【10/16東京中日新聞・核心】川内覆う安全神話 知事ら「避難の事態起きない」/知事ら「避難の事態おきない」 圏外誘導訓練手付かず/「今すぐ廃炉に」「大きな経済効果」 地元で抗議と歓迎が交錯

中日新聞の方が川内再稼働の扱いが大きかった。
一面が川内だったし、核心の横にもコラム(地元で抗議と歓迎が交錯)があった。
ちなみに、東京新聞の核心の見出しは
危機感なき「安全神話」再び 「避難事故起こらぬ」 川内2号再稼働 「調整システム」形だけ バス運転手の訓練なし。
「滋賀県でも避難時のバス運転手が確保できないでしょう」と、嘉田由紀子さん(日本環境会議)。
私が運転手だったら拒否するもの、強制はできない。

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川内覆う安全神話 知事ら「避難の事態起きない」

2015年10月16日【東京新聞・核心】

知事ら「避難の事態おきない」  圏外誘導訓練手付かず

九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)で十五日、八月の1号機に続いて、2号機も再稼働した。県知事などからは「避難するような事故は起きないだろう」との発言が相次ぐが、重大事故への懸念は拭い切れない。 (東京社会部・小倉貞俊)

★風下

国の指針では原発で大故が起きた場合、一定の放射線量を超えた地域から、住民は三十キロ圏外へ避難することを求めている。避難先は自治会ごとに割り当てられるが、風向きによっては放射能汚染で使えなくなる恐れがある。
そこで鹿児島県が国の支援で導入したのが「避難施設等調整システム」だ。住民が再稼働差し止めを求めた仮処分請求について、鹿児地裁が請求を退ける判断材料の一つにもなった。このシステムが本当に住民の避難で役に立つのか確かめようと、県庁を訪ねた。
県の担当者が見せたのは一台のノートパソコンだった。高い放射線量が検出された地域を入力すると、自治会名や病院、福祉施設名を表示される。風下の汚染されている方角を入力すると、三十キロ圏外で避難できそうな施設が絞り込まれる。
ただ、システムの役割はここで終わり。オンラインで情報が共有されているわけでもなく、絞り込まれた施設は避難者を受け入れ可能なのかどうかなどは職員が一つ一つ、電話で確認するしかない。

 ★逆戻り

行政や県議会には原発故の可能性について楽観ムードが漂う。伊藤祐一郎知事は九月県議会で、原子力規制委員会の見解などを引き合いに「(福島第一原発事故より)放射性物質の放出は低く抑えられ、避難する事態は発生しない」と強調した。原発容認派が八割を超える県議会では、川内原発の事故対策を検証するため福島事故後につくられた特別委員会が「役割を終えた」とし廃止された。
桃木野幸一県議は「知事との議論がかみ合わない。福島を教訓にするどころか逆戻りだ」と憤る。松崎真琴県議は「新たな安全神話に漬かっている。避難施設の調整システムをはじめ、形だけ整えた印象は拭えない」と危機感を募らせる。

 ★ 現実

では、住民や、事故時に避難住民を運ぶ担い手はどう感じているのか。
バス事業者三十三社は、自家用車のない人や高齢者らを三十キロ圏の外へ運ひ出す協定を県と交わしているが、運転手の研修や訓練はほぼ手付かずだ。大手バス会社の労組幹部(六三)は「路線バスも観光バスも出払っていることが多く、事故には迅速に対応できない。どこの社も深刻に考えていないようだ」と指摘。薩摩川内市で路線バスを運転する男性(六O)は「社の指示があれば行かざるを得ないが、本音では行きたくない。被ばくは怖いし、何年後かに体に不具合が出ても補償されるか分からない」と話した。
川内原発がある同市滄浪-そうろう-地区では住民約三百人の半数近くが六十五歳を超えている。ほとんどが車で逃げる予定だが、中村敏雄自治会長(七四)は「避難先は五十キロ以上離れた鹿児島市内。道に迷ったり、ガス欠や事故を起こしたりしかねず、無事たどり着けるかどうか」。避難計画では五キロ圏内の住民を優先して避難させる段階的避難がルールだが、「いざとなればみな一斉に逃げ始め、大混乱になる。たとえ訓練を重ねても、現実には想像を超えた事態が起きかねない」と話した。
再稼働した九州電力の川内原発2号機(右)=15日午前、鹿児島県薩摩川内市で
避難先を調整するソフト=鹿児島県庁で

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「今すぐ廃炉に」「大きな経済効果」

 地元で抗議と歓迎が交錯

二基目が再稼働した九州電力川内原発の正門前では、十五日午後も反対派が集まり、運転の停止や廃炉を訴えた。一方、地元には雇用の増加や地域経済への効果を歓迎する声もあった。
正門前では、警察官らが警戒する中、抗議集会が続いた。参加者が交代で「川内原発はいらない」「今すぐ廃炉にしろ」と呼び掛けると、約百人が声を張り上げながら復唱した。
県外から駆け付けた人の姿も目立った。大間原発(青森県大間町)建設に反対する青森市の自営業中道雅史さん(六0)は「使用済み核燃料を生む再稼働は許せない」と批判。大間原発は使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを含む混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使う設計になっており、中道さんは連携して抗議を続けるという。
一方、川内商工会議所の山元浩義会頭(72)は「長期的には企業経営や雇用の安定につながる。地元経済に大きなメリットになると確信している」と再稼働を歓迎した。

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