【14/12/20東京新聞・特報】番犬かポチか それは特定秘密!? メディアと首相危うい夜会食 2年間で40回以上 大手紙、キー局総なめ/ 「会うのが重要」「批判鈍らぬ」と言うが… 「自らの首絞める行為」 「飼いならしたい政権側」<毎日新聞「風知草」の山田孝男は安倍のすし仲間(その2)

毎日新聞の記者さんで誰が一番好きかと聞かれたら、夕刊編集長の松井宏員さん。じゃあ誰が一番嫌いかと聞かれたら「風知草」の山田孝男と即答。
知った風なことを書くが見当違いもたいがいにせえよ、安倍のすし仲間め!と、昨年怒りながらupしたのが、なぜか最近アクセス数が上がってきた。どこかにリンクされているらしい。
あれは前半だけだからで後半も追加しないといけないので、こちらに書いておく。
今読んでみて面白かったのは記事じゃなくて、自分の書いた前文の方。非常識で社会的弊害を伴っている小出さんの「ヘンなおっかけの話」だった。

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番犬かポチか それは特定秘密!?

 メディアと首相危うい夜会食 2年間で40回以上 大手紙、キー局総なめ

【東京新聞・こちら特報部】 2014年12月20日

衆院選直後の十六日夜、安倍晋三首相が全国紙やテレビキー局の解説委員らと会食した。首相は二年前の就任以来、大手メディア幹部と「夜会合」を重ねている。最高権力者の胸の内を探るのはジャーナリズムの大事な仕事とはいえ、連れだって夜の町に繰り出しているようでは、読者・視聴者から不信をもたれかねない。ましてや相手は、メディア対策に熱心な安倍政権だ。メディアは権力を監視する「ウオッチドッグ」(番犬)と呼ばれるが、愛嬌(あいきょう)を振りまくだけの「ポチ」になっていないか。(沢田千秋、三沢典丈)

東京・西新橋の「しまだ鮨(ずし)」は、表通りから一本奥まった路地に立つ数寄屋造りの一軒家である。大きな柳の木と黒塀が渋い。十六日夜、安倍首相はこの老舗で、時事通信、朝日、毎日、読売、日経、NHK、日本テレビの解説・編集委員らと会食した。やり取りは一切秘密の「完全オフレコ」である。

夜会合の事実は、翌十七日付各紙朝刊の首相動静欄で伝えられた。「ジャーナリズムの自殺」「『公正中立』って何ですか? 権力者とご飯食べて仲良しこよしすることですか?」。衆院選の投開票からわずか二日後の出来事ということもあってか、ツイッター上では、たくさんの人が辛辣(しんらつ)なコメントを書き込んだ。

「こちら特報部」はランチタイムに立ち寄ってみた。入ってすぐに一枚板とみられる長いカウンターが延びる。ランチのにぎりは小鉢とみそ汁、デザートまでついて二千円からと、高級店にしては良心的な価格設定。小ぶりでほんのり甘いシャリとプリッとした新鮮なネタは、首相が気に入るのも無理はない。カウンターはスーツ姿の紳士ですぐに満席となった。夜は、さすがに高くて一人一万五千円以上はする。

夜会合に出席した時事通信の田崎史郎解説委員によると、首相と親交がある記者の集まりで、二〇〇八年ごろから年二回ほど開催しているという。今年五月にもしまだ鮨に集まった。田崎氏は「会合の日程は衆院解散が決まる一カ月以上前から決まっていた。総理からお金はもらえないし、世間の目もあるので、総理の食事代はわれわれが払った」と説明する。

首相とメディアの蜜月ぶりは誤解を招かないか。田崎氏は「総理の話を直接聞くことは政治報道に役立つ。取材するには相手方を知ることが大事。ぼくは総理に限らず、どの政治家にもおかしいことはおかしいと言う」と明言した。

安倍首相の夜会合は、歴代首相と比べても盛んだ。一三年一月の渡辺恒雄・読売グループ会長を皮切りに、朝日、毎日、日経、産経の全国紙や、フジテレビ、日本テレビ、テレビ朝日などのテレビキー局、共同、時事通信の社長や解説委員らと次々と会食した。さらに中日(東京)、中国、西日本などの地方紙の社長とも意見交換。首相のメディアとの夜会合は、この二年間で四十件以上に上った。

麻生太郎財務相は〇八年九月から一年間の首相在任中、庶民には縁遠い高級料亭やバー通いを批判されたが、そんな中でも、メディアとの夜会合は十件以下。O九年九月から三年三カ月間の民主党政権でも、三人の首相が開いた夜会合は、読売の渡辺会長との二件を含む十一件しか確認できなかった。

 

 「会うのが重要」「批判鈍らぬ」と言うが… 「自らの首絞める行為」 「飼いならしたい政権側」

夜会合の頻度が比較的高いメディアの言い分を聞いてみた。

毎日新聞は朝比奈豊社長や編集委員がたびたび会食している。同社社長室は「取材対象者と面談機会があれば直接会って真相や本音に迫るのは記者として必要。政権批判の筆が鈍ることはない」。日枝久会長が首相と夏休みを共にするほど親しいフジテレビ広報部は「社の幹部が首相と会っても、不偏不党、公正中立な報道姿勢が変わることはない」とコメントした。

回数は多くないが、以前から政権寄りとの批判が付きまとう公共放送のNHKは「(会合に参加しても)放送法にのっとり、不偏不党、公平公正の観点から取材、報道している」(広報局)と回答を寄せた。

マスコミOBや識者は、メディア幹部と首相の会食をどう見るか。

元時事通信記者で政治評論家の屋山太郎氏は「外国でも、大統領が親しい記者と食事をするのは普通のこと」と肯定する。

中曽根康弘首相を担当していた現役時代、一人で別荘に呼ばれ、深夜まで延々と持論を聞かされた。「自分のやりたい政策を分かってほしいということだった」と振り返った上で、「安倍首相の会食も同じ意図」と説く。「マスコミが権力を監視するのは構わないが、偏向は許せないとの思いがあるため、まず自分のやりたい政策を理解してもらいたい。だから、分かってもらえる記者だけを呼んで話をする」

元フジテレビ記者で政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏も「会食は取材手法として有効」と認めるものの、「『オフレコ』などの慣行は、政治家とメディアの癒着を生みやすく、国民から記事の信ぴょう性を疑われかねない土壌がある。メディア側は自分たちを厳しく律する必要がある」と注文を付ける。

なるほど政治とメディアの関係は危うい。特に安倍政権下では、メディア介入ともいえる動きが目立っている。

一三年十一月、安倍首相は、NHK会長の任免権を持つ経営委員の人事で、作家の百田尚樹氏など自身に近い保守色の強い人物を選任。今年一月に会長に就任した籾井勝人氏は「特定秘密保護法はしょうがない」などと政権寄りの問題発言を連発した。

一三年十二月には、女性誌「VERY」が秘密保護法などをテーマにした座談会記事を予定していたところ、内閣広報室が「うちも取材して」と要請していたことが明らかになった。先の衆院選報道でも、自民党が「公平中立、公正の確保」を求める文書をNHKとキー局に送った。

「安倍政権はメディアを飼いならしたいのでしょう」と断じるのは、立教大の門奈直樹・名誉教授(メディア論)だ。近刊「ジャーナリズムは再生できるか」で論じた英国を例に、日本のメディアの行く末を案ずる。

メディア王と呼ばれたルパート・マードック氏は「まさに会食で権力者にすり寄る経営手法」(門奈氏)だったが、政治とメディアの癒着として糾弾され、氏が率いる「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」紙は廃刊に追い込まれた。「今は世界的に、政治権力の周囲で広告会社などがメディア対策を行うため、政治とメディアは一体化している。この状態を問題視する英国民の間で『メディア・ワイズ(メディアに対して賢くなれ)』運動が起き、権力との癒着が告発されている」

門奈氏は警告する。

「マスコミを『マスゴミ』と称するように、現代人の意識の根底にはメディア不信がある。それなのに日本のメディアには、権力をストレートに批判しないといった政治的タブーが多すぎる。政治権力との会食など今すぐ断ち切らなければ、ますます不信が深まり、自らの首を絞めることになる」

((((デスクメモ))))

日本テレビ系の衆院選特番に出演した安倍首相には、異様な印象を抱いた。スタジオとつながったイヤホンをしばしば外したのだ。首相は「音がうるさくて」と釈明したが、一方的にまくし立てているようにしか見えない。何かにつけて説明不足を指摘される首相である。この二年間を象徴する一コマだった。(圭)

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