6/21「高浜1、2号機の延長認可 規制委、40年超運転で初」関連記事【中日新聞・東京新聞・朝日新聞・毎日新聞】

規制委は、ようこんなこと認めるわ。どんだけ関電と癒着しているんやろ?
そういえば規制委からパブリックコメント募集も見いひんかったで。

関電の株主総会まで一週間。神戸の株主総会前アピール!8時半から上牧行動主催者らも参加されるとのこの。
ワコールの建物の隣が体育館みたいで、その広い軒下が日陰や雨宿りに最適であたかもプレスセンターのようになっているんよ。
新聞記者さんは必死でパソコンを叩いているから邪魔したらあかんよ。
ちなみに普通の株主総会では手土産が付くんやけど、関電はケチやから何も出えへんし手ぶらで帰らんとならんのは有名。

その前に6月26日は第2回「関電八木社長原発やめて下さいパレード」。2時に集合下さい。よろしく(梅雨やし雨対策で)お願いします。

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高浜1、2号機の延長認可 規制委、40年超運転で初

2016年6月21日 朝刊【中日新聞・一面】
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016062102000092.html

関西電力高浜原発1号機の原子炉格納容器天井部と蒸気発生器(奥と左右の塔)=16日、福井県高浜町で

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原子力規制委員会は二十日、運転開始から四十年超の関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)で、最長二十年の運転期間の延長を認めた。四十年廃炉が原則だが、条件を満たせば一回に限り二十年の延長が認められる。延長は「例外中の例外」とされてきたが、初の適用例が決まった。ただ、再稼働には大規模な改修工事が必要で、三年ほど先になる見通し。

老朽化した原発の再稼働には、新しい規制基準に適合させる方針と具体的な工事計画を規制委が認めるほか、原子炉や建屋の健全性チェックも通過する必要がある。

規制委は、原子炉格納容器上部の放射線を遮る能力が低いことから、遮蔽(しゃへい)用のドームを設置し、ケーブルに防火シートを巻き、事故時の対策拠点を新設するなどすれば、新基準に適合すると既に判断している。この日、関電が特別点検で得たデータなどを基に「運転六十年の時点でも安全性は保たれる」と認めた。劣化した配管などは取り換えれば問題ないと判断した。

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関電は、ドーム設置など全ての改修工事は二〇一九年十月までに終える計画。一方、西川一誠・福井県知事は地元同意について「もう少し手続きや問題点がはっきりしないと」と話し、まだ判断できる時期ではないとの認識を示している。

四十年廃炉のルールを巡っては、出力の小さい原発では新基準に対応する改修費に見合わないとして、関電美浜1、2号機(福井県美浜町)など六基の廃炉が決まっている。

ただし、これら六基より新しい他の原発は出力が八十万キロワットを超える規模がほとんど。何千億円もの工事費をかけても回収できるとなれば、四十年廃炉の原則は崩れ、運転延長を目指す動きが続く可能性が高い。関電は既に、昨年十一月に運転四十年となる美浜3号機の延長も規制委に申請している。

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高浜1、2号機を巡っては、福井、愛知など十四都府県の住民が運転延長は危険性が高いとして、規制委に延長を認めないよう求める訴訟を名古屋地裁に起こしている。

◆後続原発の先駆け

<関西電力のコメント>運転期間の延長認可は全国で初めてであり、後続プラントの先駆けになるものと考えている。安全性の確認された原子力プラントは速やかに再稼働したいと考えており、今後、早急に詳細な安全対策工事の内容やスケジュールを検討していく。

◆立地の審査不足

各国の原子力規制に詳しい原子力コンサルタントの佐藤暁氏の話>老朽原発の運転延長は、米国や英国などの海外でも認められているが、原子力規制委員会の審査は、原発周辺の人口分布や断層の距離、地理的要因など、国土が狭く地震が多いという日本特有の問題が議論されていない。「原発の立地場所として適切か」に踏み込めておらず、審査不足との印象は否めない。

関西電力高浜原発> 福井県高浜町に立地し、加圧水型軽水炉が4基ある。1号機は1974年、2号機は75年に運転を始め、出力は各82万6000キロワット。85年に運転を始めた87万キロワットの3、4号機は原子力規制委員会の審査に合格。今年1月と2月に再稼働したが、大津地裁は3月、住民らが申し立てた再稼働差し止めの仮処分を認め、関電は運転を停止させた。

 

高浜原発 延命よりも新産業だ

2016年6月21日【中日新聞・社説】
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2016062102000118.html

原子力規制委員会が、運転四十年を超える関西電力高浜原発(福井県)の延長を初めて認可した。世界は既に廃炉時代。無理な延命を図るより、時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い。

もの皆すべてに寿命がある。生き物と同じである。

3・11後に定められた四十年という原発の法定寿命は、原子炉の圧力容器の内部が絶え間ない中性子の照射を受けて劣化するまでの目安という。

運転後四十年もたてば、原子炉も相当傷んでいるだろうと心配するのは当然だ。延命期間も安全に稼働できるという十分な根拠こそ、電力会社も原子力規制委員会ももっと詳しく示してほしい。

3・11後、老朽原発廃炉は世界の潮流だ。安全対策に費用がかかりすぎるからである。

四国電力は、来年九月で運転開始四十年になる伊方原発(愛媛県)1号機の廃炉を決めた。

燃えやすい電源ケーブルを燃えにくいものに取り換えたり、原子炉格納容器上部の遮蔽(しゃへい)性を高めるなど、大規模な工事が必要になるからだ。

ところが関電は、ケーブルの六割を燃えにくいものに替えるだけ、あとは防火シートで包むという“簡易型”の対策で延長を申請し、規制委もこれを了承した。

「より厳しい審査を経て」という大前提はのっけから骨抜きだ。

延長容認の基準は「安全性」ではなく「経済性」、3・11の教訓はもうほごか-。このように受け取られてもやむを得ない判断だ。

先例にされては、危険である。

原発廃炉で立地地域の雇用喪失を心配する声は根強い。

二〇二二年までの原発廃止を決めたドイツでは、「廃炉事業は成長産業」との声が高まっている。

廃炉には、四十年という時間がかかる。しかも、前例の少ない手探りの大事業。関連企業を集約できれば、原発を上回る長期雇用も十分期待可能である。

新型転換炉「ふげん」(福井県)の廃炉作業を進める日本原子力研究開発機構によると、昨年度携わった延べ約二百六十社のうち、約七割が地元企業だったという。

ドイツには、原発建屋の撤去跡地に再生可能エネルギーの関連工場を誘致した例もある。

廃炉時代は確実に訪れる。“原発銀座”と呼ばれるほどに原子力の時代を支えた福井県が、新しい時代の先陣を切れるよう、政府も施策を打つべきだ。

 

課題残し「例外」適用 「高浜」延長 揺れ 過小評価の恐れ

2016年6月21日【東京新聞・核心】

原子力規制委員会が二十日、運転開始から四十年超の関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の運転延長を認めた。新規制基準に対応する大規模な工事に三年ほどかかるため、再稼働はまだ先だが、四十年廃炉ルールの「例外」が早くも登場した。老朽化への懸念が残る中で、審査は運転期間が切れる七月七日をにらみながら進められ、多くの課題が積み残された。(塚田真裕、高橋雅人)

 迫る期限切れを意識

 ■審査

新基準に基づく高浜1、2号機の審査の会合は二十七回開かれた。既に審査が終わった九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の六十四回、高浜3、4号機の七十回、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の七十八回と比べると、半分以下だ。

新基準の下での運転期間延長は初めてのケースなのに、規制委は延長認可の前に、国民から意見事募集するパブリックコメントを実施しなかった。募集と集約で二カ月ほどかかるが、新基準に基づく原発の審査では、いずれも実施してきた。今回、実施しない理由を尋ねると、田中俊一委員長は「これまでも高経年化(老朽化)の評価ではしていない。極めて技術的な審査だから」と強調した。

高浜1、2号機では、核燃料が発する熱から発電用の蒸気をつくる蒸気発生器が地震の揺れに耐えるのかどうか懸念されている。この原発で検証するのが本来のあり方だが、当面は同型の美浜3号機(福井県美浜町)の実証データで代用。実証試験は先送りされた.

すでに運転期間が四十年を過ぎた高浜1、2号機は法令上、新華基準の施行後二年に当たる七月七日までに安全審査と運転延長の許認可を取得しないと、廃炉になる。その日程を意識した審査だった。

 ■劣化

古い原発では、原子炉の劣化や防火対策が旧式といった問題点がある。

原子炉容器(圧力容器)の鋼鉄は、長期にわたり中性子を浴びると、もろくなって急速な温度変化に耐えられないとされる。

五月下旬から六回開かれた老朽化に特化した別の審査では、関電が提出した容器内に置いた試験片のデータと、計算による六十年運転までの予測値を基に、事故時も原子炉容器は割れないと評価された。

だが、老朽化対策の専門家の井野博満・東京大名誉教授(金属材料学)は「予測式には不確実性がある」と指摘し「もろくなって壊れる現象は分かっていないことが多い。より慎重であるべきだ」と話す。

原発内には無数のケーブルが張りめぐらされ古い原発では被覆部分が燃える恐れがある。防火シートで包み、新基準をクリアする方針だが、福井県の原子力安全専門委員会では「シート内でのトラブルを見つけにくい」「保守点検はどうするのか」との疑問の声が委員から上がっている。規制委の担当者は「具体的な点検の方法までは議論になっていない」と述べるにとどめた。

 ■身内

老朽化に加え想定している地震の揺れが十分かどうかという問題点が新たに出てきた。

警鐘を鳴らすのは、規制委の前委員長代理で、地震や津波の審査を担当していた島崎邦彦・東大名誉教授(地震学)。いわば身内からの指摘だ。

委員退任後、四月の熊本地震の実測データを基に、断層の長さから地震規模を予想する計算式を独自に検証してきた。その中で、高浜原発でも使われている計算式は、垂直または垂直に近い断層では、三分の一~四分の一程度に過小評価してしまう問題に気づいた。

島崎氏は、高浜原発は最も大きな震源になると想定する断層から比較的遠いことから、必ずしも審査結果に大きな影響があるとはいえないとの見方を示す。ただ、想定の断層は「垂直ないし七五度」(関電)で、過小評価している可能性もある。

大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働差し止め控訴審には、すでに島崎氏の陳述書が提出。名古屋地裁に提訴されている高浜1、2号機の運転延長差し止め訴訟の審理でも争点になりそうだ。

 再稼働さらに

関西電力のコメント 運転期間の延長認可は全国で初めてであり、後続プラントの先駆けになるものと考えている。安全性の確認された原子力プラントは速やかに再稼働したいと考えており、今後、早急に詳細な安全対策工事の内容やスケジュールを検討していく。

再稼働に多額費用 老朽発淘汰進む

老朽原発の再稼働は対策などに多額の費用がかかることから、採算面で淘汰-とうた-が進んだ。

関西力高浜原発1、2号機(福井県)が初めて四十年超の運転が決まり、十一月末に運転開始から四十年を迎える関電美浜3号機(福井県)も延長の審査が進む。三基は、約八十万キロワットと出力が比較的大きい。

一方で昨年四月以降、美浜1、2号機と九州電カ玄海1号機(佐賀県)、日本原子力発電敦賀1号機(福井県)、中国電力島根1号機(島根県)、四国電力伊方1号機(愛媛県)が廃炉となった。

これらの出力は、三十五万~五十五万キロワット程度にとどまる。

 

経産省核燃料事業「行政レビュー」 ウラン備蓄「改善を」

2016年6月21日 朝刊【東京新聞・経済】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201606/CK2016062102000123.html

国の税金の無駄遣いを洗い出す「行政事業レビュー」が二十日、経済産業省で開かれた。国による原発用の核燃料の備蓄など三つの事業について、外部の有識者は「事業計画が不十分だ」などと指摘し、事業の廃止を含む抜本的な改善を求めた。

日本は原発の核燃料に使うウランをすべて輸入に頼っている。経産省は輸入が途絶えた場合に備えて三十トンの濃縮ウランを蓄えており、本年度予算で九千五百万円を計上した。将来は六十トンに増やすという。しかし三十トンや六十トンという量が必要だとする根拠はなく、有識者は「三十トン、六十トンという備蓄が妥当か不断の検討をするべきだ」と、抜本的な改善を求めた。

経産省はこれまで、原子力発電を「準国産」と表現し、燃料を輸入しなくてもいいような印象を与えてきた。二十日は一転して、輸入が途絶えた場合の蓄えを主張した。視察していた河野太郎行政改革担当相が「現状で核燃料は石油と同じくすべて輸入に頼っているのだから、今後の議論で『準国産』という言葉は使わないように」と、声を荒らげる場面もあった。

レビューでは、本年度予算で六億円を計上しているウランの探鉱事業について「目標も事業計画も不十分で、国費を使う必要性を立証できないなら廃止するべきだ」との指摘があった。原発で使う新しい機器の開発に五千万円を計上している事業も「民間に任せるべきだ」と廃止を要求。二〇一七年度も予算要求する構えの経産省をけん制した。

 

大飯原発の地震動を再算定へ 規制委、「過小評価」の指摘受け

2016年6月21日 朝刊【東京新聞・社会】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201606/CK2016062102000124.html

原子力規制委員会は二十日の定例会合で、関西電力大飯原発で想定している地震規模を、計算し直すことを決めた。前委員長代理の島崎邦彦東大名誉教授(地震学)が、関電が採用した算定手法では、地震規模を過小評価している恐れがあると指摘したことを受けた。

高浜原発は、大飯原発と同じ断層を主な震源と想定し、算定手法も同じ。九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)も同じ手法を用いており、結果次第では、規制基準や審査にも大きく影響する可能性がある。

島崎氏は二年前まで、新基準策定や大飯原発の審査にも関わった。十六日に田中俊一委員長と面会し、熊本地震のデータを検証した結果、問題の手法を使った場合、断層が垂直または垂直に近いと、地震規模を三分の一~四分の一に過小評価してしまう可能性があるとの研究結果を伝えた。

規制委は二十日の会合で議論したところ、「ほかの式(算定手法)で計算をお願いしたい」「まずは大飯原発で計算をしてもらい、議論はその後」などの意見が出た。規制委事務局は、まず大飯原発でほかの手法で地震規模を算定し直す。二週間ほどかかるという。高浜原発などへの対応は、大飯原発の結果が出た後に検討する。

問題が指摘された算定手法は、断層の面積から地震規模を計算する式で、入倉孝次郎京大名誉教授らが提唱した。地震規模は、耐震設計の目安となる基準地震動を左右する。

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40年超原発、延長を初認可 高浜2基、60年運転 規制委

2016年6月21日05時00分【朝日新聞デジタル】
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12418904.html?rm=150

原子力規制委員会は20日、運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県)について、60年までの運転延長を認可した。東京電力福島第一原発事故の後、原発の運転期間を原則40年とする制度ができてから初めて。運転延長の審査の「ひな型」ができたことになり、「例外」とされてきた運転延長が他原発ログイン前の続きでも相次ぐ可能性が高い。▼2面=原則どこへ、18面=社説

規制委は高浜1、2号機について、劣化しつつある一部の配管や電気ケーブルの補強や交換を条件にした上で、60年の時点でも安全機能が維持できると判断。1号機は2034年11月、2号機は35年11月までの運転を全会一致で認めた。ただ、関電はケーブルの交換など安全対策工事に3年以上かかるとみており、再稼働は早くても19年秋以降になる見通しだ。

今の制度では、原発の運転期間は規制委が認めれば1度だけ最長20年延長できる。1、2号機の場合、経過措置で猶予された7月7日の期限までに三つの許認可を受ける必要があった。

規制委は期限までに許認可がそろわず「時間切れ」で廃炉を迫られる事態を避けるため、他の原発を後回しにする形で審査し、4月に新規制基準に基づく許可を出した。重要設備を実際に揺らして耐震性を確かめる試験を先送りして、今月10日に工事計画を認可した。

福島の事故後、電力各社は40年前後の老朽原発6基の廃炉を決めたが、35年以上の原発は高浜以外に5基ある。関電は美浜原発3号機(福井県)についても延長を申請しているが、主な審査は終わり、期限の11月末までに認可される可能性が高まっている。(北林晃治)

■<解説>抜け道の懸念、現実に

原発の運転期間を原則40年とするルールは、政府から独立した原子力規制委員会の設置とともに、福島事故の犠牲と引き換えに手にした原発の安全を保つ改革の根幹だ。いずれも民主党政権時に、自民、公明両党も賛成し、法律で定めた。

老朽原発を廃炉にすることは大事故の危険を減らす。福島第一で炉心溶融した1~3号機は東電の全原発で最も古い3基だった。事故時に炉心を冷やす装置が旧式だった1号機は、ほとんど冷却できなかった。

「40年ルール」は原発依存度も確実に下げる。老朽原発から順次廃炉にしていくのは理にかなっている。

しかし、安倍政権は2030年度の総発電量に占める原発の割合を20~22%とする計画を決めた。10基程度の老朽原発を40年超運転させないと届かない。

規制委も、高浜1、2号機の運転延長の審査を、認可の期限に間に合うよう急いだ。政府と関電に対し、期限にとらわれずに安全を貫くという毅然(きぜん)とした姿勢を示せなかった。

今後、40年を迎える原発は追随して運転延長を申請するとみられる。法の例外規定が「抜け道」になるのではという当初からの危惧が、現実になった。福島の惨禍を教訓に出直したはずの原子力安全の体制が、なし崩しに劣化している。(編集委員・上田俊英)

 

(社説)原発40年規制 運転延長に反対する

2016年6月21日05時00分【朝日新聞デジタル】
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12418794.html?rm=150

運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県)について、原子力規制委員会が運転延長を認可した。関電は安全対策工事をしたうえで、2019年秋以降の再稼働をめざす方針だ。

東京電力福島第一原発の事故を経て、朝日新聞は社説で20~30年後の「原発ゼロ社会」を主張してきた。当面どうしてもログイン前の続き必要な原発の稼働は認めつつ、危険度の高い原発や古い原発から閉じていくという意見である。

このままでは、利益をあげられると電力会社が判断した原発について、次々と運転延長が認められかねない。今回の認可に反対する。

まずは規制委である。

難題とされた電気ケーブルの火災対策で、燃えにくいケーブルへの交換が難しい部分は防火シートで覆う関電の方針を受け入れた。運転延長後の耐震性を推定するために格納容器内の重要機器を実際に揺らす試験も、対策工事後に回して認可した。

「1回だけ、最長20年」という運転延長規定は、電力不足などに備えるために設けられた。規制委も「極めて例外的」「(認可は)相当困難」と説明していたのではなかったか。

より大きな問題は、安倍政権の原発への姿勢である。

法律を改正し「原発の運転期間は40年」と明記したのは民主党政権のときだった。福島の事故を受け、国民の多くが「原発への依存度を下げていく」という方向で一致していたからだ。

安倍政権も、発足当時は「原発依存度を可能な限り低減する」と繰り返していた。しかし、なし崩し的に原発温存へとかじを切り、基幹エネルギーの一つに位置づけた。

「規制委が安全と判断した原発は再稼働していく」。これが最近の政権の決まり文句だ。

その規制委は個別原発の安全審査が役割だと強調する。避難計画が十分かどうかは審査の対象外だし、高浜原発がある福井県のような集中立地の是非も正面から議論はしていない。

高浜原発を巡っては今年3月、再稼働したばかりの3、4号機について、大津地裁が運転差し止めの仮処分決定を出した。決定の根底には、原子力行政を専門家任せにしてきたことが福島の事故につながったとの反省がある。

「原発40年」の法改正は民自公の3党合意に基づく。規制委によりかかりながら、原発依存度低減という国民への約束をなかったことにするのは許されない。政権は40年ルールへの考え方をきちんと説明するべきだ。

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高浜原発  40年超運転…規制委が初認可、20年延長

毎日新聞2016年6月20日 21時16分(最終更新 6月21日 03時30分)
http://mainichi.jp/articles/20160621/k00/00m/040/044000c?fm=mnm

関西電力高浜原発(手前から)1号機と2号機=福井県高浜町で2016年6月15日午後3時45分、本社ヘリから梅田麻衣子撮影

原子力規制委員会は20日、運転開始から40年以上が経過した関西電力高浜原発1、2号機(福井県)について、最長20年にわたって運転期間を延長することを認可した。原発の寿命は原則40年に制限されているが、運転延長が認められるのは今回が初めて。関電は2019年10月以降、2基を再稼働する方針で、1号機は最長34年11月まで、2号機は同35年11月まで運転が可能になる。

【写真特集】高浜原発、40年超運転 規制委が初認可 .

1号機の運転開始は1974年11月、2号機は75年11月で、それぞれ41年7カ月、40年7カ月経過。東京電力福島第1原発事故後の法改正で原発の運転期間は原則40年に限られ、期限までに規制委が認めれば1回だけ最長20年延長できる。

高浜原発の2基の場合は来月7日が期限で、それまでに新規制基準への適合を確認する安全審査の合格に加え、設備の詳細設計をまとめた工事計画の認可、老朽化の影響を調べる運転延長の認可の二つの手続きを終える必要があった。安全審査には今年4月20日に合格。工事計画は6月10日に認可され、運転延長の手続きだけが残っていた。

審査では、全長約1300キロに及ぶ電気ケーブルの防火対策が焦点となっていたが、関電は6割については難燃性に交換し、交換が難しい場所では防火シートで巻くなどの延焼防止対策を示し、規制委も認めた。また、原子炉の劣化状況などを詳しく調べる「特別点検」も実施し、支障がないことを確認した。

一方、蒸気発生器など1次系冷却設備の耐震確認作業については、数年程度かかるとみられていたが、規制委が実施を認可後に先送りした。

政府は30年度の電源構成で、発電量に占める原発の比率を20〜22%と決めている。全原発を40年で廃炉にすると15%程度にしかならず、実現には老朽原発十数基の運転延長が不可欠だ。【酒造唯】

 

高浜原発運転延長
40年ルール看板倒れ…一部審査後回し

毎日新聞2016年6月20日 21時18分(最終更新 6月21日 09時13分)
http://mainichi.jp/articles/20160621/k00/00m/040/045000c?fm=mnm

関西電力高浜原発(手前左から)1号機と2号機。奥は(左から)3号機と4号機=福井県高浜町で2016年6月15日午後3時44分、本社ヘリから梅田麻衣子撮影

「極めて例外的」とされた原発の運転延長が認められた。東京電力福島第1原発事故の教訓から、原発の運転期間は原則40年と定められたが、原子力規制委員会は20日、関西電力高浜原発1、2号機(福井県)について、40年超の運転延長を初めて認可した。一部の審査を認可後に後回しにするなど、「40年ルール」は看板倒れになりかねない。【酒造唯】

【これが焦点に】全長1300キロに及ぶ可燃性ケーブル 建屋内に所狭しと延びる .

<高浜原発訴訟はどこまで続くの?> .

<老朽原発>タービンは「昭和47年製」 可燃性ケーブルが1300キロ .

<政府の原発依存後押し>電源構成目標の達成は不透明 .

「最初から40年という寿命で原発ができているわけではない」。規制委の田中俊一委員長は20日の記者会見でこう述べ、「運転延長は相当困難」(2012年の規制委発足時)との発言を一転させた。

老朽原発の運転延長は、40年ルールの導入当初「極めて例外」(当時の民主党政権)と位置付けられていた。運転延長には新規制基準への適合と工事計画の認可、運転延長の認可の三つをそろえなければならない。特に高浜1、2号機の場合は、期限が今年7月7日と全国の老朽原発で最も早く、間に合わなければ廃炉になる可能性があった。

これに対し、規制委は事実上の「救済措置」に乗り出した。審査のスピードを上げるため、人員をこの2基に集中。さらに、通常なら数年かかるとみられる1次系冷却設備の耐震確認作業を先送りし、期限切れによる廃炉を回避した。

先送り後に確認作業がうまくいかなくても延長の認可は取り消されず、規制委内部からも「確認のやり直しは社会の理解を失う」(伴信彦委員)との批判が出たほどだった。

2基合わせて全長1300キロにも及ぶ可燃性ケーブルの防火対策にも「抜け道」が講じられた。すべて難燃性に交換するには膨大な時間とコストがかかるが、規制委は、交換が難しい場所については防火シートで巻く関電の対策を認めた。同様のケーブルを使っている原発は他に4基あり、「高浜方式」を採用すれば認可される前例を作った。

規制委にとっては、行政上の期限で廃炉になれば関電から訴訟を起こされるリスクがある。関電も、高浜の延長認可をモデルにできれば、すでに延長申請している美浜3号機(福井県)の審査も円滑になり、他社の原発にとっても延長認可されやすい環境が整う。

期限目前の「駆け込み認可」は、両者の思惑が一致した結果だった。「全国で初めてで、後続原発の先駆けになる」。関電は規制委の認可を歓迎するコメントを出した。

 

高浜原発運転延長  対策工事に2000億円

毎日新聞2016年6月20日 21時20分(最終更新 6月20日 21時56分)
http://mainichi.jp/articles/20160621/k00/00m/040/046000c?fm=mnm

高浜原発の(右から)1号機、2号機=福井県高浜町で2016年6月16日、西本勝撮影

運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の運転延長が決まった。1、2号機の構内に入り、2019年10月以降の再稼働に向けた安全対策工事の模様を取材した。

【写真特集】可燃性ケーブル1300キロ、タービン「昭和47年製」 .

「こちらが免震事務棟の建設予定地です」。同原発の青野力也所長室コミュニケーション課長が、2号機の北約200メートルの工事現場を案内した。免震棟は地震の揺れを緩衝装置で吸収する建物。東京電力福島第1原発では、同様の機能を持つ建物が事故後の対策拠点となった。地下約10メートルまで掘られた約570平方メートルの巨大な穴に無数の鉄骨が張り巡らされていた。最下部に免震装置を設置する予定というが、建物はまだない。地上6階、地下1階の免震棟は今後建設され、18年度に運用開始予定という。

タービンと発電機がある建屋内では、おびただしい数の配管の間に作業員の姿が見えた。タービンは整備され、外見に古さは感じられない。だが、本体に「製造年月日 昭和47(1972)年6月」と書かれた茶色の古いプレートがあった。1号機の運転開始(74年)よりも前に製造されたタービンだ。青野課長は「外側(タービンを収めるケース)は設置時のままですが、内部のタービンは取り換えながら使っています」と説明した。

格納容器や原子炉補助建屋内には、老朽原発で多用されている古い可燃性ケーブルが所狭しと延びる。総延長は約1300キロ。計算上は東京−熊本間の距離に匹敵する。約6割を難燃性に交換し、交換が難しい場所については防火シートで覆う対策をするのだという。関電は「完了までには数年かかる」としている。

整備され、外見上は古さを感じさせないものの、建設当時の名残も見られる2基。メンテナンスを繰り返しているため、「実質的には老朽化していない」と話す関電社員もいた。今後3年以上続く対策工事には2000億円を超える費用がつぎ込まれるという。【鳥井真平】

 

高浜原発運転延長 関電、安全対策に巨費

毎日新聞2016年6月20日 23時55分(最終更新 6月21日 00時45分)
http://mainichi.jp/articles/20160621/k00/00m/020/097000c?fm=mnm

関電の高浜原発1、2号機の運転延長が認められたが、関電が目指す原発主導での経営には課題が多い。安全対策工事に巨費と3年超という期間を要するうえ、訴訟による運転差し止めの可能性も高まっている。

関電が高浜1、2号機で見込む安全対策工事費用は、高浜原発全体の共用分を除いても2000億円超に上る。既に大地震や津波の影響を受けない緊急時対策所、事故対応に当たる作業員が待機する免震事務棟の設置工事を開始。今後、格納容器の上部に重大事故時に放射線を遮る鉄筋コンクリート製の巨大ドームを設置し、海水を2号機に運ぶ配管を土中でなく岩盤を通すよう変える工事も実施する計画だ。

だが、工事費用はこれだけにとどまらない。航空機突入などのテロ対策として、遠隔で原子炉の冷却や減圧ができる制御室などを設ける工事が必要だ。関電が再稼働を目指す9基のうち、安全対策費用の試算がある7基で計約7300億円と見込んでいる費用が膨らむことは必至だ。

大津地裁は今年3月、比較的新しい高浜3、4号機の運転差し止めの仮処分を決め、関電は稼働停止に追い込まれた。老朽化が進んだ高浜1、2号機では訴訟の可能性は一層高まる。福井、愛知など14都府県の住民は4月中旬、高浜1、2号機の運転延長認可自体を差し止めるよう求め、名古屋地裁に提訴している。【宇都宮裕一】

 

高浜原発運転延長

原発依存後押し…電源構成目標

毎日新聞2016年6月20日 23時53分(最終更新 6月21日 00時44分)
http://mainichi.jp/articles/20160621/k00/00m/020/096000c?fm=mnm

電源構成の推移mainichi160621_dengen

政府は2030年度の電源構成(エネルギーミックス)目標で原子力の割合を20〜22%とする原発回帰路線を打ち出しており、高浜原発1、2号機の運転延長認可は、政府の原発依存姿勢を後押しする形だ。目標達成には全国43基の原発のうち30基程度の稼働が必要で、運転延長は欠かせない条件とみられていたからだ。ただ、再稼働に向けて地元の同意が得られるかなど目標達成への道のりはなお不透明だ。【宮川裕章、岡大介】

今回、認可された関西電力高浜原発1、2号機のほか、規制委は既に高浜原発3、4号機、四国電力伊方原発3号機についても新規制基準に適合していると判断している。このほか、現在、適合性を審査中の原発が19基ある。

政府が電源構成目標とする30年度の段階で、運転期間40年以下の原発は20基程度で、「40年廃炉の原則」を厳格に適用すると比率は15%程度にとどまり、目標を達成できなくなる。

政府が目標を維持するには新増設か運転延長しかないが、「新増設は世論の強い反発が予想される」(経済産業省幹部)。原発維持を掲げる政府にとっては運転延長が現実的な選択肢となる中、当初は「20年の延長は相当困難」との見解を示していた原子力規制委員会は、一転して高浜原発1、2号機の運転延長を認めた。

だが、高浜原発3、4号機は、住民の申し立てを受けた大津地裁が3月、運転差し止めの仮処分を決定。当面は再稼働が不可能な状態となるなど、規制基準に適合しても、再稼働が実現しない可能性がある。

また、規制基準の厳格化により延長には多額の安全対策費がかかることから、電力会社が廃炉を決断するケースが増えることも想定される。四国電力は3月、来年で運転開始40年となる伊方原発1号機(愛媛県伊方町)を、採算性がないとして廃炉にすることを決めている。

世論の影響などで運転延長や再稼働が順調に進まない場合は、原子力20〜22%の目標の見直しを迫られる可能性も残る。

◇電源構成(エネルギーミックス)◇

原子力や火力、再生可能エネルギーなど、電源ごとの総発電量に占める割合。供給の安定性▽発電コスト▽環境への影響▽安全性−−などを総合的に勘案し、最適な将来の構成比を定め、目標実現に向けて補助金などの政策支援を行う。

2010年度の原子力の構成比は28.6%だった。同年、旧民主党政権は、地球温暖化対策から原発の復権を唱える「原子力ルネサンス」などの影響もあり、30年に53%まで高めると定めた。しかし、11年の東京電力福島第1原発事故を受けて目標を撤回。原発の運転停止も相次ぎ、13年度の構成比は1%に下がった。15年に政府が改めて決めた30年度の電源構成では、原子力は再生可能エネルギー(22〜24%)と並ぶ水準の20〜22%となった。

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