【10/17東京新聞】柏崎刈羽原発再稼働「命守れず」 新潟県の米山次期知事/(社説)「新潟」野党勝利 再稼働反対の意思示す/安倍政権に打撃 東電・柏崎刈羽の再稼働は困難に(政治)/新潟知事に再稼働反対派 野党系・米山氏「認めない」

niigata_ichiyaakete新潟県知事選から一夜明け、自宅近くで報道陣の取材に応じる米山隆一氏=17日朝、新潟県魚沼市

柏崎刈羽原発再稼働「命守れず」 新潟県の米山次期知事

2016年10月17日 13時27分【東京新聞・社会】

新潟県知事選から一夜明けた17日朝、初当選を果たした米山隆一氏(49)は新潟県魚沼市の自宅前で記者団に、東京電力柏崎刈羽原発に関し「県民の命と暮らしが守られない現状において、再稼働は認められない」と改めて強調した。世耕弘成経済産業相や東電首脳は米山氏と会談して意見を聞き、対応を慎重に検討する方針を明らかにした。菅義偉官房長官は記者会見で原発再稼働に与える影響はないとの考えを示した。「地元の理解を得ながら(再稼働を)進めていくことに変わりはない」と述べた。

(共同)

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(社説)「新潟」野党勝利 再稼働反対の意思示す

2016年10月17日【東京新聞・社説】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016101702000135.html?ref=rank

新潟県知事選は野党三党推薦候補が与党推薦候補に勝った。当初の与党楽勝ムードを吹き飛ばして激戦を制したことは、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に対する県民の反対の強さを全国に示した。

知事選は泉田裕彦知事の任期満了に伴うもので、無所属新人四人が立候補した。共産、自由、社民三党が推薦する医師の米山隆一氏(49)と、自民、公明両党が推薦する前長岡市長の森民夫氏(67)との事実上の一騎打ちとなった。

泉田氏は四選出馬の意向を表明していたが、知事選告示の一カ月前に急きょ断念を表明。当初は森氏以外に主要候補はなく、与党候補楽勝のムードすら漂っていた。

選挙戦の構図を一変させたのは米山氏の立候補表明だった。

米山氏は民進党の衆院新潟5区公認候補に決まっていたが、離党して知事選に立候補。民進党が自主投票にとどめたため、同党以外の共産、自由、社民の三党が推薦し、野党統一候補の形を整えた。

主要な争点は柏崎刈羽原発(柏崎市など)の再稼働問題だった。この原発には七基の原子炉が集中し、三十キロ圏には約四十六万人が住む。住民の安全確保は県知事にとって最優先事項である。

官僚出身の泉田氏は一期目から自公両党の推薦を得てきたが、再稼働については「福島事故の検証が終わるまで再稼働の議論はしない」と厳しい姿勢を貫いてきた。

共同通信社が新潟県内の有権者を対象に行った電話世論調査でも柏崎刈羽原発の再稼働に「反対」と答えた人は60・9%に上り「賛成」は24・2%にとどまる。

米山氏はその「泉田路線」の継承を表明し、森氏も「泉田知事が育てた県の技術委員会の意見をしっかり聞き、安全という確信がなければ反対と言う覚悟がある」などと訴えたが、県民は森氏の姿勢を支持しなかった。

安倍政権は選挙で示された民意を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。再稼働を既成事実化してはならない。

七月の参院選では民進党など野党四党の統一候補が与党候補に競り勝ったにもかかわらず、県知事選で民進党は支持組織の連合傘下に電力総連がある事情から早々に自主投票にとどめた。

終盤になって蓮舫代表が米山氏の応援演説に駆け付けたが、与党と野党のどちら側につくのか、国政選と地方選との違いがあるとはいえ、軸足が定まっていないことを露呈した。猛省して今後の選挙戦略を練り直すべきである。

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安倍政権に打撃 東電・柏崎刈羽の再稼働は困難に

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201610/CK2016101702000115.html
2016年10月17日 朝刊【東京新聞・政治】

事実上の与野党対決となった十六日の新潟県知事選で、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働反対を掲げた米山隆一氏が当選したことは、安倍政権の原発政策に打撃となった。九州電力川内(せんだい)原発を抱える鹿児島県に続き、知事選で与党系候補が「脱原発」勢力の支援を受けた候補に敗れ、安倍政権による原発再稼働に反対する地元の民意が鮮明になった。

安倍政権は、各地で原発再稼働を目指している。現在運転中の原発は、川内原発2号機と四国電力伊方原発3号機の二基。定期検査中の川内1号機、関西電力高浜1~4号機などが原子力規制委員会の新規制基準の審査を終え、さらに二十基近くの審査が進んでいる。

法的には同委の保安検査を通れば再稼働は可能だが、地元の意向は無視できない。政府のエネルギー基本計画は「立地自治体等の理解」を得ることを明記。自民党の参院選公約でも、地元の「理解と協力を得つつ再稼働を進める」としており、地元知事の判断が再稼働のかぎを握る。

米山氏は知事選を通じ、柏崎刈羽原発の再稼働について「国から問われたら、認められないとはっきり言う」と言明。同原発は東電福島第一原発と同じ型の原子炉で、新潟県民の不安が大きいことも選挙結果で裏付けられた。安倍政権が新知事や県民の反対を押し切って再稼働させれば、世論の批判は避けられない。

新潟県知事選の結果は、首相の衆院解散戦略にも影を落とす。自民党は新潟県知事選と二十三日投開票の衆院東京10区、福岡6区の補欠選挙で「三連勝」を目指していた。九月に発足した民進党の蓮舫体制が勢いに乗れないうちに、政権基盤を強化して解散・総選挙に向けたフリーハンドを得る計算だったが、初戦に敗れ、思惑は外れた。

自民党は七月の参院選で大勝したが、三十二ある改選一人区では甲信越や東北を中心に十一区で取りこぼし、二〇一三年参院選に比べ野党に詰め寄られた。来年一月の衆院解散が取り沙汰される中、新潟県知事選でも苦杯を喫し、地方組織の弱体化に党内で危機感が強まっている。 (篠ケ瀬祐司)

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新潟知事に再稼働反対派 野党系・米山氏「認めない」

2016年10月17日 07時00分【東京新聞・政治】
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016101790070009.html

任期満了に伴う新潟県知事選は十六日投開票され、無所属新人で共産、自由、社民三党推薦の医師米山隆一氏(49)が自民、公明両党推薦の前長岡市長森民夫氏(67)ら無所属三新人を破り初当選した。米山氏は主要な争点だった東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な立場を鮮明にしている。再稼働には知事の同意が必要で、政府や東電が推進する再稼働の難航は必至だ。

九州電力川内原発の一時停止を公約とした新人が現職を破った七月の鹿児島県知事選に続く選挙結果で、国の原発政策や安倍晋三首相の政権運営に打撃となる。東電への根強い不信感も示された形だ。投票率は53・05%で、過去最低だった二〇一二年の前回43・95%を9・10ポイント上回った。

米山氏は十六日夜、新潟市内で、柏崎刈羽原発の再稼働について「命と暮らしを守れない現状で、認めることはできない」と述べた。自民党の古屋圭司選対委員長は「誠に残念だ。県民の審判を厳粛に受け止める」とする談話を発表した。

米山氏は夏の参院選で共闘した三党や市民団体の要請を受け、告示直前に民進党を離党して出馬。「東電福島第一原発事故の検証なしに再稼働は議論しない」として国や東電に厳しい姿勢で臨んだ泉田裕彦知事の路線継承を訴えた。自主投票だった民進党も最終盤に蓮舫代表が応援に入るなど、与野党対決の様相となり、競り勝った。

森氏は長岡市長を約十七年間務め、全国市長会長も歴任した中央とのパイプをアピールした。業界団体や連合新潟の支持も得たが苦戦。終盤には自民党の二階俊博、公明党の井上義久両幹事長ら政権幹部が応援に入ったが、及ばなかった。

森氏は終盤に入り「問題があれば東電や国にノーと言う覚悟だ」と訴えたが、支持は広がらなかった。

知事選を巡っては、二月に四選出馬を表明していた泉田氏が、第三セクター事業の契約トラブルを巡る地元紙報道への不満を理由に告示約一カ月前に突如、立候補を撤回。無投票が懸念されるなど、異例の展開をたどった。元団体職員三村誉一氏(70)、行政書士後藤浩昌氏(55)は支持が広がらなかった。

<新潟知事選開票結果>

当 528,455 米山隆一 無新

=共由社

465,044 森民夫 無新

=自公

11,086 後藤浩昌 無新

8,704 三村誉一 無新

全票終了

(東京新聞)

新潟県知事選で当選を決め、万歳する米山隆一氏=16日夜、新潟市中央区で

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