5/16福島事故 ツイッターで現場を発信 「新しい安全神話が…」【東京新聞・社会】

福島第一原子力発電所で働く作業員のことは報道規制されているのだろうか、全然見かけないと思っていた矢先だ。
[ふくしま作業員日誌]の片山記者さんの記事が昨日の夕刊に載っていた。

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福島事故 ツイッターで現場を発信 「新しい安全神話が…」

2016年5月16日 夕刊【東京新聞・社会】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051602000215.html

水素爆発や津波で破壊された構内を歩く作業員ら=東京電力提供
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多くの人々からふるさとを奪った東京電力福島第一原発事故は、発生から六年目に入り、今も十万人近くが避難生活を続ける。地震大国の日本ではいつ、どこを激震が襲うか分からない。それを私たちに思い出させた熊本地震を機に、原発事故の体験談にあらためて耳を傾ける。

トラックで福島第一原発の正門を出た直後、爆音が耳を貫いた。時間差で爆風が襲い掛かり、車体がぐらぐら揺れた。敷地に引き返すと、1号機が白煙に包まれているのが見えた。「危ない!」。無我夢中でトラックを走らせた。

事故直後からツイッターを使い、作業員として「ハッピー」の名前で現場の状況を伝えているベテラン男性は、二〇一一年三月十二日の出来事を信じられない思いで見た。原発が爆発するなんて想像したこともなかった。敷地にいる仲間は大丈夫なのか。風向きは逆だったが怖かった。

「全部が次々爆発するんじゃないか」。しばらくして敷地に戻り、人や車が走っているのを見て安心した。その後、原子炉の圧力が上がり続ける2号機への対応に追われた。

このころ、いつ寝たのか覚えていない。

3号機が水素爆発した時は、近くの建屋に入ったばかりだった。突然、下から突き上げられるような衝撃とすさまじい音がして、床に転がる。天井からがれきがバラバラ降ってくる。「あぁここで死ぬのかな」。逃げなくてはいけないのに、力が抜けて動けなかった。

力を振り絞り、外に出ると大量のほこりが舞っていた。3号機からは黒煙が上がり、がれきが散乱。消防車はぐちゃぐちゃだった。必死に走って免震重要棟に戻ると、白い防護服が血で染まった人や、すすをかぶったのか全身真っ黒な人…。まるで戦場だった。

一度現場を離れたが、戻ってからは汚染水処理に追われた。「今日移送しないと建屋から高濃度汚染水があふれる」と言われるたびに、二十四時間体制で作業した。高線量で暗闇の中、頭上のライトだけが頼り。行き当たりばったりの作業も多く、無駄になることもあった。現場は試行錯誤で計画通りにいかないのに、工程に振り回された。

廃炉まで関わりたい気持ちは今も変わらない。原発事故は人がコントロールできるものではないと痛感する。

「再稼働が進むが福島の現状を見てほしい。事故で壊れた人々の生活は絶対に元に戻らない。国や東電は前進や安全を言うが、危険も含め全部明らかにすべきだ。事故の責任を誰も取らぬまま新しい安全神話ができているのを感じる」 (片山夏子)

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