9/22もんじゅ廃炉へ 破綻する核燃サイクル 核のごみ さらに混迷【東京新聞・核心】「政府は無責任」 福井知事が非難 文科相、県庁で説明/大手電力も二の足時 もんじゅ 技術なく「もうからない」

核心じゃなくて特報みたいな感じがする東京新聞。
もんじゅの廃炉問題は9/22の東京新聞の紙面でも、政治だったり経済だったり社会だったりしている。
私はまだ眉につばつけている。

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もんじゅ廃炉へ 破綻する核燃サイクル 核のごみ さらに混迷

2016年9月22日【核心】

政府が高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)を廃炉にする方向で動きだした。既に古くなったうえに実用化のめどはなく、維持費ばかりがかさむ。十二兆円をつぎ込んできた核燃料サイクルの中心的存在が消えるなら、核燃サイクルそのものにも終止符を打たないと、国民負担は増え続ける。 (山川剛史)

(図)破綻する核燃料サイクルkakushin160923

(写真)廃炉を前提に抜本的に見直す方針が確認された高速増殖炉「もんじゅ」=21日午後、福井県敦賀市で

■ 回らぬ輪

「日本は資源が乏しい。核燃サイクルを実現させれば、国産のエネルギー資源を手にできる」。政府は、二つのリサイクルの輪を示し、核燃サイクルを宣伝し続けてきた。

原発で使い終わった核燃料は、再処理でプルトニウムを取り出して混合酸化物(MOX)燃料に再利用。もんじゅのような高速炉の輪では、使ったより多くのエネルギー源を生み出すとの内容だ。

「純国産」ではなく「準国産」としたのは、ウソになるからだ。そもそも原料のウランは輸入で、MOX燃料も国内製造できない。正直なのはそこまでで、二つの輸は回るどころか、図の通り、形があるのは原発と再処理工場、もんじゅのみ。再処理工場はトラブル続きで、いまだ稼働は見通せない。MOX燃料工場は建設中。一方の高速炉の輪は、もんじゅが廃炉になると完全に消滅することになる。核燃サイクル全体を見ると、残るのは原発だけとなる。

こんな実情の輪に、本紙の調査では、これまでに十二兆円が投じられた。さらに年間千六百億円ずつ膨らんでいく。

■ プルサーマル

「プルサーマル発電」と称し原発でMOX燃料を使うことは可能だ。現在、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)で使われている。大津地裁の仮処分命令で停止中の関西電力高浜3、4号機(福井県)でも使われていた。

福島事故の前も、全国の十六~十八基でプルサーマル導入を目指したが、各地で反対が起きた。シンポジウムで賛成の質問をさせる「やらせメール」問題を起こしてまで推進したが、伊方、高浜の両原発のほかに実績があるのは、東京電力福島第一3号機と九州電力玄海3号機(佐賀県)しかない。

当面、動く可能性がある新規制基準による審査中の原発で、プルサーマルを予定しているのは五基にとどまっている。建設中の電源開発大間原発(青森県)は、燃料にすべてMOX燃料を使うが、前例のない形式のため、原子力規制委員会も「別個に考える必要がある」と慎重姿勢で、審査は長期にわたる見通しだ。

■ 先送り

今後、政府はプルサーマル推進と高速炉研究を続けることで、核燃サイクルを延命させようとする可能性が高い。これまで何度も計画から撤退するチャンスはあったが、巨額を投じてきた計画破綻の責任を負わされるのを恐れ、ズルズルと先送りしてきた。

しかし、もんじゅなき後にかろうじて残るのは、プルサーマル発電の道だけ。この道にしても、再処理工場やMOX燃料工場が稼働し始めないと、海外依存は続く。使用済みのMOX燃料は、通常の核燃料より冷却するのに長い期間がかかり、有害な放射性物質の量も格段に多く、最終処分をどうするのかは白紙だ。核燃サイクルからの撤退を先送りすればするほど、お金と廃棄物の両面で後世へのツケは膨らむ。

 

 「政府は無責任」 福井知事が非難

   文科相、県庁で説明

松野博一文部科学相は二十一日夜、福井県庁を訪れ、西川一誠知事に政府方針を説明した。西川知事は地元に説明がなかった国の姿勢を「無責任極まりなく、県民は不信感を抱いている」と強く非難。「地元が納得するようにしてほしい」と訴えた。

西川知事は「もんじゅなくして核燃料サイクルが可能なのか。方針をはっきりさせるべきだ」と主張。

会談には敦賀市の渕上隆信市長も同席。もんじゅの扱いを高速炉開発会議ではなく、関係閣僚会議で決めるとの方針に「廃炉ありきとの懸念もぬぐえない」と批判した。

松野氏は政府の説明不足を陳謝し「厳しい意見を真摯に受け止めたい。県民、市民の声を率直に聞いて、指摘を関係省庁にしっかり伝えていく」と話した。

 

 大手電力も二の足時

  もんじゅ 技術なく「もうからない」

高速増殖炉もんじゅの廃炉問題で、一時は日本原子力研究開発機構に代わる運営主体として取り抄枕されていた大手電力会社は、一貫して距離をおいてきた。大手電力などでつくる電気事業連合会〈電事連)の勝野哲会長(中部電力社長)は、技術に対する「知見がない」と指摘する。「実現するかも分からず、もうからない」(大手電力幹部)との本音も聞かれる。

大手電力が保有している原発は、燃料を冷やすのに水を使う「軽水炉」。これに対し、もんじゅはナトリウムを複雑に駆使しなければならないなど扱いが難しい。勝野連会長は十六日の定例記者会見で「まるっきり技術的な知見がなく、運営主体として責任を持つのは非常に難しい」と述べた。

一方で、勝野会長は「日本は資源が乏しい」として核燃料の再利用(サイクル)を重視し、「もんじゅに関係なく原子力の燃料サイクルを進めることは可能だ」と指摘。もんじゅに頼らず、使用済み核燃料からプルトニウムとウランを取り出してつくるMOX燃料を使った「プルサーマル発電」を続ける考えを示した。

しかし、プルサーマル計画も難航。現在、稼働しているのは四国電力伊方原発3号機だけとなっている。

 

もんじゅ廃炉へ 政府、年内に結論 核燃サイクルは維持

2016年9月22日 朝刊【東京新聞・政治】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201609/CK2016092202000156.html

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政府は二十一日、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について関係閣僚会議を開き、「廃炉を含め抜本的な見直しをする」とした。一方で核燃料サイクルは維持し、新設の「高速炉開発会議」で、年末までに今後の方針を出す。もんじゅにはこれまで国費一兆円以上をつぎこんだ。再稼働には数千億円の追加費用が必要。成果を得られないまま幕引きとなる。

菅義偉官房長官は閣僚会議で「高速炉開発は、原発の新基準の策定など大きな情勢変化がある。本年中に、高速炉開発会議で、廃炉を含めて抜本的な見直しを行う」と述べた。

核燃料サイクルは、原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、再利用する。プルトニウムを燃やすもんじゅはサイクルの柱だ。もんじゅに代わるものとして、フランスとの共同開発や、実験炉「常陽」(茨城県大洗町、停止中)の再稼働が検討される。

廃炉も容易ではない。もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構の試算によると、三十年の期間と三千億円の費用がかかる。地元の福井県には、松野博一文部科学相が陳謝し、直接出向いて事情を説明した。

もんじゅは、消費した以上の燃料を生み出す「夢の原子炉」とされた。半面、危険なナトリウムを冷却材に用いる必要があり、構造も複雑。一九九四年に本格稼働したものの九五年にナトリウム漏れ事故を起こして停止した。その後もトラブルが相次ぎ、稼働日数は二百五十日にとどまる。停止状態でも一日あたり約五千万円の維持費が必要だ。

原子力規制委員会は昨年十一月、約一万点の機器点検漏れなどを受け、所管する文部科学省に新しい運営組織を示すよう勧告した。運営主体は、動力炉・核燃料開発事業団に始まり、すでに二回変更されている。文科省は新しい受け皿を探したが、電力会社は難色を示し、引き受け手はなかった。

◆核燃、既に12兆円 本紙調べ

高速増殖原型炉「もんじゅ」を中心とした核燃料サイクルには、少なくとも十二兆円以上が費やされてきたことが本紙の調べで判明している。施設の維持・運営費で年間約千六百億円が新たにかかる。

本紙は一九六六年度から二〇一五年度までのもんじゅや再処理工場、取り出したプルトニウムを再利用する混合酸化物(MOX)燃料工場、高レベル廃棄物の管理施設の建設費や運営費、必要になる廃炉・解体費などを積算した。立地自治体への交付金も足しているが、通常の原発向けと判別が難しい場合は、全額を除外している。

その結果、判明しただけで総額は計約十二兆二千二百七十七億円。主なものでは、もんじゅは関連施設なども含めると約一兆二千億円。青森県六ケ所村にある再処理工場はトラブル続きで稼働していないが、七兆三千億円かかった。

核燃サイクルのコストを巡っては、電力会社などでつくる電気事業連合会が〇三年、建設から最終処分までの総額は約十九兆円と試算している。

<もんじゅと核燃料サイクル> 普通の原発は、主な燃料に「燃えるウラン」を使う。それに中性子をぶつけて、核分裂の連鎖反応を起こし、生じた熱を取り出し、タービンを回して発電する。

もんじゅでは、主な燃料がプルトニウム。中性子を高速でぶつけ、燃料周囲に置いた「燃えないウラン」をプルトニウムに変える。燃料が増えるので、「高速増殖炉」の名がある。

中性子を減速させないよう、炉内は水ではなく、高温の液体金属(ナトリウム)で満たされている。ナトリウムは水などと激しく反応し危険だ。

核燃料サイクルは、原発で燃やした使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、もう一度高速炉で燃やそうという試み。青森県六ケ所村に、巨費を投じて再処理工場が建設されている。だが高速炉がいつまでもできないので、普通の原発にプルトニウムを含む燃料を装填(そうてん)する「プルサーマル」が行われている。

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