3/15東芝、不正会計底なし 米原発子会社 損失拡大も/半導体売却唯一の望み【東京新聞・核心】東芝株、監理銘柄に指定 米原発事業から撤退方針【東京新聞・一面】東芝、海外原発撤退へ 決算再延期、米WH破綻処理検討【中日新聞・一面】

東芝、不正会計底なし 米原発子会社 損失拡大も

半導体売却唯一の望み

2017年3月15日【東京新聞・核心】

東芝の危機が混迷を深めている。十四日、米原発子会社のウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の不正で決算発表を再び延期した。WHの損失がさらに膨らむ恐れも浮上。とどまらぬ不正会計の悪循環は、東芝をさらに窮地に追い込み、綱渡りの経営が続く。 (伊藤弘喜、渥美龍太)=1面参照

決算発表の再延期の記者会見で唇をかむ東芝の綱川智社長=14日、東京都港区の同社で

「振り出しに戻ってしまった」。綱川智社長は十四日の会見で苦渋の表情を浮かべた。

混迷の元凶はWHだ。二O一五年末に米原発建設会社を買収したが、その後、同社が手掛ける原発工事のコストが増加。その影響で東芝は一六年四~十二月期に七千億円を超える巨額損失を計上する見込みだ。

さらにWHの一部経営者が部下に業績をごまかすため、不適切な圧力をかけたことが発覚した。一五年に不正会計問題が表沙汰になった東芝。依然、グループ内の管理体制が改善していないことをうかがわせた。

WH絡みの損失がこれ以上増えることを避けようと、東芝はWHから手を引くことを検討している。約九割を保有する株の売却は一案だが、「リスクがどれだけあるのかが見えないWHを買ってくれる人はいない」(アナリスト)。事業を整理するため、WHに関し米連邦破産法一一条(日本の民事再生法に相当)の申請も視野に入れる。

それでも懸念は残る。東芝が親会社としてWHに約八千億円の債務保証をしているからだ。WHが破産法の手続きに入った場合、原発の発注元の電力会社側が東芝に賠償請求を求める可能性がある。

頼みの綱は、稼ぎ頭の半導体メモリー事業だ。四月に「東芝メモリ」として分社化し、一兆円以上の高値での売却を目指す。だが出資に名乗りを上げているのは米国中国、台湾勢のみで国内には見当たらない。先端技術の流出を危ぶむ声が政府内からも上がるなど、売却がすんなり進むとは限らない。売却できたとしても、WHの損失で資金が吹き飛ぶ恐れもある。

東芝は今後の事業の柱を急成長は望めないインフラやさらなる投資が必要なITなどに求める考え。だが、新規事業に資金を充てる余裕はもう残っておらず、再建に向けた道筋は見えないままだ。

(図)東芝が目指す今後の姿

上場廃止要因 ①決算報告遅れ ②債務超過解消せず ③社内管理失敗

 Q&A

東芝が14日に予定していた決算の発表ができず、株山市場への上場が廃止される危機に陥っている。どういう場合、廃止になるのか。

(図)東芝、上場廃止の可能性も

Q 上場廃止の条件は?

A ある企業が投資家の信頼を失う行為を繰り返した場合です。東京証券取引所(東証)は、東芝上場廃止の原因になりうる要因として三点を挙げています。

Q 具体的には?

A 一つは決算報告の遅れ。当初二月十四日の予定でしたが、原発子会社内部に不正の疑いが浮上、一カ月延期しています。今回また期限通り提出できませんでした。四月十一日の次の期限を守れず再々延期も認められなかった場合、八営業日以内に決算報告できなければ廃止が決まります。関東財務局が再々延期を認めた例はありません。

Q ほかには?

A 財務問題です。東芝は当面、借金が保有資産を上回る債務超過に陥る公算です。一二月末で債務超過の場合、東証一部から二部に降格します。さらに一年間、債務超過を解消できなければ上場廃止されます。
もう一つは決算以外の要因。東証によって二O一五年九月、社内管理に問題がある企業を示す「特設注意市場銘柄」に指定されました。東芝は三月十五日に再発防止策を示した確認書を提出しますが、東証側が「改善していない」とみなせば上場廃止です。

Q 廃止された場合の株主への影響は?

A 株主にとっては市場で株式の取引ができなくなります。買ってくれる相手を見つけなければ、売って現金にすることが難しくなります。その時は安くしか買ってもらえない可能性もあります。東芝も新規の株式発行による資金調達が難しくなります。

 

東芝株、監理銘柄に指定 米原発事業から撤退方針

2017年3月15日 朝刊【東京新聞・経済】一面
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201703/CK2017031502000132.html

会見する東芝の綱川智社長=東京都港区で(隈崎稔樹撮影)

写真

経営再建中の東芝は十四日、二〇一六年四~十二月期連結決算の発表を再び延期した。米原子力事業での不正疑惑でさらに調査が必要になったため。東京証券取引所は十五日から同社株式を上場廃止の可能性がある「監理銘柄(審査中)」に指定し、同社を上場廃止にするか審査する。深刻な経営状況を踏まえ、東芝は業績悪化の要因である米国の原発子会社の経営から撤退する方針を明らかにした。 (吉田通夫)

東芝の米原子力子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)で、一六年十~十二月期にトップが業績をよく見せかけるため、部下に原発の建設コストを安く見積もるよう圧力をかけていた疑惑が浮上。東芝は先月十四日の決算を延期していた。だが、調査を委託していた法律事務所は、トップらが以前にも部下に圧力をかけていた疑いを指摘。東芝は新たな疑いを調査するため、発表を再延期した。

一五年に発覚した東芝の全社的な不正会計を受け、東証は同社を内部管理に問題がある「特設注意市場銘柄」に指定しており、十五日からは悪質性を最終的に見極める「監理銘柄」に指定する。

度重なる不正と決算発表延期を受け、東証は厳しく審査する方針とみられ、上場廃止の公算も出ている。財務省が承認した次回期限の四月十一日までに決算発表できない場合も上場廃止の可能性が高まる。

また東芝の綱川智社長はWH社の株式を売却し、グループから外す方針を表明。米連邦破産法一一条(日本の民事再生法に相当)についても「さまざまな選択を検討している」として、適用申請を考えていることを明らかにした。WH社は米国で原発四基を建設中だが、建設コストが想定を上回り一六年四~十二月期で七千百二十五億円の損失要因になっており、東芝は同社を子会社にし続ければ、損失がさらに拡大すると判断した。

WH社の売却や破産処理により、東芝の損失が拡大する可能性もある。同社は半導体事業の売却で財務状態を改善する考えだ。

 <監理銘柄> 証券取引所は上場廃止の恐れがある株式を「監理銘柄」に指定して投資家に注意を促す。「審査中」と「確認中」の2種類があり、不正会計といった社会的影響が大きいケースは「審査中」に指定される。四半期報告書の提出遅延などの事案は「確認中」となる。いずれも原因が解消されれば指定から外れる。監理銘柄となっても株式の売買は継続される。

 

東芝、海外原発撤退へ 決算再延期、米WH破綻処理検討

http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2017031502000058.html
2017年3月15日【中日新聞・一面】

経営再建中の東芝は十四日、米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)による米連邦破産法一一条の適用申請を選択肢として検討していると明らかにした。破綻処理により巨額の損失を出し続けている状況に歯止めをかけた上で、株式の過半数を二〇一七年度中に売却し、損失の悪影響が東芝本体に及ばないよう決算の連結対象から外す。国内の原発事業を維持する一方、海外からは実質的に撤退する方向だ。

この日に予定していた一六年四~十二月期連結決算を含む「四半期報告書」の提出を再延期し、新たな期限を四月十一日とした。東京証券取引所は一五年に発覚した不正会計問題を踏まえ、東芝株を上場廃止の恐れのある「監理銘柄」に十五日付で指定することを決めた。

東芝は監理銘柄の解除に向けた書類を東証に提出するが、決算の再延期で上場維持への悪影響は必至だ。

東芝の綱川智社長は東京都内の本社で記者会見し、破産法適用について「いろんな選択肢はある」と述べた。いったん破綻処理をすることで買い手の負担を軽くして売却を探るとみられる。決算再延期に対しては「深くおわびする」と謝罪した。

業績への影響に関して、二〇年三月期の連結売上高が四兆二千億円になるとの見通しを公表した。半導体事業の分社化や原発事業の縮小が響き、一七年三月期の予想売上高から一兆三千二百億円減少する。

一七年三月期末も負債が資産を上回る債務超過の見通しで、上場を維持したとしても東証二部への降格が確実な情勢だ。

東芝は十五日、取引銀行団に現状を説明し、四月以降の融資継続を要請する。

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