9/19火山灰で原子炉冷却不能か 美浜、大飯など適合5原発/審査後に判明【中日新聞・朝刊3面】

火山灰で原子炉冷却不能か

 美浜、大飯など適合5原発

   審査後に判明

2017年9月19日【中日新聞・朝刊3面】

原子力規制委員会の審査に適合した関西電力美浜3号機、大飯3、4号機(いずれも福井県)など五原発八基で、周辺の火山が大規模噴火して原発の外部電源が失われた場合、非常用ディーゼル発電機が使えなくなる可能性があることが、規制委などへの取材で分かった。最悪のケースでは原子炉が冷却できなくなる恐れがある。

 

噴火時に想定される火山灰濃度が従来に比べ最大百倍程度高くなることが審査後に判明。電気事業連合会によると、五原発では、発電機の吸気フィルターが目詰まりせずに機能を維持できるとされる濃度の上限を超えている。

東京電力福島第一原発事故では非常用発電機が作動した6号機は、5号機とともに冷温停止。一方、津波で電源が失われた1~4号機では炉心溶融や水素爆発が起きた。

五原発八基は他に九州電力川内1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方3号機(愛媛県)、九電玄海3、4号機(佐賀県)。

規制委は、原発に影響する火山灰濃度の基準を現行より最大百倍程度高く見直すことを決めており、電力各社は、高性能フィルターへの交換など対応を求められそうだ。

この見直し基準を基に、電事連は噴火時の火山灰について、フィルターを交換するなど現状で対応可能な濃度と、大気中一立方メートル当たりの実際の濃度を試算。二つの濃度の差が大きく、より目詰まりの可能性が高いのは、伊方3号機(対応可能濃度約0・七グラム、実際の濃度約三・一グラム)や玄海3、4号機(同約0・九グラム、同約三・八グラム)で、差が小さかったのは大飯3、4号機(同約一・一グラム、同約一・五グラム)などだった。

規制委によると、美浜3号機の審査で二O一六年八月、事実上の適合証「審査書案」を了承後、当時の基準より約十倍高い一九八O年の米セントヘレンズ山噴火の濃度を採用すべきだとの意見が寄せられた。その後、専門家の指摘を受け、一七O七年の富士山の宝永噴火などを基に試算し、さらに最大百倍程度の濃度になると判断した。

(表) 原発に影響する火山灰濃度

※電気事業連合会による

想定される火山灰濃度 発電機フィルターが対応可能な濃度
(1律法メートル当たり)  (同左)

美浜3号機(福井県)    約1.8グラム 約1.6グラム
大飯3、4号機(福井県)  約1.5グラム 約1.1グラム
伊方3号機(愛媛県)    約3.1グラム 約0.7グラム
玄海3、4号機(佐賀県)  約3.8グラム 約0.9グラム
川内1、2号機(鹿児島県)   約3.3グラム 約1.0グラム

カテゴリー: 福井県原子力安全委員会, 関西電力, 再稼働 タグ: , パーマリンク