8/23NHKニュース「貧困高校生」報道 炎上の異常/「相対的貧困」理解されず【東京新聞・特報】

おい!奈良県選出の経歴詐称の議員は、中日新聞の特集「新貧乏物語」を読んでみるが良い。
どうやらうちも貧困の下流老人らしいけど、それが何か?
冷房ないしテレビないしパソコンないしスマホないし、それがどうした。
欲しいのは薪ストーブ(集合住宅だから無理)と電磁波の限りなく少ないパソコンくらい。

8/23の東京新聞は特報記事の重要度を取り違えているような気がして、右サイドの方を文字おこしした。
1週間も前のNHKの貧困問題よりも、沖縄や経産省前テントで新聞記者やフリーカメラマンが逮捕されたことの方が衝撃だったからだ。
リテラも、報道陣が逮捕されたことを朝日も毎日も大きなメディアが取り上げていないことに警鐘をならしていることからしてわかるだろうに。

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NHKニュース「貧困高校生」報道 炎上の異常

「相対的貧困」理解されず

   見た目普通・・・でも、進学や部活遠征断念

      ネット上誹謗中傷の嵐 自民議員も便乗

個人情報まで暴露

     過剰な自己責任論 ここにも

2016年8月23日【東京新聞・こちら特報部】

NHKのニュース番組で子どもの貧困問題を取り上げたところ、番組内で自らの体験を語った高校生を巡り、インターネット上で「この生徒は貧困ではない」などと誹謗(ひぼう)中傷が噴出している。この高校生は、食うや食わずの生活ではないが、母子家庭で経済的に苦しく、進学を断念せざるを得ない状況に追い込まれている。「炎上」の背景には、貧困の実相を幅広くとらえる「相対的貧困」への無理解と、生活保護バッシングに通じる過剰な自己責任論がありそうだ。 (白名正和、三沢典丈)

炎上中のNHK番組は、十八日放送の「ニュース7」(午後七時から同七時半)。リオデジャネイロ五輸の話題で盛り上がる中、子どもの貧困問題コーナーに四分二十秒を割いた。

コーナーの冒頭、アナウンサーが「ひとり親世帯は半数以上が貧困状態にある」と説明した上で、高校三年の女子生徒に光を当てる。生徒は、アルバイトで家計を支える母親と二人暮らし。自宅に冷房はなく、夏は首に保冷剤をあててしのぐ。将来はデザイン系の仕事に就くのが夢だが、「経済的な壁に直面し、進学をあきらめざるをえない状況に追い込まれている」とのナレーションが付く。

生徒自身が貧困かもしれないと気付かされたきっかけが、パソコン用のキーボード。中学時代にパソコンの授業についていけなくなったものの家にパソコンがなく、母親がせめてキーボードの練習用にと、千円ほどで買ってくれたのだ。

生徒は、神奈川県が設置した「かながわ子どもの貧困対策会議」の部会に参加加。十八日に同会議が横浜市内で開いた講演会で登壇し、高校生や教員ら約百人を前に「あなたの当たり前は当たり前じゃない人がいる。子どもの貧困の現実を変えるために、まずこのことを知って」と訴えた。

来場者の「(貧困の実態を)初めて知り驚いた」「パソコンの授業でこんなつらい思いをしている人がいるとは、胸に突き刺さる」などの感想とともに、生徒による「将来的には子どもの貧困対策として何かが形として実現できれば」との言葉で締めくくられた。

放送直後からネットは荒れた。あおったのは、「生徒の自宅の映像に、一万数千円の高価な画材が映っていた」との匿名の「告発」。「クーラーみたいな物が映っていた」「部屋にアニメグッズがたくさんある。売ればパソコンぐらい買えたはず」などの書き込みが相次いだ。

矛先は「報道はやらせだ」とNHKに向けられる一方、生徒のものとみられるツイッターアカウントが「発見」され、日常生活の一部を暴露。「この生徒は貧困ではない」との誹謗中傷の根拠とされている。

果ては、自民党の片山さつき参院議員までが、ネット上の生徒へのパッシングを受けて「NHKに説明をもとめ、皆さんにフィードバックさせて頂きます!」とツイッターで宣言。片山氏は、二O一二年にお笑い芸人の母親が生活保護を受給していた問題が起きた際、ブログで「厚労省の担当課長に調査を依頼しました」と、早々にやり玉に挙げや過去がある。

さすがに「やりすぎだ」との声も上がっている。片山氏にも「表面的な炎上に便乗」と猛反発が巻き起こっているが、騒動は収まっていない。

なぜこれほどの騒動になったのか。

NHK広報局は「放送内容に問題はないと考えている」と書面で回答した。

講演会を主催した神奈川県子ども家庭課の小島厚課長は「今どきの子どもは見た目は普通で、スマートフォンなども持っている。でもお金がなく食費を制限したり、部活の遠征にいけなかったりする。講演会は、そういう見えづらい貧困について、理解を深めようという目的だった。なぜこんなことになってしまったのか・・・」と落胆する。

元日本テレビディレクターの水島宏明・上智大教授(メディア論)は「NHKの報道に配慮に欠けた点があった」とみる。

貧困者の暮らしぶりを取材すると、大きなテレビを所有しているなど一見、経済的に余裕があるかのような印象を受げるケースが少なくないという。水島氏は「テレビは知人から譲り受けたり、中古品を安く購入したりしたのかもしれない。小さなものでも、現在はデジタル画像を拡大すれば、映り込んだものはたいてい特定される。制作者側は、視聴者から余計な批判を受けないよう、豪華そうに見えるものが映らないようにすべきだった」と指摘した上で、「脇が甘い報道で貧困者パッシングが起き、それで報道が萎縮し、取材される側も慎重になって、貧困が可視化されなくなることが最も問題だ」と懸念する。

山野良一・名寄市立大教授(社会保育論)は、公の場で貧困を語る高校生をNHKが紹介した点について「貧困は、今の日本ではとても恥ずかしいこととされている。自分自身の口で、子ども同士の間に不平等があると述べたのはとても勇気がいること」と評価。その傍ら、パッシングを招いたことには「社会的に弱い立場に置かれた人をいじめることで、自分の地位が上だとの錯覚に陥りたい人は多い。現在は生徒に対する人権侵害に近い状況になっている。番組制作にもう少し細かい気遣いがあってもよかった」と残念がる。

戸室健作・山形大准教授(社会政策論)は「そもそも相対的貧困に対する認識が間違っている」と嘆く。

所得が真ん中の人の半分に満たない人の割合を示すのが「相対的貧困率」。二O一二年時点の厚生労働省の調査では、相対的貧困層とされる年所得は百二十二万円未満。これを下回る水準で暮らす十八歳未満の子どもの割合は16.3%と、六人に一人に上る。一四年には子どもの貧困対策推進法が施行され、国や自治体の取り組みも始まっている。にもかかわらず、今回のパッシングを見ると、貧困といえば、アフリカ諸国の飢餓状態などをイメージする人が一定数在する。戸室氏は「日本のような先進国では、途上国と異なり、最低水準の生活が保障され、教育や職業選択の自由などの恩恵を受けられる。これらは当然、貧困層にも保障されなければならないが、低所得のために十分享受できないのが相対的貧困状態だ」と説く。

貧困を自己責任と捉える向きには「低所得層の家庭に生まれた子どもは、他の子と同じように塾に通うことができないといった経済的制約を受ける。結果、低学力・低学歴となって安定した職業に就けず、次世代まで貧困を引き継いでしまう。これのどこが自己責任なのか」と反論する。

戸室氏は、パッシングに乗じた格好の片山氏も指弾する。生存権を定めた憲法二五条の二項「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」を引き、「貧困の解消は国の義務。片山氏の発言はこの条文に逆行しかねず、憲法違反に近い内容だ」。

戸室氏は、貧困な政治に目を向けるよう促す。

「恐らく、高校生を批判する人たちも低所得なのだろう。『自分たちは不平不満を言わずに努力して頑強っているのだから、おまえも不満を言うな』と反発し、憎悪しているとしか思えない。本来なら、彼らも高校生とともに、国に対して社会保障制度の充実を訴えるのが筋ではないか」

(((デスクメモ)))
ジャーナリストの安田浩一氏は、ネット上で匿名の陰に隠れ、集団で誰かを罰する行為を「ネット私刑(リンチ)」と名付けた。個人情報を暴かれた方はたまったものではない。誤った情報は確実に打ち消したい。へイトスピーチしかり、災害時のデマしかり。報道機関の役割は重要だ。(圭)
2016・8・23

(写真)
子どもの貧困問題に関するNHKニュース番組の一場面(NHKのホームページから)
地域の大人が子どもに食事を提供する「子ども食堂」.民間発の貧困対策として全国に広がっている=東京都練馬区で

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