10/18原発停止中も東電給与増 新潟知事に再稼働反対派 資金に余力 足りぬ経営改革【東京新聞朝刊・第二面】一面記事と社説と東電株価とか

東電が給料カットしたのは記事になるが、そのあと給料増やしてるとは知らなかった。

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原発停止中も東電給与増 新潟知事に再稼働反対派 資金に余力 足りぬ経営改革

2016年10月18日【東京新聞朝刊・第二面】

新潟県知選で米山隆一氏が当選し柏崎刈羽原発の再稼働が遠のいた。経済産省は東京電力が収益改善の柱を失うことを懸念し、福島第一原発の廃炉費用などの負担を国民に求める可能性がある。だが東電は近年、職員の給与を増額させるなど事業資金に余力を残す。国民負担の議論の前に、徹底した経営改革が必要だ。 (吉田通夫)=1面参照

「福島事故 検証が先」米山氏継承

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新潟知事選から一夜明け、自宅近くで報道陣の取材を受ける米山隆一氏=17日、新潟県魚沼市で

経産省は事故を起こした福島第一原発の廃炉や損害賠償、除染に必要な費用が足りなくなるとして、財界人らと「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」を設置。東電に経営改革を迫って必要な費用を工面させ、足りなければ国民に負担を求める方向で検討を進めている。

東電は柏崎刈羽原発6、7号機を再稼働させることで、年に約二千四百億円程度の収益を改善する効果を経営再建の柱に据えてきた。このため再稼働が遠のくと、国民負担を増やそうという議論が加速する恐れがある。

一方で東電は事故を受けて削減した社員の給与を「人材の流出を防ぐため」とし回復させてきた。有価証券報告書によると、福島第一原発事故前の二0一0年度に七百六十一万円だった従業員の平均年収は、事故後の一二年度は六百二十万円へと19%減少。だが、一五年度は七百三十三万円まで回復し、本年度も賃金を上げた。

東電は、賃上げの原資は主にコスト削減から得ていると主張するが、それだけ廃炉や除染、賠償に振り向ける余力がある、との見方もできる。

原発問題に詳しい原子力資料情報室の伴英幸-ばんひでゆき-共同代表は「国民に負担を求めるなら、東電を破綻させて資金や財産などを吐き出させるのが先決だ」と指摘。「東電を生かしたまま、先行きが見えない柏崎刈羽原発の再稼働次第で国民の負担が増えるようなことはあってはならない」と話した。

新潟県知事選で当選した米山隆一氏は、東京電力の柏崎刈羽原発の再稼働について、泉田裕彦現知事が主張してきた「福島第一原発の事故の検証なしに再稼働は議論しない」との姿勢を継承する考えを示す。これに対し政府と東京電力は柏崎刈羽原発の再稼働を急ぐ方針を変えていない。米山氏との協議を検討しているが、難航は必至だ。

新潟県は二OO三年二月に「原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」を設けた。前年までに発覚した東電の福島第一、第二、柏崎刈羽でのトラブル隠しを受け、有識者に技術的な観点から柏崎刈羽原発の安全性に関する助言をもらうための設置だ。一一年の福島第一原発の事故後も、技術委は現地調査をしながら検証を重ねた。

この過程で東電が福島第一原発で炉心が溶け落ちる「炉心溶融」を把握していたのに、隠していた疑いが浮上した。当初、東一は「炉心溶融という言葉を使うな」などの「指示をしたことはない」と主張していたが、今年に入り、当時の社長がこうした指示を幹部にしていたことを認め、泉田氏に謝罪した。

東電が隠蔽-いんぺい-を認めたことで、新潟県は福島第一原発事故の徹底した検証が必要との考えを強めた。東電と合同の検証委員会を設置し、社員への独自の聞き取り調査などを行うことを検討している。県の原子力安全対策課の担当者は「柏崎刈羽原発の安全を検証しようにも、福島第一原発事故の検証が終わらなくては対策が十分か分からない」と話す。

一方、経産省は十月に財界人らでつくる「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」を設置。東電の経営改革と事故処理費用を工面する方法について、十二月にも方向性を打ち出し、東電が来年一月にまとめる新しい再建計画に反映する方針だ。東電と経産省は今後、知事になる米山氏に東電改革について説明し、柏崎刈羽原発の再稼働に理解を求める場面が出てくる可能性がある。 (片山夏子)

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【柏崎刈羽原発の再稼働関連で想定される日程】

2016年10月5日▲ 経済産業省の「東京電力改革・1 F(福島第一原発)問題委員会」の初会合
16日▲新潟県知事選で再稼働に慎重な米山隆一氏が当選
10月後半▲東電委員会、事故処理費用の試算提示も
12月▲東電委員会、議論取りまとめ
17年1月▲東電の新たな再建計画
年明け以降▲原子力規制委員会による柏崎刈羽の審査適合?
?▲新潟県知事が再稼働の可否判断も
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【新潟県知事選確定得票】

当 528.455米山 隆一 無新①=共 由 社
465.044森 民夫無新 無新=自 公
11.086後藤浩昌 無新
8.704三村 誉一 無新

======= 東京新聞の一面記事 =======

柏崎刈羽原発 防潮堤が液状化の恐れ 地震対策見直し 審査遅れ必至

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201610/CK2016101802000118.html
2016年10月18日 朝刊【東京新聞・社会】

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東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の防潮堤の一部が、地震発生時に液状化し想定する津波を防げない恐れがあることが分かり、東電は重大事故発生時の対応拠点の場所を変えるなど対策を進める。原子力規制委員会が6、7号機で行っている新規制基準の適合審査は大幅に遅れる見込みだ。さらに十六日の新潟県知事選で脱原発を掲げた米山隆一氏(49)が当選し、再稼働のめどは立たない。

水分を多く含む軟弱な地盤が地震で泥水のように変化する液状化の恐れは、規制委の適合審査の過程で発覚した。柏崎刈羽の敷地海側には二〇一三年に、想定する七メートル前後の津波を防ぐ防潮堤(高さ十五メートル、長さ計約二・五キロ)が完成。規制委は審査で、敷地南側1~4号機前の防潮堤の地盤調査などから、地震発生時に液状化する可能性を指摘した。

6、7号機で事故が起きた場合の対応拠点は3号機内に設置する計画だったが、液状化で津波流入の恐れが出たため、東電は今月十三日、地盤が安定しているとされる北側の5号機内に移す考えを示した。

規制委によると、今後、液状化の範囲や規模の想定をまとめた上、事故時に作業員らが使うルートなどへの影響を検討。5号機の耐震性評価も必要になる。

6、7号機の審査は来年三月にも適合判断が出る可能性があったが、規制委の担当者は「今後のスケジュールは見えない」と話す。

柏崎刈羽では昨年、千本以上の安全設備関連のケーブルで不適切な火災対策が発覚し、規制委から東電に「どれだけ深刻に捉えているのか」と厳しい声が相次いだ。耐震設計に関する資料の準備不足も露呈し、規制委の担当者は「情報を小出しにしている印象だ」と東電の姿勢を疑問視する。

原発の安全性を検証する委員会を独自に設けている新潟県は、福島第一事故の検証を優先し、柏崎刈羽は後回しにする方針だ。米山氏は県の取り組みを継続する考えで、再稼働のための地元同意の手続きに進むには時間がかかる。仮に手続きに進んでも、米山氏が認めないことも予想される。

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新潟知事選で与党敗北 地方発つながるNO

2016年10月18日 朝刊【東京新聞・政治】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201610/CK2016101802000117.html

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◆原発、TPP、基地など争点幅広く

東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市など)の再稼働が最大の争点となった十六日の新潟県知事選は、優位が伝えられた自民、公明両党推薦の新人が共産、自由、社民三党推薦の新人に敗れた。与党系候補が敗北した地方選挙の争点を分析すると、原発に限らず、安倍政権の施策に地方の批判が広がっている実態が浮かび上がる。

原発を巡っては、今年七月の鹿児島県知事選でも争点となり、九州電力川内(せんだい)原発(同県薩摩川内市)の一時停止を訴えた三反園訓(みたぞのさとし)氏が与党支援の現職を破った。二〇一四年七月の滋賀県知事選も、前知事の「卒原発」継承を公約した新人の三日月大造氏が自公推薦候補らを退けた。選挙期間中、政府が集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更を閣議決定したことも影響した。

沖縄では、同県名護市辺野古(へのこ)への米軍新基地建設問題が争点となり自民が苦戦する選挙が続く。一四年十一月の知事選も、建設反対を訴えた翁長雄志(おながたけし)氏が自民などが推す現職を大差で破った。

今年七月の参院選では、東北六県の一人区は秋田を除く五県で自民が敗れ、環太平洋連携協定(TPP)の影響が指摘された。同月の東京都知事選も、小池百合子氏が自民党都連を批判し、自公推薦候補と野党統一候補に大勝した。

今回の新潟県知事選の結果も、これらの地方選で示された民意の延長線上にある。安倍政権は国政選挙に強く支持率も高止まりしているが、地方選では個別政策への住民の不安が結果に表れるようだ。

「脱原発」を掲げて当選した保坂展人・東京都世田谷区長は、安倍政権の社会福祉政策に触れ「命と健康を刻まれることに市民は不安と怒りを覚えている。原発やTPPだけでなく、野党の結集軸となり得る政策のすそ野は広い」と指摘している。 (篠ケ瀬祐司)

 

(社説)新潟新知事 国民的不信の代弁だ

2016年10月18日【東京新聞・社説】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016101802000135.html

原発慎重派が勝利した新潟県知事選。地元柏崎刈羽原発再稼働への賛否にとどまらず、3・11後、多くの国民の中に芽生え、膨らみ、臨界に達しつつある感情を代弁した結果ではないのだろうか。

「県民の命と暮らしを守れない現状で、再稼働は認められない」

当選した米山隆一氏は、繰り返す。泉田裕彦知事が、かたくなといわれながらも貫き通した基本姿勢を継承するということだ。

泉田知事は、原発再稼働をただ拒絶してきたわけではない。

東京電力福島第一原発事故を、県として独自に検証し、避難計画を審査しない原子力規制委員会にも疑問を投げかけた。

世界最大級の東電柏崎刈羽原発を抱える自治体の長として、当たり前のことをしてきただけだ。

柏崎刈羽原発の運転開始は一九八五年。新潟県は福島同様、首都圏に明かりをともし続けてきた。

県民には、日本のエネルギーを支える自負もあっただろう。電源立地に伴う交付金は、確かに地域を潤した。

しかし、3・11がすべてを変えたのだ。同じ立場の福島で、多くの県民が故郷を追われ、仕事をなくし、後からやって来るかもしれない放射線障害へのおびえを抱いて暮らしている。

十分な補償はされず、科学の粋を尽くしても、完全な除染は不可能、原発のむくろの中に流れ込む汚染水ひとつ止められない。不安を感じて当然だ。

一方、当の東電は、電気が足りているにもかかわらず、命より、暮らしより補償より、自社の収益改善を最優先するかのように、柏崎刈羽の再稼働を急ぐ。

政府はといえば、廃炉費用や福島の補償費を過去にさかのぼって電力消費者に“つけ回し”することを企てているようだ。

規制委は、再稼働に向けて柏崎刈羽を優先審査するという。どこもかしこも、安全は二の次だ。

知事選の結果は、県民の不安や不信と言うよりも、怒りに近い感情の表れなのではあるまいか。

それはもはや、新潟や、七月の知事選で川内原発にノーを突きつけた鹿児島のような原発立地県だけにとどまらない。

地震国日本に暮らす、多くの都道府県民に、そして“国策”による不祥事のつけ回しにさらされる電力消費者に、共通する思いでもあるだろう。

新潟県民は、「国民」の代弁をしたのである。

 

東電HD株が急落 原発再稼働難航との見方で

2016年10月17日 10時10分【東京新聞・経済】
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016101701000997.html

週明け17日午前の東京株式市場で、東京電力ホールディングスの株価が急落した。一時、前週末終値比で34円(8・1%)安の384円まで下落した。新潟県知事選で東電柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な立場を取る米山隆一氏が当選し、再稼働の難航は必至との見方から売り注文が集まった。

市場関係者は「与党候補が勝利すれば再稼働が前進するとの期待感から投開票前に買われていた面もあっただけに、選挙結果を受けて売りが膨らんだ」(国内証券)と指摘していた。

(共同)

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