11/5共生の街に賛同と疑問 「税金の無駄遣い」/敦賀市民職員擁護の声も もんじゅ勧告/原子力小委・委員の伴氏「存在意義はない」/規制委、もんじゅ移管勧告へ 廃炉「文科相が判断」【中日新聞】

共生の街に賛同と疑問 「税金の無駄遣い」

【日刊県民福井】中日新聞・福井発 2015年11月5日
http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2015110502000241.html

運営主体の移管が勧告されることになった高速増殖原型炉「もんじゅ」=2014年3月17日、敦賀市白木で、本社ヘリ「あさづる」から

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敦賀市民職員擁護の声も

もんじゅ勧告

高速増殖原型炉「もんじゅ」(敦賀市)の運営主体を日本原子力研究開発機構(原子力機構)から変更するよう国に求めた原子力規制委員会の勧告方針が決まった四日、もんじゅと二十年余り共生してきた敦賀市内ではさまざまな意見が飛び交った。=<1>面参照

初の勧告という事態に、「高速増殖炉など建設に反対する敦賀市民の会」事務局長の松永寛治さん(65)=敦賀市新道=は「相次ぐミスが起きており、当然の結果。機構の体質は全く変わらず、もんじゅはほとんど動いていない。税金の無駄遣い」と力強く訴える。

一方で、原子力機構を守る声も。「トラブルを乗り越え、職員たちは本気で変わろうと努力している。国のエネルギー自給率を上げるためにもんじゅは必要で、規制委は前向きな意見も出してほしい」。もんじゅ構内の自動ドアのメンテナンスなどをする建具会社の堤利市社長(66)は切実に願う。

敦賀市の渕上隆信市長は報道陣の取材に応じ「地元はこれまで国策に協力してきた。機構以外の運営主体はないと思う。規制委には安心安全がどのレベルで任せられないのか、説明を求めたい」と話した。 (古根村進然)

西川知事 「親切さ欠く」 仲倉県議長「同様の感情」

高速増殖原型炉「もんじゅ」の運営主体の変更を、原子力規制委員会が文部科学相に勧告すると決めたことについて、西川一誠知事が批判する一方、仲倉典克県議会議長は理解を示すコメントを発表し、反応が分かれた。

規制委は四日の定例会合で「原子力機構は運転能力がない」と切り捨てたが、西川知事は「規制委のこれまでの助言にも親切さが欠けている」と対応を批判。「能力不足なのか、組織体制なのか、モチベーションの確保なのか」と、問題の所在が不明瞭な点に疑問を呈した。

運営主体変更の是非には触れず、「国家戦略としてのもんじゅが研究成果を十分挙げられるよう、いま一度体制を立て直すべきだ」と主張。時期や範囲の目標を明確にした上で「原子力機構、文科省、規制委が加わって責任体制を整えて検討すべきだ」と、原子力機構や文科省を突き放した規制委も連帯責任を負うよう迫った。

一方、仲倉議長は原子力機構が「(もんじゅの)度重なる不祥事に対し、改善していない」として、規制委の勧告に「県民としても同様の感情を持たざるを得ない」と理解を示した。今後に向けて「機構のどこに問題があるのか、文科省の関わりも徹底的に解析し、早急に方針を示すべきだ」と対応を促した。 (西尾述志)

原子力小委・委員の伴氏

「存在意義はない」

経済産業省の原子力小委員会委員も務めるNPO法人原子力資料情報室(東京)の伴英幸共同代表は、二十年間ほとんど動かず、約一兆円の国費が投じられた「もんじゅ」について、「存在意義はない。廃炉にすべきだ」と主張する。

原子力規制委員会が、原子力機構の運営権剥奪を決めた点は「当然の帰結」と理解を示す。しかし、別の運営主体を探すのは極めて難しい。「半年と言わず、すぐに抜本的な見直しに入るべきだ」と設置許可の取り消しを規制委に求める。

政府は、使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」の中核にもんじゅを位置付けるが、「机上の空論」と指摘。核燃料サイクルの方針をやめ、使用済み核燃料を直接処分する方法への切り替えを提言する。

日本はプルトニウムを既に四七・八トン保有。燃料として使うもんじゅを廃炉にすると、核兵器への転用を国外から疑われる問題が生じる。このため伴代表は、大半を預けている英仏に引き渡すか、ウランと混ぜて通常の軽水炉で燃やす「プルサーマル発電」で消費するかの選択肢を示す。

ただ、廃炉の道も容易ではない。主流の軽水炉と異なり、冷却材として、取り扱いが難しいナトリウムを大量に使う高速増殖炉の廃炉は世界的にあまり例がなく、日本では未知の領域となる。 (西尾述志)

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【中日新聞・一面】2015年11月5日 朝刊
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2015110502000092.html

規制委、もんじゅ移管勧告へ 廃炉「文科相が判断」

日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)で機器点検をめぐり管理ミスが相次いでいる問題で、原子力規制委員会は四日、定例会合を開き、機構による運営は不適当として運営主体を変更するよう所管する文部科学相に勧告することを決めた。

文科相が機構に代わる新たな運営主体を示せない場合は、廃炉も含め施設の在り方の抜本見直しを求める。規制委が二〇一二年九月に発足後、勧告は初めて。来週にも勧告し、半年後をめどに結論を示すよう求めるが、運営主体探しは困難とみられる。

勧告に強制力はないが、勧告を受けた側はどう対応するか規制委に報告する義務を負う。規制委の納得を得られない限り運用は事実上難しい。

規制委の田中俊一委員長は四日の定例記者会見で、もんじゅの廃炉の可能性を「文科相がいろいろ考えて判断する」と説明。リスク低減策として原子炉からの核燃料の取り出しを命令するかどうかについて「(勧告後の)文科相の回答いかんでは求めるかもしれない」と含みを持たせた。菅義偉官房長官は会見で「文科相が前面に立ち、可能な限り速やかに課題を解決すべきだ」と表明。馳浩文科相は「極めて重い判断と厳粛に受け止めている」と述べた。

もんじゅは原子炉の冷却にナトリウムを使うなど通常の原発と構造が異なっている。一九九四年に初臨界に達したが、翌九五年十二月のナトリウム漏れ事故で停止。一〇年五月、十四年五カ月ぶりに運転を再開したものの、一〇年八月に燃料交換装置の落下事故が起き、停止したままになっている。

一二年十一月には大量の機器の点検漏れが発覚し、規制委は一三年五月、再発防止体制が構築されるまで事実上の運転禁止命令を出した。しかしその後も管理ミスが続発。規制委の会合では委員から「機構には運転能力がない」など厳しい指摘が相次いでいた。

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カテゴリー: 再稼働, 放射能汚染, 中日東京新聞・特報 タグ: パーマリンク