12/9大隅さん 恒例のサイン 指導者超える若者がいないと科学は進まない/大隅さん記者会見【東京新聞・朝刊】

大隅さん 恒例のサイン

指導者超える若者がいないと科学は進まない

大隅さん記者会見

2016年12月9日【東京新聞・朝刊】

【ストックホルム=小嶋麻友美】大隅良典さんは八日、ストックホルム市内のノーベル博物館を訪れ、館内のカフェにある椅子の裏にサインをした。

十日の授賞式を前にした恒例イベントで、受賞者は業績にちなんだ記念品を同館に贈るならわしもある。受賞者は六日に顔をそろえたが大隅さんは米国で「ブレークスルー賞 」受賞後、ストックホルム入りしたため一人遅れて八日に訪問した。昨年の医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授ら三人のサインの下に、ローマ字と漢字で自分の名を記した。

寄贈したのは、顕微鏡を見る大隅さんの様子をかたどった高さ十二センチほどのフィギュアと、タンパク質の分子構造を赤す模型。フィギュアは、授賞対象であるオートファジー(細胞の自食作用)を発見した一九八八年当時を再現したもので、黒髪に黒いひげをたくわえた若き日の大隅さんがほほ笑んでいる。昨年、弟子たちからサプライズで贈られたものだという。

 指導者超える若者がいないと科学は進まない

 大隅さん記者会見

【ストックホルム=小山麻友美】ノーベル医学生理学賞を受賞する大隅良典・東京工業大栄誉教授(七一)が八日午後(日本時間同日夜)、ストックホルム市内のホテルで日本の報道機関向けに記者会見した。「ノーベル賞は特別な賞だと感じている。サイエンス(科学)のぎりぎりの根源を追求している賞だと思うし、そうあり続けてほしい」と語った。

オートファジー(細胞の自食作用)の発見で数々の賞に輝く中、ノーベル賞は最後の賞として「これで全て解放されるという気もする」とほほ笑んだ。

また、大隅さんは自身の研究人生を振り返って「指導されたという思いはなく勝手なことをやらせてもらった。ボスは超えるものだと思っていたし思わなければいけない時代だった」とし、若い世代が指導者に対して萎縮する最近の風潮を懸念。「指導者は自分が抜くものだ、と思う若者が育たないとサイエンスは進まない」と励ました。

授賞式には、十三年間在籍した基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)時代の弟子である大阪大の吉森保・特別教授、墓京大の水島昇教授を招待。「二人がその後も世界でオートファジーの分野をリードしてくれた。研究所で職を得なければ、こんなに早くは展開しなかっただろうと思う」とあらためて感謝した。

会見には妻の萬里子さんも同席。授賞式を控え「素晴らしい席は苦手だが、世間に注目されるんだからと言われて、着物を新調した」と明かした。「(スウェーデン)国王や皆さんの前で転ばないようにしたい」と話し、夫妻でにこやかに顔を見合わせた。

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