6/8「新元素合成は原爆の歴史背負う」 「ニホニウム」提案森田教授【東京新聞】6/9新元素名案はニホニウム 記号はNh【中日新聞】

やっと113番めの名前が決まった。
中でも森田教授が「新元素合成は原爆の歴史背負う」と仰って下さっているのが嬉しい。
こんな学者は非御用学者に違いない。
二年前原爆投下の映像を見て拍手喝さいしたというオバマに聞かせてあげたいものだ。

うちの家の廊下には元素周期表が貼ってある。
「元素周期表が貼ってある所がトイレです。そこ以外は開けちゃイヤよ」と客人に告げている。
この周期表は今中哲二さんに貰ったもので、今中さんは113番のことを「ウンウントリウム」とラテン語で仰っておられた。
だからトイレを連想したわけではない。あぁこんなこと今中さんに知られたら恥ずかしい。

昨夕の東京新聞夕刊に永井理記者の記事があったので調べてみたら、今朝(6/9)の中日新聞の第一面に載っていた。
実は一昨年秋から中日新聞の永井理記者の記事が気になっていて、お気に入りの記者さん。

今週の月曜に再び襲ってきた化学物質過敏症の発作のせいで、6/6からまた激しい頭痛で呼吸困難に陥った。
仕事がピークなので、翌日は病院に行ってから出勤。トイレの芳香剤がきつく感じるし、男性社員の化粧品臭いが臭くて再発したようだ。

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「新元素合成は原爆の歴史背負う」

 「ニホニウム」提案森田教授

2016年6月8日【東京新聞・夕刊】

理化学研究所の実験チームを率いる森田浩介・九州大教授は八日夜、「新元素の合成は原爆開発と共にあり、その歴史を背負っている」と述べ、新元素ニホニウムの発表に当たり、東京電力福島第一原発事故に触れた理由を説明した。東京都内で取材に答えた。
=1面参照

森田氏は「(歴史的に)ウランより重い元素を作ろうとして核分裂を発見し、その後、爆弾の開発に駆り立てられた。核の災害によって生命を失い、不自由を被った人と関連がないわけはない」と、硬い表情で自らの思いを明かした。

国際学会の発表はニホニウムの命名理由の中で、第一原発事故に言及。信頼を取り戻したいとするチームの望みを紹介している。

森田氏は八日夕、東京に向かう福岡空港で共同通信の取材に応じた。「ものすごく緊張している。非常にうれしいという気持ちも大きい」。理研が命名案を正式に発表する直前だったこともあり、少し興奮した様子だった。

ニホニウムの名称については「(命名は)アジアで初めて、日本でも初めてなので、皆さんに嫌われるような名前は付けたくない。(国民が)納得してくれるといいなと思う」と期待感をにじませた。

ニホニウム 原子番号113番の新元素。あらゆる物質をつくる基本要素である元素には、軽いものから順に水素、ヘリウム、リチウム・・・と原子核に含まれる陽子の数に基づいて番号が付いている。自然界で見つかったのは92番のウランまで。93番のネプツニウムから先は人工的に合成されて存在が確認された。理化学研究所のチームは、30番の亜鉛の原子核を光速の10%まで加速して83番のビスマスにぶつけて核融合を起こし、ニホニウムを合成した。寿命はわずか500分の1秒と短く化学的性質はほとんど分かっていない。

tky160608yu_113_dr_morita(写真)新元素を「ニホニウム」とする命名について、笑顔で質問に答える森田浩介・九州大教授=8日午後、福岡空港で

 日本で周期が身近に

周期表は自然科学の基本として教わるが、あまり親しみのわく存在とはいえない。ずらり並んだ元素名や記号はラテン語など欧州のことばに由来するものがほとんど。なぜ鉄がFeで、金がAuか。意味がわからず覚えるのも苦心する。

アインスタイニウムやユウロピウムのように有名人や地名に由来する名前もあるが、外国で作られたよそよそしさがある。

そこにニホニウム(Nh)が加われば、周期表がずっと身近に感じられることは間違いない。

日本にちなんだ元素の誕生は「あと一歩」の連続だった。1900年代初めに東北大の小川正孝博士、40年には理化学研究所の仁科芳雄博士が、それぞれ新元素の発見に迫ったが、かなわなかった。

昨年末、113番元素の発見が国際学会で認められたとき、実験チームを率いた森田浩介・九州大教授は「これから科学を勉強する人は、周期表に日本で発見された元素が載っていることに高揚感を感じてくれるのでは」と話した。形の上では小さな空欄がひとつ埋まるだけだが、日本の科学を後押しする効果は大きいだろう。また、新元素の研究は宇宙の誕生後に多様な元素がどのように生まれたかを知る手掛かりにもなると期待される。

一方、森田さんは国際学会に寄せたコメントで福島第一原発事故に触れ、8日には取材に対して原爆開発との関連にも言及した。もともと核分裂は、ウランより重い新元素をつくり出そうとする過程で発見され、核エネルギー利用や核兵器の開発につながったという側面があるからだ。科学の歴史には明暗の両面があることも忘れてはいけない。(永井理)

tky_nihonium

 

新元素名案はニホニウム 記号はNh

2016年6月9日 朝刊【中日新聞・一面】
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016060902000074.html

cyu_160609_113新元素を「ニホニウム」と命名する案を祝い、名古屋市科学館の113番のコインロッカーに貼られたステッカー=8日、名古屋市中区で(内山田正夫撮影)
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理化学研究所のチームが発見し、命名権を獲得した原子番号113番の新元素の名前を「ニホニウム」とする案を国際学会の「国際純正・応用化学連合(IUPAC)」が八日、発表した。元素記号案は「Nh」。一般からの意見募集を経て正式決定されれば、日本にちなんだ元素の名前と記号が元素周期表に記載される。

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意見募集の期間は五カ月間で、年内にも正式決定する見込み。

新元素の発見は欧米以外では初めて。

113番元素は、九州大教授を兼任する理研の森田浩介グループディレクターが率いるチームが二〇〇四~一二年、加速器を使った実験で三個合成した。ロシアと米国のチームと発見の優先権を争っていたが、IUPACから昨年末、日本が発見者と認められ、命名権を得た。チーム内で協議して森田さんが名前と記号の案を決めて三月にIUPACに提出し、その後、非公開で妥当性などが審査されていた。

森田さんは「応援してくれた日本の皆さんのことを思い、ニホニウムと命名した」と理由を述べた。また研究チームがIUPACに寄せたコメントには「原発事故で被害を受けた人々が科学への信頼を取り戻すことを期待する」との文章が含まれていた。

新元素の命名にはルールがあり、国名や地名、科学者名などに由来し、語尾に「ium=イウム」をつけることが多い。正式でなくても一度つけられた名前は使えず、一九〇八年に元東北大学長の小川正孝博士が新元素として命名し、後に誤りと分かった「ニッポニウム」は選べなかった。

113番元素は自然界には存在せず、加速器の中で亜鉛の原子核をビスマスにぶつけ、核融合を起こし、合成した。〇・〇〇二秒で別の元素に変わってしまう。

◆Nhで周期表が身近に

周期表は自然科学の基本として教わるが、あまり親しみのわく存在とはいえない。ずらり並んだ元素名や記号はラテン語など欧州の言葉に由来するものがほとんど。なぜ鉄がFeで、金がAuか。意味が分からず覚えるのも苦心する。

そこにニホニウム(Nh)が加われば、周期表がずっと身近に感じられることは間違いない。

日本にちなんだ元素の誕生は「あと一歩」の連続だった。一九〇〇年代初めに東北大の小川正孝博士、四〇年には理化学研究所の仁科芳雄博士が、それぞれ新元素の発見に迫ったが、かなわなかった。

昨年末、113番元素の発見が国際学会で認められたとき、実験チームを率いた森田浩介・九州大教授は「これから科学を勉強する人は、周期表に日本で発見された元素が載っていることに高揚感を感じてくれるのでは」と話した。形の上では小さな空欄が一つ埋まるだけだが、日本の科学を後押しする効果は大きいだろう。

もちろん先端の科学研究の面からも、新元素の発見は、宇宙の誕生後に多様な元素がどのように生まれたかを知る手掛かりになる。理研は新装置を開発しており、さらに119番、120番などの元素発見に挑む。

(科学部・永井理)

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