10/31小出裕章さんとアーサー・ビナードさん講演会レポート(於:池袋)【あざらしぐりこ様より】

あざらしぐりこ様 感謝です。

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10月31日 池袋にて講演会に参加しました
午後の部:
小出裕章さん、アーサー・ビナードさん講演会・対談「子どもたちの健康と未来を守るために~今できることは何か~」
夜の部:
小出裕章さん、アーサー・ビナードさんと語ろう「東京の秋 核の冬」

小出さんとアーサーさんの講演、対談2ラウンド、と盛りだくさんだったので、全ての内容をメモすることはできず、印象に残った個所だけ記します。アーサーさんによる【原爆】と【憲法】のお話です。

アーサーさんのお話を聞くのは初めてだったのですが、至る所に日本文学にまつわるウイットが埋め込まれているので、聞いていてとても面白かった。内容は深刻ですが。

【原爆について】

米国の中学、高校では、「原爆は、戦争を早く終わらせるために落とされた」「原爆を落としたので、戦争が早く終わり、その御蔭で、米国人も日本人も死者が少なくて済んだ」と習ってきた。
アーサー少年は、「『やむを得ず落とした』のに、何故2発なのだろう?」と、少々胡散臭さは感じていた。しかしその意味を深く掘り下げて考えることはしなかった。

大学卒業後、日本に来て、原爆の意味を考えるようになったきっかけがあった。

日本に来て6年後、広島で被爆者に話を聞いた。その時点で、アーサーさんは日本語を一通りマスターしていたが、被爆者の話の中で、これまで聞いたことがない、しかし一瞬で意味のわかる言葉を聞いた。

中学高校で原爆を習った時、原爆は「Atomic Bomb」「A Bomb」と言われていた。「mushroom
cloud」(きのこ雲)という言葉も知っていた。
しかし被爆者は原爆を指すのに「原爆」という言葉は使わなかった。

「ピカァァァッ」
「ピカ」
「ピカドン」

このように、被爆者はウランの核分裂を擬態語で表していた。
それは「原爆の下に立たされる装置」としての言語だった。

翻ってみれば「Atomic Bomb」は爆弾開発者の言葉であり、「mushroom
cloud」はきのこ雲を遠くから眺めたり、きのこ雲を見下ろす上から目線の言葉である。
「ピカァァァッ」という言葉によって、「自分はどこに立つのか」という課題に気づいた。

それがきっかけで、原爆の意味について調べ、本質を理解するようになった。

結局、米国が原爆の開発をしたのは「核による世界支配」を実現するためだった。
ウラン原爆に比べてプルトニウム原爆は、作るのに手間も時間も金も圧倒的にかかる。しかしウランはやがて枯渇するがプルトニウムは人工的に増やせるので、どうしてもプルトニウム原爆を作りたかった。
第二次世界大戦はミッドウェー海戦(1942年)で勝負がついていたのであって、1945年までのその後3年の戦争は、原爆ができるまでの時間稼ぎだった。

戦後米国は、「原爆が役立った」のだから「原子力の平和利用」も役に立つ、という幻想をふりまいた。
例えば1953年米国エネルギー省でのアイゼンハワー演説
“Too cheap to meter.” (「原発はメーターで測れないくらい安い」)

そして日本でも同じ宣伝文句がマスコミを通じて流されたのだった。
小出さんが講演で使った毎日新聞の記事:「電気料は2000分の1になる」

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「原爆」をどう表現するかによって、自分の姿勢を決めざるを得ない、という経験をアーサーさんはしたわけです。これは「言語が思考を形成する」ことの一例かもしれない、と思いました。
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【内部被曝について】
「鼻唄三丁矢筈斬り」である。
名刀で切られた瞬間は、刀があまりにも切れすぎるので切られたことはわからず、鼻歌を歌いながら三丁歩いたところで死ぬ。
つまり、被爆した時は分からないが後で影響が出る、ということ。

【現在の原発輸出と再稼働について】
日本は原発ビジネスのショウルームとされている。
原発を売るには、稼働しているところを見せなくてはならない。だから再稼働をしたがる。

【日本と米国の関係】
日本列島は日本アウトレットとなっている。
日本は米国の手下だから。

【これからのために大事なことは】
自分が騙されたのなら、騙されたということをきちんと認識すること。
自分は「原爆が役に立った」と騙されていた。
小出さんは「原子力の平和利用という考え」に騙されていた。
騙されたとわかった時点で、それをきちんと認識し反省することによって、次に進むべき道が見えてくる。

【この状況での希望は】
日本国憲法。

次の選挙で自民党が大勝したら、必ず改憲を持ってくる。
そうさせないための今は正念場である。猶予は1年。
もし自民党の憲法草案が通ってしまったら、表現の自由はなくなるので、このような集会はできないし、自分は小林多喜二のようになるだろう。

同時に大事なのは、一人一人があんぽんたん、おたんこなす、から脱却すること。

【小出さんの言葉で一番印象に残ったこと】
(オマケみたいですいません。)

「日本国憲法を守る」と言うが、現在の日本は、世界第6位の軍事力を持っている。憲法の理念と現実の乖離があるこの現実をこそ、どうにかしなくてはならない。

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「現実を憲法の理念に近づけるべきだ」という意味に私は捉えました。
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