【8/23鹿児島県知事・三反園訓と大分県知事・広瀬勝貞】再稼働可否 知事に主導権 川内原発、秋以降 検査で停止【東京新聞・核心】/原発の事故対応で知事「常に考えるべき」【大分合同新聞】

再稼働可否 知事に主導権 川内原発、秋以降 検査で停止

【東京新聞・核心】2016年8月23日

鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事は八月下旬にも、九州電力に川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)の一時停止を求める考えを示している。九電が応じる可能性は低いが、十月以降、定期検査のため1号機、2号機の順に停止していく。定検後の再稼働には地元同意が必要で、知事は川内原発を巡る諸問題に切り込む主導権を握ることになる。 (小川慎一)

近く一時停止要請 運転中は法的権限なし

 ■住民の声

七月に初当選した三反園知事は、熊本地震で「県民の不安は高まっている」として、九電に原発を一時停止して点検するよう求めることを明言。就任後も「原発に頼らない社会をつくる考えはぶれていない」と、脱原発への思いを繰り返し語ってきた。

ただ、知事には稼働中の原発を止める法的権限はない。原子炉等規制法は、重大なルール違反があった場合などに原子力規制委員会が停止を命じることができるとしているだけだ。規制委の田中俊一委員長は、知事発言への感想を求められ、「われわれがきちんと審査してきた原発の何を点検するのか理解できない」と、冷ややかに語った。

しかし、知事は公約を実現しようと具体的な行動に出始めた。十九日、薩摩川内市の南に隣接するいちき串木野市の福祉施設や道路などを視察。住民から事故が起きた際の不安を聞き、「(原発事故時の)避難計画を見直す必要がある」と踏み込んだ。住民の声を背に、九電に乗り込む心づもりでいる。

 ■地元同意

知事の要請で、九電が原発を止める可能性はほとんどない。政治家の要請で原発が止まったのは、二O一一年五月の中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)のケースしかない。

東京電力福島第一原発事故が発生して間もない時期で、要請したのは菅直人首相(当時)の意を受けた海江田万里経済産業相(同)。例外中の例外といえる。

だが、稼働中の原発を止める権限はなくとも、止まっている原発を稼働させるか否かの段階では、知事は強い影響力を持つ。「地元同意」と呼ばれる手続きだ。県や薩摩川内市と九電が結んだ安全協定に明文化された規定はないものの、知事の反対を押し切って再稼働した前例はない。

原発は再稼働から十三カ月で検査のため停止するルールになっている。川内原発は1号機が十月六日、2号機は十二月十六日から定期検査に入る予定。検査期間は二カ月程度が見込まれている。

 ■対象範囲

定検後の再稼働の動きに対し、知事がどう対応するか注目されるが、もう一つ重要なポイントがある。原発の再稼働に同意が必要とされる、いわゆる「被害地元」が現状の狭い範囲でいいかどうかだ。これも知事の判断次第で決まる。

被害地元とは、原発で重大事故が起こった場合、大きな被害を受けると想定される地域のこと。川内原発の場合、事故に備え、三十キロ圏にある九市町は避難計画を策定することが義務付けられている。しかし、伊藤祐一郎前知事は「県と薩摩川内市の合意で十分」とし、他市町は地元同意では蚊帳の外に置かれた。

新規制基準に基づく再稼働第一号に意欲的だった伊藤氏は、いちき串木野、日置両市議会が地元同意に加えるよう求める意見書を可決しても、受け入れなかった。当事者が増えれば、再稼働が遠のくからだ。

川内再稼働から一年、新知事が誕生して一カ月が過ぎた八月十二日、川内駅前に「原発止めろ」と十人ほどの声が響いた。薩摩川内市内の主婦、外園聡美さん(四六)は夫と四男(三つ)と一緒に駅前に立ち、「川内では原発反対と言いにくい雰囲気がずっとある。でも、三反園知事の誕生で光が差してきた」と力を込めた。

九州電力川内原発の1号機(左)と2号機=鹿児島県薩摩川内市で

 

(川内原発)

鹿児島県薩摩川内市にある九州電力の加圧水型軽水炉。1、2号機があり、いずれも出力は89万キロワット。1984、85年にそれぞれ営業運転開 始。2013年7月の新規制基準施行直後に原子力規制委員会に審査申請された原発の一つで、14年9月に全国の原発で初めて新規制基準に「適合」と判断された。九電は15年8月に1号機、10月に2号機を再稼働させた。

鹿児島県知事と川内原発をめぐる今後の動き
——————————-
8月下旬~9月上旬 三反園訓知事が九州電力に一時停止を要請へ
——————————-
県には停止を命じる法的権限がない
——————————-
10月6日~12月11日 1号機が定期検査
——————
12月16日~17年2月27日 2号機が定期検査
九電が要請に応じなくても検査中は原発停止
——————————-

再稼働には「地元」の同意が必要

知事は再稼働に同意するのか?

「地元」は県と薩摩川内市のみで良いのか?

 

 

原発の事故対応で知事「常に考えるべき」

2016年8月23日【大分合同新聞】
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/08/23/003237314

広瀬勝貞知事は22日の定例会見で、今月再稼働した四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)で事故が起きた場合の対応について「(伊方の問題に限らず)二重、三重の災害はあり得る。こういうことがあったとき、ああいうことがあったときはどうするんだ、というのはいつも考えておかなければならない」と述べた。

大分県は同原発から最短45キロ。県は事故時に放射性物質が雲状の固まりになったプルームが飛来した場合、建物内にとどまる「屋内退避」が効果的としている。ただ、熊本・大分地震では民家などが多数倒壊、揺れが繰り返して「屋内にいたくない」という人が続出したため、住民には屋内退避への不安の声もある。

知事は「重複災害については議論があるところ。防災担当で議論していくんじゃないでしょうか」と話した。

今秋も伊方事故を想定し、愛媛の住民が大分へ避難する訓練が予定されている。知事は「(愛媛県から)いつ受け入れをしてくれという話は聞いていないが、話があれば相談に乗りたい」とした。

広告
カテゴリー: 再稼働, 中日東京新聞・特報 パーマリンク