5/23の共謀罪の各地で抗議/京都・神戸元町・ヨドバシ梅田・岡山駅・沖縄県庁・博多駅・石川・神奈川・国会前【京都新聞・毎日新聞・中日新聞・朝日新聞】/【5/24東京新聞】「共謀罪」プライバシー置き去り 国連特別報告者「深刻な欠陥ある法案」/政治:「共謀罪」書簡の国連特別報告者 日本政府の抗議に反論/国際 【IWJ】(全文掲載)「日本政府の『抗議』は怒りの言葉が並んでいるだけで中身はなかった」〜共謀罪に懸念示した国連特別報告者が怒りの反論!海渡弁護士は菅長官を「驚くべき無知の産物」と糾弾! 2017.5.24

昨日5/23の上牧駅前は「共謀罪反対の集会に行ってきた」という方々や「原発ゼロ上牧行動」のチラシを受け取る方々や都市クリエイトの産廃焼却炉建設反対の方々で賑わっていた。
上牧は原発問題も産廃問題も共謀罪も全部いっしょくたで、あたかもこのブログのようにしっちゃかめっちゃか。

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共謀罪「世論無視、数の力で押す暴挙」 京都で抗議活動

【京都新聞】 2017年05月23日 22時40分】
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20170523000137

「共謀罪」法案の衆院通過に抗議し通行人に呼びかける市民団体ら(23日午後5時53分、京都市右京区・西大路四条交差点)

「審議が尽くされていない」「1億総監視社会になる」-。犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が衆院を通過した23日、京都や滋賀の市民からは法案に不安を訴える声が相次いだ。政府は一般市民は対象にならないとするが、捜査機関の権力乱用が懸念され、多くの市民団体が街頭で廃案を呼びかけた。

京都市右京区の阪急西院駅前では、改正案の衆院通過に抗議する街宣活動があり、日本国民救援会府本部などの約20人が「数の力で押し通す暴挙で、世論を無視している」と憤った。

参加者は、本会議での採決の様子を帰宅途中の人々にマイクで報告。「与党は説明を尽くしておらず、『一般国民は捜査対象にならない』という答弁も到底信用できない」と力を込め、チラシを配布した。

街宣に参加した長岡京市の小笠原順子さん(60)は「議論は全く深まっていない。子や孫の世代に恥ずかしくないよう、今廃案にせねばならない」と訴えた。この日は、四条河原町や京都タワー前などでも市民グループによる抗議活動があった。

 

共謀罪 各地で抗議行動 衆院通過受け

【毎日新聞】2017年5月23日 23時37分(最終更新 5月24日 00時14分)
https://mainichi.jp/articles/20170524/k00/00m/040/144000c

「共謀罪」法案に反対し、抗議する人たち=国会前で2017年5月23日午後7時32分、小出洋平撮影

組織犯罪を計画段階で処罰可能にする「共謀罪」の趣旨を「テロ等準備罪」として盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案。23日の衆院本会議で可決されたことを受け、反対する人たちが各地で抗議行動を展開した。

【写真特集】各地で抗議集会 .

神戸市中央区のJR元町駅近くの繁華街では同日夕、市民団体や労組のメンバーら約50人が「共謀罪NO!」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げた。大阪市北区のヨドバシ梅田前でも、市民団体の関係者約60人が道行く人たちに「強行採決反対」「法案を廃案に」と訴えた。

京都市の繁華街では同日夜、黒い服を着た市民ら10人が「自由を縛る」という意味を込めた鎖を持って集まった。呼び掛け人で京都市山科区の松本修さん(65)は「戦後最悪の法律。審議が尽くされていないのに、数の論理で通してはいけない」と話した。

JR岡山駅前(岡山市北区)では市民グループが「話し合うだけで罪になる 共謀罪反対」と記された幕を掲げた。【望月靖祥、池田一生、国本ようこ】

九州、沖縄の各地でデモ

組織犯罪処罰法改正案が衆院で可決された23日、各地で法案の廃案を求める集会が開かれ、那覇市の沖縄県庁前であった集会には約300人(実行委員会発表)が参加した。

沖縄平和運動センターの大城悟事務局長は「法案には米軍基地に抵抗する県民の行動を威圧させる狙いがある。テロ防止という名を借りた弾圧に反対し、廃案まで追い込もう」と呼び掛けた。集会後、参加者は「共謀罪法案は廃案」などとシュプレヒコールを上げながら国際通りをデモ行進した。

福岡市でもJR博多駅前で、福岡県労働組合総連合と福岡県民運動実行委員会が共同で街頭宣伝行動を実施。参加者は「取り締まる基準は警察や検察などの捜査機関の裁量に任せられ冤罪(えんざい)を引き起こしかねない」「国民世論で参議院で必ず廃案にしましょう」と訴え、「監視・密告社会なんて、イヤだ!」などと書かれたビラの配布や、署名活動もした。この日は長崎市や熊本市でも抗議集会があった。【佐藤敬一、遠山和宏】

「共謀罪」歯がゆい論戦 答弁音読 広がる抗議

http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2017052402100010.html
2017年5月24日【中日新聞・北陸発】

閣僚や野党議員らの役に分かれ、国会審議を再現する人たち=東京都多摩市で(インターネット上の動画より)
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「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案を疑問視する動きは広がりをみせている。法案は衆院を通過したが、一連の国会審議について「拙速だ」との声もあがる。石川県内でも二十三日、市民団体などが街頭に立ち、廃案を求めて抗議の姿勢を示した。

「共謀罪」法案を巡る国会でのかみ合わないやりとりを体感しようと、石川県内の主婦らが始めた質疑を音読する集いが全国に広がっている。「時間を稼いでいるだけ」「本質から逃げている」。東京、新潟、札幌…。参加者からは「言論の府」で実際に話された閣僚の答弁に笑い、あきれ、腹を立てている。

「まさに、今回は、組織的犯罪集団ですね、ということに、を、明確にさせていただき、明確にする中においてですね、この犯罪の、対象を絞ったと…」

明確とは程遠い弁舌でまくしたてるのは、安倍晋三首相役の男性。聞いている人から笑い声が上がった。二十日夜、東京都多摩市。公民館の一室で、金沢市の主婦小原美由紀さん(52)による国会審議の書き起こしを有志が音読した。スーツ姿で安倍首相や金田勝年法相、野党議員らを演じた。

呼び掛けた東京都日野市の会社員岩下結(ゆう)さん(37)は「ぶっつけにしては面白くできた」。実際に読んで聞いてみると「いかにはぐらかされているか。一般人には適用されない、という答弁も、本当はそう思っていないだろうと実感した」。集いの趣旨を知らずに、このやりとりを聞いた人が「コントなの? 脚本は誰?」と尋ねてきたという。

JR新潟駅前でも同日昼、街頭で有志グループが音読。パート桜井美穂さん(37)=新潟県三条市=は「楽しかった。でも国会でこんな議論とは、がっかり」。次回の開催も既に決定。音読は札幌市でも二十一日に実施され、二十五日には埼玉県内で予定されている。小原さんは「体感することで、自分の問題になる。ぜひ気軽にトライしてもらえたら」と期待する。

書き起こしや音読の様子は、ウェブサイト(https://believe-j.jimdo.com/)で見られる。 (日下部弘太)

 

無関心、打破したい 声上げ続ける 「共謀罪」衆院通過

http://digital.asahi.com/articles/ASK5R65TGK5RUTIL04K.html?rm=756
2017年5月24日04時03分【朝日新聞デジタル】小林孝也、小早川遥平

【動画】国会周辺では「共謀罪は今すぐ廃案」と抗議の声があがった=竹花徹朗撮影

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「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法改正案の衆院通過を受け、国会議事堂に向かって反対の声を上げる人たち=23日午後8時26分、東京・永田町、竹花徹朗撮影

「共謀罪」法案が衆院を通った23日の夜も、若者たちは国会前で声をあげた。尽くされぬ議論に憤った人たちは、参院での審議に期待をかける。一方、「テロ対策」とする政府に異論を唱えづらい雰囲気も広がる。

「審議時間が圧倒的に少ない。法務大臣は質問に答えられない。法案には不安しか感じない」。都内の大学3年生、馬場ゆきのさん(20)は23日夜、国会前で抗議集会に参加した。学生団体「SEALDs(シールズ)」の元メンバーらが関わって設立された市民団体「未来のための公共」の主催だ。

馬場さんは一昨年、安保法に反対するシールズをテレビで見て、自らの言葉で政治を語る姿に感銘を受けた。今は「主張する場を守りたい」との思いから、国会前で「共謀罪」に反対の声を上げる。「どう問題点を伝えればいいのか。諦めずに声を上げ続け、法案を止めたい」

大学院生の千葉泰真さん(25)は、衆院で法案が可決される様子をインターネット中継で見つめた。「審議が進むごとに問題点が出てくるのは安保のときとそっくり」。元シールズの学生らがつくったシンクタンク「ReDEMOS(リデモス)」のメンバーで、4月、団体のフェイスブックに「このままでいいの? 共謀罪」という約4分の動画をアップした。LINE(ライン)で「既読」をつけただけで、捜査対象にされるおそれなどを指摘し問題点を解説。これまで6万回以上再生された。

千葉さんは2年前、国会前での安保法反対デモに参加した。イヤホンをした何人もの公安関係者らしき男性が、自分たちを観察していた光景が忘れられない。「『自分と関係ない』では済まない。周りの人に問題意識を伝えて、議論を盛り上げる必要がある。参院では衆院で掘り下げられなかった論点を掘り下げてほしい。そして国民もそれを注視する必要がある」

ログイン前の続き一方、安保法に反対して国会前デモにも参加した岩手大の田渋敦士さん(23)は「共謀罪」反対の活動には参加していない。「『監視社会』『言論の自由』と決まり文句では、生活にどう影響するか現実感がない」。SNSで国会前のデモを目にすると、応援したい気持ちにはなる。だが、法案が「テロ防止」のためと説明されると腑(ふ)に落ちるようにも感じ、賛否を言い切れない。今回は冷静に見ていこうと思っている。

■異論唱えづらい空気「危ない」

コラムニストの小田嶋隆さん(60)は今年1月、ツイッターで「一般人は対象にならない」という政府の説明を批判した。

《これってつまり「誰が一般人でどんな人間が犯罪予備軍であるのかはオレらが決めるんでよろしく」ということだよね?》

すぐに反論のツイートが相次いだ。《適当に批判するのは小学生レベル》《「テロ等準備」の文字が読めないの? なんですぐに妄想で語っちゃうの?》

小田嶋さんは「政権の意向に賛成する人」が増えたのではなく、「権力に反発する人間に反発する人」が増えたとみている。「かつてあった政府の言い分をうのみにしないという『気分』は失われてしまった」

キャスターやジャーナリストら有志14人が集まり、法案に反対の声明を出した先月の記者会見。その数日前、呼びかけ人の元には声をかけた報道関係者から「賛同できない」と断りの連絡が相次いでいた。声明に名を連ねた田原総一朗さん(83)は「『中立の立場を保たないといけない。反対と言えば、立場が苦しくなる』と断られたらしい」と明かす。

昨春、著名なキャスターやコメンテーターが次々に番組を降板した。「下手すると、降ろされるんじゃないかという不安があるんでしょう」。田原さんはそう指摘する。

半世紀にわたって報道の現場に立ち続けてきた田原さんだが、「共謀罪」に対する視聴者の反応は予想に反し、小さいものだった。「そんな空気は非常に危ないな、と思いますね」(後藤遼太、山本亮介、岩崎生之助)

 

■「人権なし崩しにする」

この日も国会周辺で多くの人が法案に反対の声をあげた。

傍聴した横浜市の中森圭子さん(61)は「まだ議論は尽くされていない。どうして無理に採決してしまうのか」と憤る。本会議では、与党議員が英国で起きたテロ事件に触れた。中森さんは「賛成の議論に利用された。法案ではテロの定義も明確にされていないのに」と批判した。

 

「共謀罪」法案が衆院通過 県内でも反発の声「理解深まってない」

2017年5月24日【東京新聞・神奈川】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201705/CK2017052402000186.html

組織犯罪処罰法改正案に反対するチラシを配る市民団体「ストップ秘密保護法かながわ」メンバー=16日、横浜市中区の関内駅前で

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「国民の理解は深まっていない」「もっと丁寧な審議を」-。犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が二十三日、衆院を通過したことを受け、県内で法案に反対する活動を続ける市民からは反発の声が上がった。 (加藤豊大)

「廃案まで頑張ろう」。市民団体「ストップ秘密保護法かながわ」の中西綾子さん(78)=横浜市青葉区=はこの日午後、東京都千代田区の衆院議員会館前に仲間四人と駆けつけ、汗をぬぐいながら声を上げた。

自身は一九三八年東京都大田区に生まれ、戦中は福島県に疎開した。子どもながらに「なぜ大人たちは戦争に反対しなかったのだろう」と考えたという。「これから生まれてくる世代のためにも、言いたいことが言えない監視社会にしてはいけない」。中西さんたち同団体メンバーは今月、法案に反対するチラシを横浜市内各地で配り続けた。

対象の犯罪が二百七十七と多岐にわたることについては「法案について市民の関心が高くない中、成立してしまえば、逮捕されても自分がなぜ捕まったのか分からない人が出てくるのでは」と危ぶむ。

「市民連合@鶴見」の中原憲一さん(69)=横浜市鶴見区=は審議を見届けようと、先月から今月にかけて何度も衆院法務委員会を傍聴し、議事録や感じたことをメモに残した。

審議では、金田勝年法相に向けられた質問を林真琴法務省刑事局長が代わりに答え、直後にほとんど同じ答弁を金田法相が繰り返すという場面が繰り返されたという。「明らかに時間稼ぎ。刑法の根底を覆す法案がこんなお粗末な議論で決まるとは、数の力は恐ろしいと感じた」と振り返る。

「最後まで、一般の人たちが捜査の対象にならないと確信できる言葉は聞けなかった。はぐらかすということは、私たち市民の活動も取り締まり対象になるということでは」と語る。

ある日の傍聴席では、大学生と思われる私服姿の男性二人組が目についた。「質問と答えが違うよな」と話していたのを覚えている。「若い世代にも法案に関心のある人がいる。彼らの未来のためにも、これからも反対行動を続ける」

 

「共謀罪」プライバシー置き去り 国連特別報告者「深刻な欠陥ある法案」

2017年5月24日 朝刊【東京新聞・政治】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017052402000119.html

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プライバシー権に関する国連特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が公開書簡で、「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案に懸念を示したことを巡り、日本政府が火消しに懸命になっている。法案の問題点の核心を突かれ、国会審議に影響が出かねないからだ。ただ、懸念を払拭(ふっしょく)するために丁寧に説明するというよりも、「国連の立場を反映するものではない」(菅義偉(すがよしひで)官房長官)といった切り捨て型の反論が目立つ。 (生島章弘、宮尾幹成)

ケナタッチ氏は二十三日、書簡に対する日本政府の抗議を受け「拙速に深刻な欠陥のある法案を押し通すことを正当化することは絶対にできない」とする反論文を公表した。二十二日には政府の抗議について「中身のない、ただの怒り」「多々挙げた懸念に一つも言及がなかった」と本紙の取材に回答した。

これに対し、政府も譲る気配はない。野上浩太郎官房副長官は二十三日の記者会見で、ケナタッチ氏の反論について「速やかに説明する用意があると伝達しているにもかかわらず、一方的に報道機関を通じて『懸念に答えていない』と発表したことは極めて不適切だ」と不快感を示した。

野上氏は、書簡に明記された法案の問題点に関しては「プライバシーの権利や表現の自由を不当に制約するなどの指摘は全く当たらない」と重ねて強調。質問には「追って正式に書簡で回答する」と語った。

ケナタッチ氏は安倍晋三首相に宛てた十八日付の公開書簡で、法案に盛り込まれた「計画」や「準備行為」の定義が抽象的なため、恣意(しい)的に適用される恐れがあることや、テロと無関係の罪が対象に含まれていると指摘。プライバシー権侵害を防ぐための措置を回答するよう求めていた。

日本政府はすぐさま国連人権高等弁務官事務所を通じ、ケナタッチ氏に抗議。菅氏は二十二日の記者会見で「書簡の内容は明らかに不適切」と批判していた。

特別報告者は国連人権理事会から任命され、国別、テーマ別に人権侵害の状況を調査し、人権理事会や国連総会への報告書を作成する。報告に法的拘束力はない。国では北朝鮮やシリア、イランなど、テーマでは表現の自由や女性差別、貧困などが調査の対象だ。

「共謀罪」書簡の国連特別報告者 日本政府の抗議に反論

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201705/CK2017052302000119.html
2017年5月23日 朝刊【東京新聞・国際】

ジョセフ・ケナタッチ氏=国連ホームページから
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【ロンドン=小嶋麻友美】安倍晋三首相宛ての公開書簡で、「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案に懸念を表明した国連のプライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏は二十二日、菅義偉(すがよしひで)官房長官が同日の記者会見で抗議したと明らかにした日本政府の対応を「中身のないただの怒り」と批判し、プライバシーが侵害される恐れに配慮した措置を整える必要性をあらためて強調した。電子メールで本紙の取材に答えた。

ケナタッチ氏によると、「強い抗議」は十九日午後、国連人権高等弁務官事務所を訪れた在ジュネーブ日本政府代表部の職員が申し入れ、その後、約一ページ余りの文書を受け取った。しかし、内容は本質的な反論になっておらず「プライバシーや他の欠陥など、私が多々挙げた懸念に一つも言及がなかった」と指摘した。

抗議文で日本側が、国際組織犯罪防止条約の締結に法案が必要だと述べた点について、ケナタッチ氏は「プライバシーを守る適当な措置を取らないまま、法案を通過させる説明にはならない」と強く批判。法学者であるケナタッチ氏自身、日本のプライバシー権の性質や歴史について三十年にわたって研究を続けてきたとし、「日本政府はいったん立ち止まって熟考し、必要な保護措置を導入することで、世界に名だたる民主主義国家として行動する時だ」と訴えた。

ケナタッチ氏は日本政府に引き続き、法案の公式な英訳文とともに説明を求めている。菅官房長官は二十二日、ケナタッチ氏の書簡に「不適切だ」と反論していた。

◆与党きょう衆院採決方針

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犯罪の合意を処罰する「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案を巡り、衆院議院運営委員会は二十二日の理事会で、衆院本会議を二十三日に開くことを佐藤勉委員長(自民党)の職権で決めた。与党は「共謀罪」法案を採決し、衆院を通過させる方針。二十四日の参院での審議入りを目指している。

与党が理事会で「共謀罪」法案の採決を提案したのに対し、民進、共産両党は、与党が衆院法務委員会で法案の採決を強行したことに反発して拒否。双方が折り合わず、佐藤氏が本会議開催を決めた。「共謀罪」法案を採決するかどうかは与野党の協議に委ねた。

法案を巡っては、安倍晋三首相(自民党総裁)が二十二日の党役員会で「今国会での確実な成立を目指す」と強調。高村正彦副総裁も「二十三日に間違いなく衆院通過させる」と話した。民進党の野田佳彦幹事長は記者会見で「審議は不十分だし、この間のやり方は極めて遺憾だ」と与党の国会運営を批判した。

与党は法案の成立を確実にするため、来月十八日までの今国会の会期延長も検討している。

<国連特別報告者> 国連人権理事会から任命され、特定の国やテーマ別に人権侵害の状況を調査したり、監視したりする。子どもの人身売買や、表現の自由に関する人権状況などの報告者がいる。政府や組織などから独立した専門家で、調査結果は理事会に報告する。

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【全文掲載】「日本政府の『抗議』は怒りの言葉が並んでいるだけで中身はなかった」〜共謀罪に懸念示した国連特別報告者が怒りの反論!海渡弁護士は菅長官を「驚くべき無知の産物」と糾弾! 2017.5.24

記事公開日:2017.5.24 テキスト【IWJ】
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/379992

(文:原佑介)

特集 共謀罪(テロ等準備罪)法案シリーズ
⇒「共謀罪」法案反対署名サイト

公共性を鑑み、しばらくの間フルオープンで公開します。

「私の書簡は、日本政府が法案を早急に成立させることを愚かにも決定した状況において、完全に適切なものだ」――。

国連の特別報告者で、「プライバシー権」を担当するジョセフ・ケナタッチ氏が2017年5月22日、共謀罪法案の成立を急ぐ日本政府に強い懸念を示した。ケナタッチ氏は日本の共謀罪法案を国連ホームページなどで批判し、日本政府は批判について、「不適切だ」と抗議していた。

▲ジョセフ・ケナタッチ氏(国連人権高等弁務官事務所ホームページより)

「共謀罪NO! 実行委員会」の代表を務める海渡雄一弁護士は5月23日に記者会見を開き、ケナタッチ氏による日本政府宛のさらなる反論メッセージを代読した。

▲記者会見する海渡雄一弁護士

この日は衆院本会議で共謀罪法案が強行採決されたが、ケナタッチ氏は法案の成立を急ぐ政府・与党の判断を「愚か」だと酷評し、「私は安倍総理に向けて書いた書簡のすべての単語、ピリオド、コンマに至るまで維持し続ける」と改めて強調した。

記事目次
「国連の立場を反映するものではない」〜共謀罪法案の中身を懸念する国連特別報告者を切り捨てた日本政府の愚

「日本政府の『強い抗議』はただ怒りの言葉が並べられているだけで、全く中身がない」国連特別報告者が怒りの反論!

海渡弁護士が菅官房長官を糾弾「驚くべき無知の産物だ」

「国連の立場を反映するものではない」〜共謀罪法案の中身を懸念する国連特別報告者を切り捨てた日本政府の愚

国連特別報告者のケナタッチ氏は5月18日、共謀罪法案について「プライバシーに関する権利と表現の自由への過度の制限につながる可能性がある」とし、日本政府の釈明を求める書簡を安倍総理宛に送付、国連のホームページでも公表した。IWJは5月20日、ケナタッチ氏の書簡の中身と重要性について海渡弁護士に単独インタビューしている。

•「共謀罪」を強行した安倍総理に国連特別報告者が重大警告! 条約批准を大義名分に掲げてきた政府の主張が足元から崩壊!? 「法案の審議はストップするべき」――海渡雄一弁護士が指摘! 2017.5.20

•公表されたケナタッチ氏の安倍総理宛の書簡(国連ホームページ)

ケナタッチ氏の書簡に対し、日本政府は同日中に抗議に出た。共謀罪法案は「国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結するための国内法整備」であると強弁し、「貴特別報告者が我が国の説明も聞かずに一方的に公開書簡を発出したことに、我が国として強く抗議する」と猛反発。

さらに菅官房長官は22日の会見で、ケナタッチ氏の指摘は「不適切」であるとし、「特別報告者という立場は独立した個人の資格で人権状況の調査報告を行う立場であり、国連の立場を反映するものではない」と、ケナタッチ氏の存在そのものを否定するかのような反撃に出ている。

▲5月22日の会見場での菅義偉官房長官(政府インターネットテレビより)

「日本政府の『強い抗議』はただ怒りの言葉が並べられているだけで、全く中身がない」国連特別報告者が怒りの反論!

日本政府と菅官房長官の反論を受け、海渡弁護士は、メールでケナタッチ氏に見解を求めたところ、ケナタッチ氏から同日中に返信がきたという。以下にケナタッチ氏の見解を全文掲載する(翻訳は小川隆太郎弁護士)。

私の書簡は、特に日本政府が、提案された諸施策を十分に検討することができるように十分な期間の公的議論(public consultation and debate)を経ることなく、法案を早急に成立させることを愚かにも決定したという状況においては、完全に適切なものです。

私が日本政府から受け取った「強い抗議」は、ただ怒りの言葉が並べられているだけで、全く中身のあるものではありませんでした。その抗議は、私の書簡の実質的内容について、1つの点においても反論するものではありませんでした。この抗議は、プライバシー権に関する私が指摘した多くの懸念またはその他の法案の欠陥について、唯の1つも向き合ったものではありません。

私はその抗議を受けて、5月19日(金)の朝、次のような要望を提出しました。

「もし日本政府が、法案の公式英語訳を提供し、当該法案のどこに、あるいは既存の他の法律又は付随する措置のどの部分に、新しい法律が、私の書簡で示唆しているものと同等のプライバシー権の保護措置と救済を含んでいるかを示すことを望むのであれば、私は、私の書簡の内容について不正確であると証明された部分について、公開の場で喜んで撤回致します。」

日本政府は、これまでの間、実質的な反論や訂正を含むものを何一つ送付して来ることが出来ませんでした。いずれかの事実について訂正を余儀なくされるまで、私は、安倍晋三内閣総理大臣に向けて書いた書簡における、すべての単語、ピリオド、コンマに至るまで維持し続けます。日本政府がこのような手段で行動し、これだけ拙速に深刻な欠陥のある法律を押し通すことを正当化することは絶対に出来ません。

日本政府は、その抗議において、2020年の東京オリンピックに向けて国連越境組織犯罪防止条約を批准するためにこの法案が必要だという、政府が多用している主張を繰り返しました。

しかし、このことは、プライバシーの権利に対する十分な保護措置のない法案を成立させようとすることを何ら正当化するものではありません。日本が国連条約を批准することを可能にし、同時に、日本がプライバシー権及び他の基本的人権の保護の分野でリーダーとなることを可能にする法案(それらの保護措置が欠如していることが明らかな法案でなく)を起草することは確実に可能でした。

私は日本及び文化に対して深い愛着を持っています。更に、私は日本におけるプライバシー権の性質および歴史についてこれまで調査してきており、30年以上にわたるプライバシー権とデータ保護に関する法律の発展を追跡してきたものです。私は、日本が高い基準を確立し、この地域における他の国々及び国際社会全体にとって良い前例を示して頂けるものと期待しております。ですので、私が先の書簡を書かなければならなかったことは、私にとって大いなる悲しみであり、不本意なことでした。

現在の段階においては、日本政府が私の書簡で触れたプライバシーの権利に着目した保護措置と救済の制度に注意を払い、法案の中に導入することを望むばかりです。私は書簡にて述べましたとおり、私は日本政府が私の支援の申出を受け入れて下さるのであれば、日本政府が更に思慮深い地位へと到達できるように喜んでお手伝いさせて頂きます。今こそ日本政府は、立ち止まって内省を深め、より良い方法で物事を為すことができることに気づくべき時なのです。私が書簡にてアウトラインをお示しした全ての保護措置を導入するために、必要な時間をかけて、世界基準の民主主義国家としての道に歩を進めるべき時です。日本がこの道へと進む時、私は全力を尽くして支援することと致しましょう。

ケナタッチ氏は、「私の書簡は、日本政府が十分な期間の公的議論を経ることなく、法案を早急に成立させると愚かにも決定した状況において、完全に適切なものだ」と主張し、「私が日本政府から受け取った『強い抗議』は、ただ怒りの言葉が並べられているだけで、全く中身のあるものではなかった。その抗議は、私の書簡の中身について、1つの点においても反論するものではなかった」と断じている。

さらに、「私は、安倍晋三内閣総理大臣に向けて書いた書簡における、すべての単語、ピリオド、コンマに至るまで維持し続ける」と日本政府の抗議をはねつけ、「日本政府がこのような手段で行動し、これだけ拙速に深刻な欠陥のある法律を押し通すことを正当化することは絶対にできない」と強い懸念を示した。

海渡弁護士が菅官房長官を糾弾「驚くべき無知の産物だ」

菅官房長官は「国連特別報告者」を「個人の資格」で国連の立場とは異なると突き放すが、海渡弁護士は会見で、「これは大変な間違いだ」と反駁した。

「特別報告者は国連人権理事会に任命され、国連に報告書を提出する。それが採択されれば、それは国連の見解となり、人権理事会の場で見解が引用されれば、日本はこれを受け入れるかどうかを迫られることになる」

そのうえで海渡弁護士は、「菅官房長官はこうしたプロセスを無視している。これは驚くべき無知の産物ではないか」と厳しく批判した。

これまで政府は国内に向け、TOC条約締結のために共謀罪法案が必要だと説明してきた。しかし、当の国連の特別報告者から法案への強い懸念が示されたことで、「政府が国連からの求めに応じてこの法律を作っているという大きな根拠が崩れたと言える」と海渡弁護士は指摘した。

それでも自民党は海渡弁護士が会見を開いた同日5月23日、共謀罪法案の採決を衆院本会議で断行。ブレーキが壊れたように暴走を続けている。

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