11/25福島事故の健康不安対策 原発関連財団請け負い【東京新聞・政治】今中哲二さん

リスクコミュニケーション(リスコミ)じゃなくて「スリコミ」と言うべきと、以前今中さんがおっしゃっていた。
Webにはこの図がなかったから追加しておく。tky151125risukomi

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福島事故の健康不安対策 原発関連財団請け負い

2015年11月25日 朝刊【東京新聞・政治】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201511/CK2015112502000121.html

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東京電力福島第一原発事故による住民の健康不安に対応し、悩みの軽減や解消を目指す環境省の「リスクコミュニケーション(リスコミ)」関連三事業を、電力会社や原発事業者幹部らが役員を務める公益財団法人「原子力安全研究協会」が二〇一四年度に、総額四億一千三百万円で請け負っていたことが分かった。同協会は本年度も同種事業を継続。原発を推進する側が幹部を務める法人が税金を使って、原発を不安視する住民の相談事業を担う状況が続いている。 (篠ケ瀬祐司)

本紙は昨年四月、三事業のうち、住民に被ばく対策を説明する「相談員」の支援事業を環境省が同協会に七千四百万円で発注したことを報じた。今回、国の事業の無駄や執行状況を政府自身が点検する「行政事業レビュー」の資料で、より多くの事業を協会に発注していたことが判明した。

環境省を含む十一省庁・委員会が一四年度、避難住民の早期帰還に向けて放射線による健康不安に対応することを主な目的に、リスコミ事業を本格化させた。このうち環境省の三事業は入札で事業者を募集し、協会が落札した。

協会が請け負った事業は、相談員の支援のほか、住民の放射線による健康不安に対応する資料の改訂や、住民向け集会の運営など。環境省は、一五年度も同協会が同種の事業を落札したと認めているが、金額など詳細を公表していない。

協会は、原子力の安全性を中心に研究する組織。理事に関西電力や日本原子力発電の現役幹部が就いている。事業が原発推進側の論理に立った内容になる可能性について、環境省は「契約内容に沿って事業を遂行してもらっている」(放射線健康管理担当参事官室)と否定。協会の担当者は「環境省に聞いてほしい」と述べるにとどめた。

福島原発事故に伴う損害賠償を求める団体などでつくる「原発事故被害者団体連絡会」共同代表の武藤類子さん(62)は「放射線の健康被害は、大丈夫と言う人もいれば、危ないと言う人もいる。双方の意見を聞いて判断したい。原発推進側に近いとみられる組織がリスコミを担うのは住民として不安だ」と話す。

福島県で講演した経験のある京都大原子炉実験所の今中哲二助教は「年間二〇ミリシーベルトという避難基準以下でも、被ばくによる健康影響の危険性があると住民に話したら、行政側からリスコミの邪魔になると言われたことがある。多様な意見を出し合いながら一定の方向性を出す体制で進めるべきではないか」と指摘した。

リスコミ事業をめぐっては、文部科学省は、被災地住民の問い合わせや相談に対応する事業を、原子力行政を担ってきた旧科学技術庁出身者が役員を務める国立研究開発法人「日本原子力研究開発機構」と同法人「放射線医学総合研究所」に発注している。文科省は両法人に発注した事業の額を明らかにしていない。

============  去年の記事 ==================

 事故避難住民の相談員 原発関連財団が研修

2014年4月20日【東京新聞・福島原発事故】

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2014042002100008.html

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国が東京電力福島第一原発事故で避難している住民をサポートするために配置する「相談員」制度で、相談員の研修や助言業務を、電力会社や原発メーカーの幹部らが役員を務める公益財団法人「原子力安全研究協会」(東京)に発注したことが分かった。原発推進色の強い団体から、原子力の安全性を強調するなど偏った情報が発信される恐れがあり、避難住民の不信を招きそうだ。 (大野孝志)

事故の影響は長く続き、住民の間では帰還や移住を決断する人、当面は避難生活を続ける人と対応が分かれている。

国は全員の帰還を目指す方針を改め、各地に相談員を配置し、線量計の使い方や、低線量被ばくによる健康への影響、被ばくの低減策などについてアドバイスし、住民に今後の対応を決める材料を提供する。だが、早期帰還を強いられるのではという懸念は根強い。

相談員には、地元の医師や保健師、自治体職員OBらが想定されるが、相談内容は広く、専門的な知識も要求される。こうした人材は多くないため、国は相談員を支援することを決め拠点を福島県内に設ける。

環境省は三月、支援業務を請け負う団体を決める入札を価格評価と技術力評価を組み合わせた総合評価方式で実施。二者による入札の結果、原子力安全研究協会が七千四百万円で落札した。

協会は放射線防護をはじめ、原子力の安全性を中心に研究している。ただし、運営方針を決める評議員や理事には、日本原子力研究開発機構の理事長、中部電力や電源開発(Jパワー)の副社長、三菱重工業常務らの名が並ぶ。法人登記で歴代幹部を調べても、国の原子力政策と深く関わってきた人たちがほとんど。

こうした団体が相談員制度を後押しすることについて、福島県内の女性保健師は「偏った人たちのサポートを受ければ、住民からの信頼を失う」と話した。避難中の住民からは「放射線のことは、電力会社とは無関係なところで勉強してきた人から教えてもらいたい」との声が聞かれた。

発注した環境省の担当者は「応札者の提案内容や金額で公正に判断している。どんな人が相談員になるか未定だが、総合的に対応できる拠点にするため、外部に運営を委託した」と話した。協会は「取材対応する人材がいない。業務が立て込んでいる」と取材に応じなかった。

<相談員制度> 原子力規制委員会の有識者会議が昨秋、避難した人たちの帰還に向けた対策の一環として、個々人で線量計を持って被ばく線量を把握し、身近な相談員のアドバイスを受けながら、帰還か避難継続、移住を判断することを提言した。空間線量から被ばく線量を推計する従来の方式では、実際の被ばく線量とかけ離れるケースが出ることが背景にあり、国は提言に沿って相談員の制度化を進めている。

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「相談員制度」について

http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/150220/150220_01d.pdf

早野 龍五がいた。

相談員制度の運用に関する実務者会合 出席者名簿
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/150220/150220_01c.pdf
平成27年2月20日

(敬称略)
高木 陽介 内閣府原子力災害現地対策本部長(経済産業副大臣)
市川 新吾 福島県企画調整部避難地域復興局避難地域復興課副課長
和田 正孝 福島県保健福祉部保健福祉総務課企画主幹
小林 則正 福島県保健福祉部社会福祉課主任主査
関 靖男 社会福祉法人福島県社会福祉協議会地域福祉課長
橋本 美和 田村市市民部原子力災害対策課主査
羽山 時夫 南相馬市復興企画部除染対策課長
高玉 利一 南相馬市健康福祉部健康づくり課長
平城 吉春 川俣町原子力災害対策課住民支援係長
中津 弘文 広野町除染対策課長
鈴木洋四雄 広野町放射線相談室長
玉根 幸恵 楢葉町住民福祉課保健衛生係長
佐藤 邦春 富岡町健康福祉課福祉係長
佐藤 教宏 富岡町生活支援課避難生活支援係長
秋元 英男 川内村復興対策課長
山本 良和 大熊町環境対策課総括主任兼放射線対策係長
米山 治介 双葉町復興推進課
蒲原 文崇 浪江町復興推進課復興企画係長
松本 忠幸 葛尾村住民生活課長
高橋 正文 飯舘村健康福祉課長
山田 正明 福島市健康福祉部放射線健康管理室企画管理係長
熊田 健志 郡山市総務部総務法務課主事
根本 仁人 いわき市放射線健康管理センター健康検査係長
髙木 宏 いわき市末続区長
門馬麻衣子 いわき市末続区支援相談員
半澤 隆宏 伊達市市民生活部理事兼放射能対策政策監
菅野 康弘 伊達市健康福祉部次長兼放射能対策担当参事
明石 真言 独立行政法人放射線医学総合研究所理事
春日 文子 国立医薬品食品衛生研究所安全情報部長
丹羽 太貫 福島県立医科大学理事長付特命教授
林田 直美 長崎大学原爆後障害医療研究所放射線・環境健康影響共同研究推進センター教授
早野 龍五 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授
宮崎 真 福島県立医科大学放射線健康管理学講座助手
森口 祐一 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授
山西 弘城 近畿大学原子力研究所教授
ジャック・ロシャール 国際放射線防護委員会(ICRP)副委員長
後藤 収 内閣府原子力災害現地対策本部副本部長
井上 博雄 内閣府原子力被災者生活支援チーム参事官
有馬 伸明 内閣府原子力被災者生活支援チーム企画官
荒木 貴志 復興庁原子力災害復興班(環境担当)参事官補佐
小沢 晴司 環境省福島環境再生本部副本部長
筒井 誠二 環境省水・大気環境局除染渉外広報室長
枦山 智博 環境省総合環境政策局環境保健部放射線健康管理担当参事官室参事官補佐
杉浦 紳之 放射線リスクコミュニケーション相談員支援センター

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