11/22凍結8カ月効果出ず 福島第一原発凍土遮水壁の状況/345億円投入 減らぬ汚染水【東京新聞・核心】

金属で遮水壁を作るべきだと小出さんは仰っている。

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凍結8カ月効果出ず 福島第一原発凍土遮水壁の状況/345億円投入 減らぬ汚染水

2016年11月22日【東京新聞・核心】

東京電力は二十一日、福島第一原発1~4号機の周囲に造られた凍土遮水壁の地中の様子を初めて報道陣に公開した。見せられた地点の土は確かに凍っていた。しかし、凍結が進むにつれ、減っていくはずの建屋地下への地下水の流入は一向に減らない。運用開始から八カ月、三百四十五億円の税金を投じた対策の効果は表れていない。 (小川慎一)

規制委「対策主役は井戸」

■マイナス1度

福島第一の敷地内にある免震重要棟からバスに乗り込み、タンク群を抜けて三分ほどで4号機の南側に到着した。

放射線量は福島第一の中では比較的低く、毎時一Oマイクロシーベルト。白い防強服に、鼻と口を覆う半面マスクを着けると少し息苦しい。

公開された現場は、冷却液が流れる太いパイプから一・五メートル離れた場所に掘られた幅二メートル、深さ一・二メートルの穴だ。

汚染された土に直接触れないよう、布とゴムの三重の手袋をした手で土に触れると、ひんやりと冷たさを感じた。表面温度はマイナス一度。ハンマーで五、六回たたくと、カンカンと音が響き、土は崩れなかった。確かに凍っている。

同行した経済産業省の木野正登-まさと-廃炉・汚染水対策官は「この状態なら、地下水を通すことはない」と説明した。

 ■壁造れぬ場所

東電が毎週公表している地中の温度データによると、凍結を始めていない山側の一部を除き、ほぼ全周にわたって零度以下になっている。公開された地点と同じように、土はカチカチに凍って水を通さぬ氷の壁ができているはずだ。

しかし、現実は厳しい。建屋への地下水流入量(推計値)は凍結開始前とほぼ同じレベルで推移している。海側の凍土壁を抜けて護岸際に達する地下水も、一部は海に放出できないほど汚れているため、くみ上げて建屋に移送している。こちらの地下水量も、以前と大きな変化はない。

二十一日に公表された最新のデータでも、建屋に入る水量は一日当たり二百トン強にのぼる。流入した分、建屋の高濃度汚染水は水かさが増える。処理しても、原子炉冷却で使い切れないため、タンクにためるしかない水が増えていく。

検証中の山側は壁の一部が開いているため、ある程度の流入は仕方ないとしても、全面的に凍らせている海側で大量の地下水が壁を抜けているのはおかしい。

東電の説明や資料によると、海側にはケーブルや配管を収容する地下トンネルがあり、凍結管を貫通させられないため、その下の部分は凍らせられない。その地中には、水を通しやすい層もある。これらが抜け道になっているとみられる。

木野対策官に疑問をぶつけてみたが、「要因が何なのかは調査中」と答えるだけだった。

■変わる説明

東電ほ今後、山側の凍結部分を増やす。地下水の流入量は現在の半分程度になると試算するが、これまでの経過からすれば、想定した通りにはならない公算が大きい。

原子力規制委員会の更田豊志委員長代理は「汚染水対策の主役はサブドレン(建屋周りの井一戸)のくみ上げ」と、凍土遮水壁の効果には期待しない考えを明言している。

「全く水を通さない」という触れ込みで、反対意見を振り切って導入された凍土遮水壁。東電も最近は「完全に凍らせても、地下水流入を完全に止めるのは困難」と説明を変えてきている.このまま大量の電気を使って凍結を続けるのか、別の道を模索するのか。まだ汚染水問題を終わらせる道は見えない.

凍土遮水壁  福島第一原発1~4号機周囲の土中に長さ約30メートルの管約1600本近くを打ち込み、零下30度の冷却液を循環させ、周辺の土を凍らせる。氷の壁で囲うことで、建屋への地下水流入を食い止めるのが狙い。345億円の税金と、1万2000世帯分以上の電力を使って、3月末から運用が始まった。原子力規制委員会は、不用意に地下水位を下げすぎると、建屋地下の高濃度汚染水の水位の方が高くなり、外部に漏れやすくなるリスクを懸念。上流の山側では、壁の一部は凍らせず、地下水の挙動を見極めるよう東電に指示している。

凍土壁の状況をハンマーで確認する経済産業省の職員=東京電力福島第一原発で(代表撮影)kakusin161122_v01 kakusin161122_v02kakusin161122_v03

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カテゴリー: 放射能汚染, 中日東京新聞・特報 タグ: パーマリンク