10/31東電元賠償担当 労災申請へ  35歳男性 「激務でうつ病発症」【中日メディカル】

東電元賠償担当 労災申請へ

35歳男性 「激務でうつ病発症」

(2016年10月31日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20161101143401372

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取材に応じ体験を語る、東京電力社員の一井唯史さん=東京都内で

東京電力社員で福島第一原発事故の損害賠償業務を担当した東京都の一井唯史(いちいただふみ)さん(35)が本紙の取材に、31日に東京労働局中央労働基準監督署に労災申請することを明らかにした。一井さんはうつ病と診断され休職中で、東電から11月5日付で解雇すると通知されている。

一井さんによると、2011年9月から、避難区域内で営業していて廃業を余儀なくされた会社などを対象に、事故で発生した逸失利益を計算して賠償金を支払う業務を担当。審査内容や賠償金額に納得してもらえない場合に電話で対応するのが仕事だった。

多いときには一人で180社を担当。相手から3時間、しかられ続けたこともある。上司からは「審査内容や賠償金額は変えられない。とにかく謝れ」と言われた。「国は賠償の支払いを早めるよう求めていたが、賠償金額を審査する部門が急ぐと審査が雑になり、自分たちが受ける苦情の電話が増えた」と話す。

13年に別の職場に移り、特殊な案件について、賠償基準の適用の仕方を社員に助言する担当になった。事故の影響で患者が増えた病院など、一時的増収をどう扱うかなどの難しい業務が多く、深夜帰宅が続いた。帰宅後も眠れず、睡眠は毎日3〜4時間に。家族や友人に出した「忙しすぎて倒れそう」「帰って寝て通勤で勉強してまた帰る感じ。フラフラです」とのメールが残っている。

その後、立川支社に異動したが、めまいや激しい嘔吐(おうと)で早退や休みを繰り返し、うつ病と診断され休職。直前の2〜6月の給与明細に記録された残業時間は月58〜89時間だが、休日に仕事を持ち帰った時間などは含まれておらず、一井さんの計算では91〜169時間に上った。上司や労務担当者に労災だと訴えたが「『多くの社員が事故対応をしてきて特別なことではない』と労災申請をしてくれなかった」という。一井さんは「原発事故を起こした会社の社員として、被災した人たちに少しでも多く賠償したいと思った」と語った。

東京電力福島第一原発事故の損害賠償 被害に遭った人や企業、個人事業主などへの賠償金は、国の認可法人「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」から資金の交付を受けて東京電力が支払っている。東電によると10月21日現在、延べ約250万件、計約6兆3000億円。東電を含む大手電力会社が負担金を機構に納付している

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