12/9なれあいの構図なお 原子力機構天下り -解説-/原子力機構 福島事故後も天下り38人 もんじゅ請負先など横滑り【東京新聞のもんじゅ記事】

なれあいの構図なお 原子力機構天下り -解説-

【東京新聞】2015年12月9日

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十二月八日は、二十年前に高速増殖原型炉「もんじゅ」で冷却材のナトリウム漏れ事故が起きた日だ。信頼回復への誓いを新たにするはずのその日、今度は運営者である日本原子力研究開発機構の、体質改善へのやる気のなさを示す新事実が浮かんだ。

機構をめぐっては、三年前、もんじゅで大量の機器点検漏れが発覚。原子力規制委員会から運転禁止命令が出され、機構は「体制を抜本的に改善した」はずだった。だが、その後も新たな点検漏れや管理方針の不備が次々と見つかり、規制委から「担う能力なし」と”退場” 勧告が出された。

一方、福島の原発事故前から問題になってきた機構OBらが経営するファミリー企業・団体との不透明な契約。福島事故後、機構は「疑念を持たれないよう」契約のあり方を抜本的に改善すると表明したが、本紙の調査で、不透明な発注はあまり改善されていないことが判明。今回、「疑念」の根源にある機構からファミリーへの天下りという「なれあいの構図」が、何事もなかったかのように続いていることも分かった。

またも機構が国民への約束を破ったといえる。これでは、いくら「改善」を口にしても、信頼回復は遠のくだけだ。  (山川剛史)

 

原子力機構 福島事故後も天下り38人 もんじゅ請負先など横滑り

【東京新聞・朝刊・一面・社会】 2015年12月9日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015120902000119.html

高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を運営する日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)が、機構OBらが経営する「ファミリー企業」と不透明な契約を続けている問題で、福島の原発事故後もOB三十八人が二十法人に天下っていたことが分かった。機構は、契約のあり方を抜本的に改善するとしていたが、疑念を招く根本原因であるOB問題は実質的に手付かずだったことになる。

機構OBの天下り状況は、八日、文部科学省が民主党の柚木(ゆのき)道義衆院議員に提出した資料で判明した。

資料は、本紙が四日付で報じた二十八のファミリー企業・団体の受注額順に、原発事故後の二〇一一~一五年度の五年間で、機構OBが、どの法人のどんな役職に就いたのかを一覧にしている。

中でも疑念を抱かせるのは、もんじゅの管理面を担当する敦賀事業本部の本部長代理らが、ほぼもんじゅ関連の業務だけで成り立っている警備会社「ナスカ」(東海村)や検査会社「高速炉技術サービス」(敦賀市)の社長や役員として再就職している事例。

このほか、原子力施設の保守・分析を得意分野とする「アセンド」(東海村)の東海村や茨城県大洗町の事業所長に、機構が同村と同町に保有する研究開発施設の技術者が就任している事例もあった。

これらはいずれも、数年前までもんじゅなどに携わってきた人物が、業務の請負先のトップや現場責任者に横滑りする形だ。後任の機構職員らは、先輩や上司だった人物を相手にすることになり、ミスがあっても口を出しにくく、発注を打ち切りにくい風土を生みだしかねない。

柚木氏は「機構をめぐり、依然として天下りなどのなれ合いの構図が続いている。このこと自体が、原子力規制委員会から事実上のもんじゅ廃炉勧告を出された一因にもなっているのではないか」と指摘した。

機構の広報担当者は「退職者への再就職あっせんや情報提供を禁止するルールを定め、厳格に運用している」と、機構として天下りには関与していないと強調した。また「関係のある企業・団体に再就職したOBは、機構で得た知識や経験が、再就職先の需要と合致したケースなどが考えられる」と話した。 (宮尾幹成、小倉貞俊)

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