【10/15中日・夕刊】川内2号機が再稼働、11月に営業運転 新規制2基目/複数炉事故 考慮されず

東京新聞も山川記者だが、「複数炉事故 考慮されず」の見出しが「福島事故の教訓どこへ」になっていた。
山川剛史さんは特報部でよく見かける記者さんだ。

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川内2号機が再稼働、11月に営業運転 新規制2基目

2015年10月15日【中日新聞・夕刊】
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2015101502000263.html

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九州電力は十五日、川内原発2号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉を起動し再稼働させた。二十一日に発電と送電を開始する。二〇一一年三月の東京電力福島第一原発事故後、新規制基準に基づく審査に合格した原発の再稼働は、今年八月の川内1号機に続いて二基目。

2号機は十五日午前十時半に再稼働した後、約十二時間後に核分裂反応が安定的に続く「臨界」に達する見通し。営業運転への移行は十一月中旬を予定している。

川内原発前や福岡市の九電本店前では、再稼働に反対する住民らが抗議の声を上げた。

1号機では再稼働後の出力上昇中に復水器のトラブルが発生し、作業が一時中断した。2号機でも問題が起きれば再稼働に厳しい目が向けられるのは必至で、九電は慎重に作業を進める。

瓜生道明社長は十五日、「緊張感を持って安全確保を最優先に今後の工程を進めていく」とのコメントを発表した。

十五日午前十時半に九電の作業員が川内原発の中央制御室で、2号機の原子炉内の核分裂を抑えていた制御棒の引き抜き操作を始め、原子炉が起動した。

菅義偉官房長官は十五日の記者会見で「原子力規制委員会が、世界で最も厳しいと言われる新基準に適合すると認めたものは再稼働させていく政府方針に変わりはない」と述べた。再稼働の前提となる規制委の審査には、川内原発のほか関西電力高浜3、4号機(福井県高浜町)、四国電力伊方3号機(愛媛県伊方町)が合格している。

このうち伊方3号機は愛媛県議会が再稼働に同意し、地元手続きが大詰めを迎えている。

◆複数炉事故 考慮されず

夏の電力需要ピークも原発なしで乗り切り、その後も安定的な電力供給が続いている九州で、再稼働二基目となる川内原発2号機が動きだした。原発は目先のランニングコストは安く、九電の経営にとっては好都合だが、原発の内外とも多くの課題を積み残したままだ。

東京電力福島第一原発事故が見せつけたのは、複数の原子炉が近くで稼働する危険性だ。

1号機の水素爆発で全作業の一時中断を迫られ、3号機の爆発では突貫工事で完成したばかりの2号機の注水ラインがずたずたにされた。複数炉が悪影響を与え合い、事態を深刻化させた。

しかし、原子力規制委員会の審査は、複数炉の問題をあまり考慮していない。「新規制基準さえ満たしていれば、各号機で対処できる」(田中俊一委員長)ことが大前提となっている。

がれきで資材を運べなかったり、十分な要員が集まらなかったり事前の事故収束シナリオを外れるような事態は想定していない。

国内各地で火山活動が活発化しているが、桜島もその一つ。周辺に広がる姶良(あいら)カルデラなどの巨大噴火への備えも必要だが、監視態勢は不十分で、核燃料の緊急移送もまだ検討中だ。

住民の避難計画も形はできているが、県のトップらは「広域に避難するような事態にはならないだろう」と楽観的にみて再稼働を認めている。

(東京社会部・山川剛史)

<川内原発> 鹿児島県薩摩川内市にある九州電力の加圧水型軽水炉。1号機が1984年、2号機が85年に営業運転を開始した。出力はともに89万キロワット。定期検査で1号機が2011年5月、2号機が同9月に停止した。13年7月、新規制基準の施行日に原子力規制委員会に審査を申請し、14年9月に全国の原発で初めて審査に合格した。1号機は今年8月11日に再稼働し、同14日に発電と送電を始めた。

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