2/3福島格納容器内530シーベルト  2号機で推定 数十秒で死亡/ロボでも2時間もたず 飛散核燃料、近くに 【中日メディカル】

福島格納容器内530シーベルト

 2号機で推定 数十秒で死亡

(2017年2月3日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20170203135327145
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東京電力福島第一原発2号機の原子炉格納容器内部調査の画像。解析の結果、原子炉直下の足場が縦横約1メートル四方にわたって脱落している。写真は同社が画像を合成。本紙が色調を調整=東京電力提供

東京電力は2日、福島第一原発2号機の原子炉格納容器の内部調査で撮影した画像を解析した結果、調査時点の内部の空間放射線量は推定で最大毎時530シーベルトだったと明らかにした。第一原発事故での最大値。原子炉直下にある鉄製の作業用足場に穴(約1メートル四方)が開いていることも判明。メルトダウン(炉心溶融)で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の熱でできたとみられる。足場には、デブリの可能性がある堆積物が広範囲に付着しているのが見つかっている。

線量は数十秒の被ばくで人が死亡するレベルで、事故が起きた原子炉内の過酷な状況が明らかになるとともに、廃炉作業でのデブリ取り出しの困難さが改めて浮き彫りになった。撮影日は、線量を推計した画像が1月26日、穴が判明した画像は同30日。2月中旬までに実施予定のカメラ付きの自走式ロボットによる本格調査は相当な困難が伴う可能性がある。

東電によると、530シーベルトと推定されるのは格納容器の壁に開いた貫通部分から圧力容器の真下に向かって設置されている機材搬入用レールの途中で、圧力容器を支える土台から約2.3メートル離れた空間部分。これまでの最大の実測値は2号機内部の毎時73シーベルトだった。

格納容器内の線量は、高い放射線がカメラに影響を与えることで画像に生じるノイズを解析して推定。上下30%の誤差があるという。格子状の足場の穴は、画像を鮮明化する処理で見つかり、変形して陥没していた。

圧力容器の真下にある支柱にも堆積物が付着しており、圧力容器から支柱を伝って燃料デブリが流れ落ち、足場を溶かした可能性がある。

東電は、足場の穴や堆積物について「カメラ付き自走式ロボットを格納容器内に入れる調査で、線量などを調べて総合的に判断したい」と説明。調査は2月中旬までに実施予定だが、穴が原子炉直下のスペースの入り口付近にあるため、ロボットの走行経路の見直しが必要となる。

東電は1月30日、2号機の格納容器内に、パイプに取り付けたカメラを入れて調査。足場は、広範囲に堆積物がこびりつき、一部がなくなっていることが確認されていた。

放射線の人体への影響 毎時シーベルトとは、何の遮蔽(しゃへい)措置もせず、そこに1時間いたときの被ばく量を示す。人の100%致死量は一般的に7シーベルト程度とされ、毎時7シーベルトの環境下で1時間、被ばくすると死亡することを意味する。2号機の原子炉格納容器の推定値の毎時530シーベルトは、48秒ほどで100%致死量の7シーベルトに達する。東京電力福島第一原発で働く作業員の被ばく線量の限度は、人体への影響を考慮して「5年間で100ミリシーベルト(=0.1シーベルト)」と定められている。

ロボでも2時間もたず

 福島高線量 廃炉過酷 見直し必至/飛散核燃料、近くに

(2017年2月3日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20170203135909742

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東京電力福島第一原発2号機の格納容器内調査で、最大で毎時約530シーベルトと極めて高い放射線量が推定された。東電は2月中旬までに自走式のカメラ付きロボットの投入を予定していたが、放射線に機器が耐えられず十分な活動は難しいのは確実。ロボットの経路となる足場は脱落しており、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)取り出しに向けた調査計画の見直しは避けられない。

東電が2号機真下に投入するロボットは累積で1000シーベルトまで耐えられる設計だ。これまで2号機内で計測された最大の線量は毎時約73シーベルトで、東電は10時間以上活動できると見込んでいた。

しかし格納容器内の環境は想定よりも過酷だった。毎時530シーベルトの放射線を浴びれば、2時間足らずで電子機器が故障するなどし、ロボットが壊れる計算だ。今回のカメラ調査では想定していたロボットの走行ルート上に大きな穴が開いていることが確認され、ロボットによる十分な調査ができない可能性も出てきた。

東電と政府はロボットで溶融核燃料の場所を確認し、今年夏ごろに大まかな取り出し工法を決め、2021年に最初の原子炉で取り出し作業を始める考えだった。取り出しの計画が狂うのは必至で、廃炉スケジュールの抜本的見直しも迫られそうだ。

飛散核燃料、近くに

東京工業大の沢田哲生助教(原子核工学)の話 強烈な値の放射線量は溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)が近くにあることを示しており、飛び散った燃料に由来したものだろう。鉄製の足場に穴が開いているのは燃料デブリによるものと考えるのが自然で、それ以外には考えられない。燃料デブリの一部が足場に当たっただけだとしても、縦横1メートル程度の穴が開くのは不思議なことではない。調査で燃料デブリの可能性がある堆積物が見つかったのは前進だが、取り出しに向け、また新たな課題が出てきたと言える。

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