7/20福島原発事故 住宅提供打ち切り 見捨てられる自主避難者 /帰るも、残るも・・・ 苦悩尽きぬ母親/遅れる除染 周囲ヘ気兼ね 子を守れるのか/家賃全額負担 生活を圧迫 生きていけない【東京新聞・特報】

「まもなく全国放送で、避難指示区域外の避難者への住宅の無償提供の打ち切りについて」というメールが届いていた。
昨日の東京新聞の特報の内容らしい。

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まもなく、
どういう目的で放送するのかは、 見てみないとわかりませんが。

NHKの7時台のニュースで

避難指示区域外の避難者への住宅の無償提供が打ち切りについて、全国放送するそうです。
(※
OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
http://www.ourplanet-tv.org/

福島原発被害者支援かながわ弁護団のホームページの

‘原発損害賠償関連の報道’のページ
http://kanagawagenpatsu.bengodan.jp/category/03baisho/

も参照ください)

NHK番組表
http://www2.nhk.or.jp/hensei/program/read/c.cgi?a=001&c=21&f=top
で下記のように紹介してます。

午前7時00分から午前7時45分(放送時間45分間) NHKニュース おはよう日本

▼福島第一原発の事故の影響から子どもを守りたいなどの理由で、自主的に避難した人たちへの、住宅の無償提供が打ち切られることに。
広がる不安を見つめます。
とのこと

心配でたまらないのはきっと牧デスクもだろう。

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福島原発事故 住宅提供打ち切り 見捨てられる自主避難者

帰るも、残るも・・・ 苦悩尽きぬ母親

2015年7月20日【東京新聞・こちら特報部】

福島原発事故の被災者たちの「棄民化」が進行している。その一つが、自主避難者に対する住宅提供の打ち切りだ。福島県はこれを機に帰還を促すが、避難している母親たちはためらいを隠さない。放射線への懸念のみならず、安全が強調されている故郷では、子どもを守る手だてを取ること自体、白眼視される恐れがあるからだ。事故の幕引きが早々に図られようとする分、母親たちの苦悩は増している。 (榊原崇仁)

 

「まだ現実のこととして打ち切りを受け入れられない。原発事故があってからうつ病になり、睡眠薬に頼ることもあったけど、また眠れなくなった」
避難指示区域外の福島県いわき市から東京都内に避難している女性(四五)は力なくつぶやいた。
小学二年生と幼稚園児を育てるシングルマザー。 「国や県は放射線がどれだけ危険なものか、きちんと説明してくれない」と不信感を募らせた末、わが子を守るために故郷を離れた。
飲食店でパート勤務するが、毎月の収入は母子家庭の手当を含めて十三万円程度。住宅が無償提供される現在はこれで何とかやりくりしているものの「自分で家賃を払うことになったら、どうにもならない」。
県は原発事故後、避難者に建設型の仮設住宅や民間住宅などを利用した「みなし仮設」を提供してきたが、自主避難者については六月十五日、二〇一七年三月で打ち切ると決めた。
内堀雅雄知事は「インフラ整備や除染が進み、生活環境が整ってきた」と説明する。しかし、先の女性は「こんな原発事故は前例がないんだから、体にどんな影響が出るか分からないはずなのに…」と憤る。
県は早々に帰還誘導策を打ち出している。県内に戻る人には年度内から、引っ越し費用を支援する。避難先で暮らし続けたい人のうち、低所得者らには家賃補助をするが、詳しい内容は検討中で明確になっていない。
帰還誘導にあらがって、自費で住宅を確保する選択肢もあるにはある。しかし、自主避難者の置かれた状況は総じて厳しい。
避難指示の対象者とは異なり、月額十万円の精神的賠償はない。一定の収入を確保するため、夫が福島で仕事を続け、母子のみで逃れる例も目立つ。夫婦離ればなれの生活から離婚に至るケースも少なくない。
二重生活の家計の負担を増す。山形県米沢市に子ども二人と自主避難する母親(四六)は「持ち家を手放して生活資金を工面した。夫には一人で賃貸住宅に入ってもらっている」と話す。別の母親(四二)は「まだ自宅のローンがかなりある。これ以上、持ち出しを増やせない」とうなだれる。
避難先で住まいが確保できなくなれば、意に反した帰還を考えなくてはならなくなる。だが、郡山市から都内に逃れる母親(三九)は「いま戻ったら、きっと心が壊れてしまう」と言う。
「県内は『もう安全』という情報ばっかり。放射線から目を背けるのが普通になっている。私はそれが嫌だけど、周囲との付き合いを考えたら、福島では受け入れるしかない。近所の人が野菜を持ってきたら、それを断れるのか。除染が終わってない田んぼで息子が友だちと遊んでいても、帰ってこいと言えるのか。無防備な状況になじんでいくのはつらすぎる」

 遅れる除染 周囲ヘ気兼ね

 子を守れるのか

 家賃全額負担 生活を圧迫

 生きていけない

復興庁は十日、自主避難者らを援助する「子ども・被災者支援法」の基本方針改定案を公表した。「避難指示区域以外の放射線量は大幅に低減した。避難する状況にはない」と記すことで、住宅提供打ち切りにお墨付きを与えた。
竹下亘復興相は同日の記の会見で「やっぱり(福島に)帰っていただきたい。これは福島の強い思い」と帰還を促すメッセージを発した。ただ、帰還しない人への支援の必要性などを問われると、国による対応は語らず、「福島県が一番悩んでいるのは自主避難者ではない。避難指示区域の方をどうするか、が最大の悩みだ」と言い切った。
福島市から都内に自主避難する母親(三三)は「私たちは国にとっては汚点なんだと思う。『自主避難者が被害を大きく見せている』『勝手なことをした』と考えているはず。だからこれまでも軽んじられてきた。大臣の発言もその延長線上にある」と解釈する。
復興庁は十二日、自主避難者向けの説明会を山形市内で開いた。同庁の担当者は「来年度からは『復興・創生期間』」と述べたうえ、「もう被災者というところから、定住というところに重点を置いていきたい」と発言した。
福島への帰還、またはいま暮らす場所への移住を促す趣旨のようだが「被災した状況」という汚点を一刻も早く消したい本音が垣間見えたようにも思える。
しかし、原発事故はそう簡単に矮小(わいしょう)化できない。
環境省によれば、国の財政負担で除染を進める「汚染状況重点調査地域」は福島県外にもあり、栃木や群馬、茨城、千葉、埼玉など関東や東北の七県約六十市町村が指定された。このうちの二割で、まだ除染が終わっていない。
関東地方で意識調査をしている山口大の高橋征仁教授(社会心理学)は「福島県外でも、母親たちの間には放射線に不安を抱きながら口にするのを抑制する空気がある」と語る。それを裏付けるのが、高橋教授も加わる関西学院大災害復興制度研究所の調査だ。
対象は茨城、千葉両県の母親ら約二千人で、昨秋に実施。小学生以下の子どもがいる人の回答をみると、八割が「食品の産地を気にするなど、買い物のストレスが増えた」と答える一方、「放射能の問題は人前でしゃべらないようにしている」は茨城で四割、千葉では三割に達した。
行政による子どもの健康調査を求める声も強い。
市民団体「放射能からこどもを守ろう関東ネット」の脇ゆうりか共同代表は「今は甲状腺検査の費用を一部補助する自治体があるかどうかという程度。これも、いつまで続くかは分からない。国が何もしてくれないから」と語る。
住宅提供打ち切りのの余波は大きいという。
埼玉県内で自主避難者をサポートする小林玲子弁護士は「国が支援縮小の流れを確たるものにすれば、関東のお母さんたちの要望は空気のように扱われ、避難指示を受けた人たちの住宅提供もこの先、打ち切られかねない」とみる。
だからこそ、原発事故で苦しむ母親たちが手を取り合う必要性を説く。
「避難指示区域とそれ以外の福島県内、福島県外の三地域では、賠償や住宅提供、健康調査では、賠償や住宅提供、健康調査で差がある一方、放射線量も地域差がある。そのため、お互いがお互いの状況をねたみがち。でもみんな、根っこにあるのは子どもを守りたいという思いのはず。黙っている女性や子どもたちは付け込まれ、ただただ犠牲になる。この構造は、ドメスティックバイオレンス(DV)と少しも違わない」

((デスクメモ))
安倍政権は安保関連法で「国民の生活と命を守る」と繰り返した。同じ口が福島原発事故の被災者切り捨てを語る。どちらに本性が表れているかは明白だ。新国立競技場問題では、政権と取り巻きの無責任ぶりがあらわになった。うそと論理破綻の日常。この異状は福島事故の質任のうやむや化で加速した。(牧)

横断幕を掲げて住宅提供の打ち切りに反対する母親たち=17日、東京都港区で
子どもを守るため自主避難を続ける母親たち。「先が見えない」とため息が漏れる=埼玉県内で
自主避難者向け説明会で質問終了を促す復興庁職員。「お時間です」の言葉は、住まいにも適用されようとしている=17日、東京都港区で

(自主避難者 福島原発事故では、第一原発の20キロ圏内や、さらに北西方向の地域などが避難指示区域に指定された。だが、この区域外でも放射線量が高いと判断し、自主的に避難した人たちがいる。福島県によれば現在、その数は県内避難者の5000人を含めて2万5000人に上る。)

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