7/16安保法案記事(福井・愛知・岐阜・長野・茨城・神奈川・千葉・埼玉・栃木・群馬・国会前)【中日新聞・東京新聞朝刊】

「安保」賛否、5人無回答 県関係の7国会議員

【中日新聞・福井】 2015年7月16日
http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20150716/CK2015071602000006.html

「反対するため頑張るぞー」と拳を突き上げる(左から)笠原一浩弁護士、民主党県連山本正雄代表、共産党県委員会南秀一委員長、社民党県連龍田清成代表=福井市で

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憲法違反との批判が強まる中、十五日の衆院特別委員会で行われた安保関連法案の強行採決。中日新聞と日刊県民福井の取材に、県関係の国会議員は多くが法案への賛否を含めて態度を明らかにせず、問題の難しさを象徴した。

福井に事務所がある山谷えり子参院議員を含めた七人に賛否やその理由をアンケート形式で尋ねたところ、賛成は山本拓衆院議員(比例北陸信越)のみ。別にコメントを出した稲田朋美衆院議員(福井1区)を除く五人は回答しなかった。

山本氏は「昨年の総選挙でマニフェスト(政権公約)に掲げている」と賛成理由を説明。「審判は次の総選挙で国民に判断していただく」と述べた。

稲田氏は「党三役は政策責任者なのでアンケートには答えられない」とした上で、「国民の命と暮らしを守り、世界の平和と安全に貢献するために必要」との談話を出した。

二人は各種世論調査で反対が過半数を占めている現状も意識する。稲田氏は「国民が理解していない部分もあるが、衆院では議論は尽くされた」と説明。山本氏は「全てを正しく理解してもらうのは難しいが、今後も理解促進に努める」と先を見据えた。

回答しなかった五人のうち、山崎正昭参院議員は「参院議長として中立性を保つため」と説明。高木毅衆院議員(福井2区)、助田重義衆院議員(比例北陸信越)、滝波宏文参院議員、山谷氏は回答しない理由を明らかにしなかった。

(安保法制取材班)

◆「国民、国会軽視だ」 県内3党など共同声明

政党県組織である民主党県連、共産党県委員会、社民党県連と、政治団体の緑の党グリーンズジャパンは十五日、県庁で共同記者会見を開き「安倍自民・公明内閣が今国会に提出している安保法制の強行採決に反対する」と共同アピールした。

各団体の代表者らが顔をそろえた。民主党県連の山本正雄代表が「国民、国会軽視で到底許されない。立憲、民主主義を否定する」と切り出すと、共産党県委員会の南秀一委員長は「戦後最悪の憲法破壊法案。日本を米国と一緒に戦争する国にする法案」と怒りを込めた。

社民党県連の龍田清成代表は安倍内閣が衆院で再可決するための「六十日ルール」に触れ「参議院を小ばかにしている」と指摘。緑の党党員で前運営委員の笠松一浩弁護士は「憲法改正手続きによらない事実上のクーデター。近代民主主義の考え方を踏みにじる」と切り捨てた。

四人は福井市大手三付近で合同の街頭演説をし、反対の姿勢を貫くことを誓い合った。

山本代表は「日本が民主主義国家でなくなると心配してこの場に立った」と説明。「各党の考えが一致できるところで共に頑張っていきたい」と訴え、「解釈で九条をこわすな」などと書かれたプラカードを持つ聴衆らとともに「最後まで反対するため頑張るぞー」と拳を突き上げた。

(西尾述志、玉田能成)

 

安保法案、県関係衆院議員の見解は

【中日新聞・ 愛知】 2015年7月16日
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20150716/CK2015071602000054.html
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衆院特別委員会で15日、自民、公明両党の賛成多数で可決された安全保障関連法案。中日新聞が県関係の全衆院議員28人に法案に関する見解を聞いたところ、与党では公明の伊藤渉氏(比例)が国民の理解が深まっていないことを認めながらも今国会での法案成立を支持した。自民は全員が回答を拒んだ。野党の民主、維新、共産は全員が反対を表明した。

本紙は十四、十五日に各議員の東京事務所を通じて書面アンケートを実施。安保関連法案に関して、(1)合憲か違憲か(2)今国会での成立に賛成か反対か(3)国民や有権者の理解が十分と思うか思わないか-の三点について、「どちらとも言えない」も含めた三者択一と理由を尋ねた。

与党で唯一回答した伊藤氏は、法案の合憲性や今国会での成立を支持したが、理由には触れなかった。国民の理解が「十分とは思わない」とした上で、「法案の内容を正しくご理解いただくために、党の会合などを活用して説明責任を果たしていく」と述べた。

民主の大西健介氏(13区)は、百時間を超えた審議時間を強調する与党側を「『自衛隊のリスクが高まることはない』のように理由も示さず決め付ける答弁で、議論が深まらない」と批判。維新の重徳和彦氏(12区)も「違憲の法案を何百時間説明しても理解されるはずがない」と述べた。

十四人全員がそろって回答を避けた自民。根本幸典氏(15区)の事務所は「本人が慎重になっているため回答を差し控える」、伊藤忠彦氏(8区)の事務所は「本人が忙しくてアンケートに目を通していない可能性がある」と説明。あるベテラン議員の秘書は「議員本人は回答したくても、微妙な時期なので回答しにくいのかも」と話した。

(赤川肇)

◆「国民の慎重意見受け止める必要」 知事がコメント

安全保障関連法案が十五日、衆院特別委員会で可決したことを受け、大村秀章知事は「国会は引き続き、国民や周辺諸国に対し、丁寧な説明を尽くし、十分かつ慎重な議論を徹底的に行ってほしい」などとコメントした。

大村知事は安保関連法案について「戦後の日本とアジア・太平洋の平和と安定に日本国憲法が果たしてきた大きな役割を踏まえた上で議論してもらいたい」と指摘。「国民には法整備に慎重な意見や十分な理解が進んでいないとの指摘も多く、政府・与党はそうした意見をしっかり受け止める必要がある」と述べた。

 

強行不満に地方の声 安保法案、衆院委で可決

【中日新聞・岐阜】 2015年7月16日
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20150716/CK2015071602000019.html

安保関連法案の衆院平和安全法制特別委員会での強行採決に抗議する参加者ら=JR大垣駅前でcyu150716gifu

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十五日の衆院特別委員会で強行採決された安全保障関連法案。「慎重な審議」を求めた県内の市町議会の関係者は落胆し、各政党の県組織からも強引な手法を疑問視する声が上がった。

◆「受け止めていない」 意見書可決の県内7議会

「多くの地方議会が、反対や慎重審議の意見書を出す中での強行採決。政府が地方の声を受け止めているとは言いがたい」

安保関連法案の衆院特別委での可決を受け、多治見市の加藤元司議長は憤った。市議会では六月下旬、自民系会派も賛成して「法案の慎重審議」を求める意見書案を可決していた。

「自民王国」とも称される岐阜でも、多治見のほかに、高山と本巣、海津、郡上、美濃加茂の五市議会と輪之内町議会の六月定例会で、「慎重な審議」を求める意見書案が可決されている。

郡上市の尾村忠雄議長は「十分に議論されていない」、本巣市の黒田芳弘議長は「集団的自衛権の必要性は理解できるが、憲法解釈の見直しによって法整備を進める政権の手法はおかしい」と疑問を呈する。

「憲法九条の下では武力の行使は原則として禁じられ、集団的自衛権の行使は認められない。慎重に審議し、説明責任を十分に果たすよう強く求める」と安倍首相らに求めたのは、美濃加茂市議会の意見書。

全十五人の議員のうち自民系は十一人を占めるが、全会一致で可決された。自身も自民系の片桐美良議長は、「自民はあまりにも強行で、いかにも数の力で押しているように見えた」と指摘。「もう少し責任をもった審議や説明を」と訴えた。

一方、海津市の水谷武博議長は「政府も地方議会の声や世論を気にかけて、国会の会期を大幅に延長したのだろう」と一定の理解を示した。

(藤沢有哉、大島康介、小野沢健太)

◆採決に激しい抗議 大垣で弁護士や市民

安全保障関連法案が、衆院特別委員会で可決された十五日夜、大垣市内の弁護士や市民ら十人がJR大垣駅前で、抗議の声を上げた。

弁護士法人ぎふコラボ(同市)などが呼び掛け、「アベ政治を許さない」「9条壊すな」と書かれたポスターを掲げ、マイクで廃案などを訴えた。

山田秀樹弁護士(57)は「議論すればするほど法案の欠陥が明らかになっている。それが国民に分かってしまうと困るから強行採決するのではないか」と話していた。

十八日午後一時にも、駅前での抗議行動を予定している。

(榊原大騎)

◆「やり方に問題ある」 身内の本部に不満も

安保関連法案が衆院特別委で可決されたことに、自民県連の猫田孝幹事長は「国際情勢などから法案の意義は理解できる。でも、(審議の)やり方には問題がある」と述べた。

県議会では昨年夏、集団的自衛権の行使を認める閣議決定や関連法の制定について、慎重に検討するよう安倍首相らに求める意見書案を自民会派が提案し、可決された。猫田幹事長は「国会の会期延長で審議時間をとったとはいえ、地方公聴会を積極的に開くなどして広く意見を聞くことはしなかった。意見書を守ってくれたかは微妙だ」と語った。

民主県連の伊藤正博幹事長は「自民には、国民の声を聞いて物事を判断する機能がない」と批判。ただ、身内の民主党本部にも不満がある。「与党案への対案を出さないと。反対するだけでは、民主の考え方が国民に伝わらず、支持も得られない」と苦言を呈した。

対案を出した維新の今井雅人県総支部長は「特別委では議論を深める前に強引に採決され、非常に腹立たしい」と憮然(ぶぜん)とした表情。「政府は抽象的な説明を繰り返すばかりで、国民と真剣に向き合っていない」と訴えた。

公明県本部の水野吉近代表は「百十時間を超える審議を行い、丁寧な姿勢は伝わってきた。ただ、法整備をなぜ急ぐ必要があるのかという部分の理解を得ないと」。

共産県委員会の松岡清委員長は「違憲の法案の強行採決は国民主権への挑戦。今国会で成立しないよう、野党が頑張り抜かないと」と強調した。

 

安保法案、各地で「NO」 信大教員有志ら「撤回求める会」結成

【中日新聞・長野】 2015年7月16日
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20150716/CK2015071602000011.html

会見する呼び掛け人の(右から)久保教授、成沢教授と久保木教授=信州大松本キャンパスで

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他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案が衆院特別委員会で可決された十五日、県内各地で廃案を求める声や自民、公明両党による強行採決へ異論が相次いだ。市民や弁護士、大学教員らがそれぞれの立場から法案へ「NO」を突き付けた。

信州大の教員有志ら四十八人はこの日、「安全保障関連法案の撤回を求める信州大学人の会」を結成し、松本市内で会見した。

呼び掛け人で法科大学院の成沢孝人教授は「国のあり方を根本から変えるのであれば、今の国民は将来の国民に対して責任がある。きちんと議論した上で変えていくのが本来の民主主義」と批判。人文学部の久保亨教授は「国民を納得させられない政治家は政治家失格だ」と述べた。

安保関連法案の衆院特別委員会での強行採決に抗議する市民ら=長野市の長野大通りで

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結成式には長野大(上田市)環境ツーリズム学部の久保木匡介教授らも出席。インターネット会員制交流サイト「フェイスブック」などで賛同を呼び掛けるほか、三十日に松本キャンパスでシンポジウムを開き、法案の問題点を訴える。

法律を守る立場からも異論が噴出した。

県弁護士会の歴代会長二十七人は廃案を求める声明を発表。長野市内で会見したメンバーの武田芳彦弁護士は「立憲主義は、法律家が絶対に曲げることはできない大原則だ。国会も政府も、法の支配を投げ捨ててしまっている」と批判。同席した田下佳代弁護士は、「特別委での可決は居たたまれない」と述べた。

県内の開業医約千三百三十人らでつくる県保険医協会も、与党の強行採決に対する抗議声明を発表した。

安保関連法案の撤回を求め抗議活動する市民ら=松本市のJR松本駅で

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市民団体は同日夕、ターミナル駅前で抗議活動を行った。

長野市のJR長野駅前で、戦争をさせない1000人委員会・信州が開いた抗議集会には二百五十人が参加。「許すな!強行採決」「NO!戦争法案」などのプラカードを掲げてデモ行進した。

参加した長野市の会社員篠原由紀子さん(34)は「私たちは戦争を知らない。次世代に平和を引き継ぐため声を上げ続けたい」と話した。

松本市のJR松本駅では松本地区護憲連合のメンバーが、「怒」と書かれた紙を持って並び、「皆さんの声を大きくすれば、必ず安倍政権を退陣に追い込むことができる」と訴えた。

十四日には、木曽地域の「九条の会木曽連絡会」「木曽地区労働組合会議」など護憲四団体が、廃案を求めて共同声明を発表している。

(安全保障関連法案取材班)

 

安保法案 「国民の力で廃案、撤回に」 茨城大有志の会 22日討論会

2015年7月16日【東京新聞・茨城】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20150716/CK2015071602000201.html

名誉教授など茨城大関係者二十一人が六月十五日に結成した「安全保障法制に反対する茨城大学有志の会」は、発足後一カ月で呼び掛け人五十三人、賛同者五十六人(氏名非公表の二十人含む)の計百九人に拡大した。幹事の田中重博名誉教授(地方自治論)ら中心メンバーが十五日に県庁で会見して発表し、さらなる賛同を呼び掛けた。

有志の会は、集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案が、今国会で成立することに反対している。結成当初は退職者ばかりだったが、十五日現在で各学部の現役教員のうち十四人が呼び掛け人に名を連ね、十六人が賛同者として氏名を公表するなど、輪を広げてきた。

この日も「多くの学者がこの法案に強い危惧を抱いている。茨城大から法案反対の力強い声を上げていこう」と大学関係者らに訴えた。

田中氏は「憲法学者の九割以上、歴代内閣法制局長官のほとんどが違憲だと言明し、どんな世論調査も反対が賛成を上回り、全国各地で抗議活動が繰り広げられている。国民世論を無視する戦後最悪の法案だ」と主張。

その上で「法案が衆議院を通過したとしても、国民の力で廃案、撤回にするしかない。そのために微力ながら力を尽くしていきたい」と述べた。

有志の会は二十二日午後三時から、安保関連法案について学生たちが意見を交わす「茨城大学共同討論カフェ」を、理学部インタビュースタジオ(水戸市文京)で開催する。学部生のほか大学院生や教職員、一般市民も参加可。元県弁護士会長の安江祐氏らが話題を提起する形で進行し、発言の場をつくる。

有志の会は学生の加入を求めていないが、呼び掛け人の一人の田村武夫名誉教授(憲法)は「こういう勉強会を通じて学生自身に立ち上がってほしい」と促した。 (妹尾聡太)

 

「民意無視ひどい」 安保法案採決強行 県民から批判、懸念

2015年7月16日【東京新聞・神奈川】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20150716/CK2015071602000177.html

会見する鷹巣さん(右から2人目)と国会議員ら=東京・永田町で

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「強引すぎる」「国民の声が届いているのか」-。安全保障関連法案が衆院特別委員会で可決された十五日、各地の県民から採決強行を批判する声が相次いだ。十六日の衆院通過を目指す与党に対し、「民意無視がひどい」「何を言っても政権が暴走していくのでは」と懸念する声も上がった。 (猪飼なつみ、山田祐一郎、吉岡潤、西岡聖雄、草間俊介、横井武昭)

横浜市磯子区の事務職員の女性(59)は「やっぱり可決したのか」と落胆した様子。「これだけ国民の反対が多いのに、憲法学者も違憲だと言っているのに、その声が届いているのでしょうか」と不安を見せた。「どうして自民党はこれほど急いで押し通すのか、理解できない。審議時間の長さを強調するけれど、とても議論が尽くされたとは思えない」と訴えた。

戦時中、出身地の仙台で空襲を経験した横浜市南区の無職日下文雄さん(76)は「焼夷(しょうい)弾が落ちる場面を見ている。戦争に巻き込まれるのは反対」と話した。安倍首相が国民への理解が広がっていないことを認める発言をしたことについて「自分も理解できない。内閣でも理解できていないから国民に説明できていないのではないか」と指摘した。

知人の連絡で採決強行を知った藤沢市の福祉施設職員、藤田靖正さん(35)は「特定秘密保護法(制定)のときからずっと、民意無視がひどい」と憤る。昨年十二月の総選挙で自民党が大勝したが、「有権者は個別の案件全部を認めたわけではない」と話した。

開成町の会社員諏訪敏之さん(52)も「衆院選で経済効果を期待して自民に投票した人は多いが、改憲や解釈変更を望んで投票した人は周りにいない」と指摘。「米国の軍事行動の参加要請を断れるのか。国民の命を守るためと言うが、逆に原発や駅、海外の日本人がテロの標的になる恐れが高まるのでは」と危惧した。

所属するNPOの打ち合わせをしながら採決強行を知った鎌倉市の主婦黒瀬聖子さん(55)は「法案には反対です。日本は自衛力による国際貢献よりも、政府開発援助や技術支援による国際貢献に力を入れたほうが、国際社会から尊敬をうけるはず」と話した。

川崎市麻生区の団体職員、斎藤千尋さん(28)は、若い学生グループや政治に関心のない人まで反対の声を上げたことに注目していたという。「それなのに、強行採決するなんて信じられない。ショックです。これでは民主主義ではない。何とか止めたいと思うが、明日もこのまま決まってしまえば、これからも国民が何を言っても政権が勝手に暴走していくことになるのでは」と懸念した。

安保法案「廃案へ 思いさらに強く」 「9条にノーベル賞」団体の鷹巣さん

2015年7月16日【東京新聞・神奈川】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20150716/CK2015071602000176.html

「まだ成立したわけではない。廃案への思いをさらに強くした」。今年のノーベル平和賞候補に「憲法九条を保持している日本国民」を推薦した市民団体「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会(事務局・相模原市)の鷹巣(たかす)直美さん(38)は、安全保障関連法案の衆院特別委員会での強行採決をテレビで見て語った。「子どもたちを戦争に送ることになる法案。特に子どもを持つお母さんたちに知ってもらい、子どもを守るために一緒に声を上げていきたい」

法案が採決される前の十五日午前、実行委メンバーは東京・永田町で記者会見し、反対を表明。鷹巣さんも「戦争をしないでほしいという思いは世界各国の全ての人の願いだと思う。少しでも九条の理念が世界に広がっていくよう頑張っていく」とひと言ひと言に力を込めて訴えた。

会見には、「日本国民」を平和賞候補に推薦することに賛同した国会議員計六十一人のうち、衆参両議員四人が出席。江崎孝参院議員(民主)は六十一人を代表する形で「安倍内閣の暴挙を反面教師とし、国民の皆さんが九条の価値を再認識しつつある。廃案に向けて国民の皆さんと連帯し、闘いをさらに強める決意だ」と述べた。 (寺岡秀樹)

 

安保法案 強行採決 県民に怒りの声 成立阻止へ抗議運動

2015年7月16日【東京新聞・千葉】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20150716/CK2015071602000190.html

tky150716chiba_yurusanai「アベ政治を許さない」などのカードが掲げられた=JR柏駅で

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自民、公明両党が集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案の採決を衆院特別委員会で強行した十五日、県内でも抗議運動が相次いだ。憲法で国家権力を縛る立憲主義、憲法九条の平和主義をそれぞれ根底から覆す法案の成立は絶対に阻止しないといけない-。酷暑の中、市民が各地で怒りの声を上げた。

JR柏駅前では、安保法案に反対する緊急の抗議集会が開かれ、市民約六十人が「戦争法案に反対しよう」と若者らに呼び掛けた。

市内にある九条の会などが、二日前に急きょ開催を決めた。

法案の採決が強行されたことについて、集会を呼び掛けた一人の小菅敏夫さん(75)は「国の在り方を変える法案で、多くの国民が疑問の声を上げているのに安倍政権は、まったく聞く耳を持たない。絶対に認められない」と怒りを隠せなかった。

戦後七十年の今年は、柏市が平和都市宣言をして三十周年の節目でもある。小菅さんは「歴史を振り返るべき時なのに、今回の安保法案は逆行している。市民に訴えて広げていきたい」と話した。

法案に反対する署名は一時間で約百五十筆集まり、予想よりも反応が良かったという。署名に応じた高校三年の男子生徒(17)は「自分の命を無駄にしたくない。戦争に巻き込まれたくない」と話した。 (三輪喜人)

 

超党派市議ら法案反対訴え 松戸

2015年7月16日【東京新聞・千葉】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20150716/CK2015071602000189.html

安保法案反対のチラシを配る市民グループのメンバー=松戸市で

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松戸市では、超党派の市議や市民グループ「平和憲法を守る松戸連絡会」が松戸駅東口で、法案反対を相次ぎ訴え、特別委での採決強行に抗議した。

市議は民主、共産、社民、無所属などの有志十四人。安倍政権への危機感から前日に街頭活動を決めた。

活動中に採決が強行されると、市議たちは「立憲主義に反している」「参院で廃案に」「関心を持って」などとアピール。ベテラン市議は「一つの問題を超党派で訴えるのは松戸では初めて。今後も連携していく」と話した。

連絡会は夕方、通勤通学客らに法案反対のチラシを配り、「多くの憲法学者が違憲と指摘している」などと訴えた。国会に廃案を求める請願に署名する若者もいた。

連絡会の湯村悦朋さん(76)は「首相は国民の理解が進んでないと認めたのに、強行採決するのはおかしい。次の世代のために私たち大人が頑張るしかない」と力を込め、夜の国会前での抗議活動に仲間と向かった。

習志野市のJR津田沼駅南口でも同夕、法案に反対する市民や市議ら二十人弱が集まり、採決強行に「武力を使わないクーデター」などと異議を唱えるとともに「日本が戦争をする国に変えてしまう法律は認められない」と訴えた。 (飯田克志、服部利崇)

安保法案 強行可決に県民憤り

2015年7月16日【東京新聞・埼玉】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20150716/CK2015071602000196.html

安全保障関連法案の採決が十五日の衆院特別委員会で強行され、可決された。「国民をばかにした独裁政治だ」「武力で平和はつくれない」。自民、公明両党は十六日の衆院本会議で可決させる見通しだが、廃案を求める県民や法曹界から憤りの声が上がった。 (服部展和、中里宏、花井勝規、羽物一隆)

「世論調査を見ると国民の多くが法案に反対し、説明不足と感じている。その声を聞かずに数の論理で強行採決する安倍政権は許せないし、理解できない。審議時間も不十分だ」

七日に発足した朝霞市の市民グループ「戦争法案に反対するオール朝霞」の事務局員の一人、大野良夫さん(66)が怒りの声を上げた。「このままでは従来の平和外交から武力に頼る外交に変わってしまう。武力で平和はつくれない」と法案の廃案を訴えた。

川越市の事務代行業山口陽子さん(63)は「安倍首相自身が『法案に対する国民の理解が進んでいない』と認めているのに、強行採決するなんて国民をばかにした独裁政治。特定秘密保護法も同じ手法だった」と憤る。「一番問題なのは、憲法違反の疑いがある集団的自衛権の行使容認を閣議決定で進めたこと」と指摘した。

本庄市民らでつくる「本庄九条の会」の事務局員で自営業の田中益生さん(71)も、安倍首相の発言と採決強行を「矛盾している」と言い切る。その上で「国が国民の安全を守るのは当然だ。ただ、外交強化や地球温暖化防止など課題は多いのに、軍事一辺倒の姿勢はおかしい」と批判した。

秩父市の無職男性(71)は「国民の間で反対の声が多いのは分かっているのに、(与党は)国会議員の人数で押し切った。こんなことをしていたら世の中がおかしくなる」と憤った。与党が「議論は尽くされた」と強調しているが、「議論は時間でなく質が大事。関心はあったが、何を話し合っているのか分からなかった」と批判した。

採決強行への抗議声明を発表する石河会長(右から2人目)ら=さいたま市で

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 ◆「違憲法案と今後も戦う」 埼玉弁護士会会長

埼玉弁護士会の石河秀夫会長は十五日にさいたま市内で記者会見し、「国民の理解がまったく得られていない現段階で強行採決したことは、立憲主義と民主主義を破壊するものであって断じて許せない。政府の行為は暴挙だ」と抗議する談話を発表した。

談話では、法案について「自衛隊が集団的自衛権の名の下にアメリカ軍その他の軍隊と一体となって戦闘行為に加担することを容認するものであって、憲法九条に明白に違反する」と指摘し、「これからも違憲の法案と徹底的に戦うことを宣言する」と結んだ。

会見では、埼玉弁護士会の歴代会長有志二十七人による声明も発表された。「弁護士として憲法違反の法案に断固反対し、廃案を求める」と訴えている。これらの談話や声明は内閣や国会に送付する予定。 (堀祐太郎)

 

届かぬ県民の声 安保法案強行採決

2015年7月16日【東京新聞・栃木】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20150716/CK2015071602000209.html

◆落胆 「熟議これからなのに」 慎重審議求めた下野市議ら

各地の地方議会から反対や慎重審議を求める意見書が寄せられたにもかかわらず、十五日の衆院特別委員会で可決された安全保障関連法案。「地方でも熟議への機運が高まりつつあったのに」。他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認について、より慎重な審議を期待していた県内の人々の間には怒りと落胆が広がった。 (大野暢子)

下野市議会は六月、県内の議会で唯一、国会での慎重な審議と、国民への分かりやすい説明を求める意見書を賛成多数で可決した。意見書では「国民の深い理解と大多数の支持が成立の条件だ」などと指摘していた。

提出者の磯辺香代市議(60)は「自民系派閥の議員も『これは反対できないな』と、何人か賛成してくれたようだ」と手応えを語る一方、「強行採決により、県内で下野市議会に続く動きは絶たれた」と残念そうに話した。

自民系の元首長らが中心となり、集団的自衛権の行使に反対する活動を展開してきた「『戦争をさせない市民集会in小山』実行委員会」は小山市議会に、国民への十分な説明を求める意見書の提出を呼び掛ける陳情を提出した。

市議会総務常任委員会で「採択してはどうか」「国会が九月まで延長されたことを踏まえ、国政の動きを見極めるべきだ」などと意見が交わされた結果、継続審査となった。

実行委メンバーで、総務委を傍聴した小山市の三塚保夫さん(71)は「国会で慎重に審議すると安倍晋三首相が約束したからこそ、結論を見送った側面があったのに」と語った。JR小山駅前で十七日、衆院での採決に静かに抗議する「サイレントアピール」を計画しているという。

県内で労働運動に取り組む「日本自治体労働組合総連合栃木公務公共一般労働組合」(壬生町)は六月、県議会と全二十五市町の議会に陳情書を郵送。今国会中の採決を断念し、議論を尽くすよう求める意見書を採択し、衆院に提出することを各議会に呼び掛けた。

しかし、県議会と宇都宮市議会では「国政で議論すべきことだ」などとして不採択となり、複数の議会から「陳情は郵送では受け付けない」と連絡があった。同労組の針川典子(ひさこ)書記長(63)は「郵送での陳情に限界を感じたため、各議会に陳情書を持参しようかと考えていたところだった。国民に考える隙を与えない暴挙だ」と衆院での採決を批判した。

今後は、法案の撤廃を求める意見書の提出を呼び掛けるなど、新たな一手の必要性を痛感している。

横断幕やプラカードを掲げ、強行採決に抗議の声を上げる市民団体のメンバー=宇都宮市で

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 ◆憤慨 「孫を死なせたくない」 各地で「戦争立法」に抗議

街頭では、与党の強行採決に市民団体が抗議の声を上げた。

宇都宮市中心部の交差点で毎週水曜にアピール活動を行っている「秘密保護法はいらない! ネットワークとちぎ」の七人は、衆院特別委員会で法案が可決された後の午後一時から「『戦争立法』ストップ」と書かれた横断幕や「強行採決に抗議」というプラカードを掲げた。

木塚孟(たけし)代表(68)は「多くの国民が安倍首相の説明に納得していない。まだまだ審議は尽くされていない」と拙速な採決を批判。ほかの参加者も「これから(法案が審議される)参院で国民の声が高まるはず」「県選出の国会議員は何をやっているのか」などと発言した。

大田原市の交差点二カ所では朝から、県北部を中心に活動する「集団的自衛権反対! 県北共同センター」が通勤客に法案反対を訴えた。印南(いんなみ)敏夫代表(63)は「法案が成立し、海外に自衛隊が出ることになれば命の危険が増す。反対者が多いのに、多数で押し切るのは認められない」と語った。

このほか、那須烏山市の元航空会社勤務、高野允義(のぶよし)さん(68)は「結論ありきで、(首相が)自分の(思い描いた)日程に合わせて進めている」と憤り、矢板市の元高校教員、桑野厚さん(64)は「孫を戦争で死なせたくない。来年の参院選でも、(国民の)意見を反映させなければいけない」と話していた。 (後藤慎一)

 

「憲法を壊すな」「廃案へ戦うぞ」  安保法案強行採決 高崎市で抗議集会

2015年7月16日【東京新聞・群馬】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20150716/CK2015071602000210.html

安保関連法案反対のシュプレヒコールを上げる参加者=高崎市で

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衆院特別委員会で十五日、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案が与党単独で強行採決がされたことを受け、市民らによる抗議集会がJR高崎駅前であった。約七十人が「米国の戦争に日本を巻き込む法律で憲法を壊すな」「群馬から廃案に向けて戦うぞ」とシュプレヒコールを上げた。 (川田篤志)

民主と社民両党、県内労組などでつくる団体「戦争をさせない1000人委員会・群馬」が企画した。強行採決に抗議するチラシ五百枚を駅利用者らに配り、代表者が演説して反対運動への協力を求めた。

マイクを握った団体共同代表の一人の角田義一元参院議員は「違憲とされる法案を数の力で押し切った」と批判。法案が成立すれば、米国による戦争に日本が加担するリスクが高まると指摘し、「日本が戦争をする直前にあるが、今ならまだ止められる。国民の力によってつぶそう」と声を張り上げた。

ほかの演説者も「戦後七十年目にして戦争の道に進むことを何としても阻止しないといけない」「県選出の歴代首相が守ってきた専守防衛を破るもの。自衛隊が海外派兵されれば隊員の命を危うくし、日本がテロにさらされる危険が高まる」などと次々と主張した。

国会前で抗議集会  「10万人」と参加団体

2015年7月16日 00時18分【東京新聞・社会】
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015071501001829.html

安全保障関連法案が衆院平和安全法制特別委員会で採決された15日、国会前には「強行採決徹底糾弾」の大合唱がこだました。午前に続き夕方から深夜まで市民らが抗議集会を開き、参加団体の発表で入れ替わりも含め10万人が集った。「国民なめんな」「勝手に決めるな」の声が上がった。

集会は「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が主催。大学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」の中心メンバー奥田愛基さん(23)が「俺たちはマジで怒っている。安倍政権を辞めさせよう。みんなで声を上げよう」と呼び掛けると、大歓声が起きた。

「憲法守らぬ総理は要らない」「何か自民党感じ悪いよね」「ア、ベ、ハ、ヤ、メ、ロ」。シールズメンバーがヒップホップ調で呼び掛けると、集会の熱気は最高潮に。周辺の歩道は身動きが取れないほどで、警察が車道にあふれ出す市民らに注意を続けた。

東京都北区の大学生斎藤鉄也さん(20)は、採決が強行されたインターネット中継を見て初めて参加。「日本が70年間戦争をしていないことは誇りだ。それが踏みにじられた気がした」と語気を強めた。

夫婦で来た東京都品川区のアルバイト本郷甲一さん(66)は「議員が多ければ法案を通していいだろうという考えは国民をバカにしている」と憤った。

民主党の岡田克也代表は「これからが本当の闘い。撤回に追い込もう」と演説。共産党の志位和夫委員長は採決を「政治権力が憲法を壊せば独裁政治だ」と非難した。

(共同)

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衆院平和安全法制特別委での安保関連法案の可決を受け、抗議のため国会前に集まった大勢の人たち=15日午後6時37分(共同通信社ヘリから)

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