9/29 第90回福井県原子力安全専門委員会 議事概要

第90 回原子力安全専門委員会 議事概要

http://www.atom.pref.fukui.jp/senmon/dai90kai/giji.pdf

1. 日 時 :平成29 年8月29 日(火) 10:30 ~ 12:45
2. 場 所 :福井県庁6階大会議室
3. 出席者 :
(委員)
中川委員長、三島委員、田島委員、西本委員、山本委員、大堀委員、望月委員、
玉川委員、鞍谷委員、釜江委員
(関西電力㈱)
原子力事業本部 副事業本部長 大塚 茂樹
原子力安全部長 吉原 健介
原子力土木建築センター 所長 堀江 正人
大飯発電所 原子力安全統括 佐藤 拓
原子力事業本部 発電グループ マネジャー 日下 浩作
発電グループ マネジャー 濱田 裕幸
プラント・保全技術グループ マネジャー 小江 秀保
機械設備グループ マネジャー 長谷川 順久
土木建築技術グループ マネジャー 井垣 亮
危機管理グループ リーダー 小原 俊明
電気設備グループ リーダー 牧田 光夫
(原子力規制庁)
地域原子力規制総括調整官(福井担当) 西村 正美
(事務局:福井県)
清水安全環境部部長、坪川福井県安全環境部企画幹、
野路安全環境部企画幹(原子力安全)、伊藤原子力安全対策課課長

4. 会議次第:
(議題)美浜・大飯・高浜発電所の安全性向上対策の実施状況等について

5. 配付資料:
・会議次第
・出席者および説明者
・資料No.1-1 美浜・大飯・高浜発電所の安全性向上対策の実施状況等について
(設備対応など)[関西電力㈱]
・資料No.1-2 美浜・大飯・高浜発電所の安全性向上対策の実施状況等について
(緊急時対応体制、訓練など)[関西電力㈱]

6.概要

○関西電力㈱より、資料No.1-1 について説明

(田島委員)
・ 17 ページにあるように、重大事故発生時、原子炉格納容器に注水した場合の水位は21.5mまでとして、そのレベル以上は計器があるため注水は止めるとの説明であった。・ 参考資料4ページを見ると、この21.5m という水位は燃料の上部までではなく、燃料は上部が露出した状態になる。

・ 福島第一原子力発電所では、燃料デブリが様々な場所に引っかかっていたということがあった。以前、大飯発電所の現場で聞いた際には、21.5m より上部は(燃料が)露出するのだから溶融して落ちてしまうとの説明を受け、私もそうかと思っていた。

・ 資料には、露出した部分は蒸気で冷やすと書いてあり、蒸気で冷やす程度で冷えるのか疑問だが、まず確認したいことは、燃料が露出しないのかという点。

・ もうひとつは、重大事故の場合、原子炉容器内は下の方まで水が無くなり、露出した燃料は順次溶けていき、下部に溜まると思うが、そのことについて説明していただきたい。

(関西電力:吉原 原子力安全部長)
・ 1点目、炉心が溶けた後、全て溶け落ちて下部に落ちるのか、あるいは上部に残ることがあるのかについてお答えする。

・ 燃料の溶け方としては、運転中の出力密度の大きい部分から溶けていくため、炉心中央から溶けていくことになるかと思う。その中で、炉心の上部に残る可能性は低いと思うが、全く残らないかというと必ずしもそうではなく、最初は残ってしまう場合もあるかも知れない。

・ 参考資料の5ページに、残存デブリがどうなるかについて記載している。

・ まず、炉心溶融時には格納容器を守るために水を張っていくが、格納容器を守るためには、格納容器内の状況を知るために圧力計が監視不能とならない水位で注水を止めることとしており、その水位が21.5m である。

・ 残存デブリが蒸気で冷やされるというのは、格納容器を守るためには格納容器内の熱を除去する必要があり、格納容器の中の再循環ユニットで蒸気を冷やして水に戻す。

・ 蒸気を冷やすには、再循環ユニットに外から水を注入して熱交換を行う必要があり、それができるのかという観点でみると、仮に上部にデブリが残っていても発生する蒸気により、格納容器内の熱は除去できることを確認している。

・ この時点で、既に炉心は溶融し、燃料から出てきた放射性物質は格納容器内に放出されている状況であり、放射性物質放出の観点からは、燃料が全て溶けて放射性物質が格納容器内に放出された場合を考慮して計算しており、仮にデブリが残っていた場合でも、評価に影響を与えるものではなく、また、格納容器の健全性にも影響を与えないことを確認している。

(田島委員)
・ 蒸気で冷やしている以上、いずれ燃料は溶けて下へ全部落ちるという理解でよいか。

・ そうでないと、福島第一原子力発電所では溶け落ちた燃料を水で冷却している中で、ずっと残っているという話になってしまい、疑問に思うが。

・ 落下するならするとして、わずかな量だから放出される放射能も少ないということであれば、少しは納得できるかと思うが。

(関西電力:吉原 原子力安全部長)
・ 蒸気で冷やせるかということだが、残存デブリが減少してくれば蒸気で冷やすことができ、(デブリが)多いと冷やせなくなり、その部分が溶け落ちるということになる。ただ、最終的に全て完全に溶け落ちるかというところまでは言い切れない。

・ 僅かな量だけが残れば、そこで発生する蒸気により冷やされる。最終的に程度の問題かとは思うが、基本的には大部分が溶け落ちるかと思う。

(中川委員長)
・ どのようなケースを想定しているかによる。

・ 格納容器に水を張る場合は、炉心が溶融したケースと考えてよいか。LOCA の状態によると思うが、溶融する以前に(格納容器ではなく原子炉容器内に)水を張ることはないのか。

(関西電力:吉原 原子力安全部長)
・ 格納容器スプレイは、格納容器の圧力が上昇した際に散水するものであり、例えば、炉心が溶けていない場合でも、LOCA が起きて格納容器内に蒸気が放出され、圧力が上がれば散水する。

・ 今この場で説明したのはそうではなく、炉心が溶けて格納容器の下に落ちて、コアコンクリート反応の発生を防止するために水を張るものであるため、炉心が損傷した後に水を張る操作となる。

・ 通常のLOCA であれば格納容器スプレイにより格納容器頂部から散水するとともに、下部に溜まった水を再循環させることになる。従って、水をずっと張っていく状況は炉心が損傷した状態のみと考えてよい。

(中川委員長)
・ 炉心が損傷していない状態で一次冷却材系統から小規模漏えいが発生した場合においても、内圧は高いため、内部の水は比較的早く蒸発してなくなると思うが、そのようなケースの場合、格納容器に水を張るのではなく原子炉容器に注水するという手順と考えてよいか。

(関西電力:吉原 原子力安全部長)
・ 原子炉容器の中に水が張れる状況であれば原子炉容器に注水を行い、炉心損傷を防止することが第一の手順となる。

(中川委員長)
・ その場合、燃料が損傷していない状態で燃料が水面より露出している場合、水が原子炉容器の途中まで入っており、気層部は水蒸気で満たされているといったケースは想定されているのか。

(関西電力:吉原 原子力安全部長)
・ 参考資料4ページに、設計基準事故として配管破断が起きた場合の原子炉内の水の挙動を示している。

・ この図は、仮に一次冷却材系統の低温側配管から水が漏れた場合を想定しているが、この場合、非常用炉心冷却装置が作動し、原子炉容器の中に注水する。ただし、水は配管破断箇所から出て行くので、炉心の水位は一旦下がり、燃料は一時的に露出するような形になる。

・ その後、非常用炉心冷却設備による注水が開始されると、原子炉容器内の水位が徐々に回復する。その間は発生する蒸気により燃料露出部分が冷却されるため、被覆管温度が1200℃を超えない。これは、設置許可等で確認いただいている。

(三島委員)
・ 確認だが、17 ページに「原子炉容器外へ落下した場合の・・・」との記載がある。

・ つまり、水張りは炉心溶融により燃料が原子炉容器外へ落下した後に開始されるものか。それとも、それ以前に水張りを始めるのか。

・ 以前、原子炉容器下部キャビティでは全炉心が溶融して落下した場合でも、直接キャビティのコンクリート壁に接触しないように防護壁を付けたとのことであったと思う。

・ この場合は、どのタイミングで水張りを開始するのかを伺いたい。

(関西電力:吉原 原子力安全部長)
・ 格納容器に水を張る操作は、参考資料の3ページのフロー図で示すと、右下の「代替格納容器スプレイによる原子炉下部キャビティ注水・蓄水」であり、炉心損傷を判断した後、水張りを開始する。

・ 炉心損傷の後に炉心溶融が進展して、原子炉容器の下部へ落下し、更に原子炉容器が破損し、その後に下部キャビティに燃料が落下するため、その前に下部キャビティに水を張るという目的で、炉心損傷が起きた時点で水張りを開始し、原子炉容器が破損するまでに必要量の水が張れるように手順を整備している。

(三島委員)
・ TMI の事故では、冷却機能停止から炉心損傷に至るまでの時間が短く、炉心の約半分が溶融したと記憶しているが、そのような場合でも、(溶けた燃料が)圧力容器下部に溜まり、圧力容器を貫通せずに内部に留まっていた。

・ 状況によっては、炉心損傷を判断して原子炉容器下部キャビティに注水した場合、この資料で想定しているようにキャビティに溶け落ちるのではなく、圧力容器内に留まる可能性もあるのではないか。

(関西電力:吉原 原子力安全部長)
・ そのような場合に備えて、フロー図の下に示す通り、炉心注水が可能であれば、炉心損傷緩和のため、(高圧注水系などの)充てん系統により一次系への注水を行う。

・ 原子炉容器に注水できる状態であれば(格納容器と)並行して注水する手順としている。

(三島委員)
・ つまり、溶融炉心が原子炉容器内に留まる可能性もあるが、この資料の想定は、圧力容器を貫通し下部キャビティに溶融炉心が落下した場合でも、格納容器に注水して格納容器を守るという考え方ということでよいか。

(関西電力:吉原 原子力安全部長)
・ その通りである。

(釜江委員)
・ 資料の23 ページに耐震サポートの資料があるが、基準地震動が700 ガルから856 ガルへと2割程度上がっている。

・ 最大加速度だけで単純に議論はできないかもしれないが、大飯は建設時以降耐震バックチェック等により基準地震動が上がっていると思う。

・ 一般には、2割程度では耐震補強等はそれほど必要ないとも思えるが、建設当初からの経緯もあり、耐震補強等を実施しているものと思う。

・ 基準地震動に対する設計上の裕度について、設計当初と合わせる、またはそれ以上に設定したことで、設備機器の1200 箇所に対して耐震サポートを設置する形でフィードバックされたと思う。

・ 一般の方が見ると、2割程度地震動が大きくなっただけで、これほど補強しなければいけないのかという点も気になるところであり、設計上の裕度の関係も含めて説明していただきたい。

(関西電力:小江 プラント・保全技術グループ マネジャー)
・ 設備機器の耐震裕度については、特定の値で裕度を決めているわけではないが、基本的には基準地震動に対してぎりぎりではよくないということで、将来の不確定な要素も含めて、十分に裕度を確保するという考え方で対応している。

(釜江委員)
・ 地震動は上がっているが、設計当初から与えられている裕度を落とすとか落とさないとかについても意識しながら、当初から設定した値もしくはそれ以上という形で1200 箇所を補強したという理解でよろしいか。

(関西電力:小江 プラント・保全技術グループ マネジャー)
・ そうである。

(中川委員長)
・ 結局、耐震上の裕度というのは、2割程度あるということか。

(関西電力:小江 プラント・保全技術グループ マネジャー)
・ 基準地震動に対してぎりぎりに設定しているわけではないので、少なくとも2割以上は裕度があると理解いただきたい。

(西本委員)
・ 参考資料14 ページの重大事故発生時の注水設備について、設計基準事故対象設備である各注水ポンプの容量と、重大事故等対処設備で今回追加的に設置したポンプの容量を比較すると、設計基準事故対象設備をカバーできるような能力になっていないが、この能力で十分に事故を防止できるのか。

(関西電力:吉原 原子力安全部長)
・ 設計基準事故対処設備と重大事故等対処設備を比較してということであるが、設計基準事故対処設備に求められる要求内容としては、例えば、格納容器スプレイポンプや高圧注水ポンプ、余熱除去ポンプで言うと、LOCA が発生した場合に燃料を損傷させないことが要求事項であり、早期に大量の水を注水する必要がある。

・ 重大事故時対処設備については、炉心を損傷させないという目的と損傷させた後に除熱をして大量に放出させないということがあり、その観点からは、この容量で十分足りるということである。

・ それぞれ必要な容量に対して十分であるということは解析で確認している。設計基準事故対処設備の場合、燃料の被覆管の表面温度が1200℃を超えてはならない等、要求事項が厳しいため、容量が大きくなっている。

・ ポンプについても、海水ポンプは重大事故等の対処に使う設備以外にも通常運転時も冷却水を供給していることもあり、大容量ポンプの容量を考慮しても、重大事故等に対して必要最低限の容量は満足している。

・ それぞれの容量については、重大事故の防止、発生後の対応というものを考慮した上で、必要な容量を満足するという観点で設置をしている。

(西本委員)
・ 追加的に配備した設備は、その対象としている事故が異なり、非常にシビアな事故に対しては、これだけのポンプ容量で十分であると理解してよいか。

(関西電力:吉原 原子力安全部長)
・ そうである。

(中川委員長)
・ 事故後、電源が確保できている状態において、炉心を冷却する必要がある場合、海水ポンプが使用不可となった時に、大容量ポンプにより海水を送って非常用炉心冷却系が働くようにできるのかという点に関しては。

(関西電力:濱田 発電グループ マネジャー)
・ 基本的に電源がある状態で海水ポンプが動作せず、最終ヒートシンクが喪失した場合の手順としては、蒸気発生器への給水による炉心の冷却や大容量ポンプを使った自然対流冷却という手段を整備している。こちらの手段で炉心の冷却は十分に可能であり、格納容器を守ることも可能である。

・ 海水ポンプがない状態で大容量ポンプを使用して非常用炉心冷却設備を回せるかということについては、現在はそういう手順を整備していない。

(中川委員長)
・ その容量がないということか。

(関西電力:濱田 発電グループ マネジャー)
・ 海水ポンプが喪失した場合には、大容量ポンプでは全ての非常用炉心冷却設備を冷却することはできない。

(中川委員長)
・ 別の手段で炉心冷却を考えるということか。

(関西電力:濱田 発電グループ マネジャー)
・ そうである。別の手段により炉心冷却は可能である。

(山本委員)
・ 参考資料6ページに過酷事故計装の話があり、研究状況のところに、実機への適用を視野に実証試験を進めているという微妙な書き方をしてあるが、今後、実機に入れるとすれば、いつから実施する予定か。

(関西電力:牧田 電気設備グループ リーダー)
・ 特定重大事故等対処施設の工事計画認可後に実機に据え付ける考えである。

(山本委員)
・ ここにははっきりと書かれていないが、実機の既設計器との交換ではなく、追設するという形で過酷事故対応機器を備え付ける予定だと理解してよいか。

(関西電力:牧田 電気設備グループ リーダー)
・ そうである。

(田島委員)
・ 構造物の補強箇所について、以前現場でいくつか確認した際、太い管には補強工事を実施してあるが、細い配管は補強がしてなかったように感じた。

・ 補強の仕方としては、太い管と細い管による特徴はあるのか。

(関西電力:小江 プラント・保全技術グループ マネジャー)
・ 配管は太いか細いかにより、支持構造物を選定するが、細い配管については、耐震対策として元から必要以上にかなり大きな支持構造物が付いている。

・ 地震時には、当然、慣性力により細い管よりも太い管に対して大きな地震力が作用する。細い管については元々耐震上の余裕があり補強の必要はない。

(三島委員)
・ 資料の27 ページにある3、4号機用緊急時対策所のレイアウトを見ると、かなり細長く途中に扉があり、本部長等がいる部屋と保修班等の各担当の部屋が仕切られている。

・ 緊急事態では、情報共有や指揮命令といった流れがかなり重要だと思うが、このレイアウトでそれらに支障はないのか。何か工夫をされているのか。

(関西電力:佐藤 大飯発電所 原子力安全統括)
・ 結論から言うと、訓練等を実施した結果、このような形で問題があるとは考えていない。

・ レイアウトに関しては、様々な議論があり、姉妹交流をしているフランスの発電所に見に行ったこともある。また、航空会社や浜岡発電所の事例も見に行った。

・ 様々なやり方があり、意思決定の部屋を別に設置する会社もあれば、大広間に設置する会社もあり、メリット・デメリットがそれぞれある。

・ 我々の場合、たまたまこのスペースを利用するということで、検討した結果このようになったわけではないが、(このレイアウトの場合、)本部長を、本部長レベルでない議論に煩わせないというメリットもある。

・ 指揮命令系統を明確化し、どのような情報を本部長に上げるべきか、あるいは、班長レベルで判断すべきかについて、マニュアルで定めている。

・ そのマニュアルで運用したところ、この形で上手く働いていると我々は評価している。

(三島委員)
・ 国内の様々な指揮所を見ると、広い部屋で一堂に会しているところが多いように思う。

・ また、確かに、フランス等では、狭い部屋に幹部が集まり、広い部屋で様々な情報を収集するようになっているところもある。

・ どちらがよいというわけではないが、情報伝達に支障をきたさないような工夫が必要ではないか。

・ 特に指揮命令で右往左往しているときには、出入口が混雑すると思うので、訓練等を通じて、資機材や人の流れ、指揮命令の方法等を検証し、必要ならば改善していっていただきたい。

(関西電力:佐藤 大飯発電所 原子力安全統括)
・ 今後、改善していく。

(中川委員長)
・ これまでの訓練で、情報の伝達において特に問題は発生していないのか。

(関西電力:佐藤 大飯発電所 原子力安全統括)
・ 現状で、大きな問題は起きていない。

・ 情報のやり取りの中で、口頭の伝達では消えてしまうため、必ずメモにするようにしており、班長から副本部長までは必ず文書で報告することを徹底している。

・ もうひとつ、電子ホワイトボードを使用して、隣の部屋や中央制御室との情報共有を行っている。

・ トラブルが発生した場合、中央制御室においては白板に情報を記載していくが、大飯発電所の場合には、電子ホワイトボードに記載することで、本部長の部屋から、中央制御室で何を書いたか把握できるという情報整理の工夫も行っている。

○関西電力㈱より、資料No.1-2 について説明

(三島委員)
・ 複数サイトの同時発災については、前回の説明では、それぞれのサイトが独立して耐えられるような体制になっているということであった。

・ 事業本部の対応を考えると情報が輻輳し、混乱するのではないのかということで、今回、新たに複数サイトが発災したときの事業本部の体制を整えられているという説明であったと理解した。

・ 以前、単独サイト発災時の防災訓練の様子を見させていただいた時に、情報が飛び交い、誰がどちらに指示や連絡を行ったのか等が分かりにくくなっており、絵に描いたように綺麗に整理されるわけではないような気がする。

・ 複数サイトになると、なおさら情報が輻輳すると思うので、複数サイトの発災を想定した訓練を実施して、どこか不都合がないか、改善すべき点はないか等について確認していただきたい。

(中川委員長)
・ 訓練の計画はあるのか。

(関西電力:吉原 原子力安全部長)
・ 我々としては、来月に訓練を実施したいと考えている。

(山本委員)
・ 新知見の収集と反映に関して、非常にしっかりした仕組みを作られていると理解した。

・ 一方、本日説明を受けた知見や海外情報は、基本的に、原子力発電所もしくはそれに類似するものに関する知見を収集するという仕組みであり、例えば、外的ハザードなどを考えると最初の情報というのは、おそらく原子力分野ではない分野から発信される。
・ その意味では、もう少しアンテナを広く張る方がよいのではないか。
・ もうひとつ、知見というものは最初から確実なものが得られるわけではなく、年月が経っていくうちに次第に確度が上がっていくという性質がある。

・ 東京電力の福島第一発電所事故では、津波に関して、当時はある程度不確かな情報が得られていたが、それに対して意思決定が十分に早くできず、結局、事故を防ぐことができなかったという経緯であった。その意味では、まだ情報として確かではない知見が得られた場合に、例えば経営判断としてどのような形で対処するかという検討の仕組みを、既に持っているかもしれないが、もしその仕組みがないのであれば、今後、社内でそのような仕組みを作られるとよいのではないか。

(関西電力:日下 発電グループ マネジャー)
・ 確かではない知見に関して、早い段階では、10 ページに記載があるようにメーカ情報等もあり、そこから得た情報を迅速に検討するということも実施している。

・ いただいた意見を参考にさせていただきたい。

(中川委員長)
・ 今の意見に関して、三島委員からもコメントをお願いする。

(三島委員)
・ 新しい知見については、山本先生のご意見の通りである。例えば熊本地震の場合、熊本地震を反映して規制のやり方を見直すべきではないのかという意見もあり、規制庁で様々なことが検討されて、これは新しい知見ではないと判断されたと伺っている。

・ 一般的に考えると、新しい知見というのは、本当に信憑性のある新しい知見か、それとも既に考えられていることで、事実が付け加わったようなことなのかどうかということである。

・ その判断は難しい面もあるが、専門性を持って判断するべきことである。問題は、本当に新しい知見があった場合に、それを迅速に経営判断として安全対策に取り入れられるかどうかである。

・ 東京電力の場合はそのような知見があったが、その取扱い(確認と判断)に少し手間取ったと聞いている。

・ 新知見と分かった場合には、できるだけ迅速に現場の安全対策に反映することが重要である。

・ 資料にINSS の名前があるので補足するが、INSS では海外情報等の分析を行っている。一次情報としては、玉石混交で様々な情報が4000 件程度ある。その中からふるい分けた数百件の情報を、メーカからの情報も含めて分析した結果、重要な内容につては年間10件程度の提言、それ以外の有益な情報については参考情報として、電力会社に渡している。

・ これらは、JANSI のPWR 海外情報検討会で検討され、現場に反映するべきことであれば、提言として取り上げるといった手順を踏んでいる。

・ 先程の山本先生の意見の中にアンテナを高くすることが重要とあったが、福島第一原子力発電所事故以前であれば、単純な労働災害等、原子力の安全対策には直接関係がないとしてふるい落としていた情報でも、事故後は、もしかすると安全文化の劣化に繋がるような事例ではないのかとの観点から、掘り下げて分析するように心掛けている。

・ 特に、福島第一原子力発電所事故以降、深層防護の脆弱性に関係すると考えられるような事象については、取りこぼしのないよう注意して情報分析を行っているところである。

(田島委員)
・ 総合的な意見であるが、今日の関西電力からの報告は非常に総合的で、この委員会としての審査も終わりに近づいているのではないかという気がする。

・ 今、山本先生や三島先生が言われたとおり、東京電力の話があって、私も昨年の8月31日の会議以来ずっと言い続けており、元原子力規制委員長代理の島崎氏や大阪府立大学名誉教授の長沢氏を招へいすべきであると前回の委員会でも発言した。

・ このことは昨年の8月31 日以降、何度か取り上げてきたが、前回の委員会以降、7月1日の朝日新聞にも「過小評価と確信、指摘続けなければ」との島崎氏のインタビューが大々的に出ている。

・ 7月2日には日刊県民福井の「島崎邦彦氏に聞く」として、「規制委「再稼働ありき」」の記事が出ている。また、同紙の7月17 日~20 日の3回に分けて「くすぶる火種~大飯原発と地震~」として島崎氏の意見が掲載されている。

・ 皆さんもご存じのようにこの島崎氏の意見に反論する専門家もいないが、逆に支持する専門家もいるわけである。このことは、7月2日の日刊県民福井に非常にこの問題が簡潔に書かれているが、今日はその話はやめる。

・ 今、東京電力の旧経営陣に対する原発事故の責任をめぐる裁判が始まっているが、今話にあったように、長期評価に基づく15.7m の津波の試算結果を終えていたにもかかわらず、長期評価の信頼度がやや低いとして、津波対策を怠ったものである。

・ もし、今、東京電力の事故の教訓を活かすとすると、山本先生や三島先生が述べたように、この島崎氏の主張を真摯に受け入れて、彼が主張する基準地震動1550 ガルを超える値にすべきであると私は思う。

・ ところが、7月20 日の日刊県民福井に報じられているように、規制委員会の田中委員長は、7月6日に高浜町で開かれた町民との意見交換で、「私は動かすに足るという許可は出しているが、動かすかどうかは国であり、地元住民の判断だ」と述べている。

・ この発言は、もはや規制委員会が基準地震動を再検討するという可能性はないことを意味している。

・ この専門委員会が、私は再起動に対する最後の機会だと思うが、前の委員会でも、島崎氏と長沢氏の招へいを要請していたが、新聞記事の中にある委員長の発言によると、要請はしないという話であり、この委員会でも両氏を招へいすることはないだろうと思う。

・ もし、このまま再稼働を容認した場合、これだけ新聞に取り上げられており、明らかに多くの人々が大飯3、4号機の再稼働に疑問を抱き続けることになると思う。

・ 大飯の議論は、最終に近いと推測するが、今日、できれば他の委員にも、このまま再稼働を認めていいものかどうかを聞いていただきたい。

・ あと他に4つほど質問があるが、時間がないため後にさせていただきたい。

(中川委員長)
・ 大飯発電所の基準地震動に関しては、私はもう決着済みと考えている。

・ 島崎氏の提案に対しては、規制庁の再計算、熊本地震動を元にした評価を考えれば、入倉・三宅式で特に矛盾はないと規制庁から報告を受けている。

・ 規制庁からの報告と、入倉先生自身が出している結果がよく整合しているということで、熊本地震の地震動評価の方法を見直す必要はないというのが規制庁の見解であり、かつ、我々もその内容について説明を受けている。

・ これは、前回の6月の専門委員会においても説明を受けており、特に見直す必要は私としては感じていない。何か違う意見があれば、それを聴取すべきだということも考えていない。

・ ただ、委員会として、田島先生以外の委員の方からも何かご意見があればお聞きしたい。

(三島委員)
・ 私も前回の委員会でその議論が出たときに、入倉先生の計算方法はいくつかの手順を踏んで行っており、その手順の中で定義されている変数や式を適正に扱わない場合、とんでもない値になるという、これは工学的な話の中でよくある話であるが、その辺りのことを確認した。

・ 少なくとも規制庁や関西電力の地震動評価が、入倉・三宅式を使った手順を正確に踏んでいるかを質問したところ、想定された手順や定義通りの数値を入れて評価していることは規制庁として確認したということであった。

・ 私としては、その回答が正確だとすれば、今の規制庁の結論は科学的に見て不合理な点はないと思う。

(釜江委員)
・ 私もこの関係の専門家として、臨時委員として出席しているが、この議論は熊本地震の前から、特に島崎先生は見直しが必要だという話があった。

・ 特に、断層モデルを使った地震動予測は、レシピという地震本部が提示して全国の断層に対して適用している方法の中にある方法論を推奨するという形となっており、事業者も当然それに基づき評価している。

・ 詳細は省略するが、島崎先生が言及している入倉・三宅式、これは断層面積と地震モーメントという規模との関係式だが、それ自身が非常に過小評価だとして、いくつかの他の式を提示し、過小評価の程度を説明されている。

・ 今、委員長からも話があったが、規制庁からも前回報告があったが、その後、熊本地震に対しても震源断層面積と地震モーメントの関係は非常に整合するということで、入倉・三宅式は科学的に問題ないことは、島崎先生もその後お認めになられている。

・ ただ、最近の論調では、使い方が問題だということを指摘されている。

・ 確かに震源断層は地中に埋もれており、我々が見て分かるのは地表付近の活断層だけであるが、原子力の枠組みの中では、それらについて様々な調査方法を駆使して、地下の3次元的な断層を調べている。

・ 当然把握できないところは不確かさを考慮し、より大きな地震動になるようにという、そこは少し今後議論しなければいけないところではあるが、少なくとも震源断層を、特に震源が近い場合には、より大きく取るということで、不確かさのレベルはその場の様々な状況を基に、総合的に判断されている。

・ 規制庁も島崎先生自身が試算された時に、当然、地震発生層を浅くすることや3連動にすること等、様々な不確かさを重畳した形で実施されており、それが含まれることで入倉・三宅式そのものが問題ではないため、私自身も熊本地震を踏まえた知見を受け、これまでのレシピの開発に携わってきた者としても、特に3連動を想定した検討用地震に対しては、その地震動評価において過小評価をしているということは、今は思っていない。

・ 少なくとも規制委員会が取り組まれたことに対しては特に問題ないだろうと思っている。

・ 今後、積極的に断層調査など様々なことを継続的に実施していくことが重要だと、現状では思っている。

(中川委員長)
・ 入倉・三宅式以外の竹村式を使った計算の結果としては、断層の長さと想定される深さをかけた全断層面積よりも大きくなるという矛盾を示している。つまり、そのような式を、現状でこの予測に使うには熟度が上がっていないということを規制庁も言っている。

・ また、その計算に関して、島崎先生自身が計算そのものは正しいという言い方をしている。

・ もうひとつ、言われているのは、例えば海底の断層の調査が不十分だということと、深度の深いところでの地質状態、断層の状態などが不明確だということも言っており、それがもとで現在の地震動評価は過小であるという話になっているだのと思う。

・ 既に起こった地震、地震動に関しては、入倉・三宅式で強震動領域での評価に対して大きな違いは出ておらず、大体うまく説明をしていると私は考えている。

・ 起こっていない地震の予測にそれを使ってよいのかというところが論点だろうとは思うが、今、ボーリング関係で地下状態を調べるのは1km が限界である。

・ また、地震波などによりもう少し深部まで断層の状態は分かると思うが、それも限界がある。50km よりも深い部分は、断層としては別の意味で普通対象外となるのだが、50kmまでの地下の状態を正確に調べるというのは現在の科学では現状、多分不可能である。

・ その意味で、断層の地表に表れている部分と、今1km くらいまでのある程度の深さまではボーリング等で、それより深い所は地震波観測等のやり方で調査し、深さ数km の部分までは分かっても、それより深い部分は現状では分からない。

・ このため、地震動というのは予測できないということも、ある意味では本当だろうということになる。

・ 規制委員会としては、様々な状況を考えて、これまで起こった様々な地震動も考慮に入れて常に十分に安全側に基準地震動を設定するということで、断層を仮定した。

・ 大飯の場合、3つの断層の3連動を仮定して地震動を評価する。更に、具体的な断層を仮定せずにこれまで日本各地で起こっている地震動をモデルにして地震動評価を行っている。

・ それらの中で最大のものを基準地震動として採用しているという方法をとっており、その考え方は現状においては、妥当だと考えている。

・ その意味で、地震動が過小評価である等の意見があるからといって、それをすぐにこの委員会で取り上げることは考えていない。

・ 規制庁、規制委員会において評価されていると考えている。しかし、委員の中でそのような意見が多くなれば、それは別の扱いが必要になるかもしれない。

(田島委員)
・ 今の委員長に反論すべき箇所があるがもう時間がないということで、あと2つの点について質問したい。

・ パブリックコメントで規制庁の考え方を読むと、震源を特定せず策定する地震動というのがある。

・ これは以前高浜の審議の際にも質問したが、これを読むと「震源の位置も規模も推定できない地震などでないから対象外とした」と、ここをちょっと読んで改めて疑問を感じた。

・ 震源の位置も規模も推定できる地震であっても、最大加速度が極めて大きい1699 ガル、これは新潟県中越沖地震だが、これは非常に重要視していいのではないか。なぜ推定できない地震でないから対象外とした、推定できる地震は対象外とするのか、おかしいではないか。

・ 私は1700 ガルを基準地震動にすれば、島崎氏の主張も考慮することになって非常にいいではないかと思うが、規制庁はどのように考えているのか。

(原子力規制庁:西村 地域原子力規制総括調整官)
・ 震源が特定できる地震動については、特定したところからどれくらいの地震モーメント等が発生するかというのを算出し、基準地震動を求める。

・ ご指摘の新潟の地震の1700 ガルという値は、地表面での地震動のことではないかと思う。基準地震動というのは固い基盤面(解放基盤面)でのものであり、地表面でのものではない。

・ 審査の中では、基準地震動を踏まえ、地表面においてどれだけの震度になるかを評価して、それに耐えるということを確認している。

・ このように原子炉施設の受ける地震動は、場所の状態や震源からの距離により、大きさが違うため、ここでこれだけの地震があったから一律にそれを適用すべきという考え方は当てはまらないと考えている。

(田島委員)
・ この規制庁の説明を見ると全然そういうことが伺えない。

・ 再検討する意図はないのだと思うが、もう時間がないからやめる。

(中川委員長)
・ 地震動というのは観測地点によって、実際に観測される地震動は非常に大きく変わるため、そこを混同されると非常にややこしい話になる。

(田島委員)
・ それならば、そういうことを書いてくれたらよいのだが、全然書いていない。

・ 次の質問は非常に腹立たしく感じているが、放射性物質の拡散防止のシルトフェンスについて。パブリックコメントにおける規制庁の答え方は、シルトフェンスを海底に張ることによって低減効果があると書かれている。

・ これは、以前の委員会で、シルトフェンスの効果は50%であるためどんどん出ていくことになり使えないとしていた。従って吸着剤を排水路に配置するという話だったが、規制庁の回答にはそのような記述が何もない。

・ 審査書をみると4行程度で、シルトフェンスを海底まで張って問題ないと書かれている。審査書の349~352 ページをみていただきたい。

(中川委員長)
・ シルトフェンスについては、おそらく50%と言っているのは、これは福島沖でのシルトフェンスのデータであり、大体2分の1になっているということが基になっているはずである。

・ 福島沖の海域では、シルトフェンスの内側だけではなく、シルトフェンスを張った時期がかなり遅かったため、内側だけではなく外側にも既に出ているという状況である。それでもシルトフェンスの効果としては50%程度になるというデータである。

・ 現状、信頼できるのは、2分の1程度であるが、いわゆるシルト化したセシウム137 は90%以上の確度でシルトフェンスに引っかかる。従って、いわゆる抑制効果はあるが、それでは足りないため、できるだけ海へ流れ込む前にゼオライトを使って除去しようということが我々の考え方になっている。そのように考えていただきたい。

(田島委員)
・ パブリックコメントの3ヶ所に核ミサイル攻撃の話が出ている。

・ 本日もミサイルが発射されたが、考え方をみると核ミサイル攻撃にも対応できるように現在行っていると書かれてある。

・ 常識的に考えて、核ミサイルで一発でやられて、どう防御できるのかということは考えられないが、このようにできていると書くことがおかしいのではないのか。

(中川委員長)
・ 核ミサイル攻撃を受けた場合は、原子炉が潰れようが潰れまいがほとんど関係はない。

・ ただし、通常の兵器としてのミサイルが撃ち込まれた場合に、原子炉が潰れるということに対しては非常に重大な影響が出る。

・ その対応としては、規制委員会としては、位置を特定されない場所にいわゆる電源、水源、それから放射性物質の抑制装置、そういったものを備えた特定重大事故等対処施設を作って、対応するということになっている。

・ ミサイル防衛に関しては我々の課題ではなく、むしろ国の防衛の問題であるので、それはしっかり対応していただきたい。

・ また、現在のミサイルの命中度が、原子炉の大きさレベルであるのかという問題ももちろんある。

・ 従って、両方のリスクがあり、他の場所へ撃ったミサイルが原子炉に当たってしまうということもあり得るためリスクとしては様々あるが、それ等に関しては我々の委員会では対応し難いと考えている。

(原子力規制庁:西村 地域原子力規制総括調整官)
・ ミサイル攻撃に対して発電所が耐えられるのかという評価は行っていない。

・ これは事態が違うため、武力攻撃事態対処法や国民保護法等によって対処することになっている。

(中川委員長)
・ 大型航空機の墜落といったタイプの事故に対しては、様々な墜落の仕方があり、それに対しての影響評価は行っている。

・ 我々としては、福井県下の原子力発電所の安全性を現在の科学的根拠から捉えることが主であり、その視点で引き続き行っていきたい。

・ 最後に規制庁に伺いたい。

・ 今月25 日に大飯3、4号機の工事計画認可が出された。まだ、保安規定等の審査が続いているが、この点についてご紹介いただけないか。

(原子力規制庁:西村 地域原子力規制総括調整官)
・ 8月25 日夕方、大飯3、4号機の工事計画を認可した。現在、保安規定の変更のための審査を行っているところである。

・ 今残っていることは、保安規定変更認可であるが、この先の予定はまだ把握していない。

・ また、工事計画が認可されたので、今後、使用前検査を厳格に行っていくことになる。

(三島委員)
・ 今の審査について。高浜3、4号機の工事計画に関する説明の際も確認したが、規制基準を満たすべく、ある考えを基に設計し、それに対して安全確保の観点から審査をしてきたのだと思う。

・ 設計の考え方や安全審査時の議論の内容や安全確保の考え方等が、既設工認や保安規定等にしっかり引き継がれる体制で審査が行われているのかどうか確認したい。

(原子力規制庁:西村 地域原子力規制総括調整官)
・ 工事計画の審査体制は、設置変更許可が新規制基準に適用しているかという確認をしたときの体制から、基準地震動関係の担当者を除いた残り全員が関与している。

・ また、審査時には、常時、研究部門からも専門家に入ってもらい、審査を行っているので、許可時の考え方がそのまま踏襲される仕組みである。

・ また、保安規定についても、全員ではないが同様に審査チームの中に入っていた者が、そのまま審査しており、設置変更許可の考え方が工事計画や保安規定に引き継がれていることを確認できる体制になっている。

(中川委員長)
・ 本日は、関西電力から安全性向上対策の実施状況についてハード・ソフト面、両面から特に大飯発電所を中心にして説明をいただいた。

・ 委員からは様々な意見があったが、いただいた意見としては、燃料が破損した場合の格納容器への水張りに関する意見に対しては、燃料の安定性と燃料が破壊された後の問題について説明を受けた。燃料棒が既に破損しているというケースでは、燃料棒の上部が格納容器の21.5m まで水張りした時の圧力容器の中の水面より上に出ているという可能性は非常に低いだろうという説明であった。

・ ただし、燃料棒が破損するということは既に重大事故であり、原子炉としては燃料棒の破損を最大限避けるという手順の整理、例えば大LOCA 等大きな破損事故があった場合においても燃料棒を冷却することと、燃料棒の冷却よりも格納容器の破損を防止することが競合関係となると考えられる。

・ これらは、水張りのスピードといわゆる燃料棒の温度上昇のスピードの関係になってくるが、関西電力としても、十分検討していると思うが、燃料棒を守ることが一番重要であり、また、今後説明していただきたい。

・ 耐震サポートの裕度については、2割程度以上の裕度があるという説明であった。注水とポンプ容量の関係についても質問があり回答をいただいたが、海水ポンプが使えなくなるということが非常に重大な問題であるということを改めて認識した。

・ 原子力発電所の安全性という観点からは、電源が確保されるということが最重要であり、さらに本日の議論においても出てきたが海水ポンプの安全性が加われば、これは通常の停止操作を使って原子炉を安全に保つことができるということになる。大容量ポンプを使っても追いつかないということがあるので、海水ポンプの保護のために本日報告された様々な工事が行われているが、これらがうまく効いてくればよい。

・ 指揮所のレイアウト等、特に事業本部での対策所に関しては、今後複数サイトの発災に関しても訓練を実施するということであり、また様々な課題を出していただきたい。

・ 情報・知見の収集に関しては、原子力発電所関係だけではなく広い範囲からハザードという観点からアンテナを広く取っていくべきである。それから、その知見の確実性を検討していく仕組みが是非必要であり、すでに実施しているのであろうが、強化していく必要がある。

・ このような知見の獲得、活かし方は安全文化そのものに関係しているので、あまり形式的にならず常に真剣に取り組んでほしい。

・ 最後に、田島委員から、何点か指摘事項があった。地震動の問題、ミサイル等の問題、これらについて指摘されたが、また、議事録に反映されるので、そちらを読んでいただきたい。

以 上

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