんですね。
投票用紙の筆跡鑑定。するでしょうね、地方の選管なら←こらこら!

>「十八成」 「長渡」 私の田舎の地名です。読めたら偉い。

 くぐなり ながたり かな? じゃあ「特牛」「出灰」はどうですか(笑

———————————-

http://winelight.blog112.fc2.com/blog-entry-1850.html

これぞまことの勇気! 阿部美紀子さん!【老いの一筆】
2012/01/30(月)

原発ムラで反原発を口にすることがどれほど大変か、田舎政治に一時首を突っ込んだ私にはよくわかる。

岩波の『世界』や民放の時事番組に登場する知識階級には絶対に分からないと思う。

東北電力は女川に原発を持っている。数年前のことだが、年がら年中、配管の亀裂など、東北電力でいう「微細な」トラブルが起きていた。

このブログは、始めたころから、折に触れ、女川原発を何度も取り上げてきた。3月11日の福島原発で目覚めた反原発とは、筋の入り具合が違う。

Fukushimaが発生した後でも、原発を擁護する人種は論外そして(人)格外であることは言うまでもない。

私の田舎の中では、私の反原発思想は一部の間でしか知られていなかった。私が積極的に政治活動の表舞台に立たなかったからである。

月刊誌「世界」から寄稿を頼まれれば、ホイホイ好き勝手なことを原稿用紙何百枚でも書く識者や学者は、どんなに多くの読者から反感を買ったところで、痛くも痒くもない。私生活に実害はないのだ。

田舎はそうでない。何かを言うことは、その何かに反対する者からの手痛いしっぺ返しを覚悟した上でないとできない。

この覚悟をもった女性が、阿部美紀子さんである。

ところは女川。

原発廃炉を訴えて町議選に出馬、見事に当選した阿部美紀子さん。

かつて、女川の住民が、お金をくれる東北電力に足を向けて寝られないと話してくれたことをこのブログで紹介した。

この住民が少数派で、周りの反対を押し切って、私に語ったのではない。大多数の女川住民が原発感謝団の構成員だったから、堂々と私に語ったのだ。

その時、女川原発の反対運動で老人は期待できない、土建・役場・観光、その他お金で物を計る人たちに原発反対は無理であることを確信した。

同時に、女性、特に子供を抱えた女性すなわち母親とよばれる人々、の真剣さ以外に私は原発廃止のエネルギーはないと確信した。

阿部美紀子さんの話はここまでとして、記事を読んでいくと、都会の人が「アレッ」といぶかる場所にであう。

~~~~~

 定数12に対して立候補は13人。仮設住宅を歩きながら「脱原発」を訴えて回った。女性を中心に「別の人に入れるけど、あんたにはうかってほしい」「表では言えないけど、原発は心配だ」という声も多く聞いた。
~~~~~

解題の1。

12議席を13の候補で争うのだから、これは、公立高校の入試より楽ではないか、こう思うだろう。田舎の政治はそうでない。身内、親族、後援会、ガチガチに固められた票の集まりである。投票前から、当落は確定、しかも獲得票数は予想と10票と違わない。

12を13で争うのは、世襲なしの新人にとって苦痛の極みである。

解題の2。

反原発だったら、投票所で反原発の候補者に投票すればいいではないか。なぜ別の人に入れるのだ、日本は選挙監視団を国連が派遣するような未熟な民主主義国家ではない、都会の人は不思議に思うにちがいない。

反原発の候補者に入れたくても入れられないのである。

女川町の役場の人間は女川町民である。選挙管理も役場の人間である。開票作業は彼ら彼女らによって行われる。間違いのないように、目を皿にして一票、一票確かめる。
ここが問題なのだ。

名前は鉛筆で書く。書けば筆跡が残る。これで、この票が誰によるのか分かるのである。

親の代から、あるいはもっと前からの付き合いであれば、書いた字をみれば、簡単に分かる。選挙管理委員の大部分は原発賛成派である。ガチガチの(再出でくどいがこの言い方がぴったりなのだ)賛成派の票はどうでもいい。どうも怪しいと思う投票用紙に神経を集中すれば、簡単に「裏切った」かどうか見破れる。

そんなバカなと思うかもしれない。

小学校の教師が、50人の児童の答案用紙を見る。50人中50人、全員の答案が誰のものかは、名前欄が空白でも当てることができる。

これと同じである。

私の島は今でこそ石巻市となっているが、合併前は牡鹿町と称していた。人口4千人そこそこ。居住者でありながら町議選の応援に精を出した私に、当選祝いの席で島の長老が、自分の集落の誰がどの候補者に投票したかわかると言明してくれた。

村八分にならないために、どうしても、阿部美紀子という字は書けなかったのである。

これを勇気の欠如と言うなかれ。「世界」やテレビで好き勝手なことを言う人間だって書けまい。

女川町議選の投票総数は5千41票。阿部美紀子さんの得票数は288票。しがらみだらけの立地自治体では「288票も」と言うべきだろうと記者は書いている。

その通りである。

優れた感性の記者による表現である。

「戒厳令下」のお隣中国に置き換えれば、6千万人の反旗である。

余計なことだが、これは、天下の読売、朝日、毎日、産経、一面トップの記事に値するニュースである。

日本国内の、しがらみと周りのにらみの下での女川のこの選挙、トップ記事にしない手はない。

普段は、記や付で記すのだが、今回はこの新聞の栄誉を讃えて、本文で紹介することにした。

東京新聞 

こちら特報部 脱原発のこころ

未来へつなぐ反対運動
被災し出馬、初当選の女川町議
阿部美紀子さん(59)
子どもが笑顔で過ごせる町に
原発に頼らない復興計画を

署名入りの記事である。記者は小国智宏。

この記者にもエールを送る。

記:

東京新聞 2012年1月29日

・女川:「おんながわ」ではありません。オナガワです。第二のFukushima、Onagawaにならないように、阿部美紀子新人議員、頑張ってください。

・NHKさん、野球選手の追っかけをする代わりに、こういう人の1年をルポして放映してください。

・「十八成」「長渡」 私の田舎の地名です。読めたら偉い。

・選管は中立ですって。いいでしょう。「あいつに投票するだと、開票でわかるからな。その覚悟で書きたければ書け」怖いですよ。

カテゴリー: 小出裕章 パーマリンク

老いの一筆「これぞまことの勇気! 阿部美紀子さん!」 への3件のフィードバック

  1. 筆跡でわかるというの、民主主義国家を名乗るのに本当に恥ずかしい話と思いました。
    日本は教育程度が高くて文盲率が低いから、投票用紙に候補者の名前を書かせることができると威張っていたはずが、
    文盲率が高いから、投票用紙には印をつけるだけの国に劣るのではないでしょうか。

  2. ちたりた より:

    ユミ様
    そのうち、ボタン式に変わったらそれこそ悪用されるでしょうね。

    こんな島国根性のこの国にへきえきされてユミさんはイギリスにおられるのですか?

    さて、あの歌をどうやって小出裕章さんに知らしめるかが難問です。未読メールが一ヶ月半前に1万通を越え、郵便物も開封できないとのこと。
    肝心のあの非公式まとめのコメント欄もご覧になる暇もないとしたら、直訴ですよね。

    「URL書いてここご覧下さい」ですよね。う~ん。

    (甲状腺をやられた子たちの)首のキズ・・・・。深い子守唄ですね。

    • >こんな島国根性のこの国にへきえきされてユミさんはイギリスにおられるのですか?

      ハハハ、イギリスも島国根性な国ですヨ~!
      もっとも、その「島国」ぶりは微妙に異なりますが。

      >さて、あの歌をどうやって小出裕章さんに知らしめるかが難問です。未読メールが一ヶ月半前に1万通を越え、郵便物も開封できないとのこと。
      肝心のあの非公式まとめのコメント欄もご覧になる暇もないとしたら、直訴ですよね。
      「URL書いてここご覧下さい」ですよね。う~ん。

      なんでしたらCD送ります。
      CD聴くお時間はないでしょうけど、少なくともジャケットに歌詞は印刷されてますし、
      放射線管理区域マークがかすれていて始祖鳥の化石と並んでいるのです。
      小出さんならきっとわかっていただけるかと・・・

      >(甲状腺をやられた子たちの)首のキズ・・・・。深い子守唄ですね。

      「のどに傷跡残す子ら」、この一節が最初にできたのです。
      チェルノブイリの子供に起こったことが必ず日本の子供にも起こる。。。
      私が想像/創造したのは未来の子守唄なのです。
      放射線管理区域マークも始祖鳥の化石も同じ頃に思えてしまうぐらいの未来。。。
      それでも放射能はなくならない。。。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中