9/2なぜ?新潟泉田知事が不出馬表明 批判的報道受け「撤退」・・・ どうなる?柏崎刈羽6,7号機 再稼動加速も【東京新聞・特報】

泉田知事には「事実」を語って欲しいと思う。国家権力によるねじ曲げられた「真実」なんか聞きたくない。
ハメられたんだろうなと思う。きっと本人や家族や大事なヒトの命がかかっているとか、脅迫されているんだな、とか誰でも思う。
原発再稼働を推進しようとする国家権力と東電によって、きっと泉田知事はなんらかの言質(人質かもしれない)をとられているんだろうと推測する。

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なぜ?新潟泉田知事が不出馬表明

 県民驚きと困惑

  批判的報道受け「撤退」・・・

   地元紙反論「真の理由を説明すべき」

どうなる?柏崎刈羽6,7号機

 再稼動加速も

  選挙次第で・・・ 

   「事故検証求める姿勢変えるな」

2016年9月2日【東京新聞・こちら特報部】

十月投開票の新潟県知事選に立候補を表明していた泉田裕彦知事が、出馬を「撤回」した。原発政策をめぐり、国や東京電力に対峙(たいじ)してきた「もの言う知事」の突然の翻意には驚くが、断念の理由として地元紙の新潟日報による批判的な報道をあげる異例の事態だ。地元では「理由はほかにあるのでは」との臆測も飛び交う。東電柏崎刈羽原発の再稼働への影響を不安視する声も広がっている。 (佐藤大、木村留美)

批判的報道受け「撤退」…

(写真)不出馬をめぐる質問に答える泉回裕彦新潟県知事=8月31日午後、新潟県庁で

県民驚きと困惑

「(泉田知事が)自分で決断したんだろう。そんな終わったこと聞いてどうすんの。大事なことは未来のことだ」。自民党新潟県連幹事長の柄沢正三県議は一日、泉回知事の突然の出馬撤回について、「こちら特報部」の取材に突き放すように話した。

突然の出馬撤回が明らかにされたのは、八月三十日のことだった。新潟県庁内にある県政記者クラブ室で、泉田知事個人名の文書が配布された。泉田知事は文書で、自らの実績を並べる一方、県が出資する第三セクター事業「日本海横断航路計画」の問題を指摘してきた地元紙・新潟日報の報道を批判し、「このような環境の中では、十分に訴えを県民の皆様にお届けすることは難しい。県知事選からは撤退したい」と告げた。泉田知事は二月の県議会で出馬する意向を表明しており、県民の驚きは大きい。

きっかけとされた日本海横断航路計画とは、新潟港とロシアをフェリーで結ぶ計画。第三セクター「新潟国際海運」は二O一五年八月、パナマのペーパー子会社を通じて、韓国企業から約五億円で中古フェリーを購入する契約を締結した。

手付金として七千万円を支払ったが、速度不足が判明したとして船の受け取りを拒否。韓国企業が第三者機関「日本海運集会所」に仲裁を申し立て、今年七月、子会社は一億六千万円の支払いを命じられた。仲裁判断では売り主が船を引き取ることも告示された。だが、第三セクター側は子会社を破産させてこれを支払わない方針を示した。韓国企業は提訴も辞さない構えを見せている。

この問題で新潟日報は七月以降、県や泉田知事の関与を追及する報道を繰り返し展開。県や泉田知事がそのたびにホームページなどで反論する異例の経過をたどっていた。

地元紙反論「真の理由を説明すべき」

やり玉に挙げられた新潟日報は猛反発。八月三十一日付朝刊一面に服部誠司編集局長名で「知事選から撤退する理由として本社の報道を挙げたことは、報道機関に対する圧力にも等しく、許しがたい行為と言うほかはない」とし、「知事は県民に対し、知事選から撤退する真の理由をきちんと説明すべきだ」とする反論を掲載した。

実際、批判報道を理由にした不出馬表明は不可解と言うほかない。知事選をめぐる情勢が決断に影響を与えたとの見方も強く、不出馬表明後の囲み取材でも質問が集中したが、泉田知事は「選挙の情勢が厳しいから徹返するという判断はしていない」と否定。出馬すれば再選できるとの自信を強調した。

選挙次第で・・・ 

ただ、これまで泉田知事を推薦してきた自民はまだ態度を明確にしていない。今回、推薦依顔を出した自民、民進、公明、社民、生活の五党のいずれからも対応を保留されていた。県市長会や町村会は五月、泉田県政は「独善的だ」と批判する文書を発表。八月十日に森民夫・長岡市長が出馬表明すると、「逆風」はさらに強まった。

泉田知寧を支え続けてきた県議会最大会派の自民党からも、森市長を推す声が上がっていた。柄沢県議は取材に、泉田知事の二00四年の新潟県中越地震後の対応を「体を張って不眠不休でやってくれた」と高く評価した一方、「私の政治哲学としては長期政権は良くない」と最近の泉田県政への不満をにじませた。同党は九月六日ごろ、森市長と政策について協議するという。

泉田氏の原子力行政を評価し、独自候補を擁立しない方針に傾いていた共産党なども知事選への対応の転換を迫られる。共産党新潟県委員会の樋渡士自夫委員長は「表面的には新潟日報の記事を理由にしているが、原子力行政をめぐって、ほかに大きな理由があると思わざるを得ない」と困惑を隠せない。

地元の反原発派からは突然の出馬撤回に落胆の声が上がる。「柏崎刈羽原発反対地元三団体」の共同代表を務める矢部忠夫柏崎市議は「鹿児島県で三反園知事が誕生し、自治体が原発に『ノー』という時代に入ったと思っていたのに。新知事のもとで原発政策が骨抜きにならないか心配している」と話した。

原発再稼働を急ぐ国や東電に対し、泉田知事は「福島事故の検証なしに再稼働の議論はできない」との立場を貫き、全国に名をとどろかせてきた。

一三年七月には、東電が県に事前説明しないまま柏崎刈羽原発6、7号機の原子力規制委員会の審査申請を決めたことに強く反発。東電の広瀬直己社長に「約束を破る会社。信頼できない」と一喝。「安全とお金、どちらが大事なのか」と畳みかけた。

福島第一原発事故についても、県独自に専門家らによる技術委員会をつくり検証してきた。

東日本大震災の直前に東電に造らせた「免震重要棟」も泉田知事の功績としてよく知られる。O七年の中越沖地震で新潟県庁への連絡用のホットラインが機能しなかったことから設置を要求、福島第一原発にもできた。完成したのは震災八カ月前だった。

再稼動加速も

東電や国とたびたび対立した泉田知事が退くことで、東電柏崎刈羽原発の再稼働の動きが加速するとの懸念も広がる。

折しも柏崎刈羽6、7号機の再稼働に向けた審査を優先して進める原子力規制委の方針が浮上したばかり。二基はこれまでに再稼働してきた加圧水型ではなく、福島第一原発と同じ沸騰水型だけに再稼働への反発は大きい。東芝の元原子力プラント設計技術者の後藤政志氏は「規制委や電力会社は沸騰水型は再稼働できないという状態を続けたくない。沸騰水型の中でも最新式の6、7号機から動かしていきたいのだろう」と推測。「大規模事故を起こしながら責任もとらない東電が再稼働するのはおかしいが、問題を指鏑する泉田知事がいなくなると『国策』が進むのではないか」と危ぶむ。

「事故検証求める姿勢変えるな」

実際、ツイッターなどでは原発に厳しい姿勢で挑んでいた渦中に、収賄罪に関われた元福島県知事の佐藤栄佐久氏の姿に重ねる声も多い。

佐藤氏は取材に「(泉田氏の不出馬の)経絡や詳細は知らない。私の場合は実態が分からない中で事件報道が先行し、政治生命を奪われた。状況は違う」と述べた上で、「泉田氏は新人知事だったころを知っている。まじめで真剣にやっていた。闘っている者がつぶされることがあってはならない」とクギを刺した。

原子力資料情報室の伴英幸共同代表も、報道を理由にした進退表明に「他に何があるのか分からないが、批判に対し反論があるのなら主張し信を問えばいいはずだ」と首をかしげながら、原発再稼働への影響を心配した。

「事故を検証しない限り、再稼働については議論しないという新潟県の姿勢が変化しかねない。東電は賠償も終わらないうちに再稼働することになれば、事故の線引きにもなってしまう。これまでの再稼働とは違う意味を持つ再稼働でインパクトは大きい」

(写真)
(上)東京電力柏崎刈羽原発の6号機(中)、7号機(右) =新潟県柏崎市で
(下)視察した東京電力福島第一原発の免震重要棟で、東電の広瀬直己社長(手前右)から説明を受ける泉田知事(中)=7月21日(新潟県提供)

(((デスクメモ)))
国や電力会社の言いなりになる立地自治体が多い中、「県民の被ばくを防ぐ」を大前提にもの申す泉田知事には感銘を受けた。不出馬は残念だが、自らの進退を地元紙のせいにするのは筋が違う。行政チェックを非難されては新聞の立つ瀬はない。本当にそんな理由ならそれまでだが。(洋)  2016・9・2

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