9/28柏崎刈羽、事実上の適合 東電、事故対処費 備えなし/ 実態は「破綻」国民負担増す恐れ【東京新聞・核心】

柏崎刈羽、事実上の適合

 東電、事故対処費 備えなし

   実態は「破綻」国民負担増す恐れ

2017年9月28日【東京新聞・核心】

原子力規制委員会は東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)について、新規制基準に事実上「適合」との判断を示した。福島の原発事故を起こした当事者である東電に原発の運転を許すものだ。万一、柏崎刈羽原発で新たな事故が起これば東電に対処できるのか。その論点が置き去りのまま、再稼働に向けた手続きが進んでいる。 (宮尾幹成、山川剛史)

・支援

表面上は黒字化した東電だが、国民負担による支援がなければ、実質的に破綻している。

政府の試算では、福島事故故に伴う損害賠償や除染費用は計一一・九兆円。東電の負担が原則だ。厳しい廃炉作業や、除染で出た汚染土壌の中間貯蔵費も合わせると、二十一兆五千億円に上る。

被害者への賠償も、東電は自力ではできていない。政府が金融機関から融資を受け、政府と電力各社などが共同設立した「原子力損嘗賠償・廃炉等支援機構(原賠機構)」を通じ、資金を融通している。その資金の利子は国民負担だ。

東電は利益から少しずつ返済しているが、単独では追いつかず、原発を持つ他の電力会社なども負担。当然、電気料金を押し上げる要因になる。

 ・兆円

規制委がどんな結論を出そうと、柏崎刈羽原発が立地する新潟県は「福島事故の検鉦が終わらない間は再稼働の議論はしない」(米山隆一知事)と明言し、向こう三、四年は地元同意が得られず、再稼働はない。

その後、柏崎刈羽が再稼働し、新たな重大事故が起きたらどうなるのか。

どの原発でも、千二百億円の保険をかけている。巨大な天災による事故ならば保険料は政府が支払い、運転ミスなどによる事故は、損害保険各社でつくる「日本原子力保険プール」が支払う。

だが、原発がもつ潜在的な巨大リスクは、福島で実鉦済み。もしも重大事故が起きれば、被害額は億円単位ではなく、兆円単位になる可能性が高い。

千二百億円を超える被害が出たら、東電はどう対応するつもりなのか。担当者に聞くと、それ以外に特別な積立金などはないと言い、「法律に基づき、保険金を超える分は原賠機構支援を求める」と説明した。

 ・請求

原賠機構の定歎を読み直し、機構にも確認すると、福島事故に対応するため急きょ設けられたものの、仕組み自体は福島に限定してはいない。新たな原発事故が起きれば、事業者を問わず、この仕組みは使える。

問題になるのは、やはり資金で、機構を通じて出入りしているのは、福島対応のためのお金だけ。機構や経済産業省に取材しても、新たな事故に使える資金はない、と率直に認める。

機構の仕組みを再び使う事態となれば、原発を保有する電力各社に支払わせているお金を大幅に増やすしかない。結局、その原資は電気料金を通じ、国民に請求されることになる。

 

東京電力柏崎刈羽原発を巡る動き

2011年3月11日 福島第一原発事故が発生

13年7月5日   広瀬直己・東電社長(当時)が新潟県知事に『現時点での安全性がどれくらいかを確かめてもらうのが、今回の審査申請」
↓8日 原発の新規制基準が施行。電力各社が申請

9月27日 東電が、6、7号機の審査踏を申請

17年9月27日 規制委が、新基準に「適合」するとした審査書.案(「東電に原発運転の資格あり」で既に一致)

一ヶ月間の意見公募実施

年内 審査書を正式決定へ

米山隆一知事 新潟県
福島事故の検証に3、4年かかる。終わるまで再稼働の議論はしない

再稼働

 

(図)柏崎刈羽原発 事故時の賠償問題は置き去り

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