3/22原発、安保法制そして共謀罪に「ノー」 路上の民主主義は今/諦めない 新たな風も【東京新聞・特報】

高槻にも新たな風が吹いているのを感じるのは私だけではないだろう。
3/20の上牧産廃焼却炉の都市クリエイトの住民説明会に昼の部に周辺住民が1000人、夜の部に250人も集まったという。
金儲けの亡者、都市クリエイトのしようとしていることは「今だけカネだけ自分だけ」という、この恥ずべき国や電力会社のやっていることと同じだと、すでに高槻市民の一部は気が付いているんだ。事故をおこして大惨事になっても責任を取らないだろうことも気づいているんだから。

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原発、安保法制そして共謀罪に「ノー」 路上の民主主義は今

 諦めない 新たな風も

2017年3月22日【東京新聞・こちら特報部】

 

再び路上で「安倍政権ノー」の声が大きくなりつつある。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の日報隠し疑惑、学校法人「森友学園」の国有地売却問題、そして二十一日に閣議決定された「共謀罪」法案。振り返れば、首相官邸前の脱原発デモは再稼働を止められず、国会周辺に押し寄せた安保法制反対の人波も「安倍一強」の前にはね返された。なるほど、社会はそう簡単には変わらない。でも諦めない。闘い続ける「路上の民主主義」の今を追った。 (佐藤大、池田悌一)

 

二十一日朝、官邸前で開かれた「共謀罪」閣議決定に反対する集会。そぼ降る雨の中、約三百人(主催者発表)が「憲法違反の共謀罪反対」「安倍政権は憲法守れ」などとシュプレヒコールを上げた。

「私たちが怒りの声を上げ、怒りのプラカード、横断幕を掲げていることを官邸は心すべきだ。全国には多くの仲間がいる」

最後にマイクを握ったのが、集会を共催した「戦争させない・9条懐すな『総がかり行動実行委員会」の共同代表で市民運動家の高田健さん(七二)である。福島原発事故後は脱原発運動を主導。安保法制をめぐっては、学生グループ「SEALDS(シールズ)」などと連携し、国会周辺で大規模な抗議行動を展開した。しかし、関連法案はニO一五年九月に成立した。

運動が結実したとは言い難いが、高田さんは「運動がしぼんだとは全く思っていない」と強調する。「確かに最終的には負けたけれども、多くの市民が運動に参加するようになったことは大きい。市民運動と野党の共闘も進んだ。確実に市民社会の運動の意識は変わってきている」

参加者の意識はどうか。公務員の久保博夫さん(六六)=神奈川県大和市=は、特定秘密保護法の廃止運動などにかかわってきた。共謀罪について「危険性が一般の市民にはまだ十分には浸透していない」と認めた上で、「金田勝年法相の迷走する答弁などで共謀罪の審議入りは遅れている。この問題はそう簡単に終わらない。SNSなどを使って市民に浸透させるための時間的な余裕はまだある」とカを込める。

毎週金曜夜に官邸や国会周辺で脱原発を訴える「金曜デモ」も地道に自分たちの声を響かせている。

二百三十七回目を迎えた十七日の集会に集まったのは約七百人(主催者発表)。「伊方原発、いますぐ止めろ」「川内原発、いますぐ止めろ」のシュプレヒコール。現在、四国電力伊方3号機(愛媛県)と九州電力川内1・2号機(鹿児島県)の計三基が稼働中だ。

官邸前でスタートしたのは、福島原発事故から一年後の一二年三月。同年六月には、参加者が二十万人(主催者発表)に膨れ上がった。当時と比べると規模の縮小は否めない。

主催する「首都圏反原発連合」の越後芳さんは「継続はカなり」と唱える。

「秘密保護法や安保法、TPPと次々と問題があり、そちらの反対集会に行く人もいる。同じことを続けることは難しいが、来たい時に来られるように続けることが大事だと思う。東京で続けることで、地方の首長選などで(脱原発派の)背中を押すことにもつながる」

  南スーダン、森友問題

   学生中心に子育て母ら

新たな動きも生まれている。十七日夜、「金曜デモ」の近くで第一声を放った新団体「未来のための公共」の集会だ。

「シールズ」の元メンバーも設立に関わったが、約二千五百人の参加者(主催者発表)の顔ぶれは、大学生や高校生を中心に、子育て中の母親、大学教授と幅広かった。取り上げるテーマも、南スーダンへの自衛隊派遣、森友学園疑惑、共謀罪など多岐にわたった。プラカードも「テロ準備罪って関係ないじゃん『共謀罪』」などとさまざまである。

都内の大学に通う馬場ゆきのさん(二0)は安保法制度反対のデモには参加していないが、「次は私たちの番だ」と活動に飛びこんだ。「私のような未熟な者がスピーチすることで、政治に声を上げることはすべての人に与えられる権利だ、と伝えたかった」

「未来のための公共」の集会には「呼び水」があった。都内の会社員日下部将之さん(四二)は、日報問題に我慢がならず、二月十日、国会前集会を呼びかけた。稲田朋美防衛相が「法的な意味における戦闘行為ではない」と詭弁-きべん-を弄-ろう-したことに腹が立ち、「こんな答弁が国会で認められるのか」と怒りをぶつけた。

日下部さんは、へイトスピーチ(差別扇動表現)に路上で直接抗議する「カウンター」や安保法制反対会に足を運んできた。シールズ活動中には、炎天下で活動する学生らを給水でサポートしたこともある。

二月末まで四回の集会を重ねていくごとに参加者は増えていった。「後は若い人たちが洗練した形でやってくれれば」と「未来のための公共に場所を明け渡す形で再び、給水でサポートする側に回った。

「来来のための公共」は当面、毎週金曜に国会前で活動を続ける。日下部さんは、それぞれが自由に発言することの重要さを説く。「国会の発言にむかついたから何か言いに行きたい、というシンプルな形でいいんじゃないかな」

沖縄 粘り強く声を上げ

国会や官邸周辺とともに、路上の民主主義の象徴的な現場が沖縄だ。

「共謀罪」法案が閣議決定された二十一日も、新基地建設が強行されている名磯市辺野古周辺では、住民五十人以上が座り込み、海上ではカヌーで抗議した。

本土では、安倍晋三首相の強権的な政治手法とふがいない国会の下、アンチの運動は怒りと締念の浮沈を繰り返してきた。一方、沖縄では、新基地反対派のリーダーで沖縄平和運動センターの山城博治議長(六四)が抗議活動に伴う事件で逮捕され、約五カ月間も長期拘束されたことからも分かる通り、権力はなりふり構わず牙をむく。

市民団体「へリ基地反対協議会」の共同代表で名護市在住の安次富浩さん(七O)は「政府の暴走を許してしまっている一因は国民にある」と鋭く指摘する。「本土では沖縄のことがきちんと報道されず、ネット上では『沖縄は基地で潤っている』『反対派は日当をもらっている』といったデマが横行している。国民の民度が劣化しているからこそ、日報問題や森友学園疑惑などが相次いでも、安倍政権は『どうせ乗り越えられる』と高をくくってしまうのではないか」

それでも安次富さんは、路上の民主主義を信じる。

「民衆は権力側が誤った方向に進みそうなときは、『間違っている』と言い続けなければならない。国民は一人一人が主権者であることを忘れてはいけない。もし共謀罪ができれば、より物が言いにくい暗黒社会になるだろう。でも私たちは粘り強く声を上げ続けていく。それがいつか政権を動かすことにつながる」

デスクメモ

福島原発事故から半年後のニO一一年九月に東京で開かれた「さようなら原発集会」。ノーベル賞作家の大江健三郎さんは「原発に抵抗する意志を持っているということを思い知らせるために何ができるか。民主主義の集会や市民のデモしかない」と呼びかけた。いま一度かみしめたい。(圭)2017・3・22

(上)首相官邸前で脱原発を訴える人たち=17日、東京・永田町で
(下) 雨の中、プラカードを手に「共謀罪」法案の閣議決定に抗議する人たち=21日、東京・永田町で
国会前で集会を開く新団体「来来のための公共」のメンバーら=17日、東京・永田町で

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