9/3熱帯ウイルス 拡散危機 発達交通網が感染助長【中日メディカル】

昨日の東京新聞の特報「「熱帯ウイルス」拡散危機 温暖化、交通網発達が影響か」が中日メディカルにUpされている。
今日(9/4)本当にウィルスを持つ蚊が発見されたので、代々木公園で市民運動をさせないために「デング熱流行」を政府が率先して流布しているという例の噂は載っていない。

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熱帯ウイルス 拡散危機 発達交通網が感染助長

(2014年9月3日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20140903162911266

画像デング熱のウイルスを媒介するヒトスジシマカ=国立感染症研究所昆虫医科学部提供

感染症の時代が到来したのか。日本で、約70年ぶりに国内での感染が確認されたデング熱の感染者が急増。アフリカでは、エボラ出血熱が猛威をふるう。地球温暖化や交通網発達などの影響で、熱帯地域を発生源とする感染症が、日本にも伝わる危険性が高まっている。現代社会を襲う「熱帯ウイルス」の脅威とは。 (林啓太、上田千秋)
温暖化…媒介主の生息域北上

画像注意を呼び掛ける張り紙の近くで日光浴をする若者

「感染者が蚊に刺されたという渋谷門付近には近づかないようにしている。一応、虫よけスプレーもしている」。東京都渋谷区の代々木公園のベンチで、日光浴をしていたアルバイトの男性(30)はこう話した。

いつもより、閑散とした公園。中でダンスの練習をする若者らの姿も。蚊は怖くないのか。ダンサーの男性(20)は「東京都が殺虫剤をまくなどの対策をとってくれているので、逆にここが安全かなと」。
ヒトスジシマカの分布の北限

デング熱の約70年ぶりの国内での感染者が見つかったのは、先月26日。その後も感染者は全国で相次いで見つかっている。今月2日には、40人に迫ろうという勢いだ。いずれも代々木公園やその周辺を訪れており、その際にウイルスを媒介する蚊に刺されたとみられている。

タレントにも感染者が出た。青木英李さん(25)と紗綾さん(20)だ。TBSの情報番組「王様のブランチ」のリポーターとして、先月21日に園内で収録中に蚊に刺されたという。

デング熱はまれに重症化することもある。川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「デングウイルスには4つの型がある。ある型に感染した後に別の型に感染すると、鼻や歯茎などから出血する『デング出血熱』にかかるなど、重症化する人もごく少数いる」と指摘する。

なぜ感染者が急増しているのか。海外で感染し日本に入国した人を、複数の蚊が刺し、広がったとみられている。日本に帰国後に発症した人の数は2013年に249人。00年の18人から激増している。
画像調査のため蚊を採集する装置を設置する都職員(左)=いずれも2日、東京都渋谷区の代々木公園

で さらに、代々木公園のような樹木ややぶ、水場がある場所は、ヒトスジシマカが好む。そこに、帰国した人らが大勢やってくる。岡部氏は「ヒトスジシマカが別の人にウイルスを感染させる確率が高まっていた」と指摘する。

地球温暖化の影響もありそうだ。ヒトスジシマカの生息地域が北上しつつある。国立感染症研究所(感染研)の調べでは、1950年には栃木県が北限だったのが、2010年には青森県の一部に達した。

厚生労働省は、「過度に怖がることはない」としつつ、蚊に刺されて高熱が出た場合は、早めに医療機関で受診するよう呼び掛けている。

ほかの感染症の脅威も忍び寄る。

マダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」のウイルス。感染研によると、今年7月までに、85人の感染者が報告されており、うち26人が死亡している。
画像デング熱のウイルス=国立感染症研究所提供

西ナイル熱もある。害虫防除技術研究所の白井良和所長は「感染者が分布するのは、アフリカや中央アジアなどだが、日本のヒトスジシマカもウイルスを媒介する。いったん入り込んだら日本でも広がりかねない」と懸念する。

死亡率30〜50%という黄熱病についても、「黄熱病はネッタイシマカが媒介する。ネッタイシマカは今は日本に生息していないが、気温の上昇が続けば、活動できるようになるかもしれない」。
森林開発…「新型」出現リスク増

世界でも感染症が猛威をふるっている。特に西アフリカで感染者が続出しているエボラ出血熱は、深刻化。世界保健機関(WHO)のまとめによると、昨年12月にギニアで感染者が出て以降、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリア、セネガルの4カ国にも拡大。先月26日時点の感染者は疑い例を含めて3069人に上り、うち死者は1552人を数える。

問題は感染力が強いのに加え、治癒する可能性が低いことだ。致死率は最高で90%とされ、今回の流行でもおよそ50%の人が亡くなっている。WHOは6〜9カ月での収束を目指すとしながらも、感染者は最終的に2万人を超える恐れがあるとの見解を明らかにしている。

長崎大熱帯医学研究所の安田二朗教授(ウイルス学)は流行がなかなか収まらない背景を、現地の医療事情や独特の風習などにあるとみる。医師や看護師の数が少ない上に、設備も不十分。安田氏は「エボラ出血熱を初めて経験する国が多く、政府がどう対応していいか分かっていない上に、住民に正確な情報が伝わっていない。葬儀の時に体に触れて見送る習慣があることも感染を広げる一因になっている」と指摘する。

従来は、森林の奥地の村など閉鎖的な地域での発生が多かったのに対し、今回は人の出入りが頻繁な都市部で感染者が出たことも被害を拡大させている。

サウジアラビアでは12年、中東呼吸器症候群(MERS)と呼ばれる新種の感染症が発見された。02〜03年に中国などで大流行した新型肺炎(SARS)を引き起こすウイルスと同じ仲間のコロナウイルスが原因とされ、中東各地に広がり、欧米やフィリピン、マレーシアなどでも感染者が出ている。

今年4月をピークに感染者が減少したため、WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態には至っていない」とのコメントを発表したが、状況は深刻さを増しているとの認識も併せて示した。

世界で感染症が流行する現状は、今後も続くのか。元北海道小樽市保健所長で医学ジャーナリストの外岡立人(とのおかたつひと)氏は「アフリカや東南アジアなどで森林開発が進み、ウイルスの宿主である野生動物と人間が接触する機会が増えた。変異によって新しいウイルスが出現する可能性もあり、今後も傾向は変わらないだろう」と説く。

以前に比べてヒトやモノの移動が増えた今、日本でもエボラ出血熱の患者が出ることが考えられる。厚生労働省は、全国の検疫所に対応強化を指示。都道府県には、疑われるケースが出た場合は、感染研に検査を依頼するよう要請した。成田空港では、体温が一定以上になると赤く表示されるサーモグラフィーを設置した。

外岡氏は「検疫が整っていて、医療体制も充実している先進国で流行する可能性は極めて低い」と話す。「国民一人一人が正確な情報を知っておくことが何よりも大切。例えばエボラ出血熱なら感染者に接触しないようにするなど、どういう状況で感染するか分かっていればパニックも起きず、被害は最小限で食い止められる。その一方で、当該国だけでは対応できないエボラ出血熱を収束させるため、世界各国が自分たちの問題としてとらえて積極的に支援していく必要がある」

デスクメモ

昭和の蚊帳が懐かしい。最近は蚊がずいぶんと少なくなったと思っていた。下水道が整備され、住居は気密性が高くなった。手足に蚊に刺された痕のある人もあまり見ない。しかし、側溝で公園で蚊はしぶとく生き残っていたようだ。人類への警告なのか。パニックになる必要はないが、正しく怖がりたい。 (国)

 
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デング熱新たに14人

(2014年9月3日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20140903155022546
 感染、10都府県で計36人に

デング熱の国内感染者 厚生労働省は2日、青森、東京、山梨、大阪の4都府県で新たに12人のデング熱感染を確認、愛媛県と新潟市もそれぞれ1人の感染を確認したと発表した。すべて快方に向かっているという。デング熱の国内感染が確定した患者は10都府県で計36人となった。

いずれも最近の海外渡航歴はなく、東京都渋谷区の代々木公園付近を訪れたことがあり、そこでウイルスを保有した蚊に刺されたのが原因とみられる。

新たに感染が確認された14人の内訳は、10〜20代の男女12人と、10歳未満の男児、50代男性。ほかに、岡山県で感染が疑われる例が1人あり、確定検査を実施している。

東京都は2日、感染場所とみられる代々木公園で、蚊がデングウイルスを持っているかどうか、採取して調べるため、10カ所に採集器を設置した。採集器は、透明な筒の下に網を付けた構造で、二酸化炭素(CO2)を出すドライアイスと光で蚊を誘い、ファンの風で網の中に蚊を追い込む。

デング熱は蚊が媒介するウイルスによる熱病で、人から人には直接感染しない。国内に生息するヒトスジシマカは冬を越せないため、国立感染症研究所は、患者の発生は一過性とみている。

厚労省は「代々木公園とは無関係の地域で限定的な流行が起こる可能性はある」として、長袖、長ズボンの着用や虫よけスプレーの使用などで蚊に刺されないよう注意を呼び掛けるとともに、医療機関向けの診療マニュアルを配布する。

 

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代々木公園の蚊からデングウイルス検出 都の簡易検査

【東京新聞・社会】   2014年9月4日 夕刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014090402000242.html

デング熱の国内感染が相次いで確認された問題で、東京都が感染場所とみられる都立代々木公園(渋谷区)で二~三日に捕獲した蚊の簡易検査で、デングウイルスが検出されたことが分かった。都は検査結果の確定作業を急ぐとともに、現在もウイルスを保有する蚊がいる可能性があるとみて、感染を防ぐ対策を検討している。

都は二日に園内十カ所に蚊の採集器を設置し、三日に回収。都の健康安全研究センターで、ウイルスを媒介する可能性がある「ヒトスジシマカ」などを遺伝子検査にかけ、保有の有無を調べていた。

厚生労働省などによると、デング熱の国内感染患者は三日現在で十一都道府県の計四十八人。全員が代々木公園か周辺を訪れたことがあり、ここで蚊に刺されて感染した疑いがある。

都は八月二十六日夕から二十七日朝にも蚊を捕獲して検査したが、ウイルスを保有する蚊はいなかったという。二十八日には園内の一部で蚊の駆除作業をしたほか、来園者に長袖と長ズボンの着用や虫よけ剤の活用を呼び掛けている。

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