【9/29東京新聞夕刊】原発燃料事業 統合へ 日立、東芝、三菱重/ 建設停止で経営難【1面】原発燃料事業 世界的に利益見込めず/核のごみ問題など課題【2面】

原発燃料事業 統合へ 日立、東芝、三菱重

 建設停止で経営難

2016年9月29日【東京新聞夕刊・1面】

日立製作所、東芝、三菱重工業の原子力発電メーカー三社が、原発燃料市場の統合に向け調整に入ったことが分かった。来年春の実現を目指す。二O一一年の東京電力福島第一原発の事故以降、原発の再稼働が進まず、海外でも新規の原発建設が滞っている。三社の燃料事業会社は経営不振に陥っており、統合による生き残りを模索する。   =利益見込めず 2面

燃料事業の統合の調整を進めているのは日立、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と東芝による合弁のグローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン(神奈川県横須賀市)、東芝傘下の米ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)などが出資する原子燃料工業(東京)、三菱重と仏アレバが出資する三菱原子燃料(茨城県東海村)。

国内で稼働する原発は現在、九州電力の川内原発1、2号機(鹿児島県)と四国電力の伊方原発3号機(愛媛県)のみ。三社は国内の原発に燃料を供給してきたが、受注が急減している。各社は燃料事業の統合で生産拠点の統廃合などの効率化やコストの抑制を狙う。

 

原発燃料事業 世界的に利益見込めず

  核のごみ問題など課題

2016年9月29日【東京新聞夕刊・2面】

■ 解説 ■

日立製作所と東芝、三菱重工業が原発の燃料事業を統合する方向で調整に入った。東京電力福島第一原発の事故を機に国民の監視の自が厳しくなり、再稼働が難しくなった現状では当然の帰結と言える。海外でもフランスの原発大手アレバが経営難に直面するなど、原発は世界的に利益を見込めなくなっている。

国内では安倍政権と大手電力会社が原発の再稼働を進めようとしているが、廃炉のため国民の負担を増やす議論が進むなど課題は山積している。核燃料についても、使い終わって出る「核のごみ(高レベル放射性廃棄物)」の処分場がないため、作り続ければ行き場のないごみが増えるという根本的な問題がある。国民の不信は恨強く、再稼働は進んでいない。

海外でも原発には逆風が吹いている。ドイツは脱原発を決定。米国でも採掘が困難だった地域から石油や天然ガスが得られるようになった「シェール革命」で火力発が安くなり、コスト面で劣る原発の閉鎖が相次いで挟まっている。中国でも、原発が増えているとはいえ、投資額は自然エネルギー分野の一割にすぎない。

このため、日本の原発産業が海外で稼げる保証はない。利益を見込めなくなった今、廃炉が決まった原発や、たまった核のごみをどのように処理するのかという「負の遺産」ばかりが国民に重くのしかかっている。(伊藤弘喜、吉田通夫)

広告
カテゴリー: もんじゅ, 核燃サイクル, 中日東京新聞・特報 パーマリンク