6/19沖縄の「県民大会」記事【6/20中日・東京新聞】

あえて沖縄タイムスや琉球新報以外の記事を集めた。

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「奴隷じゃない」 続く事件 涙の抗議

 同世代 玉城さん 喪服で登壇

2016年6月20日【東京新聞・朝刊】

沖縄の女性暴行殺害事件に抗議する「県民大会」で涙を流して訴える玉城愛さん=19日午後、那覇市でcyu160920_1men_tamagusukuaisan

(写真は中日新聞・一面より)
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016062002000067.html

沖縄の女性暴行殺害事件に抗議するため十九日に那覇市で開かれた県民大会で、被害者と同じうるま市に住む名桜大四年の玉城愛さん(ニ一)が、若い世代を代表してスピーチした。沖縄が強いられ続ける重い米軍基地負担が、繰り返される事件の原因と捉える県民の怒りは高まっている。玉城さんは、安倍晋三首相と本土に住む日本国民に向けて「今回の事件の『第二の加害者』はあなたたちだ」と涙ながらに訴えた。

玉城さんは胸に白いリボンを着けた喪服で登壇。犠牲になった女性に「あなたのことを思い、多くの県民が涙し、怒り、悲しみ、言葉にならない重くのしかかるものを抱いていることを絶対に忘れないでください」と語り掛けた。

事件後に政府が打ち出した再発防止策に触れ「パトカーを増やして護身術を学べば、私たちの命は安全になるのか。ばかにしないでください。再発防止や綱紀粛正などという、使い古された幼稚で安易な提案は意味を持たない」と批判した。

さらに、オバマ米大統領の名を呼び「アメリカから日本を解放してください。私たちは奴隷ではない。被害者とウチナーンチュ(沖縄の人)に真剣に向き合い、謝ってください」と語気を強めた。

玉城さんは、米兵による少女暴行事件が起きた一九九五年の前年に生まれた。

母方の祖父は、軍雇用員として米軍基地で働いていた。友人には基地に勤めていた米軍人の子どももおり、帰国した今も交流が続いている。基地は「日常の風景」(玉城さん)にすぎなかった。

転機は大学入学後に訪れた。普天間飛行場への新型輸送機オスプレイ配備に反対する沖縄に迫ったドキュメンタリー映画を見て、声を上げて行動する人たちの姿に心を揺さぶられた。

二O一三年末、通っている大学に近い名護市辺野古沿岸部を埋め立て、普天間飛行場の代替施設を建設する政府の計画を前知事が承認した。「私たちの世代で基地は終わらせないといけない」。学生団体「SEALDs RYUKYU(シールズ琉球)」に加わり、抗議活動を続けてきた。

約八分間のスピーチは、途中から涙をこらえきれなくなり「同じ世代の女性の命が奪われる。信頼している社会に裏切られる。もしかしたら、私だったかもしれない」とハンカチで目元をぬぐいながら言葉を継いだ。「もう絶対に繰り返さない」と前を見据えた。

 

 

沖縄「限界超えた」 元米兵女性殺害に6万5000人抗議

2016年6月20日 朝刊【中日新聞・一面】
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016062002000068.html

cyu160920_1men沖縄で米軍属が逮捕された女性暴行殺害事件に抗議し、被害女性を追悼する「県民大会」で、「怒りは限界を超えた」と書かれた紙を掲げる参加者たち=19日、那覇市の奥武山公園で
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沖縄で元米海兵隊員の軍属の男が逮捕された女性暴行殺害事件に抗議し、被害女性を追悼する「県民大会」が十九日、那覇市の奥武山(おうのやま)公園で開かれ、約六万五千人(主催者発表)が参加した。繰り返される事件に「県民の怒りは限界を超えた」として、沖縄駐留米軍の大半を占める海兵隊の撤退や、日米地位協定の抜本改定を求める決議を採択。基地反対の意思を改めて示した。

大会に出席した翁長雄志(おながたけし)知事はあいさつで、一九九五年の米兵による少女暴行事件に触れ「二度とこのような事件を繰り返さないと誓いながら、政治の仕組みを変えられなかったことは痛恨の極み」と述べた。

政府に対し、米軍普天間飛行場の県外移設を強く求め、米兵の特権意識を助長し事件の温床ともされる日米地位協定の見直しに向け「不退転の決意」を表明した。

大会の冒頭、参加者全員で黙とうし、事件で亡くなった女性(20)を悼んだ。女性の父親は「なぜ娘は殺されなければならなかったのか。次の被害者を出さないためにも全基地撤去を強く願っている。県民が一つになれば可能だ」などとするメッセージを寄せ、会場で読み上げられた。

県民らは「怒りは限界を超えた」「海兵隊は撤退を」と書かれた紙を一斉に掲げ、基地の負担軽減が進まない現状に反発を示した。

大会決議では「米軍基地あるが故の事件であり、断じて許されるものではない」とし「県民の人権と命を守るためには米軍基地の大幅な整理・縮小、中でも海兵隊の撤退は急務だ」と強調した。

この日は東京の国会前をはじめ、全国各地で同様に事件に抗議する集会が開かれた。

沖縄の県民大会は共産、社民両党などでつくる「オール沖縄会議」が主催。自民、公明両党は政治的な主張の違いを理由に参加せず、九五年の少女暴行事件の「県民総決起大会」のような超党派での開催には至らなかった。

 

 

沖縄県民大会 耳傾けるべき声がある

2016年6月20日【中日新聞・社説】
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2016062002000101.html

米軍犯罪の犠牲者を二度と生み出さない。沖縄の県民大会で表明された人々の願いと覚悟だ。沖縄に基地を集中させている日米政府はもちろん、私たち国民全体が沖縄の声に耳を傾けるべきだ。

うるま市の二十歳の女性が元海兵隊員の軍属に殺害され、無残な姿で発見されてから一カ月。大会では多くの人から苦しみが語られた。若い命を守れなかった悔しさや怒り。「被害者は私だったかもしれない」と、女性の感じた恐怖や悲しみに共感している。

一九九五年の少女暴行事件から二十年がたっても、相変わらず米軍関係者の犯罪が繰り返されてきた。事件や事故のたびに日米両政府が示す再発防止や綱紀粛正の策は小手先だった。今回もそうだ。日本側は警察官を増やしてパトロールを強化したり、街路灯を増やし、米側は米兵らに飲酒禁止を求めた。これが県民の怒りや苦悩を理解した対応なのか。県民の要求とはあまりにかけ離れている。

米軍に特権を与えている地位協定についても、今回は軍属が公務外で起こした事件であり、直接捜査の障壁になっていないとして、抜本改定はしないという。

だが、翁長雄志県知事は異を唱える。基地の外で起きた米軍関係者の事件をすべて日本の司法で裁くなど、不平等な協定を対等な内容へと抜本改定を求める。全基地撤去を求める世論も膨らんでいる。辺野古新基地建設に反対する運動に象徴されるように、沖縄社会は変わった。大会決議で「海兵隊撤退」が掲げられたように、「基地の整理縮小」のレベルで県民の心はもう収めきれない。

県民大会は超党派による開催が探られたが、調整は難航した。辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄会議」の主催では参院選への影響もあるとみたのだろう。辺野古への新基地建設を容認する自民や、政権与党の公明は参加しなかった。

問題なのは、このように沖縄の人々を分断させているのはだれなのかということだ。米軍犯罪の本質は、日米安保のために、在日米軍施設の大半を沖縄に集中させてきた基地政策にこそある。

七十一年前の今頃、沖縄は壮絶な地上戦の最中にあった。戦後は米兵らの犯罪や事故も問えない、治外法権に泣かされてきた。この不条理な歴史を終わらせたい。

県民大会に連帯し、国会前など四十一都道府県で市民集会が開かれた。沖縄の問題に閉じ込めず、日本全体で、わが事としたい。

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