3/17高槻市長宛意見書【産廃焼却炉反対協議会】文字おこし

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「高槻市長宛 意見書」による文字おこし。
これで視覚障害者でも読みあげソフトによりこの文章を聞くことが可能となるはずだ。

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大阪府高槻市桃園町2番1号
高槻市長 濱田剛史殿
平成29年3月17日

産廃焼却炉反対協議会
代 表 上 田 博
住所 高槻市上牧
電話

意見書

拝啓 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は当協議会の活動にご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、都市クリエイト株式会社(以下、「都市クリエイト」といいます。)による、高槻市梶原中村町64 0 – 1他に建設計画中の産業廃棄物焼却発電設備の建設計画(以下、「本焼却場建設計画」といいます。)に対する当協議会の意見は、下記のとおりです。

何卒、ご斟酌賜りますようお願い申し上げます。

敬具

(意見の趣旨)

本焼却場建設計画は建築基準法51条ただし書の要件を満たしていませんので、即時撤回するよう都市クリエイトにご指導いただきますようお願い申し上げます。

(意見の理由)

第1 前提-本焼却場建設計画の概要

平成29年2月26日上牧公民館で行われた説明会において、都市クリエイトが提出した資料によれば、本焼却場建設計画の概要は次のとおりです。

1 事業の名称
都市クリエイト焼却発電設備新設事業

2 事業者の氏名
都市クリエイト

3 事業計画地
高槻市梶原中村町640-1他(以下、「本件計画地」と言います。)

4 計画工期
着工後14か月間(試運転期間3か月を含む)

5 事前審査申請項目

(1)産業廃棄物処理施設 設置新規許可

(2)産業廃棄物処分業 変更許可

(3)特別管理産業廃棄物処分業 新規許可

6 焼却発電プラント概要(以下、「本件焼却設備」と言います。)

(1)焼却処理能力  94.8トン/日(最大)
(2)焼却炉形状    ストーカ式
(3)発電量       770k W(最大)
(4)煙突高さ      約30m
(5)燃料         都市ガス
(6)プラント用水    井水(飲用水は上水)
(7)稼働時間      24時間/日 300日/年

7 営業目標品目

(1)産業廃棄物

燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、ゴムくず、金属くず、がれき類、ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず

(2)特別管理産業廃棄物

廃油、廃酸、廃アルカリ、医療廃棄物

第2 当協議会が本焼却場建設計画に反対する理由

当協議会は、貴職宛の平成29年3月9日付「産廃焼却炉対策協議会結成のお知らせ」と題する通知文でも明らかにしたとおり、本焼却場建設計画に断固として反対します。

その理由は、以下のとおりです。なお、反対理由は、以下の点に尽きるところではなく、以下は、反対理由の主たる一部に過ぎないことにご留意ください。

1 周辺住民に環境悪化や事故の危険に耐えることを強いるものであること

(1)本焼却場建設計画は、本件焼却設備が1日24時間、年300日稼働し、1日に70台もの産業廃棄物収集車が出入りする、とされています。

(2)本件焼却設備が稼働を始める前後で、周辺の環境(大気、水質、土壌、騒音、振動、臭気等)が、悪くなることはあっても、善くなる、ということはありえません。また、交通事故の危険が、高まることはあっても、減少する、ということはありえません。

本件焼却設備が稼働するようになると、近隣住民は、以降、日常的に、大気環境の悪化、水質環境の悪化、土壌環境の悪化、騒音、振動、臭気の問題に悩まされるようになることは確実です。

また、1日70台もの産業廃棄物の大型収集車が本件計画地の周辺道路を往来するようになることで、排気ガス等による更なる大気汚染を招き、交通渋滞を引き起こし、周辺住民が交通事故に遭う危険を高めることも確実です。

(3)それゆえ、周辺住民は、本焼却場建設計画によって、周辺環境の悪化やそれによる健康被害及び生活上の不便、これらによる精神的負担に向き合わされることを強いられるようになります。

また、周辺住民は、日常の稼働運転による被害のみならず、本件焼却設備、産業廃棄物の保管場所、収集運搬車両で事故が起こった場合に、当該事故に巻き込まれる危険や、その精神的負担に向き合わされることを強いられることになります。

つまり、本焼却場建設計画は、周辺住民の生活環境を改善するものではありえず、確実に生活環境を悪化させるものであること、周辺住民に、それに耐えることを強いる計画なのです。

(4)以上のことは、本件焼却設備から排出される物質が法定の基準値を満たしているか否かに関係しません。

なぜなら、①たとえ法定基準値以内であっても、ばいじん、硫黄酸化物、塩化水素、窒素酸化物、ダイオキシン類等、人体に有害な物質が排出されていることに変わりがないこと、②これらの有害物質の排出量が法定基準値の範囲内であるからといって、絶対に安全であるとか、子や孫の世代にもまったく影響がない、などとは現在の科学技術をもってしても断言することはできないこと、③これらの有害物質は常時排出されるものであること、本件焼却設備の運転管理は人為作業であること、都市クリエイトが営利企業であること等の事情からすれば、有害物質の排出量が法的基準値を超えないよう、24時間・365日、本件焼却設備を適正に運転管理することができる、とは到底信頼できないし、実際法的基準値を超える有害物質が排出されることもあるだろうこと、④にもかかわらず、都市クリエイトの運転管理や排出される有害物質を、周辺住民が24時間・365日モニタリングする手段が存在しないこと、⑤実際に産業廃棄物処理場が建設された後は、事業者と周辺住民との間の衝突、確執が絶えないこと、多くの周辺住民が忍耐を強いられている、という現実が経験則上実証されていること、⑥後述するとおり、本焼却場建設計画は、通常の産業廃棄物の危険を超える特別管理産業廃棄物をも広域から収集して、保管し、順次焼却処理する計画であるところ、収集、保管の過程における危険や、産業廃棄物運搬車両の往来の危険は、有害物質の排出量が法定基準値の範囲内であるか否かは関係がないこと、等をその理由として挙げることができます。

2 本件計画地が、それを中心とする1キロメートル圏内に、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校が計10か所存在すること

上述のとおり、産業廃棄物焼却場が建設されるとなれば、ただでさえ周辺住民は、環境の悪化や事故の危険にさらされ、生活上の不便や精神的負担を強いられるにもかかわらず、本件計画地は、それを中心とする1キロメートル圏内に、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校が計10か所も存在しています。これにより、上述の健康被害や事故に巻き込まれる危険に、次代を担う子どもたちが日常的にさらされることになります。本焼却場建設計画は、あえて、子どもたちが学び集う場所が10か所も集中するエリアの中心に、産業廃棄物焼却場を建設しようというものであって、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校に通う子ども等に環境悪化や事故の危険にさらすことを強いるとともに、子どもや孫の健やかな成長を願う父母や祖父母に多大な精神的負担を強いる計画と言わざるを得ません。

3 本件焼却場建設計画は、特別管理産業廃棄物を収集、保管、焼却することが計画されていること

さらに特筆すべきは、本件焼却場建設計画が、通常の産業廃棄物のみならず、特別管理産業廃棄物を取り扱うことが予定されている点です。

特別管理産業廃棄物とは、「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する」産業廃棄物のことです。

廃油(揮発油類、灯油類、軽油類)、廃酸(著しい腐食性を有するpH2.0以下の廃酸)、廃アルカリ(著しい腐食性を有するpH12.5以上の廃アルカリ)、感染性産業廃棄物(医療機関等から排出される産業廃棄物であって、感染性病原体が含まれ若しくは付着しているおそれのあるもの)が、特別管理産業廃棄物に含まれます。

本焼却場建設計画は、このような危険な産業廃棄物を広域から収集して、保管し、順次焼却処理しようというものです。

焼却施設、保管場所、収集運搬車両に万一の事故が発生すれば、爆発、毒物の流出・拡散、感染性病原菌の蔓延等、周辺環境や周辺住民に、回復不可能で、深刻かつ重大な被害を与えることになります。

よって、本焼却場建設計画は、周辺住民に、日常的に、通常の廃棄物処理場の場合を超える危険に直面させるものであって、それによる周辺住民の恐怖、不安等の精神的負担は甚大です。

特に、本件計画地周辺の保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校に子どもや孫を通わせる父母や祖父母の恐怖、不安は顕著であって、本焼却場建設計画は、子育て世代の父母や祖父母に重い精神的負担を日常的に強いるものと言わざるを得ません。

4 水害、地震等の自然災害の危険

本件焼却設備の運転事故、産業廃棄物運搬車両の交通事故などの人為による事故のみならず、水害や地震などの自然災害による事故の危険も存在します。後述するように、本件計画地は、①有馬―高槻断層が近くに走る位置にあり、②ハザードマップで、5メートル以上水没する地域とされています。

わたしたちは、東日本大震災で東北沿岸地域を襲った津波や、茨城県常総市の鬼怒川の堤防決壊によって、自然災害とは人間の想定をはるかに超えて起こるものであることを経験として知っています。集中豪雨によって、檜尾川が氾濫危険水位に達したことが近年に複数回あることは、周辺住民の記憶に新しいところです。

また、われわれは、福島第一原子力発電所のメルトダウン事故によって、これまで絶対安全と言われてきた原子力発電所が制御不能となり、放射能が地域一帯に大量にまき散らされ、周辺住民の生活に回復不可能で、著しく重大かつ深刻な被害をもたらした事実を目の当たりにしてきました。本焼却場建設計画は、いつ来るかも知れない自然災害によって、本件焼却設備や(特別)産業廃棄物運搬収集車に、万が一にでも事故がおこった場合は、周辺住民に回復不可能で著しく重大かつ深刻な被害をもたらす危険な計画なのです。

5 小結

以上のとおり、本件焼却場建設計画は、周辺住民に環境悪化や事故の危険に耐えることを強いるものであること、本件計画地がそれを中心とする1キロメートル圏内に、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校が計10か所存在すること、特別管理産業廃棄物を収集、保管、焼却することが計画されていることにより周辺住民に対する危険および不安が顕著なものとなること、人為事故のみならず、水害、地震等の自然災害の危険があること等の事情から、本焼却場建設計画は、周辺住民の、これまでの安全で健康的な生活を根本から覆す危険な計画であると言わざるを得ず、当協議会は、周辺住民の安全と健康、次代を担う子や孫らの明るい未来のために、本焼却場建設計画に断固として反対するものであります。

第3 本焼却場建設計画が建築基準法51条ただし書の許可条件を充たさないこと

1 建築基準法51条

(1)建築基準法51条は、本文で、本焼却場建設計画のような産業廃棄物焼却場の場合、原則として、都市計画においてその敷地の位置が決定していなければ建設できない、と規定し、他方ただし書きで、その例外として、高槻市が同市都市計画審議会の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合は、当該敷地の位置で産業廃棄物焼却場を建設することができる、と規定しています。

(2)本件は、例外として、高槻市によって同条ただし書きの許可が得られるかが問題となるケースです。

この点、高槻市都市創造部審査指導課は、同条ただし書に基づき建設を許可する場合の基準として、「建築基準法第51条ただし書きの規定による許可に関する基準」(平成16年1月28日制定、平成28年6月30日昀終改正。以下、「本件基準」といいます。)を定めています。

(3)当協議会は、都市創.部審査指導課が定めた本件基準が、建築基準法51条ただし書の「その敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合」という要件を適正に基準化したものと承認するものではありません。

しかしながら、仮に本焼却場建設計画に、本件基準をそのまま適用した場合であっても、以下に見るとおり、本焼却場建設計画は、本件基準に適合しないことは明らかです。

2 「高槻市総合計画、都市マスタープラン等との整合が図られていること」の要件を充たさないこと

(1)基準の内容

本件基準では、本焼却場建設計画が「高槻市総合計画、都市マスタープラン等との整合が図られていること」という要件を満たすことが必要とされています(本件基準「3」「位置の基準」「(6)」参照)。

(2)高槻市総合計画(第5次高槻市総合計画)に整合しないこと

ア 高槻市総合計画の内容

高槻市は、市の昀上位に位置づけられる、まちづくりの指針となる計画として、高槻市総合戦略プラン(第5次高槻市総合計画)を制定しています。

高槻市の「まちづくり」についての「基本構想」が立てられ、それを実現するための「重点目標」、「基本目標」が掲げられています。

第5次高槻市総合計画においては、「基本構想」として、平成32年度(2020年度)に実現されるべき、「将来の都市像」が掲げられ、次の6つの「まち」が実現することを目指す、とされています。

①憩いの空間で快適に暮らせるまち
②ともに支え合う安全・安心のまち
③子育て・教育の環境が整ったまち
④行き交う人々でにぎわう魅力あるまち
⑤都市の特長を利用した活力あるまち
⑥地域に元気があって市民が誇れるまち

「基本構想」である、上記の6つの将来の都市像の実現に向けて、高槻市は、以下のとおり2つの「重点目標」を定めています。

重点目標(1)「次代を担う世代が住みたいと思うまちをつくる

1「憩いの空間で快適に暮らせるまち」とは、「都会としての高い利便性を有しつつ、憩いと潤いに恵まれた良好な自然環境・住環境が保たれています。このような環境の下、人々が快適に暮らせるまちになっています。また、市外の人々にとって、本市に住みたいと思われるような調和のとれた風格のあるまち」と説明されています。

2「子育て・教育の環境が整ったまち」とは、「若い世代のニーズに応え、子育て支援や教育の更なる充実が図られており、子どもたちが健やかにのびのびと育ち、お互いに高め合いながら、学べるようなまちになっています。全国的に人口が減少し、少子高齢化が進行していく中、子育てをするなら高槻市という都市イメージが確立し、特に若い世代にとっても、魅力あるまち」と説明されています。

3「行き交う人々でにぎわう魅力あるまち」とは、「本市の有する歴史・文化や緑あふれる自然環境などを活用し、その魅力を発信することで、にぎわいのあるまちとして広く知られ、国内外から多くの人々が何度も訪れるようなまち」、「にぎわいのある場所に出掛けたり、緑あふれる場所で健康増進を図ったりするなど、市民が市内で余暇を十分に楽しめるまち」と説明されています。

 

「次代を担う世代が居住するに当たって、魅力的な環境が整備され」、その結果、「次代を担う世代にとって住みたい、住み続けたいと思う魅力のあるまち」となることを目指す、とされています。

そのための「基本方針」として、①次代を担う世代をひきつける様々な施策を一層充実するとともに、それらの施策を市内外に積極的にアピールする。②次代を担う世代が住みやすい住環境づくりを促進する、ことが掲げられています。

 

重点目標(2)「誰もが安心して生活できるまちをつくる

病気、事故、犯罪など日常生活における危険(リスク)の昀小化が図られており」万が一、危険な状況に遭遇した場合においても、「行政、市民、事業者がそれぞれ協力し、迅.で適切な対応を取ることができており、昀小限の被害にとどめることができてい」る、その結果、「子どもから高齢者までのあらゆる市民が、健康に安心して暮らすことができ」る、まちを目指す、とされています。

イ 本焼却場建設計画が高槻市総合計画と整合していないこと

(ア)上述のとおり、本焼却場建設計画は、周辺住民の、これまでの安全で健康的な生活を根本から覆す危険な計画であり、子や孫らの健やかな成長を願う父母や祖父母を不安に陥れる計画であることから、「次代を担う世代が住みたいと思うまちをつくる」との重点目標とは正反対の計画と言えます。本焼却場建設計画が許可されてしまえば、それ自体で、周辺住民が居住する高槻東地域は、「次代を担う世代が住みたいと思うまち」ではなくなります。近隣に本件焼却設備が建設されることは、「次代を担う世代が居住するに当たって、魅力的な環境が整備され」ることとは正反対の環境をつくりあげることにほかならず、高槻東地域が「次代を担う世代にとって住みたい、住み続けたいと思う魅力のあるまち」とはかけ離れてしまうことは明らかです。

また、本焼却場建設計画の許可は、周辺住民にとって、「①次代を担う世代をひきつける」施策ではありえず、「②次代を担う世代が住みやすい住環境づくりを促進」していることにもなりません。本焼却場建設計画を許可してしまうことは、これらの基本方針と根本的に相容れない施策、ということになります。

これは、決して本件計画地の周辺住民が居住する高槻東地域に限定した話ではありません。本焼却場建設計画が許可されてしまえば、子育て世代に対する高槻市全体のイメージダウンは避けがたく、他でいくら「次代を担う世代をひきつける」施策や「次代を担う世代が住みやすい住環境づくりを促進」する施策を実施したとしても、子育て世代が高槻市に移転し、定住したいと思うことはありえません。

(イ)次に、本焼却場建設計画は、周辺住民を危険にさらし不安にさせる計画であることから、同計画が許可されることは、「誰もが安心して生活できるまちをつくる」という重点目標に、まっこう反する結果となります。

上述のとおり、本焼却場建設計画は、特別管理産業廃棄物を扱うものであるため、同計画を許可することは、「病気、事故(中略)など日常生活における危険(リスク)の昀小化」を図るどころか、そのような危険を増大させるものです。万が一事故が起こった場合は、周辺住民に回復不可能で著しく重大かつ深刻な被害を招くこととなるため、同計画を許可することは、「万が一、危険な状況に遭遇した場合においても、(中略)昀小限の被害にとどめる」との方針とは、根本的に相容れないものです。

同計画が許可されてしまえば、幼児、子どもから大人、高齢者までのあらゆる市民が健康被害におびえながら不安の日々を送ることを強いられるため、同計画の許可は、「子どもから高齢者までのあらゆる市民が、健康に安心して暮らすことができ」る、まちとは正反対の結果を招くこととなります。

ウ このように本焼却場建設計画は、(第5次)高槻市総合計画とは、まったく整合していないことは明らかです。

それは設備や仕様を修正すれば整合する、というレベルのものではなく、都市クリエイトの計画が本件計画地で産業廃棄物焼却施設を建設する、という内容のものである限り、高槻市総合計画とは根本的に相容れない、完全に矛盾する内容となっています。

したがって、本焼却場建設計画は、白紙撤回されざるをえないものと思料いたします。

(3)都市マスタープランに整合しないこと

ア 都市マスタープランの内容

(ア)高槻市は、平成32年度を目標年次とした前述の第5次高槻市総合計画のまちづくりを具体化していくものとして、平成23年に「高槻市都市計画マスタープラン」という、新しい都市マスタープランを策定しています。

同プランは、都市計画法第18条の2の規定に基づく「市町村の都市計画に関する基本的な方針」に該当するものと位置付けられるものです。

その基本理念は、「住みたい、住み続けたい、訪れたい都市(まち) たかつき」とされ、基本目標として、以下の目標が掲げられています。
・環境にやさしく快適に住み続けられる都市
・人にやさしく安全・安心に暮らせる都市
・活き活きとした交流を支える風格と魅力ある都市
・市民とともにつくりあげる質の高いまちづくり

(イ)本件計画地を含む地域は、高槻東地域とされるところ、その「地域の課題」として、

①新名神高.道路の供用にあわせて整備される(都)十三高槻線や(仮称)高槻東道路の沿道については、道路整備にともなって開発の機運が高まることが予想される。そのために無秩序な開発の抑制と計画的なまちづくりへの取組が必要

②まとまりのある優良な農地があり、これらを保全していくことが必要

③淀川の水辺は、河川と農地、集落が調和した、良好な田園風景が広がっており、これらの保全を図りつつ市民が自然に親しむ場としての活用が望まれる、

ことが挙げられています。

(ウ)「地域の目標」として

①「広域交流拠点との連携強化と幹線道路沿道における適切な土地利用への規制・誘導」が掲げられ、(都)十三高槻線や(仮称)高槻東道路の整備の促進による、広域幹線道路ネットワークや広域交流拠点へのアクセス機能を強化するとともに、これらの幹線道路沿道においては、無秩序な開発を抑制し周辺環境に配慮した計画的な土地利用への規制・誘導を図ること、

②「良好な農地の保全・活用」が掲げられ、まとまりのある優良な農地については、積極的に保全・活用を図ること、

等が挙げられています。

(エ)「都市整備の方針」として、

①「土地利用」については、まとまりのある優良な農地については、保全を基本としながら、無秩序な市街化を抑制し、地域の特性に合った計画的な土地利用への規制・誘導を図ること

②「都市施設等」については、良質なヨシ原が自生する淀川河川公園の利用を促進すること、等

③「自然環境の保全等」については、

・まとまりのある優良な農地については積極的に保全を図ること
・沿川の地域づくりと調和した水辺空間として環境整備を推進すること
・内ヶ池の整備により、水辺空間に親しめる空間としての活用を図ること
が、それぞれ掲げられています。

イ 本焼却場建設計画が都市マスタープランと整合しないこと

(ア)前述のとおり、本焼却場建設計画は、周辺住民の、これまでの安全で健康的な生活を根本から覆す危険な計画であり、子や孫らの健やかな成長を願う父母や祖父母を不安に陥れる計画であることから、「住みたい、住み続けたい、訪れたい都市(まち) たかつき」との基本理念とは、根本的に相容れません。また、「・環境にやさしく快適に住み続けられる都市」、「・人にやさしく安全・安心に暮らせる都市」といった基本目標とも、正反対の計画と言えます。

(イ)本件計画地は、国道171号に面しており、また、新名神高速道路の高架にも隣接する位置にあります。よって、「無秩序な開発を抑制し周辺環境に配慮した計画的な土地利用への規制・誘導を図ること」が「地域の目標」とされ、「都市整備の方針」の「土地利用」においても、「まとまりのある優良な農地については、保全を基本としながら、無秩序な市街化を抑制し、地域の特性に合った計画的な土地利用への規制・誘導を図る」とされているところです。この点、本件計画地の周辺には、まとまった田畑が存在するところ、本件焼却設備が建設されると、有害物質の飛散・蓄積や風評被害などにより、農作が困難となるおそれがあります。よって、本焼却場建設計画は、「地域の目標」や、「都市整備の方針」の「土地利用」・「自然環境の保全等」でうたわれている「まとまりのある優良な農地については、積極的に保全・活用を図」るという目標・方針に明確に反します。

また、本焼却場建設計画は、周辺環境の悪化や事故の危険により周辺住民を危険にさらし不安にさせる計画であることから、本焼却場建設計画を許可することは、「周辺環境」への「配慮」が欠如した、まさに「無秩序な開発」「無秩序な市街化」、無計画な土地利用、と言わざるを得ません。

よって、本焼却場建設計画を許可することは、「幹線道路沿道においては、無秩序な開発を抑制し周辺環境に配慮した計画的な土地利用への規制・誘導を図」るという「地域の目標」や、「まとまりのある優良な農地については、保全を基本としながら、無秩序な市街化を抑制し、地域の特性に合った計画的な土地利用への規制・誘導を図る」という「都市整備の方針」に明確に反します。

(ウ)都市クリエイトが国道171号沿道を中心に複数のリサイクルプラントを開設し、都市計画に位置づけられていない複数の産業廃棄物処理施設を建設してきた現状をみると、高槻市はこれまで、適正に建築基準法第51条ただし書きに基づき、計画的な土地利用への規制・誘導してきたと言うことはできません。

高槻東地域においては、新名神高.道路の整備によって今後周辺環境の大きな変化が予測されるため、高槻市は、これまで以上に、都市マスタープランに基づいて「無秩序な開発を抑制し周辺環境に配慮した計画的な土地利用への規制・誘導」を行わなければならないはずです。

さらに、今回都市クリエイトによって計画されている産業廃棄物処理施設は、産業廃棄物「焼却場」であって、「特別管理産業廃棄物」を焼却処理しようというものです。これまでの産業廃棄物処理施設とは、周辺環境に与える影響の大きさに格段の差があります。高槻市によって土地利用の規制・誘導がなされるべき必要性が極めて高い計画と言えます。

万が一、施設の特殊性や地域の特性を無視した画一的な基準に基づき、今回設置を許可した場合は、周辺に第2、第3の施設が計画された際に、高槻市として許可せざるを得なくなる状況に陥る可能性が高く、それは即ち、都市マスタープランにも明記されている、抑制しなければならない「無秩序な開発」以外の何物でもありません。

よって、高槻市総合計画や都市マスタープランに基づき、本焼却場建設計画に対して適正な行政指導をして、開発許可の申請を取りやめさせることが高槻市の求められる適切な措置と思料されます。

(エ)本件計画地は内ヶ池に隣接しているところ、本焼却場建設計画が許可されれば、内ヶ池は、周辺環境の悪化や景観の悪化により、水辺空間に親しめる空間とは程遠い空間になることが明らかです。よって、本焼却場建設計画は、「都市整備の方針」の「自然環境の保全等」でうたわれている「内ヶ池の整備により、水辺空間に親しめる空間としての活用を図」るとの方針に明確に反します。

(オ)本件計画地の近くには、鵜殿のヨシ原があります。鵜殿に生えるヨシは、古くから雅楽の篳篥(ひちりき)の蘆舌として使用されており、今でも宮内庁楽部で使われている蘆舌は、すべて鵜殿産のヨシで作られております。本焼却場建設計画が許可されると、ヨシの自生環境に影響し、ヨシ原が減少ないし滅失するおそれがあります。このような状況は、「良質なヨシ原が自生する淀川河川公園の利用を促進」するという「都市施設等」の「都市整備の方針」に反します。ウ以上とおり、本焼却場建設計画は、都市マスタープランとまったく整合していないことは明らかです。高槻市総合計画で述べたところと同様、それは設備や仕様を修正すれば整合する、というレベルのものではなく、都市クリエイトの計画が本件計画地で産業廃棄物焼却施設を建設する、という内容のものである限り、都市マスタープランとは根本的に相容れない、完全に矛盾する内容となっています。したがって、本焼却場建設計画は、白紙撤回されざるをえないものと思料いたします。

(4)まとめ

以上のとおり、本焼却場建設計画は、本件基準のうち、「高槻市総合計画、都市マスタープラン等との整合が図られていること」の要件を充たさないことは明白です。よって、本焼却場建設計画は、建築基準法51条ただし書の要件を満たさないことから、新設することが許されないことは明らかです。

3「災害の発生する恐れの高い区域に位置しないこと」の要件を満たさないこと

(1)基準の内容

本件基準では、本焼却場建設計画が「災害の発生する恐れの高い区域に位置しないこと」という要件を満たすことが必要とされています(本件基準「3」「位置の基準」「(5)」参照)。

(2)本件計画地は災害の発生する恐れが高い区域にあること

前述のとおり、本件計画地は、①有馬―高槻断層が近くに走る位置にあり、②淀川の氾濫により過去に何度も浸水を経験している地域であり、③ハザードマップで、5メートル以上水没する地域とされています。④集中豪雨によって、檜尾川が氾濫危険水位に達したことが近年に複数回あることは、周辺住民の記憶に新しいところです。

前述のとおり、本件焼却設備は、廃油、廃酸、廃アルカリ、感染性医療廃棄物を含む特別管理産業廃棄物を収集、保管、焼却処理する計画となっており、本件計画地がひとたび浸水すると、これらの有害物質の流出の危険性が極めて高く、周辺住民の健康被害はもちろん、周辺や下流域における土壌、水質、農作物等、その影響は甚大なものとなる恐れがあります。

よって、本件計画地は、災害の発生する恐れが高い区域にある、と言わざるを得ません。

(3)まとめ

以上より、本焼却場建設計画は、本件基準の「災害の発生する恐れの高い区域に位置しないこと」の要件を満たさず、建築基準法51条ただし書の要件を満たさないことから、新設することは許されません。

4 特定の「施設の敷地及び住宅集合地域からおおむね100m以内の区域に位置しないこと」の要件を満たさないこと

(1)基準の内容

本件基準では、「次に示す生活環境の保全について適正な配慮が必要であると認められる施設の敷地及び住宅集合地域からおおむね100m以内の区域に位置しないこと」という要件を満たすことが必要とされています(本件基準「3」「位置の基準」「(3)」参照)。

「次に示す(中略)施設」として、以下の施設が挙げられています。

①公園、緑地、広場、墓園その他の公共空地
②学校、図書館、研究施設その他の教育文化施設
③病院、保育所その他の医療施設又は社会福祉施設

(2)内ヶ池周辺は、①「その他の公共空地」または②「その他の教育文化施設」に該当すること

本件計画地は、都市マスタープランの地域別構想(高槻東地域)にも明確に位置づけられている内ヶ池に隣接しています。内ヶ池においては、以前より地元小学校、地元地域、市民環境団体、高槻市、大阪府による環境学習が行われるなど、地域における幅広い活動の場、公共空間としての役割を果たしています。遊歩道整備が完了した今後は、水辺に親しめる空間としての更なる活用が大いに期待されています。

よって、内ヶ池周辺は、①「その他の公共空地」または②「その他の教育文化施設」に該当すると考えることができます。

(3)まとめ

以上より、本件計画地は、内ヶ池周辺という「その他の公共空地」または「その他の教育文化施設」に該当する場所に隣接しており、「おおむね100m以内の区域に位置しないこと」という要件を満たしません。よって、本焼却場建設計画は、特定の「施設の敷地(中略)からおおむね100m以内の区域に位置しないこと」の要件を満たさず、建築基準法51条ただし書の要件を満たしません。

5 「史跡、名勝その他の国、大阪府及び本市において文化財保護上保全を必要とする区域に位置しないこと」の要件を満たさないこと

(1)前述のとおり、本件計画地の近くには鵜殿のヨシ原があり、鵜殿のヨシは他の物より繊維の密度が高いため音色が独特であるとされ、今でも宮内庁楽部で使われている蘆舌は、すべて鵜殿産のヨシで作られています。このように、鵜殿のヨシは、他に代替できるものでないことから、「文化財保護上保全を必要とする」ものと解釈すべきです。

そして、本焼却場建設計画は、鵜殿のヨシの育成に影響を与えるおそれがあることから、本件計画地は、「文化財保護上保全を必要とする区域に位置する」に該当すると解すべきです。

(2)よって、本焼却場建設計画は、「史跡、名勝その他の国、大阪府及び本市において文化財保護上保全を必要とする区域に位置しないこと」の要件を満たさず、建築基準法51条ただし書の要件を満たさないことから、新設することは許されません。

 

6 工業系の用途地域及び100メートルとの距離基準の要件は、形式的に判断されるべきではなく、総合的・実質的に判断されるべきこと

(1)基準の内容

本件基準では、「工業系の用途地域に位置し、住居系及び商業系の用途地域から100m以内に位置しないこと」という要件(本件基準「3」「位置の基準」「(2)」参照)や、前述の、特定の「施設の敷地及び住宅集合地域からおおむね100m以内の区域に位置しないこと」という要件があります。

(2)地域特性や本焼却場建設計画の特殊性を考慮して、総合的・実質的に判断すべきこと

この点、本件計画地は国道171号沿道の準工業地域内に位置しており、形式上は「工業系の用途地域」に属します。また、本件計画地は、「住居系及び商業系の用途地域から100m以内に位置」しません。また、前述のとおり、内ヶ池周辺が「その他の公共空地」または「その他の教育文化施設」に該当することを除けば、本件計画地は、他の「施設の敷地及び住宅集合地域からおおむね100m以内の区域に位置」しません。

しかし、本件計画地は、後背の市街化調整区域に隣接しており、都市マスタープランの地域別構想(高槻東地域)「地域の特性」に記載のとおり、本件計画地周辺は、北摂連山と淀川に挟まれ、周囲には古くからある集落と田園が広がる地域であることに求められるのであり、いわゆる「工業系の用途地域」とは意味合いが全く異なる地域であることは明白です。

一方、大阪及び京都府下にある他の産業廃棄物焼却施設は、工業地域や工業専用地域を中心に工業系の土地利用が面的に広がる地域(臨海部や山間部の工業団地等)の中に立地しており、本件計画地とは地域特性が大きく異なります。

また、本件計画地からおおむね500m内外に公立保育所・民間認定こども園が2箇所、公立幼稚園が2箇所、公立小学校が2箇所、その外側には民間保育園が2箇所、公立中学校が1箇所、私立中学校・高等学校が1箇所立地し、100m以内には位置していないものの、本件計画地を取り巻くように教育文化施設、社会福祉施設が多数立地しております。逆の見方をすれば、これらの教育文化施設等を中心に本件計画地があると言えます。本件計画地は、地域活動の中心施設である五領公民館が近くに立地していることからもわかるように、高槻東地域の中心に位置しています。住宅集合地域についても、上記施設と同様に、全方位に存在しています。

さらに、前述のとおり、このような地域特性を有する本件計画地に建設されることが計画されているのは、「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する」特定管理産業廃棄物を収集、保管、焼却する施設です。

よって、本焼却場建設計画の判断にあたっては、本件計画地が形式上「工業系の用途地域に位置」しているとか、「住居系及び商業系の用途地域から100m以内に位置」していないとか、他の「施設の敷地及び住宅集合地域からおおむね100m以内の区域に位置」していない、などという画一的な基準に合致しているか否かを形式的に判断することは妥当ではありません。

地域の特性や本焼却場建設計画の特殊性、その他の事情を十分に考慮した上で、総合的・実質的に判断するべきです。

なお、他の自治体の基準を見ると、本件のような産業廃棄物処理場の建設は、準工業地域を除いた、工業地域か工業専用地域内に限るとしている自治体が数多くあります。準工業地域は都市計画法において「主として環境の悪化をもたらす恐れのない工業の利便を増進するため定める地域」と定義されますが、一般には、危険性、環境悪化が大きくない軽工業の工場や住宅、店舗、サービス施設等が混在する地域であり、産業廃棄物処理施設の位置としてはふさわしくないとの判断によるものと考えられます。中には処理施設の種別ごとに基準を設け、特に周辺環境への影響が大きい焼却施設や特別管理産業廃棄物の処理施設について、さらに厳しい制限を課している自治体もあります。このような他の自治体の情勢を考慮しても、「次代を担う世代が居住するに当たって、魅力的な環境が整備」され、「次代を担う世代にとって住みたい、住み続けたいと思う魅力のあるまち」となることを標榜する高槻市が、本焼却場件建設計画の許可如何を判断するにあたって、住宅と工場が混在する準工業地域での計画を許容し、処理施設の種別によらない画一的な基準を形式的に適用して、本件計画地の地域特性や本焼却場建設計画の特殊性等の事情を踏まえずに形式的な判断をすることは許されないと思料いたします。

(3)まとめ

以上によれば、本件計画地周辺の地域特性や本焼却場建設計画の特殊性から、本焼却場建設計画は、総合的・実質的に判断すべきであり、高槻市総合計画および都市マスタープラン等を考慮して総合的・実質的に判断すれば、本焼却場建設計画は、建設基準法51条ただし書の要件に該当するとして、許可されるべきものでないことは明らかです。

7 結論

以上で検討したとおり、本焼却場建設計画は、本件基準に反することは明らかです。もとより本焼却場建設計画は、「その敷地の位置が都市計画上支障がないと認め」ることが許されない計画であることは明らかですから、建築基準法51条ただし書の要件を満たさないことは明白です。よって、冒頭の意見の趣旨に記載のとおり、高槻市は、直ちに、本焼却場建設計画を即時撤回するよう都市クリエイトにご指導いただきますようお願いする次第です。

以上

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