12/2核燃サイクル維持に「新認可法人」 事業継続の是非 問わず 「費用に税金」残る懸念【東京新聞・特報】 原燃委託 実施責任あいまい/原子力事業廃棄物・再処理に「活路」/「新たな天下り先に利用か」/アーサー・ビナードさんのいうとおりだわ。

11/21に橿原昆虫館でアーサー・ビナードさんの講演会「玉虫色の日本の未来(タイトルうろ覚え)」があった。
京都から近鉄特急に飛び乗って空いてる席を探していたら、端正な鼻筋の外国人を見つけ「アーサーさんですか?」と尋ねたらご本人でそのまま橿原神宮前までインタビューをさせていただき、小出さんのお噂やら「もんじゅ・六ヶ所村が無駄遣いだと指摘されている点」をお聞きしてみた。
「この国が核燃料サイクルを諦めるとは思えないし、もんじゅは看板だけ付けかえるんじゃない?「もんじゅ科学省」(笑)」とダジャレを仰って、「六ヶ所村は国営になるんじゃないかな。郵便局が民営化する時代なのにね」と言っておられた。
アーサーさんは青森の新聞(東奥日報かしら?)をお読みだとのこと。さすが青森でラジオ番組(サタデー夢ラジオ)のパーソナリティをなさっておられる方。
並みの人間ではありえない語学力のアーサーさんだから驚くことはないのだけれど、記憶力も抜群だ。だって、2012年3月31日に新大阪まで護衛させて頂いた時と、その年の11/13に京都三条の画廊ギャラリーヒルゲートでの「原爆の図」関連の集会でしかお会いしたことがないはずなのに、私のことを覚えて下さっていたのだから。

-----------

核燃サイクル維持に「新認可法人」

事業継続の是非 問わず

原燃委託 実施責任あいまい

2015年12月2日【東京新聞・こちら特報部】

原発の使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」の中核となる再処理事業に、政府が強く関与することになった。事業主体を電力会社などが出資する株式会社「日本原燃」(青森県六ケ所村)から、新設する経済産業省の認可法人に移す。軌道に乗らない事業を、なぜ、政府が支えるのか。うまくいかず、巨額の国費が無駄につぎ込まれる恐れもある。 (榊原崇仁、木村留美)

「何があろうと核燃サイクルや再処理を進めようという意識の表れなのか」 核廃棄物の処分に詳しい神奈川工科大の藤村陽教授(物理化学)はそう言って首をかしげる。
点検漏れが相次ぐ高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が、原子力規制委員会から運営主体の変更を迫られるなど、核燃サイクル自体が揺らいでいる。藤村氏は「事業を継続すべきかという根本的な議論が飯け落ちたまま、話が進んでいる」と批判する。
現在、電力会社が原発の年間発電量に応じ、公益財団法人「原子力環境整備促進・資金管理センター」に再処理費用として資金を積み立てている。積立額の累計は約五兆一千億円。一部は取り崩されて現在は約二兆四千億円。
内閣府の原子力委員会は、二O一0~三O年の電源構成比率が現状のまま(原発が全体の35%)なら、使用済み核燃料の再処理費用は二十年間で約十兆円と試算している。再処理費用が足りなくなる事態を防ぐ策として浮上したのが認可法人の新設案だった。
案を盛り込んだ報告書は、経産省が先月三十日に開いた総合資源エネルギー調査会の「原子力事業環境整備検討専門ワーキンググループ(WG)」で了承された。意見を公募した後、来年の通常国会には関連法案が提出される見通し。反対意見があっても、与党は法案を成立させるだろう。
報告書では、再処理事業の今後の懸念材料として、来年四月から始まる電力小売り全面白由化を挙げている。価格競争によって電力会社の経営が悪化した場合、再処理費用を出さなくなったり、積立金を取り崩したりして事業が立ちゆかなくなる可能性がある。
そのためにまず、経産省が監督する認可法人を新設し、事業主体を民間企業の原燃から移す。原発の発電量に応じて電力会社が資金を出す仕組みは変えないが「積み立て」から「拠出」に形態を変える。拠出金だから取り崩しはできない。さらに、認可法人には、電力会社から拠出金を強制的に徴収できる権限を付与する。
認可法人自らは事業を担わず、外部に委託する。委託先は、国内唯一の再処理事業者である原燃しかない。つまり、事業の実態は変わらず、認可法人が増えるだけだといえる。
経産省原子力政策課の担当者は「再処理事業を俯瞰-ふかん-し、全体をマネージしていくのが新たな認可法人の役割だ」と説明する。
しかし、屋上屋を架すような案には、WGの委員から慎重論も出た。慶応大の遠藤典子特任教授は意見書で「『新法人』と日本原燃との間で実施責任が暖昧になりかねない点に、留意すべきである」と指摘した。東京大の城山英明教授は会合で、新組織を設けるとしても「認可法人という形態がいいのか」と疑問を呈した。確かに、政府が強く関与する認司法人はむしろ、民営化されてきた行政改革の流れに逆行する。

「費用に税金」残る懸念

原子力事業廃棄物・再処理に「活路」

「新たな天下り先に利用か」

WGで了承された報告書に、留意事項として気になる一文がある。「将来的に、想定されていない事態が生じる可能性も否定できない」。「追加的な費用が必要になる場合」があり、「必要に応じて適切な措置を検討していく必要がある」と記されている。
つまり、電力会社の拠出金だけでは再処理費用が不足する事態も想定しているわけだ。核燃サイクルに詳しい原子力資料情報室の沢井正子氏は「『国営』の再処理工場にすることで、いくらお金がかかってもやらせるというふうに読める」と指摘する。
実際に、原燃が完成を目指している再処理工場はトラブル続きで、費用は当初の三倍の約二兆二千億円に膨らんだ。当初は一九九七年に出来上がる予定だったが、完成時期は二十回以上も先送りにされ、先月再び、一六年三月から一八年に延期が発表された。今後、さらに資金が必要になってもおかしくない。
そんな厳しい状況で、政府が再処理への関与を強める。しかも、今回は「認可法人」という結論ありきだったようだ。
WG委員で、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会の常任顧問の辰巳菊子氏は「(認可法人の新設を)やるという前提で議論してほしい」と経産省側から依頼があったと明かす。再処理自体に反対の立湯だが、「賛否を問う場ではない」とくぎを刺されたという。辰巳氏は会合で、認可法人が行う事業や費用の透明性を求めたが、「結局のところ、認可法人の事務局にどういう人が入るかもはっきりしない」と危ぶむ。
以前に出ていた原燃を認可法人にする案については、WGの議論では俎上-そじょう-に上らなかった。地元の青森県では、民間企業でなくなり、仕事の優先的な発注がなくなることを心配する声が出て、原燃も前向きではなかった。
だが、認司法人の新設が本当に必要なのか。慶応大の金子勝教授は「認可法人を新設することで、隠れみのにし、日本原燃の会計を見えにくくする狙いがあるのではないか」と指摘する。いま国内で稼働するのは九州電力川内原発(鹿児島県藤摩川内市)だけで、認可法人に電力会社がどれだけ拠出金を出すか不透明だ。
金子氏は「会計を見せないうちに国の補助金などを入れ、日本原燃を持たせようとしている可能性がある」と言う。政府の関与が強まるのだから、税金が使われる可能性は否定できない。
前出の沢井氏は「(核燃サイクルの)組織ばかりが大きくなっている」と批判する。国内で原発の新設が見込めない中、「原子力事業は廃棄物や再処理しか生き残るところがなくなっていて、逃げ場にしようとしている」。また、「経産省が天下り組織を新しくつくろうとしているのだろう」と指摘した。
再処理工場では、使用済み核燃料から、プルトニウムと使用可能なウランを取り出し、残りの廃液とガラスを混ぜて高レベル廃棄物の「ガラス固化体」を作る。トラブル続きだったが、日本原燃によると、一三年に商業ベースで作業できる体制が整ったという。
試算では、工場が稼働すれば、一年間に八百トンの使用済み核燃料を処理できる。だが、国内には昨年三月末時点で使用済み核燃料が一万七千トン以上あり、その処理だけでも二十年以上かかる計算だ。日本原燃の広報担当者は「新規制基準に対応するよう頑張っているところ」と話した。

((((デスクメモ))))
東京電力福島第一原発の事故で、原発は「安全」という神話は崩れた。だが、政府や電力会社は原発の電気は「安価」というもう一つの神話を説き続ける。本当なら政府の支援など必要ない。広辞苑を引くと、神話の二つ目の説明に「比喩的に、根処もないのに、絶対的なものと信じられている事柄」とある。(文)

日本原燃の使用済み核燃料再処理工場=2012年6月、青森県六ケ所村で

再処理工場の完成時期延期について発表する日本原燃・工藤健二社長=先月16日、青森市で

使用済み核燃料再処理工場の中央制御室=2014年4月、青森県六ケ所村で

広告
カテゴリー: 再稼働, 中日東京新聞・特報 タグ: , , パーマリンク