3/2森友学園問題 正念場の昭恵夫人/「公的存在」自ら説明を/問われるファーストレディー像【東京新聞・特報】

海外からの外圧を感じるといい。これがもとで首相退陣となるにちがいないから。
ん?「アッキー」というのは小出裕章さんのことなんですけどねぇ。

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森友学園問題 正念場の昭恵夫人

 リベラル印象 揺らぐ

  「もともとニッポン礼賛意識強い」

2017年3月2日【東京新聞・こちら特報部】

安倍晋三首相夫人の昭恵さん(54)が、学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却問題を巡って窮地に立たされている。同学園が四月に開校予定の小学校の名誉校長を辞任したものの、時代錯誤の教育内容をどこまで知っていたかなど不明な点が多く、国会では連日のように追及が続いている。夫の政策に異論も唱える「家庭内野党」を自称し、政権のイメージアップに貢献してきたが、今回の騒動で「アッキー人気」は終わるのか。ファーストレディーのあり方もあらためて問われる。 (沢田千秋、三沢典丈)

 

東京・富ケ谷の関静な住宅街にある安倍首相の私邸。周辺には多数の警察官が立ち並ぶ。「アポイントメントを取ってから来てください」。「こちら特報部」の記者が私邸に近づこうとすると、警護官(SP)に制止された。近所の女性(三一)は「四年間ここに住んでいるけれど、奥さんは見たことがない。総理は二、三日前に見た」と話す。

大阪府豊中市の固有地が格安で森友学園に「瑞穂の國記念小学校」用地として売却された問題が大事になっているのは、昭恵さんが名誉校長を務めていたことが大きい。昭恵さんは、同学園系列の幼稚園の園児に戦前の「教育勅語」を暗唱させるなど極右的な教育方針に賛同。問題発覚後に名誉校長は辞任したが、就任時の講演では学園の教育を「すばらしい」と絶賛していた。

予算委員会で野党の批判に直接さらされているのは安倍首相である。「情熱的な教育をされると妻から聞いた。しつけ等をしっかりしておられるというところに共鳴した」などと答弁しているが、当の昭恵さんは口をつぐんだままだ。安倍事務所は取材に「(コメントを出すかは)分からない」の一点張り。昭恵さんのフェイスブックでは最近も、シンポジウムに参加する様子が更新されている。

昭恵さんは森永製菓の創業者一族出身で、聖心女子専門学校を卒業後、大手広告代理活の電通に入社。上司の紹介で一九八七年、安倍首相と結婚。子どもはおらず、不妊治療を受けた過去を手記で明かしたこともある。二00六年に発足した第一次安倍政権が一年足らずの短命で終わった後は、東京・神田で居酒屋経営にも乗り出した。

安倍首相が一二年に政権復帰を果たすと、「家庭内野党」として政権の政策と相反する意見も堂々と表明してきた。東日本大震災の被災地沿岸に予定された巨大防潮堤を「造らないで」と訴えたかと思えば、原発は「再生可能エネルギーなどに転換すべきだ」。昨年夏は「アベ政治を許さない」というプラカードを掲げる人と写真を撮ったり、沖縄県の米軍基地反対運動の現場を訪れたりした。

森友学園への関与は、従来のリベラルな印象と乖離-かいり-していないか。

昨年、昭恵さんと対談した西田亮介・東京工業大准教授(社会学)は「もともと、神道などの精神論や昔のニッポンを礼賛する意識が強い人だった。これまでは女性活躍の象徴のように各メディアが取り上げていたが、フォーカスされなかった面が今、表に出ている」と指摘する。

それにしても本当に教育勅語を是としているのか。西田氏は「勅語は大半が、親、兄弟を大事にしろなど当たり前のことが書かれ、最後の『国の危機には滅私奉公せよ』との教えが問題なのだが、昭恵さんはそこまで深く知らずに評価しているのではないか」と推測する。「お目にかかった印象では、ご自身の勘を大事にし、知識に基づいた思考はあまりなかった。『私はこれが好き』という単純な流れで森友学園に共鳴したのではないか」

「公的存在」自ら説明を

 問われるファーストレディー像

  「脇甘すぎる」「海外の目 意識必要」

そもそも首相夫人とはどのような立場なのか。首相官邸に電話をかけると、「夫人付き」という部署に回された。しかし、「担当は内閣総務官室」とのこと。そこで同室に確認したが、内閣法に規定がないということしか教えない。官邸にかけ直すと、なぜか「夫人付き」には取り次いでくれなくなった。来日した他国の元首夫人との懇談などの対応について外務省に聞くと、「相手の意向に応じて担当課が直接、夫人と連絡を取りながら場所や時間を詰める」と説明した。

政治評論家の有馬晴海氏によれば、明恵さんは「第一次安倍政権時のブッシュ米大統領のローラ夫人を手本にしている」という。十数人のスタッフを抱えていたローラ夫人にならい、昭恵さんのために官邸内に専用の部屋が用意され、スタッフも数人いるらしい。

公人か私人か、なんとも曖昧な存在である。民進党の辻元清美衆院議員は二十七日、昭恵さんの活動などについて衆院に質問主意書を提出した。

その内容は、まず首相夫人の活動を補佐する官僚の人数や出身官庁、公用車使用の有無。森友学園関連では、系列幼稚園での講演に官僚が随行したか、公用車を利用したかをただしている。さらには、首相夫人が「公的な存在か」「私的な活動に公費が支出されることがあるか」、今回のように法人の役職に就く場合に政府の許可が必要かなどについて尋ねている。

辻元氏は「昭恵夫人は多くの外国訪問に随行し、数多くの公式行事に出席している。もはや公人であり、その資質は問われるべきだ。昭恵夫人は数回、森友学園を訪問しているが、そこで国費が支出されているのなら問題だ」と強調する。

海外はどうか。米国でもファーストレディーは公務員ではないが、第三十二代フランクリン・ルーズベルト大統領のエレノア失人が、身体に障害のある夫に代わって政策の一部を担うなど活躍して以来、国民から常に注目される存在だ。 現在、ファーストレディーは社会貢献活動をするのが一般的で、研究機関が歴代夫人の家柄、ホステスとしての役割、業績などで点数を付し、ランキングを公表している。

一方、日本の首相夫人は総じて地味である。民主党政権の鳩山由紀夫首相の幸-みゆき-夫人が、米国の週刊誌から「最もはじけたファーストレディー」一位に選出されたことがある程度だ。

森友学園問題を機に、日本のファーストレディー像は変わるのか。

前出の有馬氏は「私立の教育機関の名誉校長などを安易に引き受けたのは脇が甘すぎる。世間は、安倍首相を捕虜に取れなければ、ファーストレディーを捕虜に取ればいいと、虎視眈々ーたんたんーと狙っている。そのことを今回の件からよく学ぶべきだ」と苦言を呈す。

悪女研究で知られる堀江珠喜・大阪府立大教授(比較文学)は、昭恵さんについて「首相夫人の座がとても居心地よさそうに見える。だから、少しでも長くその座にいたいだげではないか。そのために、アッキーという愛称でかわいらしく見せ、誰にも嫌われないように振る舞う」と冷めた見方を示す。「森友学園にとっては、昭恵さんはあくまでも首相の妻。いわゆるファーストレディーの肩書があれば誰でも良かった。昭恵さんの方も本心から共鳴したというより、理事長が夫と思想的に近いから、今回は協力してやろうと思っただけではないか」

外交評論家の天木直人氏は「首相夫人は公的な色彩を帯びており、本人の思いとは別に、海外からどう映るかは常に意識されていなければならない」と唱えた上で、「明恵夫人が戦前の軍国主義的な価値観を持つかのような森友学園の依頼で講演し、教育方針を褒めたのは行き過ぎだ。中国、韓国との関係を損ねかねず、ファーストレディーとしてあってはならない」と断じる。「今後のあるべき首相夫人像を考えるうえでも、明恵夫人を国会に呼んで、本人のロから事実関係を語らせるべきだ」

 デスクメモ

昭恵さんのフェイスブックをのぞくと、経営者らに囲まれてニッコリとほほ笑む写真。本人のコメントは「昨晩はこんなメンバーに励まされ・・」。気の置けない仲間とのひとときは楽しいかもしれないが、やはり自らの口から説明するべきである。それが「アッキー流」ではないのか。(圭)2017・3・2

(写真)
瑞穂の國記念小學院のホームページから削除された安倍昭恵さんのあいさつ
トランプ米大統領との一連の外交日程を終えた米国から帰国し、羽田空港に到着した安倍首相。右は明恵夫人=2月13日

伊勢志摩サミットの国際メディアセンターを訪れた明恵夫人(右端)ら=昨年5月27日、三重県伊勢市で

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