【NO NUKES Voice vol.5より】報告:本誌特別取材班 八木誠関西電力社長(兼「電事連」会長)を直撃!

上牧行動でおなじみの関西電力八木社長への直撃インタビューを鹿砦社さんがなさっておられた!
「二OO六年に建てられた、築九年の軽量鉄骨造セメントかわらぶき二階建て。七四平米のこじんまりした二戸建てである。壁面は灰色がかったベージュで、ざらつとした質感のタイル貼り」という記述により、セキスイハイムのドマーニかパルフェだろうと思う。
写真をご覧になりたい方、八木社長にお手紙を出したい方は『NO NUKES Voice (ノーニュークスボイス) vol.5』(鹿砦社)をお買い求め下さい。
なお、この八木社長直撃インタビューの次の頁から昨年の関西大学での小出裕章さんの講義内容が掲載されており、とても嬉しい雑誌。

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報告:本誌特別取材班

八木誠関西電力社長(兼「電事連」会長)を直撃!

【NO NUKES Voice vol.5】

人物紹介

八木誠(やぎ・まこと)一九四九(昭和二十四)年十月十三日生まれ。福岡県出身。

一九七二年京都大学工学部電気工学科を卒業。同年四月、関西電力に就職。歴任した役職は、経営改革推進室プロジェクトマネージャー、中央送変電建設事務所長、電力システム事業副事業本部長と、長ったらしい肩書きが続く。取締役、常務、副社長(と並行して原子力事業本部長)と順調に昇進し、二O一O年に社長就任。また同年三月二十九日の日経産業新聞で「関電社長に八木氏原発の経験期待」と紹介されている。「関西電力は原子力発電事業の強化が急務であり、八木氏がかじ取り役にふさわしいとの判断」で社長に抜擢されたということである。前任の森証介社長(現会長)も「原子力部門の責任者として手腕を発揮している」と太鼓判を押している。さらには、電力会社を束ねる「電事連」(電気事業迎合会)会長も兼任している。

「美浜原発3号機事故以降の安全の取り組みを担当し、地域の理解を得て運転再開につなげることができた」という八木誠みずからのコメントを読む限り、不確かな原発安全神話を大前提として電力供給事業に従事してきたことは疑いようがない。とにかく八木誠は原発を動かすことを命題として配属された原発再稼働担当である。どれだけ安全の取り組みを行ったとしても天災・人災によって原発から放射能が撒き散らされるという事態は起こりうるというのに、理解もへったくれもあるだろうか?(二00四年八月九日、福井県関西電力美浜発電所3号機のタービン建屋において復水配管が破損する事故が起きた)

少し脱線して個人的な意見を述べよう。最近、原発が安全か危険かという議論は不毛だと思うようになった。脱原発運動の中でよく用いられる「絶対に安全と断言できない以上、すべての原発は危険である」というレトリックがあるが、これは言葉遊びにすぎない。問題は原発が危険か安全かどうかではなく、メリットとデメリットを認識した上で場の同意を得られるかどうかとういうことだ。

原発立地自治体の理解を得るとはどういうことだろうか。電力消費者から集金した金で作った原発安全啓蒙施設を使って原発ポジテイヴ・キャンペーンをすることではない。リスクと金を天秤にかけてバランスの良いところで手を打つことではない。八木誠は現在「これだけ安全にしてるんだから、そろそろ原発を再稼働したいぜ!」と張り切っているわけである。会社経営における利益追求という観点から、コストを下げようとするのは当然である。しかし、原発を再稼働すれば火力発電用の燃料コストが下がるというのは未来の見通しが利かない近視眼的な発想ではないだろうか。核廃棄物の最終処分や原発廃炉にかかる莫大な費用はコストとして計上しているのだろうか。

関西電力編

関西電力株式会社所在地
〒五三0・八二七0
大阪市北区中之島三丁目六番十六号
電話O六・六四四一・八八二一(代表)

関西電力本社を訪れた。大阪府大阪市北区中之島、官公庁やオフィスビルの立ち並ぶ中にそびえ立つ超高層ビルが関電のオフィスだ。エントランスのロータリーには金属製の意味不明なオブジェ、馬鹿でかい回転ドア、ビル外周の植え込みの木々や噴水など、「金なら腐るほどあるぞ」といわんばかりにバブリーな造りである。建物の中は天井が高く、ずいぶんと見晴らしが良い。一般企業のオフィスというよりも近未来的な美術館のようで、関電の受付嬢は三人、美女揃いである。係の人に案内されて関西電力が毎年発行・配布している「関西電力グループCSR&フィナンシャルレポート」という資料を請求する。目を通すと「安全」「安心」「安定供給」の文字が多く、ついでに電気料金も安くしてくれよ、なんて思ったり。どうでもいいことだが、窓口では東芝のノートパソコンを使っていた。電力会社と東芝はとても相性が良い。

資料の中にある金の動きを眺めた中で3・11以前の二O一O年と一四年の電気事業営業費用の内訳を比較したものが印象的だった。福島の原発事故を受けて、原子力から火力に移行したことで、燃料費が三倍に跳ね上がっている。人件費はマイナス一六%と大幅カット。電気料金値上げによって収益自体は二六%アップしてはいるものの、依然として赤字であることに変わりはない。

 八木社長自宅編

京都との県境に位置する大阪府高槻市上牧-かんまき-。

西には八00メートル以下の山々からなる北摂山系。その山をぶち抜いて名古屋と神戸を繋ぐ名神高速道路。東京-神戸間を繋ぐJR東海道本線。東には日本の大動脈東海道新幹線と並走する阪急京都線、古くは西国街道と呼ばれ京都と神戸を繋ぐ国道171号線。桂川・宇治川・木津川の三筋が合流した淀川。人体の部位でたとえるならば首、ケーブルを結束バンドでたばねたようにたくさんのラインが一カ所にまとまっている住宅地・上牧。北には日本屈指のシングルモルトウイスキーを製造するサントリー山崎蒸留所がある。酒好きにはたまらん。

阪急電鉄京都本線の上牧駅のホームに降り立つ。目の前を東海道新幹線が京都ー新大阪間をびゅんびゅんと走り過ぎていく。調べると日本有数の新幹線ウォッチングスポットのようだ。静音設計がしっかりしているのかあまり耳障りな音はしないがスムーズな低音が印象的だった。

こじんまりとした駅北口のロータリー。コンビニ・酒屋・スーパーマーケット・ドラッグストア。北摂山系の緑豊かな山並を背に、宅地開発を見込んで建てられた駅前の高層マンション。山の上にはでっかい鉄塔、ぶつとい送電線が引っ張ってある。日本中どこにでもあるような郊外の住宅地だ。朝は学校に通う児童が列をなして歩き、夕方は子どもたちが道路や公園に集まって遊んでいる。

関西電力社長・八木誠の自宅は駅から距離にしてわずか二00メートルの駅チカ物件。二OO六年に建てられた、築九年の軽量鉄骨造セメントかわらぶき二階建て。七四平米のこじんまりした二戸建てである。壁面は灰色がかったベージュで、ざらつとした質感のタイル貼り。はて、なんだか妙に庶民的な外観の建物である。。THE社長の家。という雰囲気は全く感じられず、むしろ。”THEサラリーマンの家”。というような素朴な印象である。高架の線路沿いで、電車が通るたびにゴーゴーと地響きがする。新幹線は静かだが、在来線はやはり耳障りな軋む音がする。十年前の住宅地図を参照したところ、このあたり一帯は園芸店の敷地だった。新興住宅地として開発されたばかりのようで、真新しい家々がお行儀良く綺麗に並んでいる。

屋根付きのガレージには青い自動車が駐車してある。「小さな高級車」のキャッチコピーで販売されたトヨタ・プログレである。通りから眺めるだけも三機の監視カメラが設置されている。門柱の隣に「SOS」というステッカーが貼ってあるが、これは関西電力グループ傘下のホームセキュリティー会社のものだ。キャッチコピーは「関西の三000軒を超えるご家庭で信頼の警備実績」であり、お客様満足度は九八%(関電SOS加入者アンケートより)だそうだ。セキュリティー・マネジメントの意識が高いのは結構なことだが、なぜか家の前を通るといつも門が開けっ放しになっている。

不用心かといえば、そうでもないようだ。われわれ取材班は自宅前で待機すること一時間、「あんたら、こんなとこで何しとるん?なんや気持ち悪いのう。隣の奥さんも不審がってるんや、どっかヨソ行ってくれんか?」と近隣住民の男性。警戒心が強いのか、ご近所付き合いがしっかりしているのか、それともわれわれ取材班が見るからに怪しいだけかもしれない。なんにせよ、こうなると待ち伏せ取材は大変やりづらいのだが、人の距離が近くて顔がよく見えるいい地域だなと好印象だ。

  直撃取材編

午前七時、迎えの車が来ることを予測して駅前の道路で待っていたら黒塗りのトヨタ・レクサスが走って来た。

日本で偉い人の送迎車両といったらレクサスだ。巨大企業の経営者というのは赤字で負債を抱えていてもラグジユアリーな高級車で送り迎えをしてもらえるんだから不思議なもんだ。せっかく駅前に住んでるんだから電車通勤すればいいのに。とかなんとか考えながら自宅前に向かったがしばらく待ってもレクサスは来ない。早とちりだったかと住宅街をうろうろすること三O分、目の前から黒塗りのレクサスが走ってくるではないか。迎えの車は、どうやら自宅前以外のどこか近所で待機して時間を潰していた様子だ。時間差攻撃である。

車道に出て進行方向を塞ぎつつ手で合図を出してレクサスを停める。窓越しに話しかけると運転席の窓が開いた。社内は薄暗く、後部座席にスーツ姿の男が座っている。

---八木誠さんですね?
八木 取材は朝は受けてませんので。

---燃料費のコストがかさんで電気料金値上げはするけれど、車で送り迎えはそのままですか?給料はいくら貰ってるんですか?
八木 会社の、会社の広報を通して。

---広報通したらあなた絶対会ってくれないでしょ。
運転手 朝はだめ!だめだめ!

---じゃあ夕方また来ましょうか?
運転手 ほら、危ないよ!
話しながら運転手が車を発進させるので、あやうくずっこけそうになった。危ないじゃないか。その隙にレクサスは一目散に走り去ってしまった。

発電機を売り込む営業マンは颯爽と職場に向かって行った。再稼働すると経済が活性化し、国民の生活が豊かになるという噂の魔法の湯沸かし器。大変ご利益のある有り難い幸せの壺。日本経済を担う拝金教の信者は、世のため人のため、よかれと思って原発再稼働に東奔西走するが、押し付けがましい有難迷惑な話である。翌日も待機したが、警戒したのか、現れなかった。
(写真)迎えのレクサスが来た!

(写真)八木社長はすかさず後部座席の陰に隠れた!

お手紙の宛先・大阪府高槻市●●●●●●と御自宅写真に書かれている。

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