12/9もんじゅ提訴 25日にも 設置許可取り消し 周辺住民ら正式に表明 ナトリウム事故から20年 原告「何かの因縁」【日刊県民福井】

もんじゅ提訴 25日にも 設置許可取り消し

 周辺住民ら正式に表明

【中日新聞・福井発】 2015年12月9日
http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2015120902000209.html

敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故から、二十年となる八日、周辺住民らが福井市内で会見し、二十五日にも国を相手に、原子炉設置許可の取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こすことを正式に表明した。 (高橋雅人)

弁護団によると、原発訴訟では初めて、重大な損害が生じる恐れがある場合に必要な行政処分を求める「義務付け訴訟」に基づく訴えとなる。原告は福井県のほか、岐阜、滋賀、石川県などの住民が入る予定。

訴状の原案によると、「運営主体の日本原子力研究開発機構(原子力機構)にはもんじゅの運転能力がない一方、原子力機構に代わる新たな運営主体が現れる可能性も現実的にはない」と指摘。「原子力規制委員会には一九八三年に旧動燃に出した原子炉設置許可を取り消す義務がある」と主張する。

原子力規制委は先月、文部科学相に対し、原子力機構に代わる新たな運営主体を見つけるよう勧告。甫守(ほもり)一樹弁護士は「勧告を支えて監視するのが提訴の目的。速やかに廃炉へ移行するよう導かないといけない」と話す。

もんじゅをめぐり、原子炉設置許可段階での安全審査に問題があったとして、八五年に周辺住民らが国を相手に許可の無効を求めて福井地裁に提訴。二〇〇五年に最高裁で住民側の敗訴が確定した。

 ナトリウム事故から20年 原告「何かの因縁」

「十二月八日は、重要な意義を持つ」。福井市大手二丁目の県教育センターで開かれたもんじゅ廃炉の提訴会見。原告予定の市民や弁護士は口々に、二十年前のこの日にナトリウム漏れ事故が起きたことを念頭に、訴訟に向けた決意を語った。

「この日にこのような会見を開くのも何かの因縁」。これまでも原発訴訟に参加してきた今大地晴美・敦賀市議も、長年にわたる原発反対運動の継続に感慨深げだった。しかし「原子力規制委員会は退場を命じたが、はっきりと止めなさいとも言っていない。地元の敦賀からも声を上げたい」と引き締めた。

事故からは二十年、もんじゅ訴訟で最高裁判決が出た二〇〇五年からは十年がたつ。当時、原告団に参加していたあわら市の龍田清成さん(72)は、今裁判での決着を願う。「当時四十人いた原告団は十五人が亡くなった。福井のため、日本のために決着をつけるべきではないか」

同じく、当時のもんじゅ訴訟に参加した小浜市の深谷嘉勝さん(71)は「現場の作業員も続けているのは無理と分かっているはず。もんじゅを止めることが彼らのためにもなる」と静かな口調で語った。

前回訴訟で住民側は「原子炉設置段階での国の安全審査に落ち度があった」として、設置許可の無効を求めたが、〇五年の最高裁判決は「落ち度はない」と結論づけた。

一方、今回住民側が求めるのは設置許可の取り消し。甫守一樹弁護士は「国が許可を出した当時は旧動燃に運転能力がないと分からなかったとしても、今は能力がないと原子力規制委も明言している。勧告を踏まえて主張できるのは大きい」と強調した。 (布施谷航、高橋雅人)

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