【2/1中日春秋】1988年『COVERS』騒動を起こした東芝の体質は結局自らを蝕んだ【中日春秋】

そういえば東芝EMIだったよね。

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2017年2月1日【中日新聞・(朝刊コラム)中日春秋】
http://www.chunichi.co.jp/article/column/syunju/CK2017020102000112.html

<上記の作品は素晴しすぎて発売出来ません。> そんな広告が新聞の片隅に載ったのは、一九八八年六月のことだ。上記の作品とは、人気ロックバンド・RCサクセションのアルバム『COVERS(カバーズ)』など二点。広告主は、東芝EMIである

▼このアルバムに収められた「サマータイム・ブルース」で忌野清志郎(いまわのきよしろう)さんは歌っていた。<♪あくせく稼いで税金とられ/…原子力発電所がまだ増える/知らねえうちに 漏れていた/あきれたもんだなサマータイム・ブルース>

▼発売の中止を決めたのは、親会社の東芝から来ていた社長だったとされる。東芝は原子炉メーカー。反原発の歌などとんでもない…との判断だったのだろう

▼今「あきれたもんだな」と言いたくなるのは、東芝の原子力事業だ。ずぶずぶとのめり込んだ揚げ句、米国での原発建設での損失が、経営陣も「知らねえうちに漏れ」続け、最大で七千億円にもなりそうだというから、驚く

▼東芝の不正会計問題を調べた第三者委員会は、東芝には上司の意向に逆らうことができぬ企業風土が存在し、会計の規則すらないがしろにされたと指摘していたが、それでは「不都合な真実」など見てみぬふりをされてしまうだろう

▼異論には耳を貸さぬ。都合の悪い声は、封じ込めようとする。かつて『COVERS』騒動を起こした体質は結局、自らを蝕(むしば)んだのだろうか。

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