4/2「残雪」アーサー・ビナードさん【中日新聞・中日春秋】

出勤途上車窓から見えた伊吹山山頂の白さを、今朝の中日新聞のコラムを読んで思い出した。
詩人アーサー・ビナードさんはいつもなんて的確(適確?どっちだ?)な日本語で表現して下さるのだろう。

twitterで紹介したらちょいちょいリツートがあるのが、まぁちゃんのブログでの伊方原発の意見陳述でのアーサーさんの言葉。
傍聴しました。伊方原発運転差し止め訴訟 第7回口頭弁論。
【旅するとんぼ玉】
 
詩人のアーサー・ビナードさん。
「今、現在この時も殺傷能力の高い放射性物質が福島原発から大量に海に流出されている。
それは、『汚染水』などと呼べるような可愛い次元の問題ではない。
福島は世界一広い太平洋に面しているから、いくぶん危機的状況を隠蔽できている。
でも、これが、もしも瀬戸内海という内海に起こったならば、その影響は如実に現れます。

この日本列島で繰り広げられている現象を、太平洋の生き物の身になって日本語で正しく名づければ『海ころし』となるのです。
『汚染水』ではありません。
福島の浜通りで、今この瞬間も『海ころし』が行われています。
それを見て見ぬふりをして、伊方原発の再稼動を認めたら、私達は瀬戸内海をころす犯人になりかねません。」

 
ウィンザー通信さんにも3/8の山口の集会の記事が載っていた

【「原発は事故が起きれば電力会社が破綻する。原発を止め、中電の為に愛を注ごう」アーサー・ビナード氏
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「残雪」アーサー・ビナードさん

【中日新聞(コラム)中日春秋】   2014年4月2日
http://www.chunichi.co.jp/article/column/syunju/CK2014040202000093.html

  鉢植えのバラの芽が、どのくらい伸びるか。試しに測ってみたら、この三日で三センチ余。これが春の勢いなのだろう。桜満開の便りがあちらこちらから届いて、春らんまんである

▼とはいえ、気象庁の積雪情報を見れば、この国の長さと起伏を知らされる。列島の背骨が走る飛騨や信州の山里ではまだ雪が残っているし、東北や北海道では一メートルを超す雪に埋もれる地もある

▼米国生まれの詩人アーサー・ビナードさんは、「好きな日本語は?」と聞かれると、「残雪」と答えるそうだ。英語にも例えばremainingリメイニング snowスノー(残っている雪)やlingeringリンガリング snow(去りかねている雪)という表現があるが、説明臭かったり、語呂が悪かったり

▼<それに比べて、日本語の「残雪」はドンピシャリ。その端正な二字には無駄がない。響きも引き締まって、かといってきれいすぎず、濁音のラフなざらつきも残る。そこにぼくは、一種の悲壮美さえ感じる>と『日々の非常口』(新潮文庫)に書いている

▼ビナードさんが好きな「残雪」は、俳句で言えば、川端茅舎(ぼうしゃ)の<一枚の餅のごとくに雪残る>より、この句の光景なのだろう。<陰雪に蹴り喰はせてやるせなく>行方克巳(なめかたかつみ)

▼残雪が頑張り続ける雪国ほど、春の勢いもひときわ力強い。一斉に咲き誇るソメイヨシノもいいが、里山の萌木(もえぎ)の中で、たおやかに咲く山桜の美しさもまた、格別だ。

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