【11/17中日新聞】 40年超運転認可美浜3号機/美浜・高浜(福井、滋賀、岐阜、京都の四府県と十九市町)首長アンケート

   周辺首長4割「不安」 美浜3号機も40年超運転認可

2016年11月17日【中日新聞・朝刊・一面】
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016111702000070.html

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◆美浜・高浜アンケート

原則四十年で廃炉と法で定められた老朽原発に関し、原子力規制委員会は十六日、二例目の「例外」となる関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の二十年間の運転延長を認めた。最初に延長認可を受けた関電高浜1、2号機(同県高浜町)と合わせ、本紙が両原発から三十キロ圏にある自治体のトップに四十年超運転への考えを尋ねたところ、「不安」を感じるとの意見が四割に上った。周辺自治体の理解が進まないまま、廃炉原則がなし崩しになっている実態があらためて浮き彫りとなった。

福井、滋賀、岐阜、京都の四府県と十九市町の首長を対象に、十月下旬から十一月上旬にアンケートを実施。町長が辞職し選挙中の岐阜県揖斐川町を除く二十二自治体の回答をまとめた。

四十年を超えての運転について「老朽化対策をすれば運転してもよい」と答えたのは、原発が立地する福井県敦賀市や美浜町、おおい町、高浜町の四自治体。滋賀県の三日月大造知事や京都府の山田啓二知事ら五人が「原則通り廃炉にする」を選んだ。「分からない」とした自治体も五市町あった。

運転への不安の有無を聞くと滋賀、京都を中心に九自治体のトップが「ある」と回答。不安を抱えるすべての自治体が、理由として「機器の劣化」を挙げた。

規制委は両原発の運転延長の審査で、関電が示した特別点検のデータなどを基に、さらに二十年の経年劣化があっても原子炉容器は割れないことなどを確認したと説明している。ただ、アンケートでは四十年超運転への賛否に関係なく、大半の自治体が、国や電力会社の説明を「不十分」と答えた。「十分」と答えた首長は一人もおらず、多くが「四十年超運転の必要性」や「安全性をどう確認したか」などの説明を求めた。

老朽原発を巡っては、福島第一原発事故を受けた新規制基準の導入後、関電美浜1、2号機や日本原子力発電敦賀1号機など六基の廃炉が決まった。ただ、いずれも発電出力が小さく、新規制基準対応で多額の費用がかかるために電力会社が自主的に決めたもので、規制委が認めなかった例は一度もない。

◆早急に安全対策検討

関西電力は、運転延長認可を受け「安全性の確認された原発は速やかに再稼働したいと考えており、早急に詳細な安全対策工事の内容、スケジュールを検討する」とコメントした。

 

<解説> 例外3基目、原則形骸化

2016年11月17日【中日新聞・朝刊】
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016111702000067.html

 

福島第一原発事故の反省を踏まえて改正された原子炉等規制法が原発の運転期間を四十年と定めてからまだ四年。当時の民主党政権が「極めて例外的」としていた運転延長に早くも二例目(計三基目)が加わった。再稼働へ国民の理解を得るために導入された「四十年ルール」だが、例外が相次ぐようでは到底、理解は得られない。

「四十年ルール」を盛り込んだ改正法案は二〇一二年に当時、政権を担っていた民主と、野党だった自民、公明などの賛成多数で可決、成立した。背景にあったのは福島事故を経て、老朽原発の利用を不安視する国民の声。「四十年」に明確な科学的根拠はなく、世論をくみ取った与野党が政治判断で決めた数字だ。

今回、本紙が実施したアンケートで明白なように、運転延長に対する周辺自治体の不安は根強い。今月、中日新聞など加盟の日本世論調査会の調査でも老朽化原発をはじめ、原発の再稼働に58%が反対している。原子力規制委員会は技術的、科学的に延長を認めたと説明するが、国民が受け入れるとは思えない。

将来は、既に新規制基準に適合した原発も運転四十年を迎える。新基準の審査と重なったこれまでの三基と比べ、延長はさらに容易になる見込み。規制委の田中俊一委員長は十六日の会見で「四十年は一応原則。見直しは考えていない」と強調したが、例外がひとつ増えるたび、ルールに込められた国民の意思はないがしろにされていく。

(福井支社報道部・高橋雅人)

 

美浜3号機延長認可 規制委 40年超原発で3基目

http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2016111702000216.html
2016年11月17日【日刊県民福井】

原子力規制委員会は十六日、今月末で運転開始から四十年となる関西電力美浜原発3号機(美浜町)の運転延長を認めた。古い原発の運転延長は関電高浜1、2号機(高浜町)に続いて三基目で、四十年で廃炉にする原則に、また一つ例外が加わった。ただ、再稼働には大規模な改修工事が必要で、二〇二〇年三月以降となる。 (高橋雅人)

運転延長には今月末までに新規制基準への適合と、工事計画、運転延長の各認可が必要だった。規制委は十月、使用済み核燃料を保管する容器を、揺れを逃がす方式に変更したり、防潮堤を新設したりするなどの工事をすれば、新規制基準に適合すると判断し、設備の詳細設計をまとめた工事計画も認可した。

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運転延長の審査では、特別点検で得たデータなどを基に「運転六十年の時点でも安全性は保たれる」とする関電の説明の妥当性を議論。事故が起きても、劣化した原子炉容器は割れないと確認されたなどとして、「延長しても問題はない」と認めた。

美浜3号機が立地する敦賀半島周辺には活断層が多く、新基準の審査過程で想定する地震動は七五〇ガルから九九三ガルに引き上げられた。関電によると、地震や津波対策にかかる改修費は千六百五十億円。それでも岩根茂樹社長は十月の定例会見で「基本的には経済性があると判断している」と再稼働を目指す考えを強調していた。

福島第一原発事故後に改正された原子炉等規制法は、原発の運転期間を原則四十年に制限しているが、規制委が認めれば最長二十年延長できる。これまでに出力の小さい原発では新基準に対応する改修費に見合わないとして、関電美浜1、2号機など六基の廃炉が決まっている。

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30キロ圏首長「不安」4割

周辺自治体理解進まず

本紙アンケート

関西電力美浜原発3号機と最初に延長認可を受けた関電高浜1、2号機と合わせ、本紙が両原発から三十キロ圏にある自治体のトップに四十年超運転への考えを尋ねたところ、「不安」を感じるとの意見が四割に上った。周辺自治体の理解が進まないまま、廃炉原則がなし崩しになっている実態が、あらためて浮き彫りとなった。

福井、滋賀、岐阜、京都の四府県と十九市町の首長を対象に、十月下旬から十一月上旬にアンケートを実施。町長が辞職し、選挙中の岐阜県揖斐川町を除く二十二自治体の回答をまとめた。

四十年を超えた運転について「老朽化対策をすれば運転してもよい」と答えたのは原発が立地する敦賀市や美浜町、おおい町、高浜町の四市町。滋賀県の三日月大造知事や京都府の山田啓二知事ら五人が「原則通り廃炉にする」を選んだ。「分からない」とした自治体も五市町あった。

運転への不安の有無を聞くと滋賀、京都を中心に九自治体のトップが「ある」と回答。不安を抱えるすべての自治体が、理由として「機器の劣化」を挙げた。

規制委は両原発の運転延長の審査で、関電が示した特別点検のデータなどを基に劣化した原子炉容器などは割れないことを確認したと説明している。ただ、アンケートでは四十年超運転への賛否に関係なく、大半の自治体が国や電力会社の説明を「不十分」と答えた。「十分」と答えた首長は一人もおらず、多くが「四十年超運転の必要性」や「安全性をどう確認したか」などの説明を求めた。

関電美浜1、2号機や日本原子力発電敦賀1号機など廃炉が決まった六基は、いずれも電力会社が自主的に決めており、規制委が認めなかった例は一度もない。 (中崎裕)

「速やかに再稼働」 関電コメント

関西電力は「安全性の確認された原発は速やかに再稼働したいと考えており、早急に詳細な安全対策工事の内容、スケジュールを検討する」とコメントした。

美浜原発3号機 美浜町にある関西電力の加圧水型軽水炉で、出力は82万6000キロワット。小型の1、2号機(出力はそれぞれ34万キロワット、50万キロワット。いずれも2015年4月に運転終了)に続き、1976年12月に運転を始めた。04年8月にタービン建屋で配管破裂による蒸気噴出事故が起き、作業員11人が死傷した。

 

美浜3号機の運転延長認可 40年ルール例外3基目

2016年11月16日【中日新聞・夕刊】
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016111602000239.html

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原子力規制委員会は十六日、今月末で運転開始から四十年となる関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の運転延長を認めた。老朽原発の運転延長は関電高浜1、2号機(同県高浜町)に続いて三基目で、四十年で廃炉にする原則にまた一つ例外が加わった。ただ、再稼働には大規模な改修工事が必要で、二〇二〇年三月以降となる。

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運転延長には今月末までに新規制基準への適合と、工事計画、運転延長の各認可が必要だった。規制委は十月、使用済み核燃料を保管する容器を、揺れを逃がす方式に変更したり、防潮堤を新設したりするなどの工事をすれば、新規制基準に適合すると判断し、設備の詳細設計をまとめた工事計画も認可した。

運転延長の審査では、特別点検で得たデータなどを基に「運転六十年の時点でも安全性は保たれる」とする関電の説明の妥当性を議論。事故が起きても、劣化した原子炉容器は割れないと確認されたなどとして、「延長しても問題はない」と認めた。

美浜3号機が立地する敦賀半島周辺には活断層が多く、新基準の審査過程で想定する地震動は七五〇ガルから九九三ガルに引き上げられた。関電によると、地震や津波対策にかかる改修費は千六百五十億円。それでも岩根茂樹社長は十月の定例会見で「基本的には経済性があると判断している」と再稼働を目指す考えを強調していた。

福島第一原発事故後に改正された原子炉等規制法は、原発の運転期間を原則四十年に制限しているが、規制委が認めれば最長二十年延長できる。

これまでに出力の小さい原発では新基準に対応する改修費に見合わないとして、関電美浜1、2号機など六基の廃炉が決まっている。

<美浜原発3号機> 福井県美浜町にある関西電力の加圧水型軽水炉で、出力は82万6000キロワット。小型の1、2号機(出力はそれぞれ34万キロワット、50万キロワット。いずれも2015年4月に運転終了)に続き、1976年12月に運転を始めた。04年8月にタービン建屋で配管破裂による蒸気噴出事故が起き、作業員11人が死傷した。

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