3/2笑えない噺を一席 林家三平さん「国策落語」で戦時の空気伝える/2/27笑えぬ噺で戦争感じて 林家三平さん、来月「国策落語」再現【東京新聞・社会】

「代書屋」にしてもロングバージョンを聴いたら人権団体とかネトウヨはだまっていないだろう。だからポン!で終わっている。
落語はその時代時代でサゲが変わってくることもある。

先の戦争で禁止された「禁演落語」があるのは知っていたけど、「国策落語」は知らない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%81%E6%BC%94%E8%90%BD%E8%AA%9E

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笑えない噺を一席 林家三平さん「国策落語」で戦時の空気伝える

2016年3月2日 朝刊【東京新聞・社会】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016030202000122.html

落語「出征祝」を口演する林家三平さん=1日、東京都台東区で
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第二次大戦中に戦争への協力を国民に呼び掛けるために創作された「国策落語」を、落語家の二代目林家三平さん(45)が一日、東京都台東区の公共施設で演じた。戦時下の空気を知ってほしいと、落語界の負の歴史にメスを入れた三平さんの挑戦を見るため、多くの観客が訪れた。 (松尾博史)

演目は、祖父の七代目林家正蔵(一八九四~一九四九年)の「出征祝」。店の若旦那に召集令状が届き、大旦那らと喜び合い、祝いの席の料理を相談するストーリー。

三平さんの出演映画「サクラ花 桜花最期の特攻」の上映とあわせ、昼夜の二回演じられた。昼の部には、ほぼ満員の二百八十人が来場した。

「国に献金することができる。こんなにうれしいことはないよ」と戦費調達に協力して国民が喜ぶ場面もあり、笑いはほとんど起きない。「(出征祝いのお酒を)二本買った。日本勝った」という落ちでは、会場が苦笑いで包まれた。

来場した目黒区の会社員、佐々木悦子さん(42)は「落語まで戦争に利用されていた時代を迎えることがないよう、世の中の変化に気付きたい」と話した。

口演を終えた三平さんは「戦地に行く兵隊の気持ちを描くのは難しかった」と感想を話し、今後も映画上映とともに「出征祝」を各地で演じたいという。

笑えぬ噺で戦争感じて 林家三平さん、来月「国策落語」再現

2016年2月27日 朝刊【東京新聞・社会】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022702000131.html

国策落語「出征祝」の稽古に励む林家三平さん。「日本のことを考える状況を提供するのが噺家の役割」と話す=東京都台東区で

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戦時中、戦意高揚のためにつくられた「国策落語」があった。大衆芸能の負の記憶にまみれ、戦後は演じられなくなったこの落語に、二代目林家三平さん(45)が挑む。あの時代の真実を知るため、東京大空襲から七十一年の三月、祖父の七代目林家正蔵さんが創作した「出征祝」を東京都内で演じる。 (松尾博史)

店の若旦那に召集令状が届き、番頭や店員たちと喜び合う。「待ちに待った召集令状だ」「もちろん生きて帰ろうとは思っていない」。そんなせりふが続き、落ちは店員の言葉。「出征祝いのお酒が二合二本買ってあるんでしょう。二本買った(日本勝った)」

出征祝を知ったのは昨年夏ごろ。家族の歴史をたどるテレビ番組に出演した際、スタッフが集めた資料の中に台本があった。

親戚たちから聞いていた祖父は、舶来の流行に敏感なハイカラボーイだった。「台本に目を通して、はっとした。祖父の言葉じゃない…。検閲を受けて直されて。それでも祖父は、生きていくためにやらざるを得なかったんですよね」

戦争のおそろしさを、周囲から聞かされてきた。父で「昭和の爆笑王」と呼ばれた初代林家三平さんは特攻隊要員だった。戦争末期は米軍の上陸に備え千葉県の海岸にいて、火薬を付けた竹やりで戦車を突いて自爆する役目だった。母でエッセイストの海老名香葉子さん(82)は東京大空襲で家族六人を亡くした。

自由にものが言えず「本心を言ったら捕まる」時代があったことを若者たちに知らせたい。戦争と落語というと、最近は遊郭や愛人などをテーマにして不謹慎だと禁止された「禁演落語」がブームだ。

しかし三平さんは「禁演落語は平和な時代の話。本当に戦争のことを直視するなら国策落語ですよ。でも誰もやらなかった。国策落語は笑えない。客が入らない」。

そんな「笑えない落語」をできるだけ台本のまま再現する。「戦争を肯定した切り口で会場に昭和十年代のにおいを再現し、戦争を体感してもらいます」

口演は三月一日、東京都台東区生涯学習センターで午後一時と午後七時から。小型特攻機「桜花(おうか)」を題材にした三平さんの出演映画「サクラ花 桜花最期の特攻」も上映。前売り二千円(当日二千五百円)。問い合わせは映画センター全国連絡会議=電03(3818)6690(平日のみ)=へ。

◆戦意高揚する内容強要

「禁演落語」は遊郭などを題材にした五十三種が上演自粛され、太平洋戦争開戦直前の一九四一年十月、東京・浅草の本法寺(ほんぽうじ)に立てられた「はなし塚」に台本などを納め、封印された。

代わって戦意高揚を図る落語が創作、口演された。演芸評論家の柏木新(しん)さん(67)によると、貯蓄や献金、隣組で協力し合う大切さ、出産の奨励、スパイへの注意などを呼び掛ける内容が多い。戦後、研究者が「国策落語」と名付けた。

柏木さんは「国民が戦争に総動員される空気の中で、戦争協力を強要された。もともと落語家が好んで作った落語ではなかったので、戦後は誰もやらず、自然消滅した」と話す。

◆落語「出征祝」要約

「紀元二千六百年とせがれの出征、めでたいのが重なった。どうだろ、店の者全部の名で国防献金をしては」

(大旦那は盛大な歓送会を提案。番頭と店員の相談が始まる)

「順に食べたいものを言ってごらん」

「テキが食べたい」

「テキはいけないね、ぜいたくはテキだと言うからね」

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