6/29(社説)電力株主総会 原発頼み脱する道を【中日新聞】

いろいろ昨日から拾い集めた電力会社の株主総会の記事はこれで最後。
冷房なんかだいっきらいだし、冷房病で震えていると電力会社への憎しみはいや増していくなぁ。

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(社説)電力株主総会 原発頼み脱する道を

http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2016062902000113.html
2016年6月29日【中日新聞】

福島原発の大事故から五年。今年も電力各社の株主総会では脱原発の株主提案が出され、紛糾の末、否決された。しかし脱原発を促す変化は広がっている。経営陣はそれを見逃してはいけない。

東京電力、中部電力など原発を抱える電力九社の株主総会は福島の事故後、はじめて「全社黒字」という好業績の中で開かれた。

株主席から経営陣への励ましが聞かれる穏当な総会になってもおかしくないところだが、九社すべてに脱原発を求める株主提案が出されて紛糾。昨年同様、なんとか閉会にこぎ着ける総会となった。

国内の原発は昨年再稼働した九州電力の川内1、2号機しか動いていない。にもかかわらず達成された好決算は、原油価格下落があるとはいえ、原発に依存しようとする経営に疑問を投げかける

それだけではない。原発頼みの電力経営を取り巻く環境には、はっきりと変化が見える。まず司法の壁がある。

福島の事故後、原発の再稼働にストップをかける司法判断はすでに三件。今年三月には再稼働したばかりの高浜原発3、4号機で大津地裁が差し止めの仮処分を決めた。関西電力は安全対策などに多額の費用をかけたが再稼働は四十二日間で終了。期待した財務体質の大幅な改善は遠のいた。

福島の大事故は司法の判断にも影響を与えているはずだ。住民からは、各地の原発で即効性のある「仮処分での運転差し止め請求」が相次いでおり、再稼働の行方は見通せない

電力不足はどうか。節電意識の定着で政府はこの夏、東日本大震災後初めて節電要請をしないと決めた。背景には日本の人口減少、少子高齢化、経済の低成長という電力需要を抑制する大きな要因が横たわっている。

再生エネルギーの技術革新は着実に進み、人工知能(AI)はあらゆる分野に抜本的な変革をもたらす可能性がある。

五年間にこれだけの変化がある一方で、福島原発の事故処理、廃炉や放射性廃棄物の処理には百年単位の厳格な対応が求められる。その見通しすら立てられない以上、この国で脱原発を求める世論が鎮まることはないだろう

電力会社は民間企業ではあるが原子力発電は国策。経営陣が脱原発へと舵(かじ)を切るのは政府の判断抜きには困難だろう。だが、経営陣には原発が置かれた環境の確実な変化を見極める責任がある

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