6/29<被災地と憲法>(上)生存権 人権奪われた末の関連死【東京新聞・参院選2016・全国】

株主総会が終わって、次は選挙。
たぶん 7月3日の日曜は午後1時からJR高槻駅前で『アベ政治を許さない』スタンディング があるはず。 だって6月3日の松本駅前のお写真(あざらしぐりこさんから頂戴)を見ても、あの全国的な辻立ちは終っていないんだから。
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<被災地と憲法>(上)生存権 人権奪われた末の関連死

2016年6月29日【東京新聞・参院選2016・全国】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/senkyo/kokusei201607/zen/CK2016062902000184.html

( 写真)
熊本地震後、テントで暮らす大村美佳さん(下)。参院選のポスターには復興がうたわれる。右上は東日本大震災後に妻を亡くした我孫子捷夫さん

参院選で改憲勢力が三分の二以上の議席を確保すれば、改憲が現実味を帯びる。その第一歩になるかもしれないのが、大災害などの緊急時に国家が権力を集中させる緊急事態条項の創設だ。憲法が保障する権利も一時的に制限される。緊急事態条項を巡る議論を入り口に、憲法の理念も見つめ直した。

一階部分がひしゃげた住宅の鬼瓦が路面に横たわり、雨にぬれたがれきから生々しい木のにおいが漂う。四月の熊本地震で甚大な被害を受けた熊本県益城町(ましきまち)。参院選の候補者のポスターも「復興」を訴える。

自宅が全壊した大村美佳さん(26)は母と、県施設の駐車場にテントを張って暮らす。支給される食事は夕方の弁当だけ。「いつまでも路頭に迷わせないで」。仮設住宅に移るめどは今も立っていない。町によると、大村さんのように路上で暮らす人は少なくとも二百五十人以上に上る。

熊本地震で、改憲を目指す人たちからはの必要性が改めて語られた。ジャーナリストの桜井よしこ氏は地震後の会見で、物資の混乱などを例に挙げ「緊急事態条項があれば、最初から国が前面に出て対処することができた」と話した。菅義偉(すがよしひで)官房長官も、最大震度7の前震が起きた翌日、条項の必要性を問われ、「極めて重く大切な課題」と答えた。

自民党の改憲草案では、緊急事態宣言が発せられた場合も基本的人権に関する規定は「最大限に尊重」とある。しかし何ら制限のない今も、人権が尊重されているとは言いがたい。

二〇一一年三月の東日本大震災で仙台市内の自宅が全壊し、復興住宅で暮らす我孫子捷夫(はやお)さん(73)は、震災から五カ月後、二十年近く連れ添った事実婚の妻、及川美和子さん=当時(85)=を敗血症で亡くした。

介護が必要だった及川さん。「避難所なんてプライバシーもまるでない。女房のおむつを替えるなんてできねえよ」。壊れた自宅で暮らした。一カ月たち受け入れ施設が見つかったころには妻は牛乳も喉を通らないほどに衰弱していた。

災害弔慰金を市に申請したが認められず、高裁まで争い、昨年やっと震災関連死と認定された。暮らしに余裕はなく、訴状は自筆し、その後の弁護士費用百六十万円は銀行から借りた。「司法が認めてくれたのはありがてかった。お母さんつらかったべ、と今も心の中で言ってるよ」

岩手県で被災者を支える滝上明弁護士(44)は「震災関連死は、まともな人間の生活じゃないところをくぐり、力尽きて亡くなっている。憲法の生存権が守られていない」と話す。弁護士の間でも災害が人権問題だと強く意識されるようになったのは東日本大震災以降という。

災害で苦しむ人々を救うのは国のさらなる関与なのか、それとも憲法の理念を生かす道半ばの模索を続けることなのか。関連死で亡くなった三千四百三十七人(東北三県)という数字は、私たちに問い掛ける。 (小林由比、中山高志)

<憲法25条1項> すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

◆国の緊急時権限集中 改憲草案に

<緊急事態条項> 戦争や内乱、自然災害などで、平時の統治機構では対処できない非常事態における政府や国会などの権限の規定。通説では、国家権力が国家の存立を維持するために立憲的な憲法秩序(人権の保障、権力分立)を一時停止して非常措置を取る権限と定義されている。自民党の改憲草案は98、99条で「何人も、国民の生命、身体および財産を守るための国や公の機関の指示に従わなければならない」「衆議院は解散されず、両議院の議員の任期および選挙期日の特例を設けることができる」などと定めている。

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