3/7経営崖っぷち 仏原発アレバ 累積赤字1兆円超/三菱重工と原燃 出資大丈夫? 「重要なパートナー」計600億円/高すぎるリスク 東芝二の舞い懸念【東京新聞・特報】

やはり、次に潰れるのは三菱重工や原燃か。

関電の岩根社長や八木会長は、実は原発から撤退して太陽光発電に鞍替えしたくてたまらないんだろ思う。
先月アラブ首長国連邦の太陽光発電プロジェクトで、関電は1キロワット3円台なんて提示したから2円台の丸紅に持っていかれたとか。

♪これからの私たち 脱原発 他にないのよ♪(サントワマミー)

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経営崖っぷち 仏原発アレバ

  累積赤字1兆円超

    頼みはフランス政府

2017年3月7日【東京新聞・こちら特報部】

仏原子力大手アレバの昨年の純損益は6億6500万ユーロ(約800億円)の赤字だった。6年連続の赤字で、累積の損失は1兆円を超す。福島の事故以降、原発の建設で安全対策費が膨らみ、経営を圧迫している。そんなアレバに、三菱重工業と日本原燃が計約600億円を出資する。東芝が米子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の巨額の赤字に巻き込まれたように、経営難の波にのみ込まれる恐れはないのか-。 (安藤恭子、白名正和)

アレバは今月一日、二O一六年十二月期決算を発表した。一五年の二十億二千八百万ユーロ、一四年の四十八億三千四百万ユーロと比べれば減ったとはいえ、六億六千五百万ユーロの赤字は巨額だ。この赤字によって、六年間の累積赤字は百五億ユーロ(約一兆二千六百億円)に達した。

仏西部でO七年から建設が始まった「フランス電力(EDF)」のフラマンビル原発3号機。電源を喪失しても自動的に原子炉が停止する最新型の「欧州加圧水型原子炉(EPR)」の工事をアレバが手がけてきた。

この工事が遅れ、経費の増加がアレバにのしかかる。一一年の東京電力福島第一原発事故以降、安全対策の強化が求められるようになった。一二年の完成予定が遅れ、いまだに工事が続く。アレバはO五年から、フィンランド・オルキルオト原発3号機の工事も手がけるが、やはり完成が来年以降にずれ込んでいる。

大株主の仏政府は一五年、原子炉部門の「アレバNP」を、やはり仏政府系のEDFに売却することを決めた。その上で、四十五億ユーロの公的資金を注入し、アレバを燃料加工や使用済み核燃料の再処理を担う企業として再出発させることになった。

だが、EDFもまた、欧州連合(EU)内の電力自由化による競争激化などで経営が悪化中。仏政府はEDFにも昨年、経営支援のために三十億ユーロを拠出することで合意している。

「スリーマイル島、チェルノブイリ、福島と過酷事故が起きるたび、新たな安全対策が必要となり、原発新設は難しさを増している。それでも、フランスは原発依存度が75%と高く、すぐになくすわけにもいかない。政府が支援しないと成り立たないのが、フランスの原発の現況だ」。原子力資料情報室の松久保肇研究員はそう説明する。

松久保氏によると、アレバは一九五八年、民間の合弁会社として設立された。やがて出資の大半を仏政府が占めるようになる。フランスが「原発大国」としての道を進む中、ウラン採掘から原子炉開発、使用済み核燃料の再処理、廃炉まで手掛ける世界有数の原子力総合企業に成長していった。二O一五年の時点で、従業員数は約三万六千人。

だが、そのフランスも転機を迎えている。一五年、オランド政権は二五年までに原発依存度を50%に引き下げる「エネルギー転換法」を成立させた。フランス国内の原子力産業は縮小せざるを得ない。

となると、再出発するアレバが頼みとする使用済み核燃料の再処理車業はどうなるのか。既に大口顧客のドイツとイタリアは脱原発に舵を切った。一五年には千二百トンを再処理したが、残る顧客の日本が新たな委託をしない方針なので、事業規模は確実に縮小する。

松久保氏は「ウラン採掘など当面は黒字の事業もあるだろうが、東芝の巨額損失問題を見ても、世界の原発産業は先細り。離脱して廃炉ビジネスに注力する方が合理的ではないか」と話した。

三菱重工と原燃 出資大丈夫?

 「重要なパートナー」計600億円

   高すぎるリスク 東芝二の舞い懸念

そんなアレバに、三菱工業(東京都港区)と日本原燃(青森県六ケ所村)が、それぞれ約二億五千万ユーロの出資を決めている。

三菱重工の宮永俊一社長は二月、「アレバは当社の原子力事業にとっての重要なパートナー。出資を通じて、日仏の原子力産業界でより強固な関係を築き、原発の安全性と信頼性への貢献をより確実なものにできる」とのコメントを発表した。年内に出資を完了する予定のようだ。

それにしても、アレバは六年間で一兆円超の赤字を出している。不採算部門を切り離すとはいえ、出資が焦げ付く心配はないのか。

三菱重工の広報担当者は「今回の出資のスキーム(枠組み)は、アレバが直面しているリスクとは切り離したものとして進める」と答えた。今後の追加出資の可能性については、「仮定の話に答えるのは難しいが、いったん、これ(この額)までという考えだ」。

実は、アレバとの協力関係の始まりは三十年近く前にさかのぼる。一九九一年、使用済み核燃料再処理用の機器を製造、販売する合弁会社を設立した。二OO六年からは新型原子炉「ATMEA(アトメア)1」の開発を始め、O九年に基本設計を終えた。

三菱重工はアレバとともに、このアトメア1を世界各国に売り込んでいく予定だった。実際、一三年にはトルコで二基を受注する方向でまとまった。だが、正式な契約はまだだ。テロなど、安全面の問題などが影響しているとされる。

広報担当者は「事業化可能性の調査段階で、もう少し時間がかかる。流動的だが、契約は来年以降になるのではないか」と説明した。一基目の稼働開始は二三年とされていたが、「時期は順次、判断する」とした。

アトメア1はベトナムでの採用も一時、有力視されたが、昨年十一月、白紙撤回された。建設費が想定を上回り、放射性廃棄物の処理などが問題となった。アレバや東芝が原発新設で巨額の赤字に苦しむ状況をみると、結果としてはよかったのかもしれない。

出資するもう一社、原燃にも尋ねた。広報担当者は「当社の経営課題は再処理工場の操業開始。核燃サイクル事業でノウハウを有しているアレバとの関係強化は、操業の実現に向けたメリットになる」と説明した。リスクについては、「専門家のアドバイスを踏まえ、十分調査をして検討し、当社のメリットになると判断した」という。

確かに、原燃は一九九三年から再処理工場の建設を始めたが、トラブル続きで二十回以上、完成予定時期を先送りし、いまだに完成できていない。出資によって操業のめどが立つのか。「再処理工場は二O一八年度上期、MOX燃料加工工場は一九年度上期に竣工-しゅんこう-予定。漁業開始は地元と安全協定を結んでからになる」

東芝の原子力プラントの元設計技術者、後藤政志氏は「世界で最も原発を推進してきたアレバですら、政府の支援がないとやっていけない事態が、原発事業の現在を象徴している」と話す。アレバへの出資については、「国策会社だから、東芝とWHのようになるかは分からないが、事業がつまずくリスクはある。外へ外へという拡大戦略はしちゃいけない」。

原発のコストに詳しい大島堅一・立命館大教授(環境経済学)も「原発事故後、安全性に対するコストが高くなる中、原発は民間企業で担うことが難しくなっている。そこにあえて入っていくのはリスクが高く、手を引いた方がいいだろう」と指摘している。

デスクメモ

原発五十八を保有し、原子力産業に数十万人が従事する「原発大国」フランスが、高コストに苦しんでいる。日本はどうか。福島の事故後も、電力会社は老朽原発の安全対策費に巨額を投じている。原発でつくる電気は高いことを認めた上で、あらためて議論する必要がある。(文) 2017・3・7

アレバのパンフレット

フランス北西部で建設中のフラマンビル原発3号機=共同

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