3/26福島・高野病院長を臨時で2カ月 退任の中山さん「医者とは何か、学んだ」/3/31「高野病院が支えた地域医療つなぐ」 新院長就任へ抱負【東京新聞・社会】

高野病院のこれからのことがとても気になる。3/26の記事で片山記者が今月末に両院長が会われるとあったのでずっと待っていた。

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福島・高野病院長を臨時で2カ月 退任の中山さん「医者とは何か、学んだ」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/CK2017032602000125.html
【東京新聞・社会】2017年3月26日 朝刊

「医者として、何か大事なことを決める時はスタッフみんなと話し合うようになった」と話す高野病院の中山祐次郎院長=16日、福島県広野町で
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福島県広野町にある高野病院の院長を臨時で務めている中山祐次郎医師(36)は今月末に二カ月の任期を終える。病院は東京電力福島第一原発事故後も患者の治療を続けていたが、昨年末に高野英男院長=当時(81)=が亡くなり、中山医師が来るまで常勤医が不在だった。四月には新たな院長と常勤医が着任する。後任に引き継ぐ中山さんは「この病院で医者とは何か、人の命とは何かを学んだ」と話す。 (片山夏子)

高野病院は百人を超える入院患者がいる。東京都立駒込病院を退職し、二月一日に院長に就任した中山さんは「自分に何かできればと院長を引き受けたが、百人の患者の主治医になるプレッシャーは大きかった」と振り返った。

業務は驚くほど多岐にわたった。「前院長は年間百日の当直をこなし、救急患者を受け入れ、地域で亡くなった人の遺体の検案をし、百人の患者の主治医だった。三、四人分の仕事。一人でできる仕事量ではない」。判断に迷うこともたびたびある。そんな時は「看護師、管理栄養士、事務員など、みんなを巻き込んだ」と中山さんは笑う。

寝たきりや認知症の高齢患者も多い。認知症の患者とうまく会話ができずに悩んだ。しかし、看護師が患者と会話するのを目の当たりにして「きっちりコミュニケーションをしている。まるで家族のように接している」と驚いたという。

専門の外科以外の治療も多かった。病院には放射線技師がいないため、エックス線撮影やコンピューター断層撮影(CT)検査も医師がする。診断や治療法が分からない場合は知人の医師らにメールや電話をした。

カルテを見ると、高野前院長が緻密に患者を見ていたことが分かる。認知症の高齢者との会話、食事の介助…。看護師らが患者を事細かに把握していることにも驚いた。高野前院長は看護師に「できる限り患者のそばにいなさい」と言っていたといい、自身も病室で患者や家族と話す時間が増えた。

院長就任後、止めていた新規患者の外来受け付けを再開すると、訪れた住民から「一カ月困ったよ」と言われた。救急患者の受け入れも再開し、除染や原発の作業員の治療もした。近隣八町村の双葉郡で頑張っている診療所もあるが、入院ができるのは高野病院のみ。目の回るような忙しさの中で、この地域における高野病院の必要性を肌で感じた。

東京での勤務医生活から、百八十度違う環境で医療に携わり、命との向き合い方も変わった。「患者と過ごす時間も増え、医師として大きな影響を受けた。高齢患者を診る中で人間の尊厳、人間が生きるということを日々考えるようになった」

バトンタッチする新院長のほか、福島県立医大からも常勤医が一人派遣される。中山さんは二人と月末に会う予定だ。

 

「高野病院が支えた地域医療つなぐ」 新院長就任へ抱負

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/CK2017033102000146.html
【東京新聞・社会】2017年3月31日 朝刊

会見後、握手する阿部好正新院長(中)と中山祐次郎院長(右)、高野己保理事長=30日、福島県広野町で
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東京電力福島第一原発事故後も、福島県広野町で患者の診療を続けてきた高野病院の新院長に来月就任する長野県大町保健所長の阿部好正さん(64)が三十日、同病院で記者会見を開き、「高野病院がこれまで支えてきた地域医療を将来につなぎたい」と抱負を語った。病院は四月以降、常勤医二人、杏林大の非常勤医ら十一人の十三人の体制が整ったが、今後は厳しい財政の立て直しが課題になる。

高野病院は昨年末、高野英男前院長が自宅の火災で亡くなり、一時、常勤医不在となっていた。

小児科医の阿部さんは、高野さんのおいと知り合いだった縁で、約三十年前に高野病院を訪れたことがある。昨秋、前院長が唯一の常勤医として奮闘していることを知り、十二月に病院を訪ね「手伝わせてください」と話した。しかし年末に前院長が亡くなり、今年に入って院長を引き受けた。阿部さんは「他の医師とひとつになり、この病院から地域に必要な医療を発信していきたい」と語った。

二、三月の間、臨時で院長を務めた中山祐次郎さん(36)は「高野病院は地域に必要。阿部院長と常勤医の先生を盛り上げ、この地域の医療を続けてほしい」と述べた。病院は、住民帰還が進まない一方で新しい医師を雇用し、財政状況は厳しい。今後は県などに財政支援を求めながら、財政立て直しを図る。理事長の高野己保(みお)さん(49)は「今日明日倒産するような状態ではない。この地域に必要な医療を模索しながら病院を続けたい。小児科も開設を目指したい」と話した。

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