11/17「強度不足」揺れる仏原発 前代未聞の運転停止/全58基のうち12基点検/稼働止めて調査を 日本は本当に大丈夫なのか/電力会社「問題ない」・・・致命傷になる重要設備【東京新聞・特報】

全然関係はないけれど、「ナチスの手口を学んだらどうかね」の麻生太郎の「流動化防止土」(麻生セメント)を大成建設は例の博多陥没穴に流しこんだらしい。
その流動化防止土の強度がとても気になる。関係なくないね。

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「強度不足」揺れる仏原発

前代未聞の運転停止

  全58基のうち12基点検

稼働止めて調査を

 日本は本当に大丈夫なのか

   電力会社「問題ない」・・・致命傷になる重要設備

11月17日【東京新聞・こちら特報部】

 

フランスではこの冬、十二基の原発が順次停止を迫られる異例の事態となっている。いずれも重要設備の強度不足が発覚し、仏当局が点検を指示したためだ。トラブルの渦中にあるのは、日本の大型鋳造品メーカー「日本鋳鍛鋼」(北九州市)が製造した部品。国内の電力各社は自社原発に問題はないとするが、フランス並みの検査を求める声も強い。欧州発の「原発危機」はどこまで広がるのか。 (白名正和、橋本誠)

 

問題部品 日本製

「フランスの原子力政策の歴史において最大の危機だ」

欧州の原発政策に鮮しい環境保護団体「グリーンピース・ドイツ」のショーン・バーニー氏がこう切り出した。全電力の約75%を原発に頼るフランスの商業用原発は五十八基あり、いずれもフランス電力(EDF)が所有する。「十八基で強度不足の可能性が指摘され、うち十二基で日本メーカーの部品が使われている。このスキャンダルは各国にも飛び火しつつある」実際、英字業界誌「パワー」(電子版)は十一月一日付の記事で、検査のために停止する原発は二十基になり「五十八基の半分以上が影響を受げるだろう」との見方を示している。

フランスを混乱に陥れている強度不足問題は二O一四年、建設中のフラマンビル原発3号機で発覚したのが発端だ。同国の鍛造メーカー「クルゾ・フォルジュ」社製の鋼材に強度不足がある可能性が浮上したことから、仏の原子力安全局(ASN)が調査を指示。

今年六月、EDFの報告を受けて「ほかの十八基の原発でも同様の異常が含まれている恐れがある」と発表した。

ASNはさらに十月、このうち日本鋳鍛鋼の製品を使う十二基について「特に高い(不純物)濃度」であり、原子炉を停止し検査する必要があると発表。現在、点検のため順次停止されている。

バーニー氏は「EDFの株価は下がり、(電力不安から)欧州の電力卸売価格は値上がりを続けている。EDFにとっては金銭的に大惨事だ」と指摘する。

上智大客員教授で一般社団法人「環境金融研究機構」の藤井良広代表理事も、フランスの原発政策が「異常事態に陥っていると言える」とみる。「(卸売価格の値上がりが)すぐに消費者の電力価格に転嫁されることはないだろうが、足りない電力を購入しなければならないEDFの経営は影響を免れない。電気購入コストがかかり収益が悪化すると市場はみている」

パリ出身で共立女子大のジャニック・マーニュ教授も「原発がこれほど一気に止まるのは、これまでにはなかったことだ」と説明する。「フランスは東京よりも寒く、(電力不足で)冬を越せるかどうか不安がる市民も出ている。やっぱり原発はダメじゃないか、という声も出ている」と話している。

フランス当局から報告を受け、日本の原子力規制委員会も九月、電力各社に自社原発の調査を指示した。同じ製法でつくられた圧力容器などの部品は、日本鋳鍛銅製だけで八原発十三基で使われているが、電力各社は先月三十一日、「強度不足の可能性はない」と規制委に報告。規制委は今月中に電力会社の報告が妥当かを判断するとしている。

 

メーカー 「仏が法改正」

「日本鋳鍛鋼」によると、フランスで強度不足の疑いが指摘されたのは一九九0~九七年に発注を受けた原発の蒸気発生器の部品。鋼鉄の塊をたたいてのばす「鍛造」で造られており、含まれている炭素がフランスの基準値の「0・22%以下」を超えていると指摘された。

同社の広報担当者は「強度不足が発生したわけではなく、強度不足の懸念がある炭素の偏りが確認された」と断ったうえで、二O一O年のフランスの法改正の影響を説明。「炭素が多くなる部分を切り捨てることで、製造時に検査した部分では基準を下回っていたが、法令が変わって別の部分の検査が必要になり、そこでは基準を上回った。現在フランスのメーカーの調査に協力している」としている。

同社は日本国内でも、原発の圧力容器の上ぶたなどを製造。こちらも鍛造製品だが、原子力規制委員会が電力各社に求めた調査の中で、炭素濃度が日本の基準備の「0・25%以下」を超えるものはないと報告した。

「日本ではメーカーの要求で、多くの箇所を調査している」とフランスのケースとの違いを強調している。

炭素濃度が高いと、何が起きるのか。井野博満・東京大名誉教授(金属材料学)は「炭素が多いと硬くなる半面、粘り強さがなくなり、もろくなる。引っ張る力には強いが、傷があると、割れる方向に進む」と説明する。

元原子力プラント設計技術者の後藤政志氏も、鋼鉄が脆弱になる現象を懸念する。「原子炉は中性子で時間とともに劣化するが、炭素でも同じようなことが起こり得る。高温では破損は起きにくいが、事故で冷却水を入れて急激に温度が下がると、一瞬で圧力容器や蒸気発生器が壊れる可能性がある」

同社はフランスの法改正を理由としているが、原子力資料情報室の松久保肇研究員は「原子炉の基準は年々厳しくなっている。日本でも新しい規制基準で確認しており、新しい知見に合わせて変わっていかなくてはならない。それは企業のリスクを減らすことにもつながる」と指摘。フランスは原発依存率を現在の75%から50%に下げて維持する方針だが、「老朽化が進んでおり、とくに大型の原子炉は見通しが立たない。単一エネルギーに頼ることの影響が注目され、自然エネルギーなど分散型のエネルギーにシフトしていく可能性もある」とみる。

問題は国内の原発にも飛び火しているが、原子力規制委が電力会社に指示している調査は、製造時などのデータの提供にとどまる。十六日の定例記者会見でも、フランスで行われているような破壊検査や非破壊検査を求める声が出たが、田中俊一委員長は「必要が無いことまでやれないし、稼働している原発の検査は簡単ではない」と否定的だった。

井野氏は「国内の原発には鍛造のほかにも鋳造や鋼板の製品も併存しているが、炭素濃度の具体的なデータが示されていない。調査の難易によって、安全性の検査が左右されるのもおかしい。フランスのように非破壊検査をし、廃炉になっている原発でも検査すれば傍証になる」と訴える。

後藤氏は、原発部品の規制に対する意識の緩さに危機感を抱く。

「どこかの配管とは違い、圧力容器や蒸気発生器は事故があれば致命傷になる。それほど重要な材料について、検査する部分で基準を満たせば良いという考え方は甘い。はっきりしなければ稼働中の原発も止め、徹底的に調べるべきだ」

(((デスクメモ)))
十六日に運転延長が認められた関電美浜原発3号機は、ニOO四年に十一人が死傷する「国内原発史上最悪」の事故を起こした。老朽原発を扱う難しさを知ったはずではなかったか。「失敗」に学ばない国に危険な道具を持つ資格はない。これ以上「最悪」を上塗りされても困る。(洋) 2016・11・17

グリーンピースのショーン・バーニー氏

仏当局が運転停止を指示したフランスの原発=AFP

首相官邸前で、川内原発の運転停止を訴える人たち=今年4月

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