1/30(中日春秋)ロシア情報セキュリティー会社の調査結果

(中日春秋)ロシア情報セキュリティー会社の調査結果

2017年1月30日【中日新聞・コラム】
http://www.chunichi.co.jp/article/column/syunju/CK2017013002000109.html

幸福を辞典で引けば、「他人の不幸を眺めることから生ずる快適な感覚」とある。無論、まっとうな辞典ではなく、ビアスの「悪魔の辞典」である

▼人が見たいのはやはり不幸なのか。そう疑いたくなるロシア情報セキュリティー会社の調査結果である。日本で回収した千人分のアンケートによるとフェイスブックなどの会員制交流サイト(SNS)で嫌な気分になった理由のトップは「他人が自分より良い人生を送っていることを知った」(54%)ことだったそうである

▼家族旅行や高級レストランのおいしそうな料理など、楽しい写真がひしめくSNSだが、その裏側には嫉妬の闇も潜んでいるのか。なるほどSNSが「炎上」しやすい背景かもしれぬ

▼いささか説教じみてしまうのだが、幸せか、良い人生を送っているかどうかは、その人自身にしか分からぬものであろう

▼わがSNSを見る。高級車の脇で笑う男は一時、離婚問題に苦しんだし、子どもと仲良く旅行中のこの男は親の介護で疲れ果てている。SNSの投稿で幸せを推し量ることはできぬ。大概の人間はなんらかの問題や悩みを抱え、それでも人生を楽しもうとしている。それがあの陽気な写真の数々である

▼いっそ不幸な出来事と悪口しか投稿できぬ新SNSをという皮肉で書き終える気でいたが、それが人気となる予感さえする怖い調査結果と時代である。

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