4/11雅楽関係者からの産業廃棄物焼却炉建設についての要望書-もし、ここ上牧・鵜殿のヨシが使用できなくなると 雅楽の死を意味する【産廃焼却炉反対協議会】文字おこし

宮内庁楽部にお声をかけようかしら?と思っていたら、雅楽の方から高槻市長と都市クリに要望書が出されたいたのをさきほど知った。
篳篥の名手源博雅が千二百年後には篳篥が吹けなくなるというスピンオフを岡野玲子さん(『陰陽師』の作者)に「メロディ」で描いて貰えないか、白泉社にファンレターを出そうと思う。

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産業廃棄物焼却炉建設についての要望書

高槻市長演田剛史殿
2017年4月11日

大阪楽所代表
SAVETHE鵜殿ヨシ原~雅楽を未来につなぐ代表
中川|英男
雅楽協議会世話人
鈴木治夫

 平素より上牧・鵜殿ヨシ原の環境を保全の為に「ヨシ原焼き」を始め全力を注がれて施策をすすめておられます事に対して心より敬意を表するものです。

この度、都市クリエイト株式会社が、高槻市梶原中村町に産業廃棄物焼却施設の建設を計画していることを知りました。

今回焼却炉の建設予定とされる場所は上牧・鵜殿ヨシ原より800mと近い場所であるということで、雅楽にとっても多大な影響を受ける場所であることから、今回の場所での焼却炉の建設計画は白紙とされますように指導していただきたく要望するものです。

雅楽は世界最古のオーケストラ 世界から見直され注目されている

雅楽は今から1400年余り前、大陸から伝えられた音楽や舞と日本古来の音楽や舞とが1000年前の平安時代に融合し完成され、管楽器、絃楽器、打楽器による音楽に舞も加わった総合芸術として現代に伝えられているものです。1000年前より伝えられている管絃の合奏ということから雅楽は世界最古のオーケストラとも呼ばれています。宮内庁式部職楽部の雅楽は国の重要無形文化財(いわゆる人間国宝)及びユネスコの無形文化財に指定されています。雅楽は日本の誇る世界の文化として世界の文化財でもあります。

ですからアメリカニューヨークのコロンピア大学、ハワイのハワイ大学、ドイツではケルン大学に学生による雅楽の演奏団体も誕生し、イタリアローマ大学で、は雅楽の講座も開催されるなど世界各地で活発な演奏活動と研究が行われています

管楽器の篳篥の蘆舌(リード)は上牧・鵜殿のヨシに限る

最良のヨシの生育地 世界の中でも唯一の地

雅楽で使用する管楽器は笙(しよう)・篳篥(ひちりき)・笛の3種類で、中でも主旋律を担当するのが篳篥と言うリード楽器です。リード楽器ですので、リードの質によって音色が変わってきます。この篳篥に使用する産舌(リード)は、昔から上牧・鵜殿のヨシが最高とされ使用されてきました。 ここのヨシが最良であるという事は、古い書物にも書き残されています。江戸時代に書かれた『楽家録』には「篳篥の蘆舌の蘆は古くから鵜殿に生える葦用いる。ここの葦は固くしまっているから」と記されており、また明治4年には当時の宮内省が「鵜殿の芦の刈り取りを願い出た」 という記録を残しています。

江戸時代寛政十年刊行の『摂津名所図絵』では「其の名声は世に高く、特に本地の葦は篳篥の簧に最も適するを以て之を貢献し、古来濁り(ひとり)其の名を撞(ほしいまま)にせり」 と書かれ、貢物として献上されたことも分かっています。江戸時代には篳篥の最良の蘆舌(リード)が使われていました。

最良のヨシを使用することによって雅楽の音色が伝えられてきています。私たちは1000年以上昔からの音色をこれからも後世に伝えていきたいと願っています。

古くから使用されて来たヨシですが、残念ながら1960年代の淀川の工事などによりヨシの質が低下するという状況が続き、篳篥に適するヨシを求めて、利根川のヨシや琵琶湖のヨシ、そして中国のヨシまでも試してみましたが、上牧・鵜殿のヨシの質を越えるヨシはありませんでした。

その後 地元の方々などのご努力により、少しずつ篳篥のリードとしての質も回復してきました。そして現在も上牧・鵜殿のヨシが、最高の篳篥の蘆舌(リード)として使用されています。

宮内庁楽部は、ここのヨシのみを使用しています。篳篥の蘆舌の最良のヨシは、世界でもこの上牧・鵜殿の地でしか生育しないのです。

 もし、ここ上牧・鵜殿のヨシが使用できなくなると

  雅楽の死を意味する

焼却炉が建設されると、排出される有害物質が「安全である規制値以内」という少量であったとしても10年、20年、50年、100年と続くとその影響を無視することは出来ないでしょう。また高槻市のハザードマップによると5mの浸水地域で、近年の想定を超えた大雨による洪水時には、あたり一帯、ヨシ原も汚染が想定されます。さらに100年、200年、500年先も、焼却の有害な汚染物質の影響が全くないとは考えられません。

篳篥の蘆舌(リード)は口に含んで演奏するものなので、汚染物質には敏感にならざるを得ません。材質は良くても口に含むと危ないということになるとここのヨシは使用できないということになります。

繰り返しになりますが、雅楽の中で篳篥は、主旋律を受け持ち、その音色が雅楽の音色を決定付けます。上牧・鵜殿の葦から奏でられる篳篥の音色は、雅楽の音色として平安時代の昔から親しまれてきました。ここの葦が使用できなくなることは、雅楽の音色の死を意味するでしょう。

私たち雅楽を愛し、演奏するものとして、平安時代から受け継がれてきた、篳篥のリードとして使用する最高品質の上牧・鵜殿の葦を私たちの世代で絶滅させてしまうことはできません。

世界に誇る日本の文化を後世に伝えるためにも都市クリエイト株式会社の産業廃棄物焼却炉の建設については、白紙となりますよう指導していただきたくお願いいたします。

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