7/4蜜月・経団連も冷ややか/「広告圧力」現実味薄く/「マスコミ懲らしめ」自民議員発言は過信?【東京新聞・特報】

津村健夫さんの番組に圧力かけるためにやってましたよね!関電の八木社長!忘れていませんよ。
たね蒔きジャーナルもそうやってつぶしたんでしたよね。

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蜜月・経団連も冷ややか

 「広告圧力」現実味薄く

   「マスコミ懲らしめ」自民議員発言は過信?

2015年7月4日【東京新聞・こちら特報部】
「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなることが一番。文化人、民間人が経団連に働き掛けてほしい」。自民党の大西英男衆院議員らの報道圧力発言で浮かび上がったのは、「経団連と自民党」「マスコミと広告」の問題である。なるほど安倍政権と経団連は蜜月だ。経団連の要求通りに事が運んでいる。そして確かにマスコミは広告収入に依存している。では、経団連が自民党の手先となってマスコミに圧力をかけるのか、かけ得るのか。 (沢田千秋、白名正和、佐藤圭)

 

政府が先月三十日に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太方針」は、経団連の提言と酷似している。

サブタイトル「経済再生なくして財政健全化なし」は、経団連の五月の提言「経済再生・社会保障改革なくして財政健全化は達成せず」と似通っている。骨太の「経済・財政再生計画」の対象期間や数値目標、用語は、経団連の提言と完全一致する。

歳出抑制のための社会保障改革案でも共通点は多い。いずれも「利用者負担の適正化」「能力に応じた負担」との観点から、高額療養費制度や後期高齢者医療の負担額の引き上げを示唆している。地方財政改革では「見える化」との共通語を使用する。

経団連の榊原定征会長は先月の記者会見で、「骨太」について「後退せず、そのまま実行に移してほしい」と期待感を表明。それもそのはず、榊原会長は経済財政諮問会議の民間議員として素案作りに参加していた。

原発、環太平洋連携協定(TPP)、マイナンバー制度・・・。これまでも安倍政権は経団連の意向に沿った政策を推進しているが、今国会はその姿勢が際立つ。先月十日、武器輸出や他国との共同開発を事実上解禁る改正防衛省設置法が成立。経団連にとっては、世界の軍需産業への門戸が開けた。派遣社員の受け入れ期間の制限を事実上撤廃する労働者派違法改正(参院で審議中)も、雇う側の経団連に都合のいい要求が通った。

経団連と自民党のカネによる強い結び付きも、安倍政権下でよみがえった。

自民党長期政権の五五年体制時代、経団連は、具体的な献金額を企業や業界団体に割り振る「あっせん方式」によって年間百億円を寄付していた。

一九九三年、バブル崩懐や非自民連立政権誕生の影響で中止したが、二OO四年、主要政党の政策を五段階で評価し、その結果をもとに献金を促す「呼び掛け方式」で政治関与を復活する。民主党政権誕生でO九年を最後に取りやめたものの、自民党の参院選勝利を受ける形で一四年九月、経団連は同党を念頭に、「政治寄付を実施するよう呼び掛ける」と五年ぶりの再開を宣言した。

これほど仲良しなのはなぜか。

慶応大の金子勝教授(財政学)は「五五年体制の腐れ縁でもたれ合い癒着している」と看破する。「経団連は、鉄鋼や電力など国内では伸びる余地がない産業が中心。実は日本経済の構造改革の一番の抵抗勢力といえる。その古くさい産業が生き残るための原発再稼働や武器輸出を、他に資金調達法を知らない安倍政権が一生懸命やっている」

自民党議員の報道圧力発言については「政財界が古い体制に後戻りしている現実を浮き彫りにした」と指弾する。

 「広告圧力」現実味薄く

  規制の動き、後絶たず「メディアは団結を」

大西氏らの「報道圧力発言」は、自民党内でも反発を招いているが、そもそも「経団連を使った圧力」は可能なのか。大手広告代理屈・博報堂の元営業マンで、国と電力会社による原発プロパガンダを告発した著書のある作家の本間龍氏緒に検証してみた。

「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなることが一番」(大西氏)との認識については、本間氏も「間違っていない」と異論を唱えない。日本新聞協会によれば、新聞社の総売上高に占める広告収入は23・3%(二O二二年度)。在京民放の三月期決算では、日本テレビホールディングスの広告収入割合(地上波のみ)は68・92%、テレビ朝日ホールディングスは同68・92%。広告なくして経営は成り立たない。

ならば、与党・自民党の鶴の一声で広告収入を締め上げることはできるのか。本間氏は「言うはやすしで行うは難し。自民党の議員は広告の仕組みを知らないで軽口をたたいているのではないか」とみる。

まず経団連が動きそうもない。経団連の会員ではないが、日本郵政の西室泰三社長は記者会見で「メディア規制を考えている人の方が民主主の原則から外れている」と批判した。経団連関係者からは「まじめに受け取るような話ではない」との声が漏れる。

仮に経団連が広告の自粛を要請し、これに応じる会員が出現したらどうなるか。テレビの場合は、春と秋の番組改編期以外にスポンサーを降りることは難しい。本間氏は「在京キー局の人気番組ともなれば、億単位の違約金を取られる。二~三年の契約であれば当然、改編期でも違約金を取られる」と説く。

例えば、政府自民党から何かと文句をつりられているテレ朝の「報道ステーション」は、報道番組ではトップクラスの視聴率を誇る。これに代わる人番組を探すのは容易ではない。「在京キー局の広告は完全な売り手市場だ。一度『事故』を起こした社は、ちゃんとした番組のスポンサーになかなかなれなくなる。広告効果の高い番組スポンサーの座をふいにした上、局との関係を悪くするようなリスクを負うだろうか」(本間氏)

新聞はテレビに比べれば苦しい。O七年と一四年の媒体別広告費を見ると、テレビはほぼ同額だが、新聞は三分の二に落ち込んでいる。本間氏は「新聞広告は、一カ月先くらいの予定はあるが、やめても違約金はない。広告出稿を絞ったり、取りやめたりすることは可能だ」と解説する。ただし、圧力をかけていたことが発覚すれば、自民党も経団連もスポンサーも無傷ではいられない。特にスポンサーは「与党の言うことを聞いて広告を引き揚げたとなれば、せっかく広告費を投じてアップしたブランドイメージは大きく傷つくだろう」(本間氏)。

もちろん、「経団連を使った圧力」が非現実的であっても安心はできない。安倍政権では、メディア規制とも受け取れる言動が後を絶たない。

衆院選を控えた昨年十一月、自民党は在京テレビ各局に対し、選挙報道で公正さを確保するよう求める文を出した。今年四月には、自民党がテレ朝とNHKを党本部に呼び、個別の番組について事情聴取した。こうした流れの中で飛び出したのが今回の報道圧力発言だ。

本間氏は「メディアに人気と実力があれば、広告主が一人や二人抜けても問題はない。『やれるものならやってみろ』という覚悟でケンカしてほしい」とハッパを掛ける。

元日本テレビディレクターの水島宏明・法政大教授(メディア論)も「勉強会に参加した議員個人の問題にされがちだが、政治が何にも勝るという安倍政権の体質、おごりが表れている」と指摘した上で、メディアの団結を促す。「メディアは権力を監視するためにある。全メディアが一丸となり、権力側の脅しを許さないよう声を上げ続けることが必要だ」

デスクメモ
ツイッターで「#自民感じ悪いよね」というハッシュタグがはやっている。石破茂地方創生担当相の発言がきっかりらしい。「自民党は政策よりも『何か感じが悪いよね』と国民の意識が高まったときに危機を迎える」(二日、無派閥議員の会合で)。「感じ悪い」どころか、民意無視の暴走政治ではないのか。(圭)

経団連
一般社団法人日本経済団体連合会。
会員は東証1部上場企業を中心とした有力企業1329社と各都道府県の経営者協会や業界団体など156団体。1946年、政府の経済政策に対し財界から提言を行う目的で結成され、2002年、経営者側による労働問題の提言が専門だった日本経営者団体担盟と統合した。豊富な政治献金を背景に政界への影響力は強く、歴代会長は「財界総理」と称される。

 

自民党議員による圧力報道発言

大西英男氏(衆院東京16区)
・マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなることが一番だ。われわれ政治家には言えない。ましてや安倍首相は言えないが、文化人、民間人が経団連に働き掛けてほしい(6月25日、自民党議員の勉強会で)
・(発言に)問題があったとは思えない。誤った報道をするマスコミに対して広告は自粛すべきだと個人的に思う。懲らしめようという気はある(6月30日、記者団に)

井上貴博氏(衆院福岡1区)
・経団連も商工会も「子どもたちに悪影響を与えている番組ワースト10」とかを発表して、それに(広告を)出している企業を列挙すればいい(勉強会で)

国会前の集会で戦争反対を訴える人たち=3日・永田町で

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